残念なことにオレンジの評価がイエローに下がってしまいました。
でもそれを気にしても仕方ないですね。
それと、1つ忘れていたのですが、この物語。現在夏休みです。
あと、話をどんな感じで終わらせるかはもう決めています。
ヒロインが春と小咲という事は、皆さんも大体予想はつくでしょう。
では、どうぞ〜
「ねぇ、今日凪君の家に行っていい?」
「え、なんで?」
「いいからいいから〜。とにかくいこ〜」
「いつものごとく俺の意見は無視なのか……まぁいいけど」
涼と付き合う事になったその日の帰り道。涼が突然俺の家に来る事に。まぁ高校に入ってから何回かそういうことがあったし、幼馴染という事もあって咲も姉貴もそんな事は気にしない。
「……涼、お前何か企んでるだろ」
「なんのこと〜?」
「とぼけるなよ。俺とお前が付き合ったその日に俺の家に行くって。何かあるんだろ?」
「それは家に着いてからのお楽しみ〜」
やっぱり何を考えてるのかわからない。俺鈍感なせいなのか?……ともう家の前に。まぁ入ればわかることか。
「ただい『パンッ!!!』………へ?」
家のドアを開けるといきなり大きな音が響いた。一瞬何が起きたのかわからなかったが、何か飛んできたのと火薬の匂いがした事でそれがクラッカーだというのはすぐ理解した。
「おかえり、お兄ちゃん!」
「おかえり〜」
玄関の前に立っていたのは咲と姉貴。いつもは部屋かリビングにいるはずなのになんで今日に限って玄関の前で……
「んふふ〜。風さん、おめでとう!」
「ありがとう咲〜」
繋いでいた俺の手を離して抱き合う咲と涼。
「凪……いつまでそこに突っ立ってるの?」
「いや、その……これなに?」
「なにって……お前と風が付き合う事になったって連絡きたから、咲がテンション上がって、出迎えてあげようってなったんだよ」
「そう!今日はめでたい日だからね!今日は腕によりをかけて私がご飯作ったの!早く上がって上がって」
咲に急かされてリビングの方へ上がる涼。それに続いて俺もイマイチ状況を理解しきれてないが、とりあえずついていく事にした。
「ちょっと待て、凪」
「ん?」
と思ったが姉貴に呼ばれてそっちに振り向く。
「お前……本当にこれで良かったのか?」
「……何のことだ?」
「とぼけなくていい。私はお前が今悩んでる事も全部理解してるつもりだよ。だからこそ、聞く。お前は風と付き合う事になって良かったのか?」
姉貴が真剣な表情で俺を見てくる。姉貴には何から何までお見通しなのかな。
「…………本当に姉貴は涼と一緒で勘が鋭いよな」
「凪、昔の呼び方に戻って」
「いいんだよ。今はこれで。俺は涼の口説きに負けたんだよ。なにより……これで涼と付き合う事で今とは違う何かが見えるかもしれないしな」
俺は笑って姉貴にそう言った。
「……凪がそれでいいなら私はなにも言わない。でも、ひとつだけ言っておく。私はお前の判断が正しいとは思えない」
「えっ?」
「勘違いするなよ?私は咲と同じで風を応援してる人間だ。だから、風とお前が付き合うならそれは嬉しいことだし、わたしも応援した甲斐があったと思っている。
でもな、そういうのを関係なしに、お前の気持ちだけを考えると、それが正しいとは思えないって話だ。私はお前の周りにいる人間がお前の事をどう思ってるのかも大体理解してるからな」
小咲さんとか春とかと数回しか会ってないのにそんなことわかるとかこの人、本当に人間かよ。
「だからまぁなんだ。私に言えるのはこれだけだ。お前が決めたことだ。自分でした事にはきっちり自分でケジメをつけろよ?私からはそれだけだ」
「…………サンキュー、姉貴」
「あぁ。まぁ今はそういうことは忘れて楽しもう。せっかく咲がご飯作ってくれたんだしな」
姉貴はポンと俺の肩を軽く叩いてそのままリビングへと向かった。俺も一瞬色々考えようとしたが、すぐにやめて姉貴の後ろをついていくようにリビングに向かった。
「では!お兄ちゃんと風さんが付き合ったよ、おめでとう会ということで、かんぱーい!」
「「「かんぱーい」」」
コップに注がれたお茶を4人で打ち合ってそれを口に含む。うん、冷たくて美味しい。
「で、なんで咲と姉貴は俺が涼と付き合ったことを知ってるんだ?告白されて付き合おうと思ってからそんなに時間経ってないのに、なんでこんな豪華な食事を作ることができたんだ?」
