枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

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地の文の少なさはもう諦めた感がありますね……漫画ばっか読んでるからどうしても会話だけで話を進めてしまう……どうしたものか……


これで安心!

「安心院さんの!これで安心!帝具!アーンド、スキル解説ぅ!イエーイ!パチパチパチ!」

 

「……………」

 

「うわーお!ノーリアクション!大好きだぜータツミくん!」

 

いや、普通にウゼェ。

 

「あの……えっと……安心院さん?」

 

「何かな?生徒タツミ君」

 

ずっとこのテンションなのか……マジか……

 

「前振りはいいので早く教えてください」

 

「つれないなぁ。こういうのはノリだよノリ。まぁじゃあ始めるかな。まずはここの場所の説明から。ここは何処だと思う?」

 

「えぇ……んー俺の夢の中……とか?」

 

まぁこの考えだと俺はイートちゃんのキスで昇天したってことになるんだけど……

 

「んー!正解!」

 

「マジで!?」

 

最悪だ!俺はロ……ロリコ……

 

「うん、ロリコンだね。何を今更」

 

「心を読むな!」

 

「ま、どっちにしろ将来的には君はロリコンのレッテルを貼られるよ。年上キラーのくせにね〜」

 

「……どういう事だ?」

 

「それはまた別のお話だ。今はこの教室の話。ここは君の夢の中ってのは正解。そこに僕がお邪魔しているわけだ。お邪魔します」

 

「入ってからだいぶ経って言われても…」

 

「さて次の問題、僕はどうやって君の夢の中へ入ったと思う?」

 

と、言われましても…あ、もしかして…

 

「……帝具か…?」

 

これは自信ある。てゆーかこれしかないだろ。

 

「ぶぶー!ハズレです」

 

うそん。

 

「僕は帝具なんて使い勝手の悪い物使いませーん。これは僕の固有スキルです」

 

「さっきからちょくちょく出てくるな。なんなんだ、スキルって」

 

「お答えしましょう。ふふ、先生はいいものだねぇ。ラン君の気持ちもわかるってもんだよ」

 

……いちいち無駄なことが多いな。

 

「スキルとは、僕が発明した固有能力のことだよん」

 

「は、発明!?」

 

「そ、まぁ言ってしまえば僕の暇つぶしの産物なんだけど……結構便利なのでね、僕は好んで使ってるんだ」

 

発明って……この人は科学者か何かなのか?

 

「はぁ……じゃあ俺の夢にいるのもそのスキルってやつの能力なのか」

 

「そう、僕の固有スキル『腑罪証明(アリバイブロック)』このスキルを使えば好きな時に好きな場所に入れるのさ。北の果てでも南の果てでも、天国でも地獄でも、他人の夢でもね」

 

とんでもねぇ発明だな。それこそ帝具みてぇだ……ん?

 

「じゃあイートちゃんにキスされてここへ送り込まれたのも…」

 

「ご明察、アレはスキル『口区間(ドア・トゥ・ドア)』キスを通じて対象を夢の世界へ送るスキルだ」

 

……キスである意味はあるのだろうか?

 

「ははは、キスで夢の世界へ送るなんてロマンチックじゃないか」

 

また心を読む……これもスキルか?

 

「そうだよ……ってキリがないね。次の問題へ移ろう。次は……えーと……そうそう、帝具のことだ」

 

「帝具?帝具のことなら知ってるぞ」

 

ナイトレイドの書庫で勉強しまくったからな。隙はない。

 

「じゃあ説明してご覧?」

 

「……えーと…1000年前、帝国を作った始皇帝が、国の存続を永遠にするために超級危険種を素材に作った至高の48の超兵器……だろ?」

 

「んーまぁ…概ねあってるかな?」

 

「なんだよ…引っかかる言い回しだな…」

 

「じゃあ始皇帝はなぜその結論に至ったでしょーか」

 

……?どういうことだ?だから国の繁栄を永遠にするために、って話だろ?

 

「言ってる意味がわかんないんだけど……だから国の繁栄のために……」

 

「いやいや、だからなんでそこで帝具かって話。別に他にも方法は色々とあったと思わないかい?東の島国は鎖国と言って外国からの力が及ばないようにしてるし、錬金術で知られる西の王国は絶対王政で国王の権力を強めている。わざわざそこで兵器を作ろうとは思わないんじゃないかな?」

 

まぁ…言われてみればそうだけど…

 

「超級危険種の力さえあれば国を守れると思ったんじゃないか?武器なら後世に残るしさ。てゆーかこの質問意味あるのか?真相がどうであれ1000年前の話だろ?そんなの誰も分かるわけないじゃないか」

 

「ヒント1。スキルは多岐にわたるものでね。人類を超越したものさえあるんだ。絶対切断のスキル、他人の思考を読むスキル、死体を操るスキル」

 

「いや、そんなもの帝具にもあるよ。イマイチ、スキルと帝具の違いが分からねぇな。あんたは使い勝手が悪いって言ってたけど……」

 

「僕のことは親しみを込めて安心院さんと呼びなさい。使い勝手が悪いさ。なにせ道具を媒介にしなきゃいけないんだから。ヒント2。始皇帝は最初帝具なんて作ろうともしてませんでした」

 

「はぁ?なんだそりゃ?てゆーかなんでそんなこと……まさか……!あんた…!」

 

「僕のことは親しみを込めて以下略。ヒント3。まぁ、これはあんまりヒントにはならないけど……君はスキルはどれくらいあると考えてる?まぁ僕に言わせりゃそんなにないんだけどね〜。はい!じゃあ答え言ってみよう!」

 

「…あんたは始皇帝が生きてる頃からスキルで生きていて…あんたが帝具開発の立案者……」

 

「ピンポンピンポン!大ー正ー解ー!永遠を生きるスキル『死延足(デッドロック)』僕にとって千年なんて時間ですらないのさ」

 

「あんた……神様か何かか……?」

 

「はは、違う違う。僕は人外の人でなしだけど、神様なんかじゃないさ。まぁ神になるスキル『過身様ごっこ(スペックオーバー)』なんてのもあるけどさ。それでも神様なんておこがましい」

 

…どうやら俺はとんでもない人(?)と話しているようだ。………ん?

