前に投稿したときの面影ほとんどないや
前回のあらすじ
魔王・ユダとの決戦に辛くも勝利したアルフ。しかしそれは、新たな戦いの序章でしかなかったのだった…
「おい全然ちげーぞ!どこででっちあげたあらすじだ!!」
☆ ★ ☆
〜ナツルSide〜
問一
一般的に考え、一人の人間が一度にあいてにできる人数を答えなさい。
こんな問題出されたところでみんな適当に2・3人て答えるだろう
でも実際はそうはいかない。普通に考えりゃ人間のスペックなんて似たり寄ったりだ。なので答えは一度に一人が限界、が正解。
つまりなにが言いたいのかと言うと―――
『どうする?誰がやるか決めるか?』
『あたし今日早く帰りたいんだけど』
『めんどうだから一気に全員で叩こうか?』
瀬能くんは軽くピンチです。
そして好き勝手ほざくコイツラに憤慨してます。
『
『
皆次々に召喚獣を出してくる。
当然か、相手は学年最低クラス。その上一人だけだもんな
そして俺もそろそろ召喚しなくちゃならん。だってそうしないと戦闘意識無しとみなされて戦死扱いにされるから。
流石に戦わずして負け扱いにされたくはない
武器がアレだから見せたくはなかったがそうも言ってられない。こうなったらもうどうとでもなれだっ
「
掛け声と共に描かれる魔法陣。そしてそこから現れる召喚獣。その格好は
四本の腕
四本の足
着物装束
人形のような顔立ち――ってかまんま人形
『びっ…日●号だー!!』
違う意味で見せられなかった。
その場にいた生徒(状況が分かってない奴は除く)全員が思わず叫ぶ。
教師陣はなんのことか分からないらしく“?”マークを浮かべていた。
ってあれ?ここは格好普通で武器がアレで、そんで俺が「ハンディモップじゃねえかぁ!」って叫ぶところじゃないの?
まあ尺の都合でカットされたんだろう。あまり気にしないで先に進める
「文月学園に赴任して結構経ちますが…このように変わった召喚獣は初めて見ますよ」
立会いの教師が苦笑いしながら呟く。そりゃそうだろうね
あらためて観察すると髪型と髪の色は俺と同じで、大きさも召喚獣サイズ。尖んがった耳と獣尻尾もある。
絵とかにしたら著作権にひっかかるか、それはとても微妙だ。(小説でよかった)
しかしなんかちょっと違和感があるな…
って持ってる刀が一本づつちげー!!ギルガメッシュかテメーは!
「ひっ・怯むなっ!見た目はアレだが同じ召喚獣に変わりは――」
『対象、確認』
「しゃっ…喋った!?」
いち早く正気に戻ったDクラス生徒が声を発した途端、そちらに顔を向けるからくりモドキ。…なんで喋るの?しかもオリジナルと台詞ちげーのがそこはかとなく怖いんだけど
「なんかもうどうでもいいや、いけっピヨリ号!」
流石に名前言うのはアレなんで多少変えとく。一気に弱そうになったがな
『人形殺法・竜巻』
『ぎゃあぁああぁ!!』
四本の腕を振り回し、四方八方を斬りつけながら相手に突進するピヨリ号(仮)。すげえ、今ので半分近い召喚獣が一気になます切りにされた
なぜか数体だけ胸に『おきなわ』と刻まれて消えていくんだが、いったいなんでなんだろう
………よく見たらこのピヨリ号、一本だけ刀のかわりにさとうきび持ってる。なんで?