「あれ〜?お兄ちゃん昔の呼び方に戻ってる〜。やっぱり付き合い始めた効果かな?」
「質問に答えろ、咲」
「はーい。えっとね……実は昨日お兄ちゃんには嘘をついておりました」
「嘘?」
「うん。私たち昨日泊りがけで温泉なんて行ってないの」
「はぁ!?」
「本当は私とお姉ちゃんと風さんの3人で、お兄ちゃんにどう告白するかの話をしていたのです」
「…………マジ?」
「大マジだよ、凪君〜」
俺騙されてたってこと?なにそれ。でもそう考えると今日の涼の弁当の事も納得がいく。いくら早く帰ったからといってもあれだけの食材を使った料理を短時間で作れるわけないし。
「ごめんねお兄ちゃん。騙してた事を考えると、私心が痛むよ。でもね…………最近お兄ちゃんの周りにドロボウ猫が2匹いるのを見ちゃってるから、ちょっと心が……グヘヘ」
やばいやばい。なんか咲が悪に染まったみたいな感じになってる。なにこの子。本当に俺の妹なの?
「告白するのは知ってたから、後はお昼のうちから私が料理を作って待ってた訳。風さんから連絡来た時は嬉しかったよ〜」
どこからかハンカチを取り出して、こぼれ出る涙を拭く咲。…………ん、昼から?
「ちょっと待て。もし俺が風と付き合わなかったらこの料理どうするつもりだったんだ?」
「ん?それはもちろん。私の愛情のこもった料理だから、その愛をぜーんぶお兄ちゃんに受け取ってもらおうと」
「お前、この量の料理を全部俺に食べさせるつもりだったのか!!?」
「私の愛情をたっぷりこめた料理だからね」
理由になっていない。なに考えるんだこの妹は。
「ねぇねぇ凪君〜」
「ん?どうした、涼」
「私たちが付き合ってる事、春たちには言うの?」
「んっ!!」
涼のいきなりの質問のせいで口に含んでいる料理を吹き出しそうになる。
「お前!いきなり!」
「でも、どうするか決めないと〜」
「……確かに」
どうしよう。春や翔太。小咲さんや一条先輩言うべきなのかな……舞子先輩?あの人にバレたら即学校中に広がるから却下。
「どうしよう……でもいずれはバレる事だろうしな」
「まぁ、私と凪君ならいつも通りのスキンシップしてたら、なんだまたこの2人か、みたいな感じで一生バレなさそうだよ〜?」
「そのせいで俺はクラスの男子から嫌悪されてる気しかしないけどな」
林間学校の時から始まり、今ではクラス内でもあのような事をしてくる時がある。おかげで俺はクラスでは少し悪目立ちしている。
「……とりあえずは黙っておくか。涼もそれでいいか?」
「凪君が決めたならそれでいいよ〜。それで、さっき春からメール来てたんだけど〜」
「メール?なんて?」
「明日、小咲さんたち2年生が夏休みの宿題を終わらせる勉強会するんだって。春も誘われたから、良かったら一緒にしないって?」
「勉強会か。俺も全然宿題終わらせてないし。いいよ、別に」
「了解〜。返信しとくね〜」
勉強会か。そんなのするのいつぶりだろ。とりあえず明日バレないように行動するのを最優先に考えよう。
次の日
「いや〜、こうやってみんなで集まって宿題するのもいいものだな〜」
「こういう機会でもないと、やる気起こらねえもんな」
学校の図書室の長机をつかい、みんなで教材を広げて勉強している。いるのは2年生でいつも一緒にいる人たちと俺と涼と春。翔太は今家族と旅行だそうでいけないらしい。
「なぁ、す…………風。これどうやって解くんだ?」
隣にいる涼に数学でわからないところの問題を見せる。すると涼は近すぎず遠すぎずという距離でそれを教えてくれる。あまり近すぎると疑われるかもしれないし、昨日言ったことを守ってくれているようだ。
「えっとね〜、これはここにこれを代入して…………」
「おぉ!本当に解けた!サンキュー、風」
「いえいえ〜」
「むぅ…………」
「ん?どうした春?」
「別に!なんだか今日の風ちゃんと凪は仲よさそうだな〜、って思っただけ」
何故か機嫌を悪くしている春。それを見た涼はなにひらめいたのか。俺に話しかけてくる。
「ねぇ、凪君〜。私ここわからないから教えてくれる〜?」
「ん?いいけど。どれ?」
「英語のこの問題〜」
教材を近づけてくるとともに、涼がものすごく密着してくる。ちょ、距離近いんだけど!
