俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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早めに書けた。
なんでニセコイ2クールじゃないんだ。また文化祭くらいまですればよかったのに……
今更すぎますね。




第20話 タナバタ大会

「そういえば、明日俺の学校で七夕大会やるんだよな。どうでもいいけど」

 

家で三人で飯を食ってるときに話のネタが何かないかと思いついたことをふと呟く。

 

「七夕大会!?って事はお兄ちゃん、短冊にお願い書くの?」

 

「まぁ、そりゃそうだけど…どうかしたか?」

 

「お兄ちゃん!明日短冊には、妹と生涯一生愛し続けることができますように、って書いてね!」

 

「誰が書くかそんな事!!」

 

怒るお兄ちゃんも素敵、と意味わからないが喜ぶ妹とため息をつく姉。いつも通りの光景だ。

 

「でも、七夕大会ね………凪、その短冊のお願い事当たりやすいと思うから慎重に書きな」

 

「ん?なんで?」

 

「うちの街の神社の神主さんがその笹を用意してんのよ。神主さん、なんかすごい力を持ってるらしいからきっとそのお願いも何かあると思うよ」

 

「へぇ、そうなのか………」

 

てか、なんで姉貴はそんな事を知ってるんだ?我が姉ながらよくわからない……

 

「まぁお願いは勝手だけど、風と付き合えますように、とか書いとけば?」

 

「ぶふっ!!んな事書くか!!」

 

だいたいなんで俺が風と付き合えますようになんて……

 

「なんなら、私でもいいよ?」

 

「それはないから心配すんな」

 

「むぅ、お兄ちゃんのケチ」

 

そんな事で拗ねられても困るんだけど、てかケチとかおかしくね?俺たち兄妹だぞ。

 

「まっ、なんにせよお願いは考えて書くんだな」

 

「う、うん。情報ありがと」

 

お願い…………なににしよっかな。もし叶うなら、春や小咲さんともっと仲良く……って、春はともかくどうして小咲さんまで!てか、春もどうしてこんなに…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「お願い………何書こうかな」

 

「春、お願い書いた?」

 

「風ちゃん、それがなんか思いつかなくて………」

 

風はともかく春もお願い事に悩んでるみたいだ。俺も早く書いて短冊を付けに行かないと……

 

「………やっぱ、これしかないか」

 

俺の願いなんて一つしかない。これしかないんだ。

 

「早く書かないと吊るすのが遅くなっちゃうよ?」

 

「うん。ちなみに風ちゃんはなんて書いたの?」

 

「私?私は凪君とデートできますように、って」

 

「え!?」

 

「ぶふっ!」

 

いきなりの発言に俺や春だけではなくクラスにいるみんながこっちの方を向いた。

 

「ちょ、風ちゃん!?」

 

「おい待て!お前まじか!?」

 

「うん。ほらー」

 

「そんなわけ…………ってまじで書いてる!!?お前何してんの!何してんの!!」

 

風の書いた短冊を見ると本当にそう書いていた。てか、これを他の人に見られると考えたら……

 

「だって、短冊だから何書いてもいいかなって思って」

 

「待て。それは短冊として吊るすんだ。つまり、他の人に見られる。そんなの俺はやだぞ!」

 

「私は気にしないよ?」

 

「俺が気にするんだよ!!デートなら今度するからその短冊はやめてくれ!!」

 

「じゃあ、パフェとかもおごってね」

 

「奢る!奢るから!」

 

「約束だよ?じゃあ、こっちの春と凪君とずっと仲良くできますように、って短冊にするね」

 

「え?」

 

そう言って風はポケットから一枚の短冊を取り出す。つまり、風はもともと二枚の短冊を用意していた。

 

「………はかったな、風」

 

「なんの事かなー?」

 

「しらばっくれやがって……まぁいいや。それより、春はどんなお願いに………春?」

 

春の方を見ると、頬を膨らませながら俺を睨んでいた。

 

「な、なんだよ?」

 

「なんでもない!」

 

なんで怒ってるんだ、春のやつ……俺なんか悪い事したっけ?

 

「それより、凪はどんなお願いにしたの?まさか凪も風ちゃんとデート、とか?」

 

「そんなこと書くか!!俺はまぁ……たいした事は書いてない」

 

見られてもいいけど、あんまり見られたくない。少し恥ずかしい事を書いた。

 

「じゃあいいけど……よし、書けた!ポーラさんも一緒に短冊付けに行こうよ!」

 

「……ふん。仕方ないわね」

 

ポーラも席を立ち四人で短冊を付けに行く事に。……そういえば、ポーラのお願い事ってなんだろう。すごく気になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、お姉ちゃん!お姉ちゃんも短冊付けに来たの?」

 

「春ー!それに凪君も」

 

「こんにちは。小咲さんはお願いどんな事書いたんですか?」

 

「わ、私は世界平和かな……」

 

優しさの究極形ですね。流石小咲さん。

 

「凪君は?」

 

「俺は大した事じゃないですよ」

 

「またごまかす………そういえばポーラさんはなんて書いたの?」

 

俺が気になってる事を春は普通に聞いてくれた。ありがとう春!

