俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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どうもお久しぶりです。
花澤香菜大好きのブリザードです。
今回はifルート的な感じのものです。
小咲ちゃん大好きなもので衝動的に書いてしまいました。こんな小咲ちゃん見てみたいな〜、的な感じですね。
話しの展開とかは途中まで一緒です。
キャラ崩壊っぽいです
では、どうぞ〜。


第23.5話 ホウカゴに惚れ薬(by小咲)

「自分の気持ちに正直になれ、か……」

 

この前風とデートした時に言われた言葉。なんだか凄く意識してしまう。

 

「俺が春や小咲さんに向けている気持ち………ただの友達や先輩という感情だけだと思うんだけど」

 

ダメだ。意識すればするほどわからなくなる。とりあえずこの事を一旦置いといて今日はすぐに

 

「おーい、凪ー!」

 

名前を呼ばれ振り向くと、後ろから小咲さんと春が小走りでやってきた。なんでこのタイミングで現れるんだろう、二人とも。

 

「今日うちで仕事ないんでしょ?一緒に帰ろ?」

 

「いや、その…………まぁ、いっか」

 

断ろうとしたけど、断る理由も思いつかなかったから3人で並んで一緒に帰ることに。

 

「はぁ、なんだか今日の昼休み変なことおこちゃった」

 

「変なこと?」

 

「うん。なんだかつぐみちゃんにもらったグミを食べたら、少しの間だったんだけど、つぐみちゃんの事を好きって意識しちゃって。あれなんだったんだろ?」

 

グミを食べたらその人のことを好きに?なんか惚れ薬みたいな感じだなそれ。

 

「そんな事ってあるんだね、お姉ちゃん」

 

「うん…………あ、そのグミ数個持ってきちゃったから凪君と春も食べてみる?……はい、これ」

 

そう言って小さな袋から2.3粒グミを取り出す小咲さん。

 

「え、これ持ってきちゃったんですか?」

 

「うん。一つ食べたら美味しかったから、ダメかなって思ったんだけど、少し持ってきちゃった」

 

「へぇ、これがそのグミなんだ〜」

 

春は小咲の手に乗っているグミを覗き込むに見ている。そして、それを1つ手に取った。

 

「ん〜、やっぱりこれおいしいよ〜」

 

小咲さんはグミを幸せそうに食べていた。って、もう小咲さん口に入れてるし!!

 

「ちょっと待って、小咲さん!もう一度鶫先輩に詳しく聞いてからじゃないと!」

 

「ほぇっ?」

 

俺の忠告が遅れて、小咲さんはこっちを見ると同時にグミを飲み込んだ。すると小咲さんは目をトロンとさせて頬を赤くしこっちを見てくる。

 

「凪君…………」

 

「な、なんでしょうか?」

 

「なんでそこで立ち止まってるの?早く帰ろうよ〜」

 

「え……あ、はい」

 

2回目だからなんともないのかな?耐性ができたとかそんな感じで。いや、でも顔は赤くなってるし……

 

「ほら、行こっ!」

 

小咲さんは俺の手をとると、右手で俺の手を握って、左手は俺の腕に絡めるように密着して歩き出した……………………って

 

「えええぇぇぇぇえええええ!!??」

 

「お、お姉ちゃん!?何してるの!!」

 

ちょ、ちょっと待って。これやばい。色々やばい。小咲のいい匂いとか、小咲の胸の感触とか、小咲さんの体温とか全部感じる。やばい。本当にやばい。

 

「こ、小咲さん!少し離れて」

 

「ん〜?な〜に〜?」

 

何この人!可愛い!超可愛い!今までに見たことないにっこり笑顔&間の抜けた声で返事する人いないから!本当に可愛い!!

 

「な、凪!何してるの!お姉ちゃんから離れて!!」

 

「そ、そう言われても、小咲さんを乱暴にできないし……とりあえず、春、お前は鶫先輩に連絡してくれ」

 

「わ、わかった」

 

春は携帯電話で鶫先輩に連絡した。なんでいきなりこんな事に…………

 

「ねぇ、凪君?」

 

「は、はい?なんでしょうか?」

 

「私の事、これから小咲さんじゃなくて、小咲って呼び捨てで呼んで欲しいな?」

 

「えぇっ!?」

 

「ダメ?」

 

「いや、ダメっていうか………ほら!小咲さんは先輩ですし!それに……」

 

「うぅ……」

 

涙目で俺を見つめてくる小咲さん。そんな目で俺を見ないで!!なんでもお願い聞いちゃうよ俺。小咲さんにそんな目で見られたら誰でもそうなるよ!本当だからな!

 

「…………こ、小咲?」

 

「うん!嬉しいよ、凪君!」

 

つないでいる手を離してくれた。と思ったら、今度は正面から抱きついてくる小咲さん。

 

「んなっ!?」

 

「ちょっと凪!お姉ちゃんに何してるの!!」

 

「お、俺じゃねえよ!!」

 

『小野寺様!今どんな状況なんですか!詳しく教えてください!』

 

あぁ、もう。これどうしたらいいんだ……

 

「凪君、今度は頭撫でて欲しいな?」

 

「え、頭をですか?」

 

「うん。優しくいっぱい撫でて欲しい」

 

「は、はぁ、それくらいなら」

 

言われた通りに小咲さんを右手で優しく撫でる。すると、小咲さんは目を猫のように細めて気持ちよさそうにしていた。

……にしても、こんな様子を誰かに見られたら大変だな。

 

