戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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ナツル・状態:正常



9時間目 召喚大会①

〜ナツルSide〜

 

 

どうも、俺です。

 

『艦コレ』では加賀さんが好きだけど、『グラブル』ではダヌアが好きな瀬能ナツルです。

 

ダヌアいいよねダヌア。好きになったの最近だけど。

あの言葉足らずなところが愛くるしい。保護欲を掻き立てられる。

 

…呂布ちゃんに侵食されてる気がしてならない。

 

「どうしたの瀬能君。いきなり頭を押さえて」

「え?あ、いや…なんでもない」

 

隣を歩く会長(三郷雫)に軽く手を振って返す。

 

ここは第二修練場…前の渡り廊下。

 

普段は…空手部だったかな?が稽古とかに使ってる施設だが、今日は召喚大会の会場として使われてる。

そう、今から俺と会長の『生徒会チーム』は一回戦目へと挑むのだ。

 

「清涼祭開始してすぐにやるとは思わなかった」もう少しゆっくりやろうや。

 

「参加チームが予想より多く集まったから、開始も終了も試合会場も大幅に変更されたのよ」

「迷惑な話だ」

 

こんなのに参加してなにが面白いんだ。

 

「この大会って優勝したらなんかあるのか?」

「…?優勝賞品は事前に周知されてるはずだけど」

「賞品?」なにその心踊る単語。踊りだけに。

 

 

(※タンゴ:アルゼンチン・ブエノスアイレスやウルグアイ・モンテビデオのダンス及び音楽)

 

※こんなしょうもないこと説明させんなやナツル(ボケ)

 

 

「優勝者には如月ハイランドのペアチケットと、『白銀の腕輪』というものが贈られるそうよ」

「なんか防御力高そうな腕輪だな」

 

白銀…て事は…プラチナか?装備したらかっこよさが上がるな!

 

「プラチナは白金よ」

「心を読んでまでダメ出ししないでくれる?」

無知でスミマセンね。

 

まぁかっこよさ云々は置いといて、装飾品の類いやテーマパークに正直興味はない。決勝辺りで適当に負けるとするか。

 

…?なんで決勝なんだ?三回戦辺りでもいいだろうに。

 

 

「…………」

「瀬能君、どうかしたの?急に立ち止まったりして」

「あっ?ああ、いや。なんでもない」

 

まぁいいか。

 

 

 

 

〜〜(数十分前)〜〜

 