 

「フッ、私はちょうど新しい銃が欲しくてね。この前最新モデルの……」

 

ポーラが説明してるときに何かが落ちた。

 

「ポーラ、ほれ落ちたぞ……」

 

『おっぱいを大きくしてほしい』

 

……どうやらこれがポーラのお願いだったようだ。なんというか、ドンマイ。

 

「み、見んな!あっちいけ!!」

 

「わ、悪かった!悪かったから銃は構えるな!危ないから」

 

涙を流しながら俺の方に銃を構えるポーラ。本当に危ないからやめてくれ……

 

「さて、どこに付けるか」

 

できれば誰にも見られたくない。

 

「……と、これは一条先輩の。これの隣でいっか。にしても、先輩……このお願いは……」

 

『飼育小屋の連中に死ぬほどなつかれますように!!』

 

なんというか、先輩らしいお願いだ。まぁ、俺も人の事言えないけど。

 

「凪ー、教室戻ろー」

 

「あ、うん。って、ポーラまだ落ち込んでるのか?」

 

「う、うっさいわね。同情なんかいらないわよ!」

 

「いや同情って……まぁ一つ言うなら、お前は胸なんかなくても十分可愛いんだから。自信持ってもいいと思うぞ」

 

「んなっ!!?」

 

途端、ポーラが顔を真っ赤にして動揺しだした。あれ?俺励まそうとしていったんだけど……何かやばかったかな?

 

「「……この鈍感」」

 

「えっ!?なんで春と風がそんな荒っぽい口調に!!」

 

「あんたにそんな事言われなくてもわかってんのよ、このアホー!!」

 

「なんで励ましたのに怒ってんだよ!もうわけわかんねえ!」

 

「………もしかして黒崎君って一条君なみに鈍感なのかしら?」

 

俺たち四人の会話を遠くから見ていた宮本先輩がそういったように聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、俺のお願い叶うといいんだけど……」

 

放課後、家の手伝いで先に帰った春と、その春と一緒に帰った風。俺は1人で短冊の前まで来ていた。

 

「……あれ?あそこにいるのって……」

 

笹の前に立って短冊をつけようとしてる人がいる。

 

「小咲さん?何してるんですか?」

 

「うわっ!!え、凪君??」

 

いきなり後ろから声をかけてびっくりしたのか、小咲さんは身体をビクつかせたあとにこっちに向いた。

 

「どうしたんですか?短冊は1人一枚ですよ?」

 

「知ってるよ。お願い事を変えたの。でも、凪君には秘密だよ」

 

「別にいいですけど……」

 

なんだろう、すごく気になる。

 

「にしても、凪君のお願い……凪君らしいね」

 

「見たんですか!?」

 

「たまたま見ちゃっただけだよ。まぁ、日頃の凪君からしたら、咲ちゃんに自立してほしいのはわかるんだけどね」

 

そう。俺が短冊に書いた願い。それは、妹が俺から自立してくれますように、だ。いい加減に兄にベッタリなのはやめてほしい。咲の今後の事を考えたら。

 

「というか、俺のお願い見たのなら小咲さんのも見せてくださいよ!不公平です」

 

「だめ。私も見る気なかったんだもん。わざとなら見せてあげても良かったけど」

 

「ちぇ……」

 

こうなったら小咲さんがどこかに行った瞬間俺が見るしか……

 

「凪君、これも何かの縁だし一緒に帰ろ。このあと用事とかないのね?」

 

この作戦はどうやらダメなようだ。仕方ない、諦めるしかないな。

 

「いいですよ。一緒に帰りましょう」

 

「うん。じゃあ待ってて。教室から鞄取ってくるから!」

 

「あ、そんなに急がなくてもいいですよ!って、もう走って………ん?」

 

走って行った際に小咲さんが何か落としていった。ポーラにしろ、小咲さんにしろなんでこんなに何かを落としていくんだ?

 

「しかもまた短冊だし…………え?」

 

短冊がどこかに飛ばされて誰かに見られたらダメと思いそれを拾った。だが、それを見て俺は驚いた。何故なら……

 

『凪君ともっと仲良くなれますように』

 

そう書かれていたから……一条先輩ならともかく……俺?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「ただいまー」

 

…………あれ?家に帰ったらいつも咲が俺の胸に飛び込んでくるのに今日は来ない?

 

「姉貴ー。咲ー。いるー?」

 

「いるぞー。おかえり、凪」

 

「………………」

 

いつも俺が帰ってきたら、テンション高い咲がテンション低い。何かあったのか?

 

「お兄ちゃん………ううん、凪兄さん、私決めた」

 

「えっ?」

 

「私、凪兄さんから自立します!!」

 

「…………はあぁぁぁ??」

 

「このままじゃいけないと思うから。じゃあ私勉強してくる。ごはんできたら呼んでね」

 

そういって咲は自分の部屋へと向かっていった。

 

「…………あいつどしたの?」

 

「知らね。お前の七夕のお願いが効いたんじゃないか?」

 

…………神主さん、恐るべし!!

 




どうでしたか?
夏休み中はそれなりに投稿できると思います。
やる事ないんで。

感想と訂正があればお待ちしております!

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