キャラ崩壊します春が。なるべくキャラが壊れないようには気をつけたんですがね。
あとハチャメチャですww
では、どうぞー。
「自分の気持ちに正直になれ、か……」
この前風とデートした時に言われた言葉。なんだか凄く意識してしまう。
「俺が春や小咲さんに向けている気持ち………ただの友達や先輩という感情だけだと思うんだけど」
ダメだ。意識すればするほどわからなくなる。とりあえずこの事を一旦置いといて今日はすぐに家に帰ろう。
「おーい、凪ー!」
名前を呼ばれ振り向くと、後ろから小咲さんと春が小走りでやってきた。なんでこのタイミングで現れるんだろう、二人とも。
「今日うちで仕事ないんでしょ?一緒に帰ろ?」
「いや、その…………まぁ、いっか」
断ろうとしたけど、断る理由も思いつかなかったから3人で並んで一緒に帰ることに。
「はぁ、なんだか今日の昼休み変なことおこちゃった」
「変なこと?」
「うん。なんだかつぐみちゃんにもらったグミを食べたら、少しの間だったんだけど、つぐみちゃんの事を好きって意識しちゃって。あれなんだったんだろ?」
グミを食べたらその人のことを好きに?なんか惚れ薬みたいな感じだなそれ。
「そんな事ってあるんだね、お姉ちゃん」
「うん…………あ、そのグミ数個持ってきちゃったから凪君と春も食べてみる?……はい、これ」
そう言って小さな袋から2.3粒グミを取り出す小咲さん。
「え、これ持ってきちゃったんですか?」
「うん。一つ食べたら美味しかったから、ダメかなって思ったんだけど、少し持ってきちゃった」
「わー、ありがとうお姉ちゃん!」
今の話を聞いて何も思わなかったのか、春は袋から1粒取り出してそれを口に放り込む。
「いや待て春!それちゃんと鶫先輩に聞いてからじゃないと………」
「ふぇっ?」
俺の忠告が遅れて春はこっちを見ると同時にグミを飲み込んだ。すると春は目をトロンとさせて頬を赤くしこっちを見る。
「え、春?」
「春?大丈夫?」
いきなり様子が変わり心配になり、俺と小咲さんが声をかける。
「………………な〜ぎ〜」
春がいきなり俺のことを抱きしめてきた。…………って
「ええええぇぇぇぇ!!??」
「え、春!?どうしちゃったの!?」
「なーぎ。私の事をちゃんと見て?」
「いや見てる。見てるけど!?」
小咲さんが食べたグミ。本当に惚れ薬だったのかよ!
「なぎは私のこときらい?」
「え、いきなりどうした?」
「だーかーら。なぎは私の好き?それとも嫌い?」
「いや、そりゃ好きだぞ。お前は俺の友達だし」
「うん。私もなぎのことだーいすきだよー」
さらに俺の方へ身を寄せてくる春。てか待ってこれ以上は流石に俺も理性とかそういうのが限界になるから!!
「春!凪君が迷惑そうにしてるでしょ!だから離れて!」
「やーだ。私は凪のことが好きだから、もっとくっつくのー」
頬と頬とがくっつくくらいまで身を寄せてくる。やばいやばいやばい。そんなこと言われたら俺どうしようも………
「凪君、ごめんね。春……どうしたら?」
「と、とりあえず鶫先輩にこの対処法を聞きましょう。もしかしたら何かしってるかもしれないですし」
「う、うん。わかった。ちょっと電話してみるから。凪君は春の相手をお願い」
「わ、わかりました」
小咲さんは取り出して携帯電話を耳に当てる。
「ねぇ、なぎ?」
「な、なんだ?」
「………なんでもない。ただ呼んでみただけー」
なにそれ!?この子すっごく可愛い。すっごく可愛い。大事なことだから二回言ったよ俺。でもこのままじゃ本当にどうしようもなくなる。
「は、春?おねがいだから少し離れてくれない?」
「えぇ………やだよー」
「頼むよ。な?俺のこと好きなら俺の言うことも聞いてくれてもいいと思うんだけど?」
「んー…………じゃあキスしてくれたら離れてあげてもいいよ」
「はい!?」
「ふぇっ!?」
『大丈夫ですか小野寺様!?今キスという言葉がそちらから聞こえたのですが!?』
俺と小咲さん。そして、電話していた鶫先輩までその言葉を聞き驚く。いや、キスって。
「は、春?キスするなら本当に好きな相手とするべきだぞ?俺のような本当に好きじゃない相手とするべきじゃないと思うんだけど?」
「私はなぎのことが好きだからいいの。だから、キスして〜」
「いや、ちょ、待って!」
目を閉じてキスを待つような体勢で俺を見ないでくれ!!頼むから!
