長年の
とりあえず、再開しますm(_ _)m
魔神ーーそれは人々に害をなす圧倒的なまでに理不尽な存在。召喚術をもってしても人は魔神に敵う事などあまり無い。ましてやクロフォードは上位の魔神。普通の人間が勝つのはもはや不可能だろう。だが、そんな理不尽な存在に抗う力。
人々の希望ーー【六英雄】と絆を結び力を手にした者。それが六輝絆の召喚聖イェーガー、だ。
ティグルは目の前で起こってることが到底信じられなかった。好々爺然とした老人が急に怪物になったかと思うとその強さは戦姫2人の力を合わせても敵わない程強く不思議な弓の力も通用しない。その怪物が今目の前でたった1人ーーそれも自分と同じくらいの年齢の青年に圧倒されていた。
「グアアアアア!」
クロフォードが吹きとび城壁の残骸にぶつかる。イェーガーは右手の槍を肩にのせ左の槍で狙いを定めたまま尋ねる。
「どうした?そんなものなのか、お前の力は?さっきまでの余裕はどうした?」
イェーガーは相手を嘲笑った。
こ、これが・・・
「グ・・・図ニ乗ルナァ!」
クロフォードが激昂し右手の剣を掲げようとする。するとその右腕をイェーガーの周りを浮遊していた剣の1つーー氷宝剣レクシーダが切り裂いた。
「へぇ?まだ戦えるのか?流石にそこは腐っても魔神だな。」
イェーガーは少し驚いた様子でそう言う。そして、けど、と続けた。
「その程度じゃあ俺には勝てない。お前には俺の仲間に手を出したツケをきっちり払ってもらうとしよう。」
イェーガーはニヤリと嗤いながらそう言うと唱えた。
『人々の希望となった六の輝きよ、太古より伝えられし神越の力よ。今ここに我が名において顕現しその力を解き放て。我が名はイェーガー、神を討つ召喚師也!』
するとイェーガーの背後に浮かぶ4つの剣とイェーガーが持っていた2本の槍が強く輝きながら空に浮かぶ。
『
6つの武器は破壊の力を帯びながらクロフォードに飛んでいく。氷、炎、樹、雷、光、闇。それら全てが無数の斬撃となってクロフォードを襲った。
「ヌウアァァァァア!」
クロフォードは最後の力を振り絞って自らの前に盾を作り出す。クロフォードの神としての力全てを消費して作った盾だ。無数の斬撃と言えどもその盾を突破できないだろう。イェーガーが舌打ちして次を撃とうとした時だった。背後から強い力の片鱗を感じた。
『
『
いつの間にか立ち上がっていたエレンとリュドミラもまた最後の力を振り絞り『
爆風の中でクロフォードの叫びが響き渡る。
仕留めたか!
イェーガーがそう思った時爆風が晴れる。そこには満身創痍のクロフォードが立っていた。
「・・・チッ。悪運の良い奴め。」
イェーガーが静かに毒づく。クロフォードがニヤリと嗤った時そのクロフォードを一つの黒い光が襲った。
「!?」
イェーガーが驚き背後を振り返る。
そこには弓を放った後のティグルがいた。
「グ、グアアアアア!バ、馬鹿ナァァァァア!魔神タル我ガ・・・愚カデ下等ナ種族如キニィィィイ!?」
その瞬間破壊の力が炸裂し再び爆発が起こる。
爆発が収まり視界が晴れる。そこにクロフォードの姿は無かった。
「・・・倒した、様だ。」
イェーガーがそう呟く。するとそこに鬨の声を上げながらライトメリッツ軍が駆けつけた。
こうして、タトラ山砦の戦いは幕を閉じた。