『聖魔支配剣、さとうきびセイバー』
もう全然意味が分からないよ。また喋ってるし
頭を抱えたくなるが、そんな俺に構わず、行動したことにより表示される点数。それを見て周りが一気にどよめいた。
Fクラス 瀬能ナツル
現代国語 213点
『なっ…!こいつホントにFクラスか?!』
『一対一じゃ不利だ!まとめてかかれっ!』
現国は結構解けたからな。この点数は俺の教科の中でもトップクラスだろう。
代わりに…とは言わないが英語は酷いもんだがな
『『『『『瀬能覚悟ッ!!』』』』』
「あまいわっ、ピヨリ号!」
『人形殺法・つむじ風』
囲んで襲い掛かってくる敵に対し、こちらは前後左右にそれぞれ一本づつ腕を伸ばした状態で配置する。
そしてそのままファンのように刀を回転。なんか扇風機みたい
『『『『ギャアアアアア!!』』』』
『くっ…!』
向かってきた5体中4体は斬り下ろす。が、残りの1体は踏み止まり難を逃れた。
でも自分、見逃すほど優しい性格してないのよね。
すぐさま召喚獣を動かす。まず四本の足のうち前二本で相手を挟みこみ、後ろ足で上空にジャンプ。
『なっ…なにを!?』
本体が悲鳴のような声を上げるが無視。ある程度ジャンプしたところで相手をロックしたまま下敷きにして回転、すると当然錐揉みしながら落ちるので、手にもった刀をとどめと言わんばかりに突き刺す。
『人形殺法・乱気流』
ズザンッ!とすごい音がした。タービュランスよりもダウンバーストって感じだな。
「戦死者は補習ー!」
またしてもどこからともなくやってきた鉄人が点数が0になった奴らを引きずっていく。10人位いるのに全員を一度にってすげえ怪力だな…
『い…嫌だっー助けてくれぇぇぇ!』
『なんで俺がぁぁっ!』
『瀬能ォォ貴様ァア!』
「俺のせいかよ」
まあそうなんだけどね
しかし強いぞピヨリ号、俺のイメージ通りの技を撃ってくれるし。
今も
『人形殺法・疾風』
『うわ、こっち来たっ!』
『くっ・くる――ぎゃーっやられたー!!』
刃がある方を外側に四本の刀の切っ先を合わせ、突進・粉砕していく。無表情なのが余計恐怖感を煽るな…
十数体いたDクラスの雑兵どもも気づけば残りは数える程度。
坂本には無理に勝つ必要ないって言われてるけど、別に全滅させても構わんよな?
「よっしゃー、ピヨリ号!なんでもいいから一発派手なのかましてやれ!!」
あらかた戦死させて相手がいないけど指示を出す。テンション上がってきたぜー!
適当な指示を出されたピヨリ号は、なにを思ったのかすべての刀を身体に収める。
ってえ?なにしてんのこの子?
そのままくりんと顔を変え―――って顔を変え!?
なんかウォーズマンスマイルみたいになったぞ!?こんな機能召喚獣にあんのか!?
『うぉっ!?なっなんだ!?』
すぐにピヨリ号は自分の近くにいた召喚獣に4本の腕だけを使って組み付き、足をヘリのプロペラみたく回転させて飛んだ。
これは…間違いない、全部腕だから分かりにくいけど、あの体勢はパロスペシャルだ!!
『なっ、なにをするつもりなんだ!?離せっ、離せー!!』
生徒のひとりが大声で叫んでいる。きっと捕まっている召喚獣の本体だろう。
でも俺に言っても無意味だぞ。俺もなにが起きるか見当もつかんからな
バキボキバキッ!!
急に上空から骨が折れるようなおとが聞こえた。
見ればピヨリ号が空中で捉えた召喚獣の腕を関節本来の方向とは逆に曲げている最中だった。
……エグい
思わずそんなこと考えたが、こんなのはまだまだ序の口だった。
ピヨリ号は空中に浮いたままにもかかわらず足の回転を止め、身体が落下するのを気にもとめずに体勢を変える。
あれは…オラップだ!しかも魔界のプリンスが使ってた方の!
どぐしゃッッ!!
二体はクラッチを決めたまま・決められたままの状態で綺麗に着地した。
もっともそれで無事なのはピヨリ号だけで、相手の方は手足の関節が捻じれた枝みたいになってるけどね。
ピヨリ号はゆっくりと技を解き、相手を踏み潰してその場を離れた。
ちょとした残虐ファイトを見たせいか、あたりに微妙な空気が流れだす。
しかも全員俺を見つめてくるし…居心地が悪いのなんの
なんか言った方がいいかな
「んっんん!えー…
なんという無軌道無慈悲な行い!お前はルール無用の悪魔超人なのかーーー!!?」
「テメーがやらせたんだろうが!!」
違うよー、オートで動いたんだよー、すべて秘書がやったんだよー
「相変わらず無茶苦茶な野郎だなテメーは…」
「ん?」
遠巻きにこちらを見ている群集をかき分け、ゆっくりと近付いてくる人影がひとつ。
誰だ?実力以前にさっきのファイトを見て戦い挑んでくる根性あるヤツがいるとは思えんが…
「久しぶりだなぁ、ナツル」
「お…お前は――!」