枯れた樹海と殺し屋たち   作:リンゴ丸12

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ケイ達が絡まないストーリーはぐんぐん進んじゃいます。展開早すぎて会話が少しおかしいかなって感じもしますが……目をつむってください(e_e)


僕みたいな子

翌日、エスデスと一夜を明かした俺は(何もなかった、何もなかった!)会議室へ。エスデスにここに来るように指示されたのだ。

 

「よう、今日はよく……眠れなかったみたいだな…」

 

ウェイブが心配そうに声をかけてくれる。やっぱりいいやつだ。

 

「起きたら抱き枕にされてた」

 

これは本当。一秒も眠れなかった。クソ眠い。

ウェイブの隣にはクロメが。お菓子を食べている。

うーん、この感じどこかで……

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「このお菓子はあげない!」

 

アカメか!ケチなところは違うけど(アカメはみんなで食べよう主義だ)アカメ関係の何かだ!

 

「………何?」

 

「いや、なんか手配書のアカメって奴に似てるなって……」

 

「あぁ、それは俺も思った」

 

と、ウェイブも続く。

 

「あぁ…優等生の身内だよ。帝国を裏切っちゃったけど。早く会いたいなぁ。会って………殺してあげたいんだぁ」

 

「…………」

「…………」

 

ヤンデレ?シスコン?キャラ盛りすぎだろ。

 

そんなやりとりをしているとエスデスが。

 

「お前たち今日はフェクマへ行くぞ」

 

フェクマ?あぁ、フェイクマウンテンのことか。兄貴とよく修行に行ったっけ…

 

「昼間は私とクロメ、タツミとウェイブだ。クロメは力の底がまだわからんからな。この機会に見極めさせてもらう」

 

「あれ、俺は見極められちゃってるんですか?」

「良い師に出会ったのだな。すでに完成された強さだ。誇っていいぞ」

 

ウェイブが照れくさそうに頬をかく。

ん?じゃあ、俺の監視はウェイブだけか?これは逃げるチャンスだ!

 

「夜はウェイブとクロメ、私とタツミだ」

 

……絶対に昼間に逃げなくては…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、宮殿じゃあこんなこと言えないがお前も大変だよな。エスデス隊長にあんなに気に入られちまって……」

 

ウェイブが話しかけてくる。ちょうどフェイクマウンテンの中腹くらいに来た辺りだ。

 

「全くだよ。はぁ、今から夜が憂鬱だ……」

 

「まぁ、俺でよければ相談に乗るぜ?ほら、俺たち似た者同士だろ?」

 

「似た者同士?どこが?」

 

「え、いや、なんつうか……してきた苦労がおなじっつうか、これからする苦労が一緒っつうか…」

 

「あぁ……」

 

超納得。周りがアブノーマルばっかってことね。

 

!!

 

「ん、タツミ?……っておい!」

 

木獣の群れ!あぶねぇ!

 

「……っ、悪い!助かった!」

 

「なんの!」

 

あ、勢いで助けちゃった。こいつは敵なのに……

 

「よし、パパッと片付けますか!」

 

「おう!」

 

息ぴったり。こいつとは本当にいい友達になれるかもしれない

 

 

 

 

 

「ふぅ、これで全部か……そっちはおわったか?タツ……タツミ?」

 

 

 

 

 

まぁ逃げるんだけどね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……本当にすみませんでした………このウェイブ、深く反省しております……」

 

タツミ……何てことを……逃げるなよ……気持ちはわかるけど。おかげで信じられないくらいの拷問を受けてんぞ、俺……

 

「はぁ、ウェイブ。お前は技量は完成しているが、メンタルがまだまだだ。クロメ、石!」

 

「ん!」

 

「ギャアアア!」

 

し、死んでしまう……

 

「まぁ、仕方ない。私がタツミを完全に惚れさせられていなかったことも原因だろう。あとは鞭打ちと水攻め程度で勘弁してやろう」

 

し、死んでしまう!!

