俺の新たな高校生活と2人の姉妹   作:ブリザード

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以外に早く投稿できました。
電車の時間が暇だったからだなw

今回は皆さんが気になっていたかもしれない(実際の所わからないけど)キャラが登場します。

では、どうぞ〜


早くアニメで春ちゃん来いよな…………


第16話 完璧者にソウダン

いきなりだ。いきなりだった。最初は何が起きたのかわからなかった。気付いた時には、春が涙目になりながら俺を頬をビンタしていた。ビンタされた頬がじんじんと痛む。

 

「凪君が…………凪君がそんな酷い人だなんて思わなかった!!」

 

そう言うと春はまたどこかに走って行ってしまった。だが、今度は春を追いかけようという気になれなかった。今追いかけてもまた同じ事が起きそうだったから。

 

「…………くそ、なんなんだ?」

 

「凪君」

 

聞き覚えのある声が後ろから聞こえる。振り向くと、俺を心配そうに見てる風が立っていた。

 

「今の……見てたのか?」

 

「うん。なんかすごい大変そうだったね」

 

「その原因を作った1人がそんな事言うなよ」

 

苦笑いしながら風の方へ向く。

 

「でも、私見たよ。すごい勢いで店から出て行っちゃった春とそれを必死に追いかける凪君。店で何かあったの?」

 

「……俺がダンボール運ぼうもしたんだけど、それが予想以上に重たくて俺が倒れそうになったんだ。それをかばおうとした小咲さんが俺を支えようとしたんだけど結局無理で2人一緒に倒れて」

 

「その状態をタイミング悪く帰ってきた春に見られたのか。それは春が怒るに決まってるよ」

 

はぁ、とため息をつく風。確かに自身の姉があんな状態になっているのを見たら誰だって怒るだろう。

 

「でも、春が怒ってるのはそれじゃなかったっぽい。俺と風の事をあんな関係とか言ってたんだ」

 

「あんな関係?」

 

風は顎に手を当てて考える。

 

「何の関係?」

 

「わかんねぇ。これを解決しないと春とは仲直りできなさそうなんだ。でも、あんな春と俺は面と向かって話し合える気がしないし……」

 

「私が春と話に言って、火に油を注ぐような事になっちゃっても大変だし」

 

うーむ、と2人で考える。だけど、良い案は何も思い浮かばない。

 

「とりあえず、そういう話が得意そうな人に話聞いてみようよ」

 

「そんな奴いたっけ?」

 

「うん。それも凪君にとっても身近な所に?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、これはどういう事?私一応受験生なんだけど。てか、風は久しぶりだね。正月以来?」

 

「うん。理沙さんお久しぶり〜」

 

俺の姉である理沙は言う。風の言っていたそういう話が得意そうな人というのは姉貴の事だった。確かに姉貴ならなんとかしてくれるかも。

 

「お兄ちゃん、右頬どうしたの!?凄く赤くなってる。待ってて、すぐに氷水持ってくるから!」

 

妹の咲は帰ってきた俺の顔を見てすぐに氷水を取りに行った。そこまで騒ぐことじゃないんだけど。

俺の姉、黒崎理沙は四狩女学院に通う3年生で生徒会会長を務めている超エリートだ。その実力は大したもので友達や生徒、先生の悩みまでもクールに瞬時に解決するというまさにこの周辺の学校最強の生徒会長と言っても過言ではないものだ。その上、勉強や運動もできて、男子にもモテる。まさに完璧だ。何故、姉はこんな素晴らしいのに俺と咲はこんな平凡なのだろうか。

 

「はいお兄ちゃん、氷水。風さんは紅茶でよかったですか?」

 

「うん、ありがとう。流石は咲、気がきくね。咲はいい凪君のお嫁になるよ」

 

「本当ですか!?やったー!!」

 

「ちょっと待て。なんで俺限定なんだ。それ以前に俺たち兄妹だぞ!」

 

