俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

27 / 36
珍しく早く更新できた。
タイトルは思いつかなかったんですがこんな感じの話かな?みたいな感じです。
では、どうぞ〜


第26話 ソレゾレの思い

「え…………嘘どうして?だってお姉ちゃんは一条先輩の事」

 

「あの時はそうだったの……でも、春が知らないところで私凪君と触れ合って、優しい仲良しな後輩っていうのが、異性としてみちゃって…………今はもう」

 

「そ、そんな……」

 

「ごめんね…春の事を悲しませるつもりなんてなかったのに、でも、もうどうしようもなく凪君の事が好きなの……隠しておいても春ならいつか気づくかもしれないから」

 

(お姉ちゃんは凪の事が好き。でも、私だって凪の事が好き。そんなのって…………)

 

「ごめんね、ごめんね、春」

 

ひたすら涙を流しながら私に謝り続けるお姉ちゃん。お姉ちゃんがこんなに悲しそうにして涙を流すの見るのいつ以来だろ………お姉ちゃんとはずっと仲良くしていたいのに、このままじゃ……

 

「春、ごめん、本当に……」

 

お姉ちゃんには笑顔でいてほしい。だから私は……

 

「謝らないで。お姉ちゃん」

 

私はお姉ちゃんに近づいてそのまま抱きしめた。

 

「春……?」

 

「仕方ないよ。凪の事好きになっちゃったんでしょ?そりゃ、一緒にバイトして、たくさん遊んで触れ合ったりしたんだから仕方ないよ!」

 

「春、でも私は!『そ、れ、に!』」

 

「私が凪の事を好き?そんな事ないよ。凪は私の男子の中の1番の友達!!恋愛感情なんて私にはないんだよ!」

 

「えっ?」

 

私は泣きたい気持ちを抑えて、笑顔でお姉ちゃんに言った。だって守りたいから。お姉ちゃんの笑顔を。そのためなら私は。

 

「一条先輩はショックだろうなー。こんなに可愛いお姉ちゃんにフラれたみたいなもんなんだから」

 

「フラれ!?違う。そんなつもりじゃ!」

 

「とにかく私は凪の事は恋愛的に好きってわけじゃないの。お姉ちゃんは私に謝る事なんて何もないんだよ?」

 

「春……嘘ついてる」

 

「嘘じゃないよ。それより、はやくお姉ちゃんもおふろ入る準備して。私は食器洗わないといけないんだし、他にもやらなきゃいけない事たくさんあるんだから」

 

「春…………」

 

「さぁ、はやく!それより大変だよ。これから凪に猛アタックしないといけないんだから」

 

「う、うん………わかった」

 

お姉ちゃんはしぶしぶという感じでリビングから出て行った。

 

「お姉ちゃんが幸せになるなら、お姉ちゃんが笑顔になれるなら私はこの気持ちは隠しておく」

 

嘘をついてでも隠す。それが例えバレている嘘だったとしても、私はお姉ちゃんのために……凪を好きだという気持ちは………

 

「私がお姉ちゃんのために色々助けてあげないと!!そのためにはまず……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪side

 

風呂でさっぱりしたけど、モヤモヤする。やっぱりこれってそういう事なんだろうな。

 

「春ー、お風呂あがったぞー」

 

「あ、うん。わかった。じゃあ、布団を……あっ!!」

 

「ん、どうかしたのか?」

 

「いやー、よく考えたらお布団がないんだよねー。ほら、私とお母さんとお姉ちゃんが使ってるやつしかないんだよー」

 

「はい?」

 

「だからね。悪いんだけど、今日お姉ちゃんの部屋で寝てくれないかな?」

 

「はぁ!?ふざけんな!そんな事できるわけ!!」

 

いきなり家泊めてもらって悪いのはわかるけど、初の家で小咲さんの部屋で寝ろってそんな事できるわけない!普通に考えて。

 

「だって、私の部屋はちょっと今散らかっててあげられる雰囲気じゃないしー。お母さんの部屋は………何かとプライバシーとかあるだろうしー。お姉ちゃんならいつも部屋綺麗にしてるから大丈夫だよー」

 

「なんでそんな棒読みなんだよ。てか、そんな事できるわけ……」

 

「いいからいいからー。私もお姉ちゃんに頼んであげるから。ね?」

 

「いいわけあるか!俺はリビングのソファーとかで寝かせてくれれば大丈夫だから!」

 

「ダメだよ!そんなんじゃ体痛めちゃう!て事で、レッツゴー!」

 

「おい、ちょっと待て!」

 

春は俺の腕を引いてそのまま小咲さんの部屋へと向かう。

 

「お姉ちゃん、入っていい?」

 

『え、いいけど……』

 

「お邪魔しまーす」

 

春は小咲さんの許可が出ると、すぐにドアをあけ中に入った。

 

「春?どうかしたの…………って凪君!?」

 

あれ、なんでそんなに俺驚かれてるの?

