ソードアート・オンライン~神速の剣帝~   作:エンジ

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第七話 開催デュエルトーナメント

俺は、統一デュエルトーナメントの対戦表を眺めていた。対戦表は東ブロック南側、東ブロック北側、西ブロック南側、西ブロック北側に分かれている。一年に一回の大会なので出場者も多い。自分の名前を探すだけでも一苦労だ。

 

「・・・・・・東ブロックか」

 

このALOの世界の中心に栄える街<アルン>。このアルンには四つの会場がある。それは、まばらに配置されているがそこまで離れていないので、それぞれの会場に行くための所要時間はそこまで必要ない。

大きさは、五千人ほど入る会場が三つ、二万人ほど入る会場が一つある。

この大会の仕組みは、四つの会場でそれぞれのプレイヤーが一対一のデュエルを行い、勝者が駒を進めることができる。そして、それぞれの会場で残った二人が、西ブロックの北側の会場でもある大きな会場で優勝争いをするというものだ。

俺は、東ブロック南側なので上位決めの会場とは少しばかり離れている。移動がとてもめんどくさいが仕方ないだろう。

気になる対戦者だが、東ブロック南側には俺のほかにフライ、クラインがいた。俺が聞いたことがある実力派プレイヤーはほかにいなかった。そうなると、ほかの会場に相当な実力プレイヤーが集まってそうなので激戦が予想される。俺は、ベストエイトに入るためにはクラインと戦わなければならない。クラインはソードスキルの使いタイミングがうまいので、結構苦戦するかもしれない。

俺はアナウンスとともに会場に入る。予選会場であるのに満席になっていた。俺が入場すると同時にどっと歓声が湧く。俺は、何としてても上位に行こうと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、ようやく準々決勝の前まで来たぜ」

 

俺は、待機所に座っていた。部屋は白色一色でなかなか広い。しかも親切にお茶を用意してあった。

俺は、お茶を飲む。次の相手は、予想通りクラインだ。

あいつは、俺と同じく刀使いなので間合いの広い位置から斬撃を繰り出してくるだろう。至近距離に接近してもおそらくソードスキルを使って、距離を取りサラマンダー得意の火の範囲攻撃をしてくるはずだ。これが、クラインでなかったら魔法を使ってくると思うが、『侍が魔法なんて使うかよ』と言っているのでおそらく使わないはずだ。はっきり言って、クラインには勝てると思う。

 

だが、問題は次の対戦相手になりうるフライだ。あいつは、<空将>の異名を持つほどの、空中戦が得意なのだ。

いくら、ユージーン将軍に負けたといってもそれはほぼ<魔剣グラム>の能力のおかげであり、普通の武器を使っていたら、フライが勝利するだろう。

 

俺は、アナウンスと同時に会場に移動する。ユウキとの約束を守るためには勝たなければならない。おそらく決勝まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場は、およそ五千人のプレイヤーによって歓声に包まれていた。前の試合以上にテンションが上がっているだろう。俺は、十メートルほど離れているクラインを見据える。

 

「よう、ラテン語。やっぱりお前がここまで来るか。だが、この先は俺が行かせてもらうぜ」

 

「臨むところだ」

 

デュエルの申請を送り、六十秒のカウントダウンが始まる。

俺は、<月光刀>を抜く。クラインは先日入手した<霊刀カグツチ>を抜いた。

霊刀カグツチはプレイヤーのMPあげ、魔法攻撃力を倍増させる。そして、プレイヤーの攻撃力を1,8倍にし物理攻撃に火の属性を付与する。

まさに、ごり押しが好きなプレイヤーには最適な武器だ。

 

カウントダウンは十秒を切っていた。

俺は、足に力を込める。そして、デュエルが始まる合図とともに思い切り地を蹴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、カタナ三連撃ソードスキル<緋扇>を繰り出す。

クラインは、二発を防御するとカタナソードスキル<辻風>で残り一発を相殺した。俺の刀がはじかれる。

単発技はディレイがほぼないので、次の技につなげやすい。クラインはそのまま三連撃ソードスキル<羅刹>を放ってきた。

だが、俺はそれを読んでいた。体をひねり、最初の二発を避けると最後の一発を防御し、切り上げる。

クラインはバックステップをしたが、俺のカウンターが速すぎるため右太ももに斬撃を食らった。HPが二割ほど減少する。

 

「お前、速すぎるだろ!」

 

クラインが叫ぶが俺は気にしない。

一気に間合いを縮め、垂直四連撃OSS<バーチカル・スクエア>を繰り出す。クラインは、最初の二発を防御するが残りの二発を防ぎきれず、そのまま受け空中に浮く。クラインのHP残り五割を切った。

俺は、体を流しクラインと距離をとった。だが、俺はこの時そのまま追撃しなかったことを少しばかり後悔した。

 

「!?」

 

クラインは魔法を詠唱していたのだ。あんなに、魔法は使わないといったくせに。

 

「へへっ、くらえ、ラテン語!」

 

クラインが大きな火球のようなものを放ってきた。

俺は重単発攻撃OSS<リーパ・デトラクション>物理四割、水三割、聖三割を使い、大きな火球を斬った。俺は笑みを浮かべ、クラインの元に駆け出そうとしたが、それはかなわなかった。

なぜなら、その魔法は真っ二つになった瞬間に大爆発したのだ。

 

「ぐはっ・・・・!」

 

俺は、大きく後ろに吹っ飛ぶ。HPは一気に四割減少した。しかし、それ以上に気になったのはクラインの魔法だった。

クラインの使った魔法は、サラマンダーが愛用している<ファイアボール>だ。大きさは<霊刀カグツチ>の能力で大きくなったとしても、あんな追加効果はなかったはずだ。あれも<霊刀カグツチ>の能力か、もしくは・・・・・。

 

「クライン。お前魔法使わないんじゃねぇのかよ!」

 

「悪いな、ラテン語。カグツチとってから考え方変わったぜ!」

 

「・・・にゃろう」

 

俺は立ち上がり、クラインの元へ駆け出す。

クラインは次々と火球を放ってくるが、俺は単発突進技OSS<レクトリニア・エッジ>風八割、物理二割を使う。

この技は威力が弱いが、使用した後も勢いを殺さないので実質ディレイは発生しない。そして、魔法属性を備えているため<魔法破壊>も可能だ。

 

「なにィ!?」

 

高くジャンプしクラインに刀を振り下ろす。

クラインは受けるのが精いっぱいで、叩き下ろされた。

俺は、地面に着地するとクラインの元へ駆け出す。俺の刀は水色と赤色の交互に輝いていた。

クラインが立ち上がった瞬間、俺はスキルオーバーラップ《シェイプ・スクエア》を放つ。この技は二十八層のボスモンスターに使った<バーチカル・スクエア>と<ホリゾンタル・スクエア>を組み合わせた技だ。

クラインは、最初の一撃で体勢が崩れ、そのまま合計八連撃を受ける。連撃が終了すると、赤と青の立体形が出来上がる。

俺の技はクラインのHPを消滅させた。

 

「うおおおおおおおおおおお!」

 

会場に盛大な歓声が上がる。そして、次々に観客が上位決定戦が行われる会場に飛び始める。俺は納刀すると、静かにその場を離れていった。

 

 




短くてすいませんでしたm(_ _)m

次から、本戦?になります。気合入れて書きますので、楽しみにしていてください!

これからもこの作品をよろしくお願いします!!

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