戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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大型連休の流れに乗って久々に執筆してみたの巻。

前話の流れとは関係ない番外編みたいなものなので振り返る必要はないです。




23時間目 Grim reaper

「この…失敗作め!!」

――…失敗作?

「私は悪くない!配合は完璧だった!こんな欠陥品が出来たのは他に原因がある!!」

――…欠陥品…

「私には才能があるのだ…他の無能ものとは違う!!これはなにかの間違いだ!!」

――…間違…い……?

「バカなあいつらに分からせてやる…認めさせてや――オイなにをしている?」

――…間違い…正す……

「な…おっおい待て!止め――――!!」

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

〜〜〜〜

 

島津「昨日の天神館との東西戦、すごかったよなー!」

クリス「うむ!クラスの垣根を越えて皆が一つになったのを感じたぞ!」

 

一時限目開始前の教室―――という名のグラウンドの片隅―――で、2年F組の楽しげな声が響く。

 

吉井「なになに、昨日なにかあったの?」

師岡「なにかあったのって…ああ、吉井君は昨日まで入院してたから知らないんだっけ」

吉井「あ、うん…」

 

納得した様子を見せる師岡と疲れたように乾いた笑みを浮かべる吉井。

何気に、初めての会話だった。

 

大和「関東に神月学園と似たような、武術や科学技術を推進した学校があるんだ。それが天神館。昨日の日曜にやった東西戦っていうその天神館との交流試合のことだよ」

坂本「天神館か…戦闘分野に力を入れているって話を聞いたことあるが、科学技術もそうなのか?」

 

直江の説明に、同じく昨日退院した坂本が質問する。

 

大和「確かに元々は戦闘技術なんかを主に扱ってたんだけど、神月学園ができてから変わったらしいよ。なんでも東西のバランスを保つためだとか」

坂本「バランス…科学と武術のか。正直かなりの差があると思うがな」

 

もちろん関東が上で、との言葉で坂本は締めた。

 

坂本「今朝の全校集会で紹介された編入生、大昔の偉人のクローンだろ?世界最高峰の九鬼財閥が創ったって言っても、その財閥は関東に本社があるんだ。どう頑張っても勝てないだろ」

大和「それでもなにかしらやらないと差は開く一方。関西の技術者は涙目だろうな」

 

すごい他人事で東西の技術事情を語り合う高校生二人。ホントに十代か?

 

 

秀吉「ちなみにその東西戦とはどちらが勝ったのじゃ?」

木下が師岡に話しかける。

 

師岡「あ、うん。ウチが勝ったよ。全校集会で紹介された源義経さんのおかげで」

吉井「へ〜、強いんだね。ナツルとどっちが上なのかな」

島津「冴島は俺様と同じで素手で格闘するタイプだからな。刀使う義経とは…どっちが強いんだろうな?」

坂本「あいつが戦闘で遅れをとるとこなんて、ちょっと想像しづらいな」

 

現在この場所にいない見た目は草食系だが中身はRPGのお使いクエスト並みに面倒くさいクラスメイトを思い出し苦笑いを浮かべる坂本。

 

吉井「そういえばナツルいないね。どうしたんだろう」

坂本「朝礼をサボるくらいなら普通にしそうだが、授業が始まる直前だってのに姿が見えないってことはまだ来てないみたいだな。珍しい」

姫路「桐条生徒会長ものすごく不機嫌そうでしたね…」

 

桐条美鶴。神月学園第一生徒会会長。

 

全校集会などの大きな催しは生徒会役員全員が出席することを義務付けられている。

今までこれを破ったものはいない…少なくとも彼女が生徒会に入ってから今日までは。

 

桐条美鶴。現在は事前に説明したにも関わらず出席しなかったナツルを想い、処刑用に召喚器の手入れをしている真っ最中。静かに怒気を発する彼女を恐れて誰も話しかけるどころか近づくことさえできない。

 

大和「…気になるな。ちょっと電話してみる」

 

直江は懐から携帯電話を取り出し、登録されている番号にかける。

 

吉井「え?ナツルって携帯持ってたの?」

大和「型の古いガラケーをな。買い換えたいとかいつも言ってるけど」

ワン子「吉井君、前にタイガが使ってるとこ見てるじゃない」

吉井「そうだっけ?」

 

※ 一時間目(五話)参照。

 