直江「それで?なんだよ頼みたいことって」

坂本「ああ…実は、清涼祭での成果いかんで姫路が転校させられるかもしれないんだ」

直江「は!?なんで…って今のFクラスの状況を考えれば納得か。みかん箱にゴザに青空教室だもんな。普通の親なら当然だ」

坂本「加えて最低クラスだから、だ。話が早くて助かる。明久が『大好きな姫路さんが転校しちゃうなんて嫌だ!なんとかして!』ってうるさくてな」

吉井「ちょっ、雄二!言ってもいない台詞ねつ造しないでよ!」

直江「それで?俺になにをさせたいんだ?」

坂本「協力してくれるのか?」

直江「仲間の明日がかかってるからな」

吉井「直江くん…!本当にありがとう!」

坂本「やってほしいのは単純だ。店に集中して少しでも多く売り上げを伸ばしてくれ」

直江「? それだけか?」

坂本「売り上げが多ければ、それだけいい設備を揃えることが出来る。なにもおかしくないだろ?」

直江「まあそうだけど…机や椅子だけあっても、教室がなかったら意味ないんじゃないか?」

坂本「その辺も抜かりはない。ババア…もとい学園長に直談判して、俺と明久が『召喚大会』に優勝すれば、手頃な教室を用意することを約束させたからな」

直江「なるほど…教室についてはOKってことか。かなり難しい条件だけどな」

吉井「そうだね…姫路さん達や霧島さん達を倒すのはちょっと…かなりしんどそうだよ」

直江「それ以外にも厄介そうなのが多数参加してるけどな。ナツルも生徒会長の三郷雫とペアで出場してるし」

吉井「ええっ!?」

坂本「やっぱりか…」

直江「知ってたのか?」

坂本「トーナメント表には『生徒会チーム』としか書かれてなかったが、当日の忙しさと実力を考えたらこいつ(足下に転がっているナツル)は当然出るだろうと思っていた」

直江「そしてナツルを(ぎょ)することができるのは三郷だけ…ま、当然か」

瀬能「御されてねー…し……」

坂本「気絶しながら反論しやがった…。どうなってんだ?」

吉井「そんなことどうでもいいよ!どうするのさ雄二!?」

坂本「どうするもこうするも、やるしかないだろう?幸いナツル達とは別ブロック。当たるとしても決勝だ。それ以前にやる気のないナツルがそこまで勝ち上がると思うか?」

吉井「そっ…それならいいけど…」

直江「……いや、勝ち上がってもらった方がいいんじゃないか?」

吉井「えっ?どういうこと?」

直江「学年成績最高とはいえ、三郷だけで勝ち上がるのはいくらなんでも無理だろう。どうしてもパートナーの力が必要だ」

坂本「なるほど…ナツルもFクラス。姫路の父親がいつどのタイミングで試合を観戦してるか分からんが、決勝戦くらいは必ず見るだろう」

吉井「なるほど…するとどうなるの?」

直江「………………」

坂本「…すまん直江、吉井はどうしようもない馬鹿なんだ」

吉井「ちょっ、雄二!なにさいきなり!」

直江「いや…えっとだな、吉井。つまり…決勝に最低クラスと言われるFクラスが三人揃うんだ。吉井と坂本は優勝するんだろ?」

坂本「他の成績優秀者を押しのけてな。そうしたら少しはFクラスを見直されるだろ」

吉井「ああっ、なるほど!」

直江「ナツルは三郷のお陰って言われるだろうけどな。俺も出た方がよかったか?」

坂本「いや、直江はクラスの出し物に集中してくれ。備品も外装もいいから他のクラスに引けは取らないだろうけどな」

直江「まぁ…な。どっちみち今からだと出場できないしな」

坂本「そうなると後はナツルの説得なんだが…時間がないな」

吉井「ホントだ。もうすぐ一回戦目が始まっちゃうよ」

坂本「正直、ナツルならなんだかんだいって協力してくれるとは思うが…どうなんだ?」

直江「仲間事なら大丈夫だろう。でもなぁ、頼みの内容が八百長だから…しかも負ける方だし…」

坂本「すぐには無理か」

吉井「雄二、もう行かないとっ」

坂本「()ーってるよ。さて、どうしたもんか…」

直江「…そうだ。成功するかは分からないけど…」

坂本「ん?どうするんだ?」

直江「気絶してる今のうちに、睡眠学習の要領で脳に刷り込む」

吉井「それって洗の――」

直江「睡眠学習だ」

坂本「…どっちでもいいけどな。でもナツルに効くのか?なんか効かなそうなイメージあるんだが」

直江「本格的なやつなら無理だな。でもちょっとした意識誘導なら大丈夫だろう。もともと負けず嫌いな性格してるから、『決勝まで勝ち進む』ことだけを意識するだけなら受け入れるはずだ」

坂本「…そういう物事の抜け道を見つけるのが上手いところとかナツルそっくりだよな」

直江「!!?」

吉井「実は兄弟なんじゃないの?」

直江「俺はひとりっ子だよ!協力するのやめるぞ!?」

坂本「その返し方もナツルっぽいな」

直江「!!?」

 

〜〜〜〜





副題:本当は怖いさい…睡眠学習

大和がどこと無くナツルに近いのは、出会って一・二年そこらだけど濃い付き合いをしてきたから。

朱に交わればなんとやら。この場合は蒼?

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