戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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ハーメルンで三回目の投稿です。

こうしてうpさせていただけるのはありがたいんですが、にじふぁんから来た身としてはなかなか不便なところが多々ありますね。

それでも他のサイトよりは便利……なのかな?


SHR ②

試験召喚戦争――。それはテストの点数に応じた『召喚獣』を用い、クラス単位で行う戦いである。

これに下位クラスが上位クラスに勝てば、そのクラスの設備と交換することができる。

しかし、逆に下位クラスが負けた場合、そのクラスは設備を1ランク落とされる。

 

〜ナツルSide〜

『Sクラスって秀才天才の集まりだろ?勝てるわけないじゃん…』

『これ以上設備を落とされたらどうなるんだ?』

『姫路さんがいればほかになにもいらない』

『負けて悪くなるくらいなら今のままの方がいい』

 

坂本の提案に一気にざわめきだす教室。試験召喚獣は成績=戦力なのでそれも当然だろう。

Fクラスうちの戦力じゃ竹槍で戦車、いや爆撃機に突っ込むようなもんだ。

 

にもかかわらず壇上の坂本は相変わらず不敵な笑みを浮かべたまま

 

「そんなことはない、うちには勝てる可能性が十分にある。今からそれを説明してやろう」

そう言うとなぜか俺を…いや違うな。俺の隣の席か?を見ては

 

「おい康太、いつまでも姫路のスカートの中を覗いてるな」

「…!」

「なにっ!?」

「はっ、はわっ?!」

ふと隣を見れば黒髪の男が頬に畳の跡をつけて首を左右に勢いよくブンブン振ってた。

 

こいつ…いつの間にいたんだ?

 

 

「紹介しよう。こいつがあの寡黙なる性職者ムッツリーニだ」

ムッツリーニ?聞いた覚えがないが有名なのか?

 

 

『馬鹿な、ヤツがそうだというのか?』

『見ろ、まだしらを切ってるぞ。現行犯なのに』

『ムッツリに恥じぬ行いだ…』

「………………!(ブンブン!)」

 

 

有名みたいだ。

 

その本人はなんかモヒカンヘアースタイルの頭の悪そうな(成績うんぬんじゃなくて見た目が)男に「どうだった?どんなパンツだったんだ!?」としきりに迫られている。

 

それでもなお否定し続けるのは正直すごいと思うぞ。散々擦ってたのにも関わらず今だに畳の跡ついてるけど

 

 

「姫路については言うまでもないだろう」

「ふえ?私ですか?」

「ああ、うちの主戦力だ。期待してるぞ」

腕組みして笑いながら肯定する坂本。そんなに頭いいのか

 

 

『学年上位の成績優秀者…!』

『そうだ、うちには姫路さんがいるっ』

『ああ、彼女ならSクラスにも引けを取らない。可愛さでも』

 

 

いいみたいだな

 

「木下秀吉だっている」

「わしか」

 

一見すると女と間違えそうな美少年が返事をした。たしか演劇部のホープとか…東田が言ってた気がする

そういやあいつ元気かな。クラス分けで疎遠になっちまったが

 

 

「他にも直江。川上。島津。師岡。椎名。源……風間ファミリーだったか?知ってるやつも少なくないはずだ」

「ん?なにか呼んだ?」

「…………」

 

それぞれ名前を呼ばれた奴らは、顔を上げるなり聞こえないフリをするなり、多種多様な反応を見せる。

 

『風間ファミリー……!』

『あの有名な…!』

 

さっきとは別な…質?でざわつきだすモブ達。話題の中心にされてワン子やモヤシ(師岡)とかはちょと落ち着かなそうな様子。

 

「…ってバンダナ(風間)は?」

さっきまでたしかにいたよなあいつ。半透明がどうとか言ってたし

 

「キャップ?キャップなら『ちょっと冒険してくるぜ!』って言って出ていったけど」

 

なにやってんだアイツは。自由すぎるだろ

そんなんだから成績下がるんだよ

 

 

「他にも瀬能ナツルだっているしな」

 

え、俺?なんでそこで俺が出んの?

 

つーか何事もなかったかのように話を進めないでくれる?

 

 

『瀬能ナツル?どっかで聞いた気が…』

『つーかいたかそんな奴』

 

そういや結局自己紹介しないままに代表挨拶になったんだっけ。じやあ知らないのもムリはない

でも今の扱いは流石にグサッときたぞ

 

 

「分かりにくいか?ならセノーと言えばピンとくる奴もいるはずだ」

「漢字からカタカナに直しただけじゃねーか」

 

自分のことだけに立ち上がってツッコんだ。そんなんで俺の何が分かるって…

 

 

『セノー…、破壊シンセノーか!?』

(つが)の木二中の三羽烏?!』

『初めて見た…!』

 

 

………なぜだろう。少し、切ない

 

 

視線を一身に浴びながらも上を向いて堪える、下手したら色々零れ落ちそうだ。不満とか

 

ちなみにシンがなぜカタカナかというと、相手の身しんを打ち抜き、芯しんをへし折り心しんを崩すからだそーだ。聞いた話じゃ

脆いくせに突っ掛かってくる方が悪いんだっつーの。

 

 

『なにより恐ろしいのはどれだけ大事件を起こしても問題にならなかったって…』

『何人も病院送りにしたってんだろ、なんで普通に神月学園に入学出来たんだ?』

 

 

なんでなんだろうね

 

 

「それだけじゃないぞ。なんとそいつは……

 

 

三年の川上先輩に勝ち越している!」

 

 

『なっ……!!』

 

 

 

『「「「なにぃぃぃぃーーーー!?」」」』

「なんで直江たち(おまえら)まで驚いてんだ!?」

 

 

いたよね君ら現場に!えっ、なに。違うの?

 

 

「いや、ほかの奴の口から改めて言われるとつい…な?」

「えっと……うん、そんな感じ」

「ついノリで」

「お前ら…」

 

 

ノリ良すぎだろ

 

 

『でもいけるんじゃないかこのクラス…?』

『これだけのメンバーが揃ってんなら…たいていの奴らには勝てそうだよな』

『そうだよ、Sクラスにだって負けてねーよ!』

 

にわかに沸き立つクラスメイト達。もはや教室中のテンション・士気・熱気は最高潮に達したといってもいいだろう。

 

「さらに吉井明久だっている」

 

 

 

…………………

 

 

 

そして一気にオチた。俺の名前が出た時とは全然違う静けさだ。さっきまであんなに騒がしかったのに坂本の一言でここまで空気が変わるとは…逆にすごい

 

 

『誰だよ吉井明久って』

『そんなザコっぽい名前の奴このクラスにいたか?』

「こ…こらそこっ!人の名前をザコっぽいとか言うんじゃない!」

 

今度は吉井が立ち上がり指を差して抗議する。俺と違い自己アピールまでしてこの扱いって…酷いどころか哀れだ。

 

 

いつまでも立ってるのもなんなのでとりあえず座るか

 

 

「雄二!なんでそこで僕の名前を出すのさっ!僕は普通なんだから――ってなんで睨むの?士気が下がったのは僕のせいじゃないでしょ?」

 

 

微妙なとこだね

 

 

「そうか、みんな知らないんだな。こいつの肩書は――

 

 

 

 

"観察処分者"だ」




吉井明久 2年F組

10月18日生まれ 天秤座
血液型:B型
身長:170cm
体重:53kg


攻撃力:56
守備力:43
走力:59
瞬発力:53
体力:68
知力:37

総合武力ランク:C−

以上の者、我が校の生徒であることを認める。

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