姫路「なんとなく、使わないタイプだとずっと思ってました」

大和「今度それとなく番号訊いてみるといいよ。泣いて喜ぶから」

 

プルルルル…プルルルル…

 

プルル『(ガチャ)…お前か』

 

大和「お前それ毎回やるよな。気に入ってんの?」

『…直江か?』

大和「そうだけど…どうかしたのか?声が固いぞ」

『悪いが今ちょっと手が離せそうにない。用なら後にしてくれ』

大和「別に用ってほどじゃないけど…もうすぐ一時間目始まるぞ」

『ふけるって言っといて』

 

ブツっ、直江が口を挟む間もなく一方的に通話を切られた。

 

吉井「ナツルなんだって?」

大和「急用があるからふけるってさ」

坂本「まだ来てすらいないのにかよ…」

 

坂本のつぶやきに、周りでやり取りを聞いていたクラスメイト達も呆れた表情を見せるが、話題にあがった人物の性格を考えるとすぐに興味を失い、日常へと戻っていく。

 

しかしただ一人、直江大和だけは違った。

 

大和(さっきのナツルの口調…かなり前にも一度、聞いた覚えがあるな…いつだったっけ?)

 

携帯から聞こえてきた悪友の、今にも飛び出していくのを我慢しているような…嵐の前の静けさを表しているような声に意識を傾ける。

 

しかしすぐに一時限目開始のチャイムが鳴り、教師が来て授業が始まったので、直江は考えるのを止めた。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

〜ナツルSide(朝礼開始十数分前)〜

 

 

日常と非日常の境は曖昧だ。

 

いつも通る道をいつも通りの時間帯にいつも通り歩いたとしても、昨日とは微妙に違う。

 

ましてやいつもの通学路から一本外れた道を進んだら、それはもう"いつも"とは違う、非日常だ。

つまり非日常というのは日常の一部なのだ。

 

だからそうつまり、

 

 

「…………」

「……」

「う…あぁ…た…助け…て……」

 

 

いかにもチャラチャラした軽薄そうな男が、所々破れた拘束服を着込んだ女に半殺し状態で釣り上げられている状況を目撃しても、それもまた日常なんだ。

 

「―――いや無理あるか流石に」

 

現実逃避してみたけど無理だったわ。

つーか途中から自分でもなに言ってるか分からなかったわ。

 

 

 

先週の金曜日にモモさんと試合して、軽く骨折したから土・日と家で寝て過ごし、月曜の今日は朝から全校集会で早く来いと言われてブルーな気分。

そんな気分を変えようと学校への道を少し変更しただけで、こんなバイオレンスな光景に出くわすなんて…運がいいのか悪いのか。(明らかに悪いだろ)

 

つーか俺ちょっと冷静すぎない?普通なら恐怖で腰が抜ける状況だよ?俺は普通ジャナイケドナ。

 

冷静ついでに目の前の男女をもう一度確認してみる。男の方はさっきも言った通りのチャラ男。頭は染めたような金髪だし、耳にピアスをしている。顔はフツーっぽい。

現在はその顔やら身体やらを血で赤く染めて、女の方に片手一本で胸ぐらを掴まれて宙釣り状態だ。後瀕死。

 

女の方は…こちらもさっき言った通り破れた拘束服姿。なんだが…こいつどっかで見たような顔してんな。どこだったっけ……

 

…………あ、思い出した!港湾棲姫(こうわんせいき)だ!褐色肌で髪は真紅だし角も無いけど間違いない!

 

俺アレだと加賀さんの方が好きなんだけどなぁ、同じ褐色肌なら武蔵の方が良かったよ。

てかなんで艦これ?ブームだけど最新かって言われたら正直微妙だよ。

 

 

 

「あ〜…とりあえず、そろそろ離してやった方がいいんじゃないか?そいつ」

 

今だに宙釣り状態の男に指差して提案する。

 

先ほどは力なく俺に助けを求めてきたが、もうその気力もないのか(そもそも気絶してるっぽい)、ぐったりと虚ろな瞳で上空を見つめている。

 

正直助けてやる義理はないんだけど、朝っぱらから人死にを目撃したい気分じゃない。

それに―――どうしてこんな風になったかはよくわからんので想像だが―――ナンパしただけで殺されちゃあ、俺がやる時に困る。今のところその予定はないけど。

 

 

「………」

 

俺の言葉に従うように、手に持っていた男をゆっくり地上に降ろす。

 

意外だな。てっきり無視やら拒否やらすると思ったんだが…

 

やがてチャラ男が座り込むような姿勢でアスファルトの地面に着地する――と同時に俺の顔面が鷲掴みされる。

 

って次は俺かよ!?だから素直に解放したのか!つーか速っ!!

