戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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必要もなかったけどなんとなく思いついたので




17.5時間目 物語の狭間の一ページ

〜美鶴Side〜

・夜

 

 

「瀬能ナツル…か」

 

自室で一人、昼間出会った生徒のことを思い出す。

 

「まさか通り名を出されただけであのように反応されるとはな…」

 

 

―――神月学園では様々な分類に分けてランキングをつけている。

 

中でも"強さ"を対象としたランキングは裏・神月ランキングと名付けられ、日々ランカーが目まぐるしく入れ替わっている。

 

しかし、絶対に順位が変わらず不動の地位を築いている者が二人だけいる。

 

一人は川神百代。ランキングの二位で、通り名は武神。

 

もう一人は冴島タイガ。ランキングの一位に君臨する、学園最強の人物。

最も、誰も姿を見たことがなく噂だけが一人歩きしているがな。

 

その冴島の通り名が…裏番。

 

周りに関心がなくとも、自分の呼び名は知っていたようだ。

 

「それとも誰かに教えられたか…。どちらにせよ有意義な会合だったな」

報告や噂でだけではなく、直接本人の人となりを知ることができた。

代わりに…というわけではないが、役員が一人減ったがな。

 

…阿久津は恨んでいるだろうな…私と瀬能を。

しかしやり過ぎたとは思っていない。あれは当然で必要な行為だったのだ。

 

あの場で即決しなければ阿久津は…死んでいただろう。

 

いや、そこまでいかないまでも、それに近い状態にまではなったはずだ。

敵と認識し、立ち向かってくるものは動かなくなるまで…戦闘不能になるまで攻撃する。

 

戦う姿を見て分かった。瀬能には欠落した部分がある。

それを何と言えばいいか…あいにく当てはまる言葉が見つからない。

 

理性と狂気と獣性を兼ね備えた男。それが私が彼に持った印象だ。

 

「…戦士としては理想的、か…」

 

昔の資料を眺め、目についた一文がつい口から零れる。

 

 

殺気をぶつけられた時、猛獣を目の前にしたかのような錯覚に陥った。

恐怖を感じたがそれよりも、咄嗟に頭を過ったことがある。

 

試してみたい。

この男相手に、自分がどれほど戦えるかを知ってみたい!強くそう思った。

 

 

正直、レイピア(武器)を持っていたら決闘を申し込んでいただろう。

自分にあのような一面があったとは思わなかった。明彦のことを言えないな。

 

「面白い男だ…それ故に、残念ではあるな」

 

まあもう過ぎたことだ。気にするのは止そう。

 

わざわざ引っ張り出した資料を片付ける。

明日も早い。今日はもう休むとするか。

 

 

 

 

―適性者リスト―

 

対象者名:瀬能ナツル

 

××××年10月31日、沖縄生まれ。

両親は単身赴任で他県へ行っており、現在は一人暮らし。

 

高い身体能力と、幼少期より教え込まれた武術を持っており、戦闘能力は極めて高い。

性格は少々難があるものの、戦士としてはある意味で理想的であると言える。

 

しかし影時間にて象徴化を確認。適性は無しと判断する。

 





次回はまた間が空きますが、しばらくは戦士を書き続けたいと思います。


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