 

「春、どうして凪君が!?」

 

「いやー、さっき思い出したんだけど、布団がなくてさー。わたしの部屋今散らかってるから、悪いんだけど、お姉ちゃんの部屋で寝かせてあげて?」

 

「えぇっ!?ちょっと待って!いきなりそんな!!」

 

「て事でよろしくー。お姉ちゃん、頑張ってねー 〜」

 

「あ、おい、春!」

 

「ちょっと春!」

 

春は用件だけ伝えると、そのまま部屋を出て行った。ちょっと待って。この状況どうしたらいいの?

 

「小咲さんどうしたら?って、なんでそんなに顔真っ赤なんですか?」

 

「いや、その、なんていうか、どうしよう…………」

 

(春、もしかして、さっき私に言われた事気にして……)

 

「小咲さん?」

 

「あ、ごめん、ちょっと考え事してて。それで、どうしよっか?」

 

「その事なんですけど、俺リビングのソファー貸してくれれば別にそれで大丈夫なんですけど?」

 

「あ、そっか………てダメ!そんな事で寝たら体痛めちゃうよ!」

 

「それさっき春にも言われたんですけど」

 

姉妹だから考える事はやっぱり似るのかな?ていうか、それがダメなら俺どうしたら……

 

「あ、じゃあ、私が春の部屋に行って、凪君がここで寝たら?」

 

「あぁ。それはいいかも…………っていやいや、絶対ダメでしょそれ!!」

 

この人何考えてるの!?女子高校生の部屋に1人にするって!

 

「え?なんで?」

 

しかも、理由を理解していない。

 

「あの、思春期の男子高校生を1人にして、俺が何かするとか思わないんですか?」

 

「何かって………………ってえぇ!!?」

 

「いやいや、もちろんするつもりはないですよ!でも、そういう事を考えたりはしないのかなって?」

 

「あ、うん。そうだよね。凪君だもんね。そんな事するわけないよね、あはは」

 

凪君だもんね、ってどういう事?俺どういう風に見られてるの?

 

「じゃ、じゃあもう、ここで寝てもらうしか///」

 

「そ、そうですか……」

 

自分で言って顔赤くしないでくださいよ!俺まで恥ずかしくなるじゃないですか!!

 

「………………」

 

「………………」

 

やばい、この沈黙どうかして欲しい。

 

「と、とりあえず私おふろはいってくるね。話はそれからにしよう」

 

「あ、はいわかりました。いってらっしゃい」

 

「いってきます………」

 

なにこの新婚夫婦みたいなやりとり。おふろいってくるだけなのに!?

 

「…………あ、あの凪君」

 

「はい?」

 

「そ、その、下着とか持っていくから、できれば部屋から出てもらえるとありがたいんだけど」

 

「え…………あ、すいません、すぐに出ます!」

 

小咲さんにそう言われて急いで部屋を出た。俺何してんだろ本当に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま……」

 

「あ、おかえりなさい」

 

数十分経ち、風呂から上がってきた小咲さん。なんでだろ、同じシャンプーとか使ったはずなのにこんなにいい匂いがするのは。やっぱり、女の子だからなのかな……

 

「それで、どうしよう?」

 

「どうしようと言われましても………あ、毛布とかないんですか?あるならそれで床で寝ますから」

 

「あ、うん。それなら多分押入れに……」

 

そう言って押入れをあける小咲さん。今度は見ないように後ろ向いとかないと。

 

「あ、あった!」

 

「よかった。なければ本当に小咲さんのベットで寝る事に……」

 

「へっ?」

 

「あ…………」

 

しまった、何言ってるんだ俺……これじゃあ小咲さんと一緒に寝たいって言ってるみたいじゃん!

 

「………………」

 

「……あの、小咲さん?」

 

「え?あ、ううん、なんでもない。なんでもないよ」

 

「は、はぁ」

 

(凪君、私と一緒に寝たかったのかな……って、私何考えてるの!?)

 

「そ、それより、まだ寝るには早いんだし、何かしよ!ほら、中学の時のアルバムとかあるよ!」

 

何がそれよりなんだろう。まぁいいか。

 

「いいですねそれ」

 

毛布を置いて、床にアルバムを広げて隣り合わせになって、2人で見る。

 

「…………これが体育祭の時の写真で、これが文化祭。あと、修学旅行の時の写真とか」

 

そこには小咲さんと宮本先輩が一緒に写ってる写真が。…………ってあれ?

