相変わらず題名が変ですね……
「い、妹。お前が小野寺の?」
先輩は小野寺を指差してつぶやく。どうやら、まだ理解しきってないようだ。
「あ、言い忘れてました。お久しぶりです一条先輩」
「今それ言うのか!?お前、ちょっとKYだぞ」
KYだなんて失礼な。俺は今言わないといけないと思ったから言っただけなのに。
「…………そ、そういえばこの前に妹がいるって」
「近づかないでください!お姉ちゃんはあなたなんて人みたいに渡しませんから!!」
「「えぇっ!?」」
いきなりの発言に驚く一条先輩と小野寺先輩。…………もしかして、小野寺ってシスコンなのか?
「ちょ、春!何言ってるのいきなり」
「お姉ちゃん、目を覚まして!お姉ちゃんは騙されてるんだよ!」
「な、なぁ小野寺。お前ちょっと話を『黒崎君は黙ってて!!』はい」
怒られた。俺何も悪くないのに怒られた。理不尽すぎる。
「どうしたの?さっきから騒々しいけど……あれ、誰その子?」
「千棘……」
一条先輩の後ろから俺の知らない女の子が顔を出す。その人もさっきのポーラと同じですごく美人で綺麗だった。多分だけど、ハーフだと思う。
「えっ、小咲ちゃんの妹!?……へぇ〜、小咲ちゃんに妹いたんだ。ヨロシクね〜。お名前なんていうの?」
「…………弱みでも握られてるんですか!!?」
いきなりの爆弾発言。初対面の女性に弱みでも握られてるんですか?って聞ける小野寺は凄いと思った。
「弱み?えっと、なんの話?」
「だって変ですよ!先輩みたいなスタイル良くて人当たりが良さそうな女性が…………こんな見るからにダメそうな、軽薄で性格悪そうな男の人と付き合ってるなんて絶対おかしいです!!」
「こらこら!!」
「小野寺、興奮してんのか知らないけど言い過ぎだ」
俺は小野寺の頭を軽く叩く。
「痛っ、いきなり何するのさ」
「何するのさ、じゃない。仮にも先輩だぞ。もう少し言葉に気をつけるんだ」
「でもこの人は!!」
「きっと何かの誤解だ。小野寺に言い忘れてたけど、この人俺の中学の時の先輩なんだ。中学の時そんな女の人をたらし込めるような人じゃなかったぞ」
「おい、凪。それはどういうことだ」
っと、しまった。本音が漏れてしまった。
「えっと……あなたは誰?」
「あ、自己紹介忘れてました。一条先輩と小野寺先輩と同じ中学出身の黒崎凪って言います。よろしくお願いします。えっとー…………」
「私は桐崎千棘よ。このダーリンの彼女なの。ヨロシクね、黒崎君」
「はい。こちらこそ」
桐崎千棘。どうやら、この人が一条先輩の彼女のようだ。一条先輩にはどう転んでも合わない…………しまった、また本音が。
「楽様〜〜!!こちらで私とお茶などいかがですか?」
「うおっ、橘!?」
また1人女の子が来た。今度は一条先輩に飛びついて抱きついていた。この人も桐崎先輩と同じですごく美人な女の子だ。
「先輩。あなた高校に入って何があったんですか?そんなに可愛い女の子を集める特技か能力でも身につけたんですか?」
「失礼なこと言うな!俺は普通だ」
説得力がない。小野寺先輩、桐崎先輩と続きまた美人な人が来たのだから。
「な……な、何をこんな廊下のど真ん中で男の人に抱きついてるんですか!その人には彼女がいるんですよ」
「……はい?…………フッ、まだまだお子様のようですね」
そう言うと、女の人は一条先輩から体を話しこちらに向く。
「愛というのは貫くものなのです。例え彼女という障害があろうとも、愛があればどんなことでも乗り越えられるのですよ。というわけで、楽様、2年に上がったことなんですし、古くなった彼女から私に乗り換えて見ませんこと?」
「人を中古車みたいに言うな!!」
女の人はもう1度一条先輩に抱きつき、その女の人に桐崎先輩が突っ込む。
「凄いですね。あそこまでモテモテな理由ってなんなんだろう?」