 

しかも女はそのまま俺の頭を、体重をかけて地面に向ける。地面に叩きつける気か!!

 

「ぐ―――おぉああっ!!」

 

 

――順逆自在の術!

 

 

瞬時に受け手と掛け手を入れ替える技で、相手の女の顔面を鷲掴みにして下に押し付ける。

 

非道なようだがあっちが先にやってきたんだ。正当防衛だよね。

 

「らぁぁぁぁあぁっ!!」

 

女の後頭部がアスファルトの大地に直撃!

 

 

ゴシャッッっ!!

 

 

アスファルトを盛大に破壊し、その下の土を削りながら頭が地面にめり込んだ。

 

俺の。

 

「…―――ッ!?がはっ!?」

 

自覚すると同時に口から大きく息を吐いた。

 

なんだ?なにが起きた?技を返したと思ったら、気がついたら再び技をかけられてた。

 

え、なに。体躯鸚鵡返し?カラスマンだったのコイツ?

 

…いや違う、なんていうか…もともとの持ち技だったようには見えなかった。

まさか、見ただけで自分のものにしたのか?存在さえも知らなかった技を?

 

どんなチートだよ。

 

………おもしれえ。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

〜???Side〜

 

 

地面に叩きつけた青い髪の男の頭から手を離す。

 

死んではいないだろうけど、しばらくは動けないはず。

 

 

「――どこへ行こうというのかね?」

 

 

別のものを探そうと男に背を向けた途端、後ろから声がした。

 

振り返ると男が上体をこれ以上にないほど反らして立っていた。

 

 

「やり逃げなんて許さないよ。……いつ以来かなぁ、一撃ダウンなんて?1年前のモモさんが最後か?」

 

 

男は喋りながら上体を起こしていく。

 

「ふっくくくくくガッハッハ!ホンっト退屈しねえなぁオイ!」

 

完全に起き上がった男は先ほどまでと違い、狂気的な喜びに満ちていた。

 

変わっているのは様子だけじゃない。

青色だった髪と瞳は真紅に染まり、身体全体から炎のように"気"が吹き出ている。

 

……本当に同一人物?

 

ほんの数秒前との違いに思わず困惑する。

 

その一瞬の隙を突かれて目の前、手の届く位置にまで肉薄(にくはく)される。

 

「!?」

「ぅおらぁっっ!!」

 

そのままの勢いを維持しつつ、脚を、腰を、腕を捻り込んだ拳を繰り出す。

 

バオウッッ!!

 

咄嗟に後ろに跳んだおかげで食らわずにすんだ。

空振りの音を聞くかぎり、当たったら相当痛そう。掠った服の裾も切り裂かれた。

 

男は、思いっきり拳を振り抜いたせいで身体が流れ、無防備な背中をこちらに晒す。

 

迷わず反撃。さっきの動きを真似て、身体全体を捻り、拳を打ち出す―――!

 

「ぉラァッッ!!」

 

こっちの一撃が当たる瞬間、男は振り抜いた拳をさらに振り抜いて、その場で横に回転した。

 

「!?」

「テンペスト・アロー!!」

 

さっきと似たようなやり取りが繰り返される。今度はこっちが無防備に背中を晒しているけど。

 

さっきと同じ状況なら、対処するのも難しくはない。

男の真似をして拳を振り抜き、身体を横に一回転させる。

 

そして再び向き合ったとき、男の腕を掴んで背負い投げを行う。

 

 

「それは悪手だよ」

 

 

――ガゴッッッ!!

 

 

「、っぁ!?」

 

男の身体が宙に浮き上がった瞬間、後頭部に鈍器で殴られたかのような衝撃と痛みが走る。

 

「念心流・八咫烏(やたがらす)。…後の先を取るってのは、武道では割とポピュラーな戦法だぜ」

 

頭上から声がかけられる。

 

そのまま男は自分の身体を仰向きに反転させ、小脇に抱えるような感じで首に腕を回す。

 

そして肩から滑り降りるように、わたしの背面へと落下する。

 

 

これは――ダメだ!