 

「写真の中にチラホラと、小さいですけど一条先輩が写ってる」

 

俺がそういうと小咲さんが顔を赤くして俺の方に向いた。

 

「ち、違うの!これは、その、なんかこういう写真しかなくって。それで、仕方なく!仕方なくなんだよ!」

 

顔を真っ赤にして必死に言い訳をする小咲さん。なんかすごいかわいい。

 

「あー、はいはい。わかりました。小咲さんがどれだけ一条先輩の事が好きかって事が十分伝わりましたよ」

 

「も、もう!違うの!それに今は…………!?」

 

「今は、なんですか?」

 

「な、なんでもない!」

 

(あ、あぶなかったー。今うっかり言っちゃうところだったよ……)

 

「にしても、中学校の頃、懐かしいですね。中2の時からずっと一条先輩たちと一緒にいた記憶しかないですけど」

 

「あー、そういえばそうだったかも。凪君って友だち少なかったの?」

 

「べ、べつにそういうわけじゃなかったですけど、なんか舞子先輩とかと一緒にいる方が楽しかったんで」

 

言えない。実はあんまり友だちいないなんて。中3の時なんて、クラスで1人の時の方が多かったなんて言えない。恥ずかしい。

 

「でも今は楽しいですけど、春や風や翔太がいますから」

 

「そうだね〜」

 

(あれ?そういえば朝は凪君の事を好きって自覚して、さっきまで、恥ずかしくて全然話せなかったのに、今はそんなことない)

 

「そうですよー。翔太やバカやるのを俺が止めて、春と風はそれ見て笑って。今は本当に楽しいです」

 

「2年もそんな感じだよ。舞子君が変なこと言うのを鶫ちゃんや万里花ちゃんやるりちゃんが止めて、みたいな感じ」

 

「そっちも同じ感じなんですね」

 

そう思うとなんだか笑えてきて、どちらともなくプッ、と吹いて笑い出す。

 

「……まぁでも、そんな楽しい事があっても、いつまで続くかわかんないんですけどね」

 

「え?どうして?」

 

「それはまぁ……こっちにも色々あるんですよ」

 

「ふーん。悩みならいつでも聞くよ?」

 

「ありがとうございます。でも大丈夫です。これは俺自身で解決しないといけないことなので。それより、次は小咲さんの高1の頃の話がききたいです。一条先輩とどんな事があったのか」

 

「どんな事ってなんでもないよー!!」

 

「本当ですか?余計に気になる?」

 

「本当になんでもないから!」

 

その後も俺と小咲さんは色んな話をしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春side

 

「いいなー。向こうは楽しそう」

 

隣のお姉ちゃんの部屋から凪とお姉ちゃんの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

 

「私もそっちに混じりたい。もっと凪と一緒にいたい。でも………」

 

それはお姉ちゃんを悲しませることになるかもしれない。私はそんなことしたくない。

 

「はぁ……いいなー、お姉ちゃん」

 

そうつぶやくと、私の目から涙がこぼれた。

 

「泣いちゃ、ダメなのに。ダメなのにどうして…………」

 

涙を拭っても、とめどなく溢れてくる。自分じゃ止められないくらいに。

 

「凪……好き。でも、言えない。悲しい。悲しいよ、凪」

 

わたしは涙が枯れるまでひたすら泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凪side

 

「あ、もうこんな時間。そろそろ寝よっか?」

 

「そうですね」

 

小咲さんはベットに入り、俺は毛布にくるまって横になる。

 

「じゃあ、電気消すね?」

 

「はい」

 

俺が返事をすると、小咲さんは電気を消した。

 

「じゃあ、おやすみ、凪君。またお話ししようね?」

 

「はい。おやすみなさい」

 

さて………どうしよう。というか、俺はどうしたらいいんだ。こんな気持ち初めてだ。

 

「これが誰かを好きになるってことなのか」

 

かすれるような声でそう呟く。こんな気持ち感じたことない。

 

「ただ、これはどうしたらいいんだろう。本当に困る……」

 

そう呟くと、俺のすぐ横に置いている携帯が音がなった。

 

「メールか?こんな時間に誰が……」

 

携帯を開くとメールが一件きていた。差出人は風だった。

 

 

『明日凪君暇?暇だよね?わたしとデートしよ〜』

 

「こっちの予定は無視なのか?というか、またかよ」

 

『べつにいいけど?』

 

『じゃあ、明日10時にいつもの公園で待ち合わせね〜』

 

「了解、と」

 

返信して、携帯を閉じ目を閉じた。風のやつ、今度は何を考えてるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風side

 

「凪君、大丈夫だって〜」

 

「ホント!?風さん、チャンスだよ!」

 

「私も多少は応援する。だから頑張れ」

 

「うん、ありがとう。2人とも〜」

 

凪君。明日は楽しもうね〜。

 




自分の気持ちを隠す春。
凪といつも通りな感じに戻った小咲。
好きということに気づいた凪。
そして、何かを企む風。
4人は一体どうなるのか!

次回もお楽しみに〜。
タグに風ちゃん追加しときます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。