場所変わって59層。今日はアインクラッドでも最高の天気なんだとかで、俺は飲み物を買いに行かされた。キリトとじゃん負けした。
なんか最近はキリトと仲良くし過ぎてる気がすんな…いや仲良くすることは間違いではないが、このゲームをクリアしたら確実に会わなくなる仲だ。それも物理的に。あまり仲良くし過ぎるのは良くないかもしれないな。
っと、到着。したのはいいんですがなんでアスナもいるんですかねぇー。まぁいいや、関係ない。
「こんな日に迷宮なんかに潜ってちゃ勿体無い」
「だからって…」
「おーいキリトージュース買ってきたよー」
「あぁもうっ!どいつもこいつも!」
俺が戻ってきて声を荒げたのはアスナ。この後、クリアする気はあるのかだの、一日も無駄に出来る日はないだの、高校受験涙目だの、途中から完全にただの愚痴になっていたが、怒られた挙句、結局アスナもお昼寝した。
こいつ、黙ってれば可愛いのになぁ…。さて、俺も寝よう。
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それから数時間後、俺の顔面に何かがめり込んだところで目を覚ました。んだよ気持ちよく寝てたのによとか思いながら目を開けると、顔を真っ赤にしてるアスナ。
「おい、お前か殴ったの…」
「う、うるさい!」
「キリト、こいつ五回殺していいかな?」
「落ち着けエイトマン。アスナの寝相が悪くて気が付いたらエイトマンに抱き付いてただけだ」
「それ完全に被害者だろ俺」
ボヤいてると、急にばっと飛び退いて剣を抜こうとするアスナ。お?なに?やる?と、思ったら、涎を垂らした口から「………一回」と、声がした。
「は?」
「ご飯一回!それでチャラ!」
「「………なにが?」」
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57層の飯屋。アスナに飯を奢ってもらってるキリト。なぜか俺だけ自腹である。殴られたの俺なのに。
そのまま、キリトとアスナはお話中。なんで俺来たんだろうか…いや断ったんだけどアスナに引き摺り込まれたんだよな。まぁいいや、今日の晩飯会議でも開くか。
1、炒飯。この前食ったばっか。却下。
2、カレー。ありきたり過ぎんだよなぁ…却下。
3、ラーメン。決定。
そうと決まれば帰るしかないな。
「んじゃ俺帰るわ。この後ちょっと用あるし」
「おう。お疲れー」
「………ふん」
アスナ、お前は本当に覚えてやがれ。さて、店出て食材買いに行かないとな。ラーメン、ラーメンか…麺とかあんのかな。
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※アスナ視点になります。
まったく…誘ってあげたのに帰っちゃうなんて…。これじゃなんのために来たか分からないじゃない……。エイトくんめ…。でもこの場でもうすぐにサヨナラしちゃったらキリトくんに悪いもんね。
てことでしばらくお話すること数分。
「そろそろ、行くわね」
「おう。じゃあな」
そう思った時だ。外から悲鳴が聞こえた。急いで外に出ると、人のお腹に剣が刺さっていて、それが壁に…こう、なんか、イメージ沸くよね?まぁそんな感じになってた。
急いで助けに行こうとしたが遅い。ガラスのように砕け散ってしまった。
「キリトくん!」
「デュエルのウィナー表示を探せ!」
だが見当たらない。私は男の人が突き刺さっていた建物に向かう。そこには意外な人物がいた。
「をっ。アスナ」
「なにしてんのよあんた…」
エイトくんだった。