書き溜めする予定がなかなか時間がなく結局全然できなかった。
投稿少し遅めになるかもしれませんが
よろしくお願いします。
春side
春。暖かな風が桜の枝を揺らし髪をくすぐる、そんな4月。私は今日から高校1年生。念願叶って家の家の近くの共学の学校に合格。今まさに新しい生活に期待に胸をふくらませているところです…!高校生ってどんな感じだろう?とりあえず初日は空も真っ青で桜も咲いて、なんだか素敵な恋とかが始まってしまいそうな予感です。…………とか思っていたのですが。
「お嬢ちゃん可愛いね。高校生?」
「学校なんていいから俺たちと遊ぼうぜ」
なんだか初日っからピンチです!!
あわわ……どうしよう。ただでさえ中学女子校で男の人って苦手なのに……
「ほら、こっちに……」
私の肩に男の人が触れようとして来る。誰か助けて!!
「おい、その辺にしとけよ」
「………………え?」
主人公side
「あぁ、今日から高校1年か。中学とはまた違って楽しいんだろうな」
そんな期待を胸にふくらませて俺は今学校に登校している。
「空は雲ひとつない青だし、桜は咲いてて綺麗だし今日は最高の入学式日和だな…………ん?」
独り言を言いながら登校してると、俺と同じ学校に通う生徒だろうと思われる女の子が生徒がガラの悪い不良4人に絡まれていた。
「あの人達何こんな朝っぱらからナンパとか何してんだ?アホじゃねえの」
そう思いながら俺は少女の元へ駆け寄る。男の1人が少女の肩を触れようとしている。女の子はビビってグッと目を閉じている。
「おい、その辺にしとけよ」
俺は触れようとしている手を払い女の子の前に立つ。
「………………え?」
「あ、なんだよてめぇ」
さて、飛び出してこっちに来たのはいいがこの後どうしよう。さすがに大人4人に喧嘩で勝てるわけなんか全くしない。こういう時ってどうするべきなんだろうか。…………そうだ。
「なんだ?盾つくと容赦しねえぞ」
「そうはいかねえ。この子は俺の彼女だ。一緒に学校に行く約束してたのに………………大丈夫か?」
俺は後ろを向き女の子を心配する。女の子はビビって何も話を聞いてなかったのか、ただコクリと頷くだけだった。
「…………ちっ!彼氏いたのかよ。行こうぜー」
男達は去っていった。それを見た俺たちは溜息をつく。女の子は安心したのか地面に座り込んだ。
「怪我とかしてない?大丈夫だよな。立てる?」
俺は女の子に手を出す。あれ?この女の子誰かに似てるような…………
「…………すいません。足がすくんで立てないです」
「あらら、どうしよう。このままじゃ入学式間に合わなくなっちゃう」
「あ、あなたも新入生なんですか?」
あなたもって事はこの子も新入生。つまり同じ学年が。
「そうだよ。俺は今日から凡矢里高校1年、黒崎 凪だ。よろしくな」
「……1年の小野寺 春です」
「小野寺?………………もしかして、小野寺小咲さんの妹?」
「お姉ちゃんを知ってるの!?」
この子小野寺先輩の妹だったんだ。どうりで誰かに似てると思った。
「小野寺先輩は俺の中学の時の先輩なんだ。色々世話になったりしたんだよ」
「そうなんだ………あ、入学式どうしよう?」
「確かに」
時間を見ると、やばい時間まで来ていた。そろそろ向かわないと間に合わなくなる。
「まぁ、小野寺だけ遅刻させるのも悪いし俺もここで残るよ」
「そんなの悪いよ。黒崎君だけ先に行って。私のせいで遅れたなんて言えないでしょ?」
「それでまた不良に絡まれたらどうするんだ?」
「でも!…………」
「…………あ、1つあるわ。2人とも間に合う方法」
俺は小野寺の前でかがむ。
「俺がお前をおんぶして向かうよ。そうしたら間に合うだろ?」
「え!?」
俺がそう言うと小野寺はだんだん顔を赤くしていった。
「いいから。どのみちこの方法しかないんだし小野寺も初日から遅刻は嫌だろ?」
「…………うん」
小野寺はしぶしぶという感じで俺の背中に乗っかってくる。それを確認した俺は歩き出した。
(男の人ってこんなに優しい人もいるんだ…………そういえばさっき黒崎君が私の事助けるためとはいえ彼女って…………やだ、何私意識してるの!?)
「ん?」
春が頭をブンブン振っている。なんかあったのか?………そういえば小野寺を助けるためとはいえさっき彼女って。あとで謝らないとな。
「何とか間に合ったな」
なんとか間に合い校内に入ろうとした時には小野寺はもう立てるようになっていた。そして、無事に入学式に出席する事が出来た俺たちは2人でクラス分けを見に行った。
「私は…………あ、あった!」
「俺もあったわ。小野寺と同じクラスだな」
「本当!?よかったー。黒崎君がいないと話す男子が1人もいなくなっちゃうから」
1人もいなくなるって?女子校だったのか?それとも、何か男子が嫌いとか?
「あ、春。よかった。待ち合わせの時間になってもこないから心配してたんだよ」
「風ちゃん!?ごめんね。ちょっと色々巻き込まれて」
「まぁ、無事だったんなら良かったんだけど。って、あれ?そっちの人」
風が俺に気づきこっちを見てくる。
「あ、そうだった。今日登校中に私が不良に絡まれてるところを助けてくれたの。その上すっごく優しいんだよ!!」
「おっす。よろしくな、風」
「春を助けたのって凪君だったんだ。よろしくね〜」
「あれ?何でそんなに仲良さげに話してるの?」
「「家が隣同士の幼馴染」」
お互いに指をさしあって同時にハモる。その様子に小野寺は驚いた顔をして俺たちを交互に見る。
「えっ、そうだったの?」
「風がこの学校受ける事は知ってたから顔は合わせるとは思ってたけどまさか、小野寺の友達とは思ってなかったよ」
「私も。初日から私の友達が凪君と一緒に登校してくるなんて思わなかった。これって、運命なんじゃない?」
「う、運命!?」
風がそう言うと小野寺は顔を赤くして俯いた。そんなに恥ずかしかったのだろうか?
「春も大胆だね。いきなり男の子とイチャイチャで登校してくるなんて」
「イチャイチャしてないよ!!」
「またまた〜、嘘ついて」
「ついてないったら!」
女子2人の仲よさそうな会話。俺が話に入る隙間は全くなさそうだ。
「……それにしても、本当に良かったね春。苦手な男の人に友達ができて」
「男の人苦手なのか?」
「……うん。女子校通ってたのもあるんだけどね。でも、黒崎君なら大丈夫そう」
「俺で普通に話すことができれば、他の男子だって大丈夫だよ」
「うん…………でもちょっと不安かな?」
「…………まぁ、すぐに治す必要はねぇよ。ゆっくり治していけばいいさ」
「うん……ありがとう」
「ふ〜ん」
風が俺たちをじっと見つめる。風がこういう目をする時は大概よからぬ事を考えている時だ。気をつけないと。
「春……頑張って!」
「え、何が?」
「早く教室行こ。入学式間に合わなくなっちゃうよ」
風が何が言いたかったのかわからない間、俺たちは3人で教室に向かった。
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