 

咄嗟に先ほど、瞬時に相手と位置を入れ替える技を使おうとする。しかし、

 

 

「一度喰らった技は二度喰らわねえ」

 

 

返せ…ない!?

 

「断ち落とし!」

 

ゴガッ!

 

「――っはぁっ…!」

後頭部を強か地面に叩きつけられる。

 

受け身を取れなかったから衝撃が余すとこなく襲いかかってきた。目の前がチカチカする。

 

「…っ!」

 

男の腕に力が込められるのを気配で感じて、慌てて身体を捻り男の拘束から抜け出す。

 

が、思いのほか力が強くて頭を抜くことができない!

 

「俺の本気を見せてやる…!」

 

ダメだ、やられる!

 

 

 

ピリリリっ、ピリリリっ、

 

 

 

攻撃を受けることを覚悟した瞬間、甲高い機械音が唐突に響く。

 

「…………」

 

なぜか男が小さく舌打ちして、わたしを捕まえていた腕を放す。

 

しかもそれだけでなく、立ち上がって前に向かい歩き出す。…とは言え立ち去る気はないようで、数歩進んだらこっちに向き直った。

そして(ふところ)から何か取り出して、自分の耳に当てる。

 

 

「…お前か……その声は直江か?…悪いが今ちょっと手が離せそうにない。用なら後にしてくれ…ああ、ふけるって言っといて」

 

 

一方的な物言いで会話を打ち切り、長方形の物体を再び懐に仕舞う。

 

「…悪いな、中断しちまって」

 

直江は空気読める方なんだがタイミングが悪いところがあるな…と男は呟く。そして、

 

「じゃ、死合()ろうか。続き」

 

無邪気とも取れるほどの満面の笑みを向けてくる。

しかしそこには、確かな狂気が浮かんで見えた。

 

「…お前…」

「ん?」

「お前、変」

 

思わず率直な感想が口から零れた。

 

しかし男は怒る事なく、むしろ心底嬉しそうに唇を歪める。

 

「そいつはどうも。ありがたいね」

「…やっぱり、変」

 

壊れてる、と言ってもいい。それほどまでに何かが致命的に欠けている。

 

なのに…なのになんで、どうして否定されない?

 

「人じゃ、ない。みたい」

 

どうして、普通に他の人と接することができる?

 

「…三度の飯より死合いが好き。他人の特定部位に性的興奮を覚える。盗撮写真に全力を尽くす。フェティシズムと言い換えれば聞こえはいいが、ぶっちゃけただのイカれた趣向だ」

「…?」

「人間なんてどいつもこいつもどっかしらに異常抱えてんだよ。ただ人前に出すのはハズかしーから、みんな必死こいて隠してる」

 

「つまり俺は誰よりも人間らしいってわけだ。なぜなら普通じゃないからなぁ!!んガハハハハハッ!」

 

男が両腕を大きく広げて高らかに笑う。

 

しかしそんなものは気にならないくらい、言われたことで頭の中が埋め尽くされていた。

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

〜〜ナツルSide〜〜

 

 

「……みんな…異常……普通じゃない……人間らしい……?」

「オイどうした?」

 

突然襲撃してきた女が、突然虚空を見つめてぶつぶつと呟きだした。

本当にどうしたんだコイツ?

 

今なら無条件でクリティカルヒットを叩き込めそうだけど、俺がしたいのは一方的な蹂躙じゃない。血湧き肉躍る闘争だ。

 

しかしそれも、何があったのかは知らないがこの辺でお開きのようだ。つまらん。

 

髪の毛も元に戻っちゃったし、スイッチ完全に切れたなー。あーダルい。

もう学校サボっちゃおっかな。

 

 

桐山(きりやま)ァ!!」

 

 

背後から大声がかけられた。

 

思わず「ハイすいません!」と口から出そうになったのは内緒だ。

 

「テメェなにこんなとこで仕事サボって…って んだよ、見つけてんじゃねえか。チッ」

「見つけたのならすぐに連絡をする決まりのはずでしょう。なぜしなかったのですか?」

 

恐る恐る振り返ると、金髪でスタイルのいいお姉さんと黒髪で知的な雰囲気の美女が近づいてきていた。

 

ただし服装はメイド。

 

「ぶはっ、ていうかお前、なに学生服着てんだよ。自分の歳考えろ!」

「学園内を捜索するつもりだったのですか?あずみに…今はヒューム様とクラウディア様がいるから必要ないと思いますが」

 

現役なんですけど…

 

てかなんでこの人たちこんなフレンドリーに話しかけてくんの?初対面ですよね僕たち。

 

あれ?もしかして忘れてるだけ?

