「ん……ここは……」
「マイン!」
「…アカメ……?」
「分かるのか!?」
……何言って……あぁそうか……。
「………手間かけさせたわね……」
「良かった…記憶、戻ったんだな!おい!みんな!マインの記憶が戻ったぞ!」
おぉ、ぞろぞろと。……迷惑かけちゃったわね…。
「みんな……ごめんなさい……でも大丈夫!えっと………そう!パンプキンが助けてくれたから」
「パンプキンが?」
不思議そうな顔をするボス。ふふん、私はボスよりもパンプキンを使いこなしてるわね。対話もできるようになったし。
《いやー、でも俺っちペチャンコより、ある程度ふくらみがある方が好みなんだよね》
「ぶっ殺すわよ!」
「な、なんだ?どうした急に……」
「え?あ、あれ?」
《俺っちの声はマインちゃんにしか聞こえないよん》
「そ、そうなの?」
早く言ってよ!バカみたいじゃない!
「えーと?マイン?」
「あ、いや。そのー。なんといったらいいか……」
「なぁ、もしかしてパンプキンにも自我が生まれてマインを助けてくれたんじゃないのか?俺のインクルシオみたく」
タツミ……あとでぶん殴るけどフォローありがとう。あとでぶん殴るけど。
ん?インクルシオみたく?
「何?そうなのか?」
「あ、うん。そうなのよ。夢の中……というか精神世界とでもいうのかしら…。そこでパンプキンに治療してもらったの」
《じゃあここからは俺っちが説明するよん》
「え?」
《俺っちは精神を具現化することができる。普段はそれを弾にして攻撃しているわけだ。だから俺っちの精神をマインちゃんの体に移せば便宜上会話ができる》
「あぁ、なるほど」
「なんだ?マイン?パンプキンと話してるのか?」
「あ、うん。ちょっと待ってて………こうかな?」
私はパンプキンを持ち精神を集中させる。
「………マイン?」
「ヤッホー!皆さんこんにちは!パンプキンでーす!ピースピース!あ、ナジェンダさん、久しぶり!元気だった?髪切った?切ってない?あ、そう。ともかくこれからみんなよろしくね!」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「マインちゃん。スベっちゃった」
知らないわよ!てか私がスベったみたいだからやめてよね!
「デジャヴだ…帝具はみんなあんなテンションなのか?………………っておぉ!?」
―――インクルシオ―――
タツミ?急になに?インクルシオを纏って…。
「へぇーあなたがパンプキンか。初めまして……じゃないわね。久しぶり?かしら?」
「んー?タツミくん?どうしたの?おネェに目覚め……あ、そうか。インクルシオか。うん、久しぶりー。タツミくんも対話を終わらせたみたいだね」
た、タツミも?じゃあ、あれがインクルシオ……てか女だったの?……タツミの声のままだからだいぶ気持ち悪いけど。
「そうか……マインもタツミ同様に……。なるほどな、ということはお前がパンプキンか。まさか喋れたとはな。使用してる時に話したかった」
「まぁ、しょうがないさ。対話するのに条件が整わなかったからさ。ナジェンダさんもいいパートナーだったよ?」
「条件?」
「あぁ、聞き流して」
「………」
「ともかく、これからよろしくね。みんな」
こうして私はナイトレイドに戻り、新たにパンプキンが入団した。
その後私はミソギと出くわしたこと、カルマという女にやられたことを話し、そして逆にラバが帝国に捕まって洗脳されてしまったことを聞かされた。ラバ……私を助けるために……。
「ふむ、なるほどな。マインがくらったのは十中八九『致死武器・スカーデッド』だろう」
「ボス、知ってるんですか?」
「一般の帝具図鑑には載ってない。帝都中央図書館の閲覧禁止の書庫にある本には確かあったな。それでも全てではないが」
「どんな能力なんです?」
「完治済みの怪我や疾病を強制的に再発させる帝具……平たく言えば古傷を開く帝具だ」
古傷を……?そうか、だからあの時切り傷が…。でもあの精神破壊は……。
「マインのトラウマのやつは?」
「…奥の手だろうな。通常のスカーデッドが肉体の傷を開くに対し奥の手は精神の傷を開く…と言ったところか?」
なるほど……さすがボス、推理力はピカイチね。
「何にせよ、マインが戻ってきた。数日以内にこちらから動くぞ。ラバックのこともあるしな。イェーガーズは元より、ケイが属す組織とも戦うだろう。お前たち、心の準備は出来てるか?」
「勿論。クロメを
「俺はナジェンダの命令に従うだけだ」
「私も裏で隙あらば仕掛けるわ!」
「やっとあいつらをボコボコにできるのか…。腕がなるね!」
「私も、タツミ君が望むだけの力を貸すわよ?」
「俺っちもマインちゃんに従うよん♪」
「みんな、殺る気があって結構!作戦がまとまり次第また招集する。それまで体を休めていろ。では解散」
ふう、とりえず終わったわね。さてと………。パンプキン、変わって?