「どんな困難だって、それさえも貫く愛さえあれば人は……ううん、お兄ちゃんが大好きな妹は何でもできるんだよ!」

 

「まず、ここまで兄に依存している妹はそういない」

 

迷惑と思う時があるが怒る気もしない。だって、咲はとてもかわいいから。

 

「そんな事ないよ。妹や姉は兄や弟を愛するものだよ。ね、お姉ちゃん?」

 

「何でそこで私に振るんだ。それより、私に話しって何?」

 

「あ、そうだった。実は……」

 

今日の朝から会った出来事を一通り簡単に話した。風が春の事をからかってそれで春が怒ったこと。その後の春の様子がおかしかった事。今日のバイトでの出来事。

 

「…………て事なんだ。俺たち何で春が怒ってるかわからなくてさ。姉貴はどう思う?」

 

「いや、どう思うとか言われてもな」

 

姉貴は一瞬風の方をにらんだ。風はいつもと変わらずニコニコしている。

 

「咲はどう思う?」

 

「私としては、お兄ちゃんのバイト先が小野寺先輩たちだったって事に今少し怒りがあるんだけど」

 

「しまった。こいつに振るのは間違いだった」

 

そういえば俺も咲と姉貴にバイト先を言っとくのを忘れてた。こうなると咲は少しめんどくさい。

 

「しかも、お兄ちゃんをビンタするなんて………小野寺先輩、よくも私のお兄ちゃんに」

 

「咲、今度お前の好きなところ連れてってやるから落ち着け」

 

「ホント!?約束だからね!!」

 

俺の腕に抱きついてくる咲。さっきの怒りが嘘のように、むしろさっきよりテンションが上がっているようだ。そして、咲はそのまま俺の膝の上に。

 

「話が脱線したな。姉貴、どう思う?」

 

「いや、話を聞く限りその春って子があんな関係っていうのは一つしかないだろ?」

 

「わかったのか?」

 

「当たり前だろ。まず、春って子がお前らに抱いているのは嫉妬。仲良くしてるお前らにヤキモチ焼いてんだよ」

 

「嫉妬?」

 

最近俺と春は結構仲良くしてたのに、それを奪うように風があんな事をしてきたから怒ったということか。

 

「で、二つ目。お前の言う通りお前が春ってこの姉に押し倒されてるのをみて怒ってるのは確かだが、問題はそこじゃない。問題はその後だ」

 

「俺が公園で春と話した時か?」

 

姉貴はコクリと無言で頷く。

 

「先に解決しておく事は、春って子が言ったあんな関係だ」

 

「そう。それがわかれば解決すると思うんだよ」

 

「お兄ちゃんって実は鈍感なんだね。私でもわかったのに」

 

「えっ?まじで?」

 

姉貴にはともかく咲にも負けたとなると少しショックがある。なんか悔しい。

 

「春って子はお前と風の事を付き合ってるって思ってるんだよ」

 

「…………はぁ?」

 

俺が?俺の隣にいる風と?付き合ってる?

 

「いやいやいやいや、意味わかんないんだけど」

 

「意味わかんないのはお前だ。何でそれに気づかないんだよ」

 

「いや、確かに朝に風が俺の腕に抱きついてきたけど、それだけだぞ」

 

「でも、風はお前の事好きとか言ったんだろ?」

 

「言ったねー。事実凪君の事は好きだよ〜」

 

「私もお兄ちゃんの事大好きだよ」

 

「2人はちょっと黙ってて」

 

余計な事を言う風と咲に怒る。また話が脱線したらめんどくさいから。

 

「でも、そんなわけ………」

 

「ないと思うか?私はそうは思わない。てか、そう思うとお前の今日の出来事に全部合点がいくんだ。学校の時に何かと風にこじつけるのも、今日お前が公園でビンタされた事も。春って子と風は親友なんだろ?その風と付き合ってるお前が春って子の目の前でお遊びとか言ったらそりゃ怒るだろ。向こうの勘違いとはいえ」

