戦士たちの非日常的な日々   作:nick

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にじふぁんからやってきました。ただの転移ではなく元の話をもとに作り直したニューフェイス(?)です。
少しでも面白いと思ってもらえるよう、頑張ります。

……更新は遅いだろうけど


4月
登校


おっす、俺瀬能ナツル。星鐵学院2年生だ

 

 

……なに?今回は設定が違う?チッ、仕方ねぇな…

 

 

 

おっす、おら瀬能ナツル。星鐵学院2年生だ

 

 

 

 

…分かった分かった、分かったから脇腹に噛み付くのはやめろ!

ったく、テンドンは基本中の基本だろうが…、分かってねぇな

 

んじゃあらためて…、俺は瀬能ナツル。文月学園に通う2年生だ

 

 

 

………なんだその顔は、なんか間違ったこと言ったか?

 

 

え?神月(しんげつ)学園?それが俺が通ってる学校?しかも二年に上がったばっかり?

設定ころころ変えやがって…作品に対するこだわりってのが感じられねぇな    ≪メタな発言をするんじゃない!≫

 

 

「あ、ナツルじゃないか」

「あ?」

 

学校への通学路を歩いていると後ろから声かけられた。

 

「なんだ、ただのバカか…」

「いやちょっと、その反応はひどくない?」

「これ以上ないってくらい妥当だと思うが」

「何を打って倒すのさ」

 

そりゃ打倒だろーが。やっぱりバカじゃん。

 

吉井明久。一応知り合い。

あることがきっかけで名前で呼ばれる仲にはなった。そのエピソードはべつの機会に語るとしよう

なんか仲良しみたいに思ってるかもしれないけど、俺たち知り合ったの2〜3週間ぐらい前だから。ほとんど他人だから

 

吉井(バカ)は当然のように隣へ、そのまま並んで歩く。

 

「今日から二年だね僕ら」

「そーですね」

 

「一緒のクラスになれたらいいね」

「hahaha 安心しろ、99パーセント無いから」

 

にこやかに笑いかけるので俺は冷めた目と半笑いで宣言する。

こいつと同じクラス?最低って意味じゃん

 

俺らが通う神月学園は他の学校と少々(大分?)変わっていて、1年の時は普通のクラス分けだが2年からは違う。進級試験の結果によってクラスが振り分けられるのだ。

 

 

クラスはS~Fと分けられ、それぞれのクラスごとに設備が違う。

つーかクラス多ッ。生徒何人いるんだ?

 

1年の時AからEの5クラスだったが、2年は7クラス。一つに30人弱いるとしても2年は210人いることになる。

土地が広いからって多すぎじゃね?

 

 

まあそれは置いとくとして…最上位のSクラスは最高級の設備が調っていて、最下層のFクラスはひどいなんてもんじゃないそうだ。

 

 

中には幽霊を見たと入院した先輩がいるとかいないとか…そんな噂を一年の時に耳にした。

 

流石に好きこのんでそんなとこに行きたくはないので、必死こいて勉強したさ。そのかいあってBは無理でもCかDは確実だろうという点数が取れた。はず

 

 

ちなみに目の前の吉井の成績は一年の時下から数えた方が早かったくらいのレベルらしい(クラスが別だから情報が入ってこない)。でもまあ、一緒な訳はないだろう

 

「お前ら、遅刻するぞ」

 

雑談しながら歩いているうちに学校の近くまで来ていたようだ。正門に立つゴリラっぽいスーツ姿の男に注意された。

 

「瀬能、今お前失礼なこと考えなかったか?」

「なにをおっしゃるウサギさん」

 

カンのいい奴だ…まさしく動物(ゴリラ)並み

 

「それと瀬能、お前はきちんと制服を着ろっ」

「失くしちゃったんスよ。ネクタイ」

 

今の俺はブレザーの制服を着てはいるが、ノーネクタイ・ノーボタン留めの着崩しスタイルだ。

 

「なら新しいのを買えばいいだろう」

「いまさらそういうのも…ねえ?」

 

 

ネクタイ失くしたの去年の今頃だけど

 

「……ふーー…聞いてた以上だな……。すごいな高橋先生は…」

 

目をつぶって深々とため息をつかれた。

 

 

高橋教諭は学年主任で、去年俺のクラスの担当だった人だ。

美人の先生で友達(友達?)の東田がハァハァと喜んでたのがとても気持ち悪かった…

 

 

「おはようございます、鉄じっ…西村先生」

「吉井、今お前鉄人って言いそうにならなかったか?」

「はっははは、そっそんなわけないじゃないですかっ」

 