「わかんないけど、元々そういう力があったんじゃないかな?」
小野寺先輩が苦笑いして言う。
「小野寺先輩もくっつきに行かなくていいんですか?」
「わ、私はそういうことは………」
まぁ、小野寺先輩がくっつきに行ったら一条先輩が倒れちゃうかもしれないけど。
「春。一条君は春が思ってるほど悪い人じゃないんだよ。所詮、噂は噂なんだからね」
「お姉ちゃん……」
小野寺先輩が小野寺に説得するように言う。
「………………でも」
小野寺は俯いてた顔を上げて言った。
「この人私のパンツ見たんですよーー!!」
その瞬間、あたりの空気が凍ったような感じに襲われた。そして、その状態が数秒続いた後
「ダーリン?それはどういうことかしら?」
彼女の桐崎先輩がブチ切れていた。
「うおぉ!誤解だ!!」
「問答無用!!!」
そして、一条先輩は空へと吹っ飛ばされて行った。
「何か凪君と帰るのって久しぶりだね」
「ん?確かにそうだな。お前は中学別に行っちゃったからな」
さっきの騒動が起こった後、俺は小野寺と別れ今は風と一緒に下校している。
「小学校まではずっと一緒に帰ってたのにね」
「あれは家が隣同士だったからだろ」
「周りから、バカップルとか今日も熱いね〜とか言われたよね」
「そうだったか?」
「そうだよ。その度に凪君がそう言った男の子達に突っかかっていったんだよ」
そういえばそんな事もあったような気がする。だが、そう言われても俺は風だけは恋愛感情で見ることはできなかった。こいつも結構可愛いのに。
「ねぇ、凪君」
「なんだ?」
「私のこと好き?」
「ぐふっ!!」
飲んでいたジュースを一気に吹いてしまった。こいつはいきなり何をいいんだすんだよ。
「いきなりなんだ?」
「聞いてみただけだよ。で、どうなのー?」
「…………それでもし俺が好きだって言ったら?」
「それはそれで楽しそうだなって思うだけだよ」
「楽しそう?なにがだよ」
「凪君には多分わからないよ」
風は時々何が言いたいのか分からない時がある。それを理解しようと思うが、理解できるのは5回に1回程度だ。たいていが理解できない。
「で、どうなの?」
「…………友達として好きだけど、それ以上の感情では見れない」
「ふーん……そうなんだ」
そう言うと、風はにっこり笑って俺を見ていた。
「な、何だよ」
「何でも」
なんで風はこんなに上機嫌なんだ?
「私は好きだけどなー」
「ぶふっ!!」
さっきよりもすごい勢いでジュースを吹いた。
「なっ!おま…………それは、どういう意味だ!」
「んー、さぁ?どういう意味なんでしょう?」
相変わらず風はにっこり笑って俺を見ていた。
「お前、何考えてんだ?」
「何を考えてるでしょう?」
「ふざけるな。そんなの考えたってわかりはしねえよ」
「せめて分かろうとする努力はしてみてもいいと思うんだけどな〜」
そんなこと言われてもわからないものはわからないんだ。と言おうとしたが今回は考えてみる事にした。
「………………本当に俺の事が好きなのか?」
「んー、どうなんだろうね?」
「……やっぱり何を考えてるかわからないけど俺はお前の事を恋愛の意味で好きになることは多分ないぞ」
これって俺はこいつの事を振ったことになるのか?ても、こいつが本心でそう言ったのかどうかわからない。そもそも、なんでこんな話をしだしたんだ?
「…………凪君」
「今度はなんだ?」
「春ともども、これからもよろしくね?」
「…………おう」
結局、風が何を考えてるかは俺はずっとわからなかった。そして、俺は風の事を改めて、とことんくえないやつだと思った。
3話目にしていきなり何してんだろう、とか思ったりしましたww
ですが、風ちゃんの何を考えてるのかよくわからない感じが書きたかったんです。
あと、風ちゃんはヒロインではありません。あくまで幼馴染ですw
感想と訂正があればお待ちしております。