枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

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続きです。なんか最近本文が短めだなぁ…溜めてから書いたほうがいいかな。


人探しです

「そうか…ケイが生きていたか……」

 

ラバが急いでボスを呼んできたおかげで、敵の襲撃を受ける前にアジトを移すことができた。と、言っても急な事だったのでテントを張っただけの臨時アジトだが。

 

「ボスは何か知ってたんですか?ケイの事。」

 

「いや、世間一般で知られているようなこと以外は何も知らん。」

 

ボスでも知らないとなると本当に帝国側の切り札ってかんじだよな。まぁ一人で数百人殺せるんだから当たり前ちゃ当たり前なのか…。

 

「それで?お前ら全員で戦ったんだろ?強かったか?」

 

「やばいやつだったわよ。アタシ達全員を一人で相手してたんだもの。あいつ、エスデスとブドーと並ぶかもしれないわ」

 

「帝具も凄かったなぁ。無限殺法トエテシュレーガ。武器が次々出てくるんすよ。いくつ入ってんだか。」

 

「何よりあいつ自身の人格がやばい。あいつにとって殺しと呼吸は同義だよ。あたしの第六感が逃げろって騒いでた。」

 

「アカメはどうだ?何か感じたか?」

 

あれ…ボス、俺も……

 

「噂通り、危ない奴だってことはわかった。ただ…」

 

「なんだ、何か分かったのか?」

 

「断定は出来ないが…あいつ、武器の扱いに関しては素人に毛が生えた程度だ。」

 

「ええ!?」

 

思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「ちょっと待てよ、アカメ。あいつは俺たち五人を一人で相手にしてたんだぜ?流石にそれはないんじゃないか?」

 

「あれはあいつの殺人衝動によるものが大きい。殺すスキルに優れるということは殺されないスキルにも通ずるということだ。だからこそあいつら私たち五人を相手に出来たんだ。私たちは殺気むき出しだったからな。」

 

「…なるほど」

 

「だが、刀を交えてみてわかったがあいつ、刀の扱いが全然なっちゃいない。その辺の帝都警備隊のほうが上手いかもしれないな。」

 

「そこがよくわからないな。殺しの達人なら自然と武器の使い方も上手くなるんじゃないか?」

 

「普通はそうだ。だか戦闘のスキルと殺しのスキルは違う。前者は戦った後、武器の使い方に対して反省の心が生まれる。あそこでもう少し力を込めるべきだった、とか。あそこでの刀の角度がイマイチだった、とかな。

だが、後者は殺すことが目的だからな。殺せたらそれは完璧な事象で反省する点などない。殺せなかった場合でも反省するのはなぜ殺せなかったかということだ。こんなんじゃ、武器の上達なんかするわけがない。」

 

「なるほどなぁ、じゃあそこがあいつの弱点なのか?」

 

「どうだろう。それをカバーするための多量の武器、という気がする。技量の無さを武器の量で補っているって感じだな。」

 

「そうか……」

 

アカメの奴…少し刀を交えただけでそこまで…やっぱりすげえ奴なんだな……

 

「なんにせよ、強敵なのは変わりないか…アカメ、ご苦労だったな。そしてみんな、これよりナイトレイドはケイを完全に敵とみなす。次に会った時は確実に殺せ。いいな?」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

「よし、じゃあ私は今度こそ革命軍の本部に帝具を届けてくる。万が一敵にここがばれたら好きに移動して構わない。革命軍本部にある占いの帝具でお前らの場所を占うからな。」

 

「よし、アカメ!特訓だ!ケイにはもう負けないぜ!」

 

「わかった」

 

「じゃあ俺は周りに結界張ってくるわ」

 

「ちぇ、アカメ取られちまった。じゃあ、マイン。あたしと特訓するか〜」

 

「人を余り物みたいに言うな!」

 

「元気一杯で結構!じゃあな、行ってくる。」

 

「行ってらっしゃい〜。ボス、お土産よろしくー」

 

早く強くならなくっちゃな。次に会ったらちゃんと殺せるように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかくの休日だと思ったのに、読書とクロメちゃんとのお茶で終わってしまった。そろそろ本格的に休みを貰おうか……

 

「で、大臣。話とは?またナイトレイド討伐は勘弁してくださいね。こっちが死んでしまう。」

 

「えぇ、流石に君でも一人でナイトレイド討伐は少し荷が重すぎましたね。それはしばらくエスデス達に任せますよ。なに、簡単仕事ですよ。人探しです。」

 

「人探し?…簡単な仕事に文句はないですけど、それ僕がやらなくてもいいんじゃないですか?それこそ数もいる帝都警備隊にでも……。」

 

「そうもいかないんですよねぇ。探している人は結構な曲者でして。」

 

「…並のものでは怪我するということですか?」

 

「えぇ、まぁ。怪我というか。なんというか…」

 

「何か煮え切りませんね。殺されるということですか?なら確かに僕が適任と言えますが。」

 

「殺されはしません。ただこの仕事を受け持った人はみんな精神病院行きです。」

 

………へぇ。

 

「じゃあ、頼みましたよ。」

 

「いやいや、情報をください。誰を探せばいいんですか。人相書きをくださいよ。」

 

「ありません。わかっているのは名前だけです。なぜか集めた情報が毎回なかったことになってるんですよ。」

 

「……それは帝具使いってことですか?」

 

「えぇ、ただしその情報は与えられません。最高機密なのでね。」

「……わかりました。じゃあ名前を教えてください。確認するときに使います。」

 

「『ミソギ』です。」

 

「わかりました、では行ってきます。」

 

「絶対に殺さないでくださいね。君と同じ最重要人物の一人ですから。」

 

「わかってますよ。」

 

…………わかってないけど。

 

 

 




はい『ミソギ』です。苗字の方がいいとか言わないで(⌒-⌒; )

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