「なっ!?」
「…………!!?」
「小咲?どうかしたの?」
「な、なんでもないよ、るりちゃん!」
変な事するから春と小咲さんまで驚いてる。
「なになに〜?なんか2人とも今日仲良いね〜?もしかして、夏休み中に付き合ったりした〜?」
やっぱりこういう話しに突っ込んでくるのは舞子先輩だった。その言葉にみんながこっちを向く。
「ち、違います!!俺と涼はなんでも!!」
『涼?』
「あ………………」
やっちまった。焦っていつもの呼び方じゃなくて昨日からの呼び方に変えてしまった。なにやってんだ俺……
「凪君………これもう言い訳できないよ〜?」
本当になにしてるんだろ。まさか俺の方からボロを出すことになるとは。俺は大きなため息をついて言った。
「そうです……俺黒崎凪は隣の風……彩風涼と付き合うことになりました」
「え………」
『えええぇぇぇぇえええええ!!!???』
図書室だけでなく、学校中に広がると思えるような驚きの声が響き渡った。
「嘘だろ!?まじかよ、凪!」
「うわぁ、これ大スクープ。今すぐ翔太に報告しないと」
「いつから?いつからなの?」
「まさかカップル第1号は黒崎様になるとは。楽様、私たちも付き合いましょう!!!」
「つ、つつつ、付き合う?付き合うって?」
「…………おめでとう」
「「……………………」」
あまりのことに驚く一条先輩。翔太に即報告しようとする舞子先輩。興味深々に聞いてくる桐崎先輩。いきなり一条先輩に飛びつく橘先輩。湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にしてる鶫先輩。ただ祝福の言葉をくれる宮本先輩。そして、その事で暗い顔をしている春と小咲さん。
「ちょ、ちょっと待ってください!ここ図書室ですよ!!もう少し静かに!涼もなんか言って…………涼?」
涼は黙って違うところを見ていた。視線の先は…………春だった。
「おい、涼。どうし『ねぇねぇ黒崎君、風ちゃん!色々話聞かせて!』ちょ、桐崎先輩!?」
桐崎先輩はあまりのことだったのか、机から身を乗り出して聞いてきた。
「ちょっと!話します、話しますから!!」
もう一度、春を見ようとすると、春は座っていた席からいなくなっていた。横を見ると小咲さんも。2人ともどこに行ったんだ?
「まぁまぁ落ち着いてください〜。ちゃんと話しますから」
今まで黙っていた涼がやっと桐崎先輩を止めてくれた。気のせいかな、と思うふと横を見ると、気のせいではなく、やっぱり2人の姿はなかった。
「じゃあ、まず。いつから付き合いはじめたの?」
「昨日ですよ〜」
桐崎先輩と涼が俺たちの事を話してるのは気にならず、いなくなっていた2人の事が気になった。2人は一体どこに行ったんだ?
どうでしたか?
やっとまた原作に戻れた感じです。
羽姉のところをどうするかが物語の悩みです。
感想と訂正があればお待ちしております!