「ねぇ、なぎ。まだー?」
「待て待て。キスはダメだ。キスはダメだから。な?」
「だめなんかじゃないよ。好き同士でキスするのは当たり前だもん〜」
ダメだ。今の春になにを言っても全く通用しない。どうしようこれ。
「あ、凪じゃん。お前そこでなにして…………」
…………ちょっと待て。少し整理しよう。今の俺の状況は抱きしめられながら
キスを待っている春と、鶫先輩と電話している小咲さん。そして、いきなりそこに現われた翔太。
「…………ごめん、お邪魔だったな。この事は誰にも。もちろん風ちゃんにもこのことを黙っとくから。じゃあな……」
来た道をそのまま戻ろうとする翔太。
「ちょっと待って!頼むから話を聞いてくれ!これには訳があるんだよ!」
「ウルセェ!いつかその時は来るかなとか思ってたけどまさかお前らがそこまで関係が進展してるなんて思ってもなかったぞ!お前なんてもう絶交だ絶交!」
「誤解だ。これは春が鶫先輩が持ってきた惚れ薬のせいで決してそういう関係じゃないんだよ!」
「俺はそんなこと言われても誤魔化されないぜ!」
「だったら小咲さんに聞いてみればいいだろ!小咲さん!翔太にこのことが誤解だって説得してください!」
なにを言っても理解してくれそうにない翔太をどうにかするために小咲さんに助けを仰ぐ。
「凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス」
『小野寺様!しっかりしてください!』
なんか壊れたロボットみたいになってるし!!?
「ほらみろ!いきなりそんな場面見せつけられた小野寺先輩がびっくりして壊れてるじゃないか!!
くそー!!もういいよ!凪のことなんて嫌いだ!!この裏切り者ー!!」
「あ、翔太!!………くそ、ろくに話も聞かないで行きやがって」
「ねぇなぎー。もういいでしょー?私とキスしよー」
春はなんでそんなにキスして欲しいんだ!惚れ薬強力すぎだろおい!!でも、これを引き離すには説得するしか……うん、決めた。決意しよう。
「…………いいか春。確かに俺はお前の事が好きだ。だけど今の俺の好きは友達としての好きでそれ以上としては見てないんだ。いや、まだはっきりしてないんだ。お前への好きが俺にとってどうなのかが。だから、キスはできない。わかるか?」
「好きなのにキスできないの?」
「まぁそういうことになる。……だから今はこれで我慢してくれよな」
そう言って俺は春の前髪を手でよけて、おでこにキスをした。これでいい。俺の気持ちがちゃんとしてないのにキスするなんて俺はできない。だからこれで………
「………………凪、今、私に、なにして」
「春?」
「今、私の、おでこに、き、き、き、キス、した、よね?」
「正気に戻った!?てか、このタイミングで!?」
「…………な、な、な、凪の………」
「へっ?」
「凪のバカーーーーーー!!!!」
「ぐはあぁ!!」
なんで俺が春にビンタされる仕打ち受けないといけないんだよ…………理不尽だ…………
「私帰る!!!」
(…………あれ?私お姉ちゃんにグミもらってそれ食べて………そのあと私なにしてたんだっけ?気づいたら凪抱きしめられてて………おでこにキスされてて……どうしたらこうなっちゃうの!?)
「凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス凪君と春がキス…………」
『小野寺様!小野寺様!しっかりしてください!!小野寺様ってば!!』
顔を真っ赤にした春が去ったあとには、春にビンタされて地面に倒れている俺と、壊れたロボットのように呪文を唱える小咲さんと、小咲さんの携帯電話から聞こえる鶫先輩の声だけが残っていた。
どうでしたか?
もっと春ちゃんを可愛くかきたかった。
感想と訂正があればお待ちしております。