 

ジロリと睨みつけられ、慌てて首を左右に振り言い訳(否定)する吉井。こいつバカな上に隙が多いな

 

西村教諭――。生活指導担当。下の名前は忘れた

趣味はトライアスロン。真冬でも半袖Tシャツを着用してることや、外見故に生徒から『鉄人』のあだ名で呼ばれている。

 

 

「つーか遅刻するぞってまだ5分あるじゃないすか」

「そうですよ!それに僕、あまり遅刻はしてないですよ?」

 

しれっとのたまう俺と力説する吉井。鉄人はまたしても深々とため息をついた

 

「お前らの担任は大変だろうな…。まあいい、ほら受け取れ」

そう言って懐から取り出した封筒を俺と吉井にそれぞれ差し出す。クラス発表の用紙か?

 

「こんな面倒なことしないで普通に張り出しゃいいのに…」

「まったくだよね…」

ぶちぶちと文句をつぶやき受け取る。

 

「そうしたいのは山々だが、神月学園(ウチ)は世界的に注目されてる試験校だからな。この変わったやり方もシステムの一環だ」

「掲示板とかに張り出した方がエコだと思うんだが…」

これって人数分作ってるんだろ?資源の無駄使いじゃん。

 

「…吉井、今だから言うんだが」

「はい?」

 

封筒の糊付けを剥がそうと四苦八苦していた吉井が、目をつむる鉄人に向け顔を上げる。

 

「去年一年お前を見てて『吉井はもしかしてバカなんじゃないだろうか』と思ってたんだ」

「ははは、そうなんですか。先生今に『節穴』ってあだ名されますよ?」

 

 

隣の男は、面倒臭くなったのか封筒の上の部分をびりびりと破いていく。なんでそんな自信満々なんだろうか

つーか鉄人、あんた去年こいつの担任だったのか。どうりで学校にいる間1時間に5回ほど怒鳴り声が聞こえると思った

 

すごいよね。こいつにだけで週に約150回は怒鳴ってる計算になるだぜ?

吉井が卒業する前に血管が切れるなり高血圧なりで早死にするんじゃないかなこの人。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「ああ、だが今日確信した」

 

吉井が封筒の中から紙を取り出し、広げる。

 

ちょっと気になって横からのぞき見てみた。そこには…

 

 

 

『吉井明久 Fクラス』

 

 

 

「吉井。お前はバカだ」

紙を広げたままの姿勢で固まるヤツに向かい鉄人がきっぱりと冷酷に宣言する。まぁ当然のことだがな…

 

 

「ご愁傷様」

「人事じゃないぞ瀬能」

「は?」

 

 

人事じゃない?それって…

嫌な予感をひしひしと感じながら、急いで封筒を破っていく。

 

中から取り出した紙に書かれていたのは…

 

 

 

『瀬能ナツル Fクラス』

 

 

 

「ま、そういうことだ」

クラスを確認して固まる俺に、鉄人がやれやれといった風な声をかける。

 

…嘘だろオイ。1パーセントがきちまったよ

 

 

「ってちょっとまて!なんで俺がFクラスなんだよ!おかしいだろ!?」

 

テストの点数は悪くなかったはずだ!なのになぜ……!

 

 

「たしかに点数はよかった。Cはいってただろうな」

詰め寄ってきた俺を迷惑そうに片手で制し、鉄人が口を開く。

 

「じゃあなんで!?」

「だってなぁ…」

 

 

 

「お前ら二人、観察処分者だろ?」

 

 

 

……………………

 

 

 

「一人でも問題なのに二人もいるんだ。ばらばらにするよりまとめといた方がいいだろ」

 

つまりあれか?危険物は一カ所に集めて管理した方がなにかと都合いいみたいな感じか?

 

 

「それにしたってなんでこいつに合わしてんだよ、俺の方でもいいじゃねーか!」

「お前は罰も含められてるがな。それに吉井がついてこれんだろう」

 

 

学年ごとのカリキュラムなんてどのクラスも一緒だと思うが…こいつそんなに頭悪いのか?

 

…ってちょっとまてよ、もしかして吉井の成績が上がらないかぎりどんなに努力しても俺は最下層を脱出できないのか?

 

 

とても受け入れたくない事実を知って、膝から地面に崩れ落ちた。

 

 

隣を見ると吉井は、相変わらず紙を両手に固まったままだった。

 

クソがッ、こいつのせいで…!

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、俺の最低クラスでの生活が幕を開けた。

いつかなくならないかなぁ、観察処分者の称号

 


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