シュウウウウ………
「タ・ツ・ミ?」
「ん?」
………その後タツミには人生の厳しさを体に叩き込んでやった。(なぜかチェルシーも手伝ってくれた)
「お前たち、ナイトレイドの目撃情報が入った。帝都の近郊だ。が、今はそこから南東と北東に分かれて移動中だそうだ。この機を逃すわけにはいかん。全員の準備が出来次第、出発する」
いよいよか……ナイトレイド……厳しい戦いになりそうだ…でもこっちは帝具使いが7人。負ける気がしねぇぜ!
「罠の危険はないのですか?」
ランが質問する。ううむ、そうか。誘い込まれている可能性も捨てきれないのか……。
「十中八九罠だと思っていいだろう。ナジェンダがこんな隙を見せるとは考えにくいしな。だが罠だろうがなんだろうがそれごと蹂躙するだけだ」
さすが隊長……考えがぶっ飛んでるぜ………。
「いよいよですか……ウェイブ殿!頑張りましょうね!」
「あぁ、お前も気を引き締めろよ」
コイにとっても最初の壁になるだろうな。先輩らしく守ってやらねぇと。
「それと、もう一つ。ラバック(改)も連れて行く」
あいつか……用は同士討ちさせたいわけか。隊長もエグいこと考えるなぁ…。
あ、セリューの機嫌が悪そう。
「では1時間後に出発とする。いいな」
「「「「「「はい!」」」」」」
待ってろよ、ナイトレイド!必ず捕まえてやるからな!
『さて、みんな。ナイトレイドが動きを見せたそうだよ?イェーガーズも動くそうだ。ケイ君もだいぶ回復したし、大臣からイェーガーズの補佐の命令が下った』
「つまり?」
『戦争だ。ナイトレイドを殺してやろう。才覚ある殺し屋集団に
「でも……なんでイェーガーズには秘密なんですか?」
『大臣曰く、敵を欺くならまず味方から、だそうだよ?』
本当かよ……なにか企んでそうで怖いな……。
『ケイ君も大丈夫?』
「あぁ、問題ない」
湧き上がる殺意以外ならね。
『うん、じゃあ「むなしい勝利」を目指して頑張ろー!」
「「「おぉー!」」」
………え、「おー!」なの?
「ふふふ、やーっとバトルらしいバトルが始まりそうじゃないか。エスデスちゃんには悪いけど、デートは延期だね。死者も出さないとだし。全く……ミソギ君かケイ君が戦いに加わると『帝具戦では必ず死者が出る』という掟を崩しちゃうからなぁ……。ミソギ君は無意識に…と言うかあの子の前では勝負自体ぐちゃぐちゃになるからまぁしょうがないけど、ケイ君はわざとなんだよなぁ。あの子のその場にある殺意を全て操ってるから……。うまく死者が出ないように操作してやがる。この安心院さんを前になんと生意気な。でももうそうはいかないぜ?今回君たちは同じチームにして切り離すもんね。もう一方のチームはどうしたって死者が出る。ざまぁねぇぜ。
ナイトレイド残り7人(+覚醒帝具二つ)イェーガーズ残り7人(+ラバック君(改))ナイアーラトテップ残り5人か。ここだけで帝具が19個。さてさて誰が死ぬのかなぁ?ここばっかりは安心院さんも見物を決め込むぜ?
ナイトレイド北東組【全員】
ナイトレイド南東組【フェイク】
イェーガーズ北東組【クロメ、ウェイブ、ボルス、ラバック(改)】
イェーガーズ南東組【エスデス、セリュー、ラン、コイ】
ナイアーラトテップ北東組【カルマ、ムカエ】
ナイアーラトテップ南東組【ミソギ、ケイ、リアルイーター】
この戦いで出る死者ーーーー3名。
リンゴ丸12のレベルが上がった!
ルビの振り方を覚えた!