朝。自室のベッドの中。二度寝しようとしたらメールが来た。
『ほむん。八幡、我と聖剣を手にする覚悟はあるか?』
『ない』
材木座かよ。マジでやめてくんない?気持ち悪い。
『ちょっ二文字はないですしおすし。ならば今夜、我のホームで待ち合わせとしよう』
『お前話聞いてる…ていうか文章読めてんのかよ。てかお前のホーム知らないし』
この国語力でラノベ作家を目指してるんだから本当に人間、何を考えてるか分からない。特にこいつの場合。
『今夜、サラマンダー領に集結せよ』
『集結?俺以外に誰か誘ったのか?てか誘える奴いるのか?』
『なにをぬかしおる。そんな奴、いるわけなかろう。それは八幡が一番よく分かってるはずでござろう』
これは流石の俺も同情するぞ…。まぁいいや、一応こいつ領主だしここでバックれたりしたらサラマンダー全体を敵に回しかねない。
『了解した。で、聖剣ってなに?』
『なにっ八幡、貴様ニュース見てないのか?その情報力のなさは流石の我も引くぞ。見つかったのだ。エクスキャリバー』
『ふーん。それ手伝えばいいんだな。つーかエクスカリバーじゃないの?』
『ふむん。最初は我もそう思ったのだが、エクスキャリバーで間違いないらしい』
『あっそ。じゃ、寝る』
『ではな八幡、我らの血でかわされた契約、忘れるでないぞ』
あーあ、めんどくせぇ…。また夜に仕事が増えた。
その日の夜。さっそくリンクスタート。サラマンダー領の前に到着すると、マッチョ材木座が待っていた。
「遅いぞ!八幡!」
「エイトマンな。つーか時間ピッタリだし」
「ゴラムゴラム。では参ろうか」
「えっ待て二人?お前、責めてサラマンダーの誰かしら誘ったりしてねぇの?」
え、それだったら俄然行きたくないんですけど…いや誰かいても困るんだけどね。ただ、材木座と二人っていう空間が耐えられる気しない。
「何度も同じことを言わすなよ八幡。我に八幡以外誘える人がいると思うなよ」
「いやだってお前領主じゃ…」
「権力を振り回すダメ上司にはなりたくないのでござるよ。……せっかく手に入れた地位だから嫌われたくないし」
最後、素だったぞお前。まぁ気持ちは痛いほど分かるし、権力振り回す上司は本当に屑だとは俺も思う。
「では、改めて参ろうか」
材木座の号令で再び出発した。
なんかメチャクチャ寒いところ。おい聞いてねぇぞコラ。アイスヘルかよ。
「で、材木座。ここからどうすんの?」
「剣豪将軍と呼べ。まぁ見ておれ」
すると、前に立って大きく息を吸い込んだ。気持ち悪い。
「風雲再起ィーーーッッ‼︎‼︎」
バカデカイ声を出す材木座。出てきたのはデッカいゾウとクラゲが合体したような生き物。
「………なにこれ」
「さぁ乗れ八幡」
言われるがまま乗って出発。すると、確かにエクスキャリバーと呼ばれてもおかしくない金色の剣が光って見えるのが見えた。ふーん、あれを取りに行くのかと思ってたらお隣にまたゾウクラゲ。
「げっ」
「む?」
「あっ」
隣のゾウクラゲにはキリト、クライン、アスナ、リーファ、シリカ、リズ、シノンが乗っていた。
なんでこうなった………。