 

「あのさ、だったら安心院さんがこの国を納めればいいんじゃないのか?わざわざスキルの二番煎じみたいな帝具なんて作って……回りくどくないか?」

 

「……ヤダよ、面倒くさい。僕はただ眺めてるだけで十分なのさ」

 

「そう…なんだ」

 

いまいちこの人の性格が掴めないな…。

 

「さて、どこまで話したかな……。………あぁそうだ。次はあれだ。本題だね。君がどうしてここに呼ばれたか」

 

「あぁ!そうだよ!なんで俺こんなとこに呼ばれたんだよ。早く帰ってみんなと合流しないと…」

 

「帝具もないのに?」

 

「!!」

 

そうだった…。あ、もしかして……

 

「もしかして、帝具の代わりになるようなスキルを貸してくれるのか?ラバみたく」

 

「ん〜。それも考えたんだけどねぇ。君はラバック君のように器用じゃないからなぁ。使いこなせるかどうか……」

 

「えー…じゃあ……なんのために?」

 

「なに、もっと単純な話さ。今、イートちゃんがインクルシオを直してる。その間が無駄にならないように、君に話しておけることを話しておこうと思ったんだ」

 

「え!?帝具って直せんの!?」

 

失われたオーバーテクノロジーって設定どこいった!

 

「そりゃ、普通は直せないさ。あの子が特別なの。あ、もちろん僕も直せるけどね」

 

「…あの子は何者なんだ?安心院さんは何か知ってるみたいだけど……」

 

「ふむ、それが今僕が君に話せる最後の話題かな?彼女は帝具だ」

 

「………………は?」

 

「びっくりした?」

 

「いや……もう……キャパが………」

 

………帝具……帝具か………えぇー………

 

「良かったね、彼女は少なくとも千年は生きてるから君の年上キラー説は肯定され続けることになるぜ?」

 

「いや、それに関しては別に気を落としてねぇよ!……つまり彼女はスーさんみたいな帝具人間ってわけか?」

 

「そうだね。まぁ『電光石火スサノオ』はマスターとなる人間の警護に主眼を置かれた帝具なわけだが、彼女は違う。マスター、つまり使用者がいないんだ」

 

「?」

 

「唯一絶対の完全自立型帝具。まぁ、強いて言うなら使用者は始皇帝だ。彼女は初めて作られた帝具だからね。故に彼女の能力は他の帝具とは一線を画している」

 

「どんな……能力なんだ?」

 

「…始皇帝もね、いくら帝具といっても永遠に受け継がれるとは思ってなかった。だから、保険をかけたんだ」

 

「保険……?」

 

「『改竄魔神リアルイーター』これが彼女の本来の名だ。つまるところ帝具を作り変える帝具、といったところかな?」

 

「帝具を!?」

 

「そう。彼女は帝具を喰い改め、昇華するんだ。もちろん完全に違ったものにはできないが、刃が折れたくらいの修理なんて造作もない。つまり君のインクルシオも現在絶賛改造中だ」

 

「じゃ、じゃあ!俺はまた戦えるんだな!」

 

やった!これでまだみんなと一緒に!

 

「もちろん、今までのインクルシオとは性能が異なってる。あくまで帝具を作り変えるんだからね。今までの戦い方は変えてったほうがいいだろう」

 

「なんだっていいさ!戦えるなら!ありがとう!安心院さん!」

 

「………どういたしまして」

 

なんだ、やっぱりいい人なんだ。良かった。この人が味方なら大臣もあっという間に………

 

「あ、そうそう。代わりに頼まれて欲しいことが二つあるんだけど……いいかな?」

 

「?」

 

「一つはここに来て僕に会ったことは一般人に秘密にすること。もう一つは矛盾するようだけど、ここにきて僕に会って聞いたこと全てをアカメちゃんに話すことだ」

 

「……つまり、アカメ以外にはここで起こったことを秘密にしろってことか?」

 

なんでアカメだけ?

 

「そうそう、お願いね」

 

「わかった。頼まれた」

 

「うん!じゃあ、とりあえず僕に話せるのはこのくらいかな?そろそろイートちゃんの修理も完了してる頃だろう」

 

「おう!」

 

「最後に……」

 

「?」

 

「えい」

 

ーーーーーッ!?!?!?

 

「むぅぅぅ!!!」

 

「ーーーぷはっ!ふふ!もう読者もこの展開は飽きたかな?まぁ必要な事だから勘弁してくれ」

 

「もう……なんか……キスが嫌いになりそうだ……」

 

「今君にはスキルを貸し出した。スキル付与回収のスキル『口写し(リップサービス)』これでイートちゃん、もといリアルイーターから『口区間(ドア・トゥ・ドア)』を回収しなさい。あ、その時ついでに『口写し(リップサービス)』はリアルイーターに移してね」

 

それってまたイートちゃんにキスするってこと!?どんなキス魔だ…。

 

「な、なんでまた……」

 

「ナイトレイドのアジトについたらわかるさ。じゃあこれで本当にさよならだ。またおいで。バイバイ」

 

「安心院さん………」

 

……………………ここ、俺の夢の中。




お知らせです。近日中に刀語の二次小説をあげるつもりです。(影響されすぎ)よろしかったらそちらもぜひ読んでください。
もちろんこっちの小説も完結までは書きますけどね。

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