 

「だが、今度同じミスを犯したら私がお前を直々に処罰する。肝に命じておけ」

 

「はい……」

 

スゲェ威圧感……これが帝国最強だと言われる将軍の覇気……

 

 

 

 

 

その後、鬼のような拷問に耐え、部屋に帰ると泥のように爆睡。気付いたら朝になっていた。

 

 

 

「ぐぅ……まだ、節々が悲鳴を……」

 

幸い今日は休みだ。どこかに出かけてリフレッシュしよう。誰か一緒に来るかな?

 

 

 

 

帝都のメインストリート。買い物ならこのに限る。なんでも売ってるからな。結局誰もこなかった。セリューとDr.は新しい武器の発明と実験。ボルスさんは家族サービス。ランは見つからなかった。クロメは……また写真を見てニヤニヤしてたのでほっといた。

 

 

と、いうわけで一人悲しくショッピング。………釣具店にでも行きますかね…

 

 

と、そこで事件が。

 

「話してください!」

「いいじゃん、おにーさん達と遊ぼーよー」

 

……古風な…

 

路地裏でチャラ男2名にナンパされてる女の子がいる。ピンクの髪の女の子は気は強そうだが、実力はなさそうだ。

 

「離してくださいっ!キャッ!」

 

「おいおいだいじょーぶ?ほら向こう行って手当てしなきゃー」

 

「その辺にしとけよ」

 

一応秘密警察。こういう正義の味方のようなこともする。

 

「あ?あんだよテメェ、文句あんのか?」

「ぶっ殺してされてぇのか!?」

 

「はいはい、こういうもんだよ」

 

俺はイェーガーズの手帳を見せる。

 

「げ……!こいつ…!」

「くそ!覚えてろ!」

 

威勢だけはいいんだな……まぁ無駄に戦闘にならんでよかった。セリューだったら見つけた瞬間に殺してたからな?運が良かったなお前ら。

 

「大丈夫か?立てるか?」

 

俺はその女の子に手を差し伸べる。

 

………ん?顔が赤い。そんなに怖かったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ん〜、参った、はぐれちゃったな……どこ行ったんだろ…』

 

「ミソギ君?何してるんだい?」

 

 

帝都の闇市で武器を見ていたところミソギ君に遭遇。君こんなとこいると、目つけられるよ。見ためは弱々しい青年って感じなんだから。…まぁ見た目通り弱いんだけど。

 

『あ、ケイ君。ちょっと聞きたいんだけど、女の子見なかった?ピンクの髪の』

 

「いや、見てないが…どんな子だ?見た目は?」

 

『んーとねー……僕みたいな子!』

 

「絶対に見てない」

 

お前みたいなのが2人といてたまるか。

 

『いやいや、僕と同じ過負荷(マイナス)ってこと。君とも似てるかな?』

 

「…………いや、見てないな」

 

『そっかー全く僕とのデートではぐれるなんて。万死に値するよ。それに彼女惚れっぽいからなぁ。どこぞの馬の骨にナンパされてなきゃいいけど』

 

デートて……嘘くさ……

 

「まぁ見かけたら声をかけておくよ。名前はなんて言うの?」

 

『ありがとう、ケイ君。名前はね……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした?ひょっとしてどこか痛め…」

 

「だっ…大丈夫です!全然平気!どこも怪我なんてしてないです!」

 

そう言って慌てて立ち上がる女の子。

 

「………?、じゃあ…気をつけろよ?」

 

「あ、あの!お名前は!」

 

「名前?イェーガーズ所属のウェイブだ。困ったことがあったらいつでも言ってくれ?すぐ駆けつけるからよ」

 

ふっ。そう言って去る俺、ちょっとカッコよくね?

 

「ウェイブ君………あの!」

 

「ん?まだ何か?」

 

「私……ムカエって言うんだけど……」

 

「……?」

 

「子供はっ……子供は何人欲しい?」

 




あれですね。めだかからの登場人物はしばらくケイだけって……超嘘でした。
過負荷の花、登場です。

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