 

「…………確かに」

 

「つまりあれだ。お前と春って子は2人揃って何か勘違いしてたんだよ。だから、明日お前が春って子と話し合ってこい。それで解決だ」

 

姉貴はこれで話は終わりだ、と言って姉貴の目の前に置いてあるコーヒーを一気飲みした。

 

「……そうだな。ちゃんと話し合わないと行けないよな」

 

「当たり前だろ。ったく、面倒な事に時間食わせやがって。それぐらい自分で解決しろよな」

 

そういいつつも、俺の相談にのってくれた姉貴。なんだかんだいっても姉貴は優しい。

 

「悪かったよ。今度何か奢るから」

 

「じゃあ、服な。それも結構高いやつ」

 

「お、俺の所持金が持つ範囲で」

 

「じゃあ私はお兄ちゃんの彼女になって、カップル限定スイーツを食べに行く」

 

「お前と行くくらいなら風と一緒に行く事にするよ」

 

「本当?じゃあ、約束だからね」

 

しまった。なんで俺はこんなしょうもないミスばかりしてしまうんだ。なんか自分が馬鹿らしくなってきた。

 

「むぅ……でも、風さんなら別にいっか」

 

「咲の分まで凪君と楽しんでくるからね〜」

 

「お前らの真似事カップルなんてどうでもいい。凪、お腹すいたから早く夜ご飯作ってきて」

 

「へいへい。ったく、人使い荒いな……」

 

俺は立ち上がり台所へと向かった。明日ちゃんと春と話し合わないと。で、ちゃんと仲直りする。それが俺の明日の目標。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、風。お前どういう事だ?」

 

「どういう事って?」

 

凪が台所に向かったのを確認した理沙はさっきとは違う真剣な顔で風に尋ねる。

 

「風さん、小野寺先輩の思うあんな関係っていうの気づいてたでしょ?」

 

咲と理沙は気づいていた。風はわざと理沙に解決してもらおうとしていた事を。

 

「……私も春とは仲良くしていたいので。中学からの親友だから」

 

「だとしても、お前が解決する事も出来ただろ?」

 

「万が一、私が言って春との関係が壊れたら嫌だったし」

 

「これで凪と春って子の関係が進展してもか?」

 

理沙と咲はこう考えている。これで凪と春はきっと仲直りできる。だが、それで2人はより仲良くなる可能性がでてくる。それはいいことだが、理沙と咲の気持ちは凪の隣はいつだって風がいて欲しいという事。

 

「いいんだよ。別に私はそれでも」

 

「………風さん、お兄ちゃんの事、いっつも好きって言ってるけど、本当はどうなの?恋愛的なのか、遊びで言ってるのか」

 

「それは私に聞くんじゃなくて、理沙さんに聞く事だと思うな〜?」

 

「だって、お姉ちゃんは教えてくれないし」

 

「当たり前だろ。人の気持ちはそんな簡単に教えていいもんじゃない」

 

咲と理沙は風を心配そうに見る。でも、風はいつも通りの表情だ。悲しんでるのか喜んでるのかそれすらわからない表情。

 

「私は今のままが一番好きだから。一番の友達だけど、それ以上の関係ではない今の関係が好きだからこれでいいんだよ」

 

「……ま、お前がそう言うなら私は何も言わないけど」

 

「風さんには私達がついてるから。いつでも相談にのるからね」

 

「うん。ありがとう、理沙さん、咲」




どうでしたか?

姉貴は実は完璧キャラでした。題名でもわかるけど。

黒崎家の鈍感度は凪、咲、理沙です。理沙が一番勘が鋭いです。

そして、風の気持ちはどうなのか。凪は春と仲良くできるのか!!

感想と訂正があればお待ちしております!


風のキャラがイマイチわからない。

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