 

 

「ええと…」

「どうしたお前?なんかやけにおとなしいじゃねえか」

「たしかにそうですね。いつもならすぐ母がどうとか言うのに」

 

この作品どころか原作ですら一度も言ったことないんですけど。

 

「いつものファックな感じより今の方がいいな。李もそう思うだろ?」

「そうですね」

 

 

あー…薄々分かっちゃいたけど、この人たち俺を知り合いの奴と勘違いしてるみたいだな。

 

自分と同じ顔した人間は世界に三人はいるって言うし、他人に似ててもおかしくはないんだが…ろくな印象持たれてねえなこの二人の同僚。

 

 

「ま、んなことどうでもいいか。見つけたならとっとと行くぞ」

金髪の方が親指を立てて移動を促す。

 

「え?行くってどこに?」なんか、そこはかとなく嫌な予感が…

 

「なに言ってんだお前?九鬼のラボに決まってんだろ」

「まさか彼女を探し出して連れ帰るという命令を忘れたんですか?」

聞いてすらいねーよ。

 

「いや自分学校が…」

「ああ?行ってどうすんだよ。(もん)様に報告でもするのか?」

「電話でもいいでしょう。授業中だから出ないかもしれませんが。……電話に出んわ…ぷぷッ………」

 

 

くっっだらねーんだよ。よくそんな明治時代からありそうなダジャレで笑えるなオイ。

 

 

「いやいや、自分ホント部外者なんで…行っても中に入れませんよ?」

「九鬼家の執事が部外者なわけねーだろ」

「いやいやいや、だからそれが勘違いなんだって!」

「…頭でも打ったんですか?戦闘の形跡もありますし…」

 

確かに後頭部打たれたけど正常だよ!

 

 

駄目だコイツら。人の話全く聞きやがらねえ!

 

不吉な単語も聞こえたし、多少強引にでもここから離脱しよう。授業に遅れちゃうしね!(もうだいぶ遅刻してるけど)

 

 

「クッ、そんなとこ行ってられるか!悪いが俺は逃げるふ」

 

――そこからの事は覚えていない。

急に、テレビの電源を切ったかのように視界が暗転して、気がつけば違う場所にいた。

 

やっぱり使った台詞がマズかったかな…

 

 

 

     ☆     ★     ☆

 

 

 

「お…オイ、どうした。いきなり桐山(そいつ)気絶させて…」

「(すくっ)…帰る」

「帰るって…ラボにですか?」

「(こくっ)…この人も、一緒」

「その肩に担いだ奴か。まあ運んでくれるってんなら文句はねーけど…」

「少し急ぎましょうステイシー。規制はしているとはいえ、いつ誰が来るかわかりませんから。そこの方の治療も手配しなくてはいけませんし」

 

 

 




■どこへ行こうというねかね?
 ラピュタ。みんなだいすきムスカ様の台詞。
ツッコミは受け付けません。

■テンペスト・アロー
 ウルトラレッドという漫画に登場する技。横回転からのパンチを連続して放つ。
 三半規管が強くなければとか身体に負担がかかるとか言ってるけどぶっちゃけ現実でやる奴は皆無だと思う。


・念心流・八咫烏…
 投げに対して発動するカウンター技。
 投げられる途中で相手に蹴りをかますというとてもシンプルな攻撃。

簡単に言ったけど普通無理だ。背負い投げの途中で相手の頭に膝蹴り入れるとか人間技じゃねえよ。


・念心流・断ち落とし…
 ネックブリーカードロップ + 切り落とし の合わせ技。
 相手の首に自らの片腕を巻き付け、自らの体を背中から地面へ倒す。そのままの勢いで相手の頭を踵目掛けて投げ落とす。

作中では女の方が、踵に後頭部ぶつけられる前に足上げて逃げてるってことになってるけどコレ、普通の奴にやったら目標点に到達する前に背骨やら首やらが折れて死ぬよね?って書きながら思った。多分これから先この技の出番は無いと思う。


果たしてナツルと互角に戦える女の正体は?そして人違いで攫われた主人公の運命やいかに!

次回、「これはいじめでしょうか?」(←桐山本人)乞うご期待!



嘘です。作者はなにも考えてません。

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