「舞子君、ついてこないでくれる…………んなっ!!」

 

「同じメガネのよしみだよ、るりちゃん〜…………凪?何してんの?」

 

………………ちょっとまて、状況整理だ。俺は小咲さんに抱きしめられてる。その小咲さんの頭を優しく撫でる俺。そんな俺と小咲さんに驚く。舞子先輩と宮本先輩。そう、宮本先輩だ。

 

「…………舞子君。あなたの鞄かして頂戴。今すぐあの裏切り者をその鞄て吹っ飛ばしてくるわ」

 

「凪、今回ばかりは庇えないぞ………、ほい、るりちゃん」

 

舞子先輩の鞄を受け取り、それをブンブン振り回しながら近づいてくる宮本先輩。なんか俺の殺害計画が実行されようとしている。ていうか、宮本先輩の後ろに修羅がいる!鬼がいる!

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!流石にそれは死にますから!!…………あ、そうだ。春!その電話を早く宮本先輩に!」

 

「へ?あ、うん」

 

春が宮本先輩に電話を渡して事情を説明している。ふー、これで俺の命は助かりそうだ。だが、俺の命もつかの間。

 

「ねぇ、凪君」

 

「あ、はい…………小咲さん?」

 

小咲さんは頬を膨らましてこっちを見ていた。え、何この人?もしかして怒ってるの?

 

「頭撫でてって言ったのに。途中でやめたら私怒るよ!」

 

「あ、はい。ごめんなさい」

 

「罰として、私のことぎゅーって抱きしめて!!」

 

「はい!?」

 

「えっ!?」

 

『今凄い言葉が聞こえたんですが、小野寺様!?』

 

「…………小咲、何考えてるの?」

 

「うわー、今のこの状況、楽に報告したらなんで反応するんだろう」

 

約1名この状況を楽しんでる人がいる!?じゃなかった。抱きしめてって何言ってるの!!

 

「小咲さん、それは流石に…………」

 

「…………凪君からしてくれないなら私からするよ?」

 

「えぇっ!?」

 

小咲さんは自分の手を俺の手と絡めて、背伸びをしながら、もう片方の手を俺の背中へと伸ばしてくる。

 

「ま、待ってください!小咲さんには一条先輩がいるじゃないですか!俺じゃダメです!」

 

「一条君は今はいいの!私は凪君にぎゅってして欲しい」

 

一条先輩、本当にドンマイ。今の小咲さんのハートは俺がゲットしている!じゃなかった。

 

「なぁ、凪。今の言葉録音したんだけど、これ楽に聞かせていい?」

 

「やめろ!いや、やめてください!!」

 

突然のことで敬語を忘れてタメ口に………

 

「ねぇ、凪君。早く〜」

 

どうしよう。小咲さんを正気に戻すためにぎゅっとするべきなのか?それとも、このままなんとかごまかして待つべきなのか?………そうだ第三者の意見を。

 

「お、お姉ちゃんが凪に取られちゃう……」

 

『小野寺様!早まらないでください!!」』

 

「小咲…………あなたまさか……」

 

「だ、ダメだ。俺笑い堪えるので必死」

 

使い物にならない!顔真っ赤にしてる人と、電話越しに必死に呼びかける人と、何か1人で納得してる人と、笑い堪えてる人しかいない。どうしよう、全力でどうしよう。とりあえず笑い堪えてる人はあとでしばこう。

 

「こ、小咲さん」

 

「凪君、はやくってば〜。それとも私からぎゅっとすればいいの〜?」

 

覚悟を決めろ。覚悟を決めるんだ黒崎凪。この状況を打破するために。小咲さん、一条先輩。春、宮本先輩、鶫先輩、ごめんなさい。こんな俺を許してください!

 

「ごめんなさい!!!」

 

俺は小咲さんのことをぎゅっと抱きしめた。決して小咲さんが痛くないように優しく。けれど、ぎゅっと抱きしめた。

 

「凪!お姉ちゃん!!」

 

あ、すごくいい匂いがする。なんだろう、すごく落ち着く。これなら永遠抱きしめてられるかも。

 

「………………凪君?」

 

「小咲さん?」

 

「あれ、私何して………というか、この状況……あれ?え?私………私!!」

 

抱きしめていた体を離すと小咲さんは顔を真っ赤にして、下を向いていた。あれ?もしかして……

 

「正気に戻った?」

 

「わ、私凪君に抱きしめられて、私何して……えと、その、あの………」

 

「小咲さん?小咲さん!!」

 

正気に戻った小咲が顔を真っ赤にしたまま気絶してしまった。

 

「気絶しちゃった……でも、よかった。これで一件落着だな。うん、解決だ」

 

「何が解決なの?」

 

…………あれ、おかしいな。後ろから凄まじい殺気を2つ感じる。後ろに振り向きたくない。でも、振り向かないと殺される。振り向かなくても殺される。そんな気がする。

 

「えと、春、宮本先輩?」

 

「凪ー、何か言い残すことある?」

 

「黒崎君。とりあえず小咲をこっちに預けてもらえるかしら?」

 

後ろの修羅2人になすすべもなく、気絶した小咲さんを預ける。

 

「えと、その………許してください?」

 

「「む、り」」

 

「ですよねー」

 

俺はその日、今まで生きてきた中で1番。いや、これから生きていても食らうことのないようなパンチを2発食らった。

 

「最っ低!!!」

 

「ごめんなさい」

 

謝って俺は気絶した。




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