五時頃にチラッと見たら一番上にあって驚きました。
そして今回は電ちゃん、夢を抱くの巻。
どうも、最近二次小説を読んでいて、挿絵を書いている人が結構多かったので(下手ですが)自分も描いてみようかなと思っているゆうポンです。
前回で冬夜提督(横須賀提督)視点が終わりましたので今回から電ちゃん視点に移ります。(二話で終わる予定)
それと感想で、読みにくい……という感想を頂きました。
どこでどう勘違いしたのかが分かり辛いようです。
自分でも、前話を覚えていないと何となくつまらないかもなぁ……と思っていたので納得の感想だったのですが、ここで一つ謝罪を。
申し訳ありませんが、少なくとも第1章(九条君の日記の2話分)までは既に書き上げてしまったので、この第1章はこのままの書き方でやらせていただきます。
予定では後二、三話で終わりますが、それでも一から書き直すとか修正を入れると私の場合、次の投稿がいつになるか分かりません。
その為、第1章終了まではこのままの書き方でやらせていただきます。
大変、申し訳ありません。分からなかった場合は前の話を見返すなりして頂ければありがたいです。
では、本編をどうぞ
九条の指揮を受けた駆逐艦は何を思うのか。
そして、彼に救われた命をどう使うのか。
これはとある一人の駆逐艦。
第六駆逐隊の四番艦が感じた事を書き記す日記である。
○月×日、晴れだけど……雨なのです
こんな事が起こるなんて……思っていなかったのです。
だから私は……日記として今日の出来事を書き記そうと思います。
あれは……そう、いつかはこんな命令が来るかもしれないと思い、絶望していた時の事だったのです。
その時は私も、第六駆逐隊の皆も。これから死にに行くんだという思いに縛られていました。
『味方ノ撤退ヲ完了サセヨ』
それがその時、私達に与えられた任務でした。
その意味は………………私達が轟沈するまで戦い抜け。そんな、非情な命令。
正直……先輩方や他の援軍の皆様が敗北したなんて信じたくなかったのです。でも、現場に到達した私達が見たのは壊れた装甲の残骸や敵深海棲艦の死骸。それから壊れた先輩達の武器や防具。
……死の匂い。
どのくらいの命がこの戦いで失われたのか。
例え、敵であっても出来れば助けたいと考えていた私にとってはその光景はただただ残酷なものでしかありませんでした。
……そんな中、聞こえるのは、敵艦の嘆くような甲高い声。ギャァァアアア!!という嘆きの叫び声だけ。
そんな戦場の真っ只中に私達。第六駆逐隊は居たのです。
「……不死鳥と呼ばれた私でも……流石にこれはキツイな」
その光景を目にした暁型駆逐艦の二番艦。響ちゃんがそう言いました。
その清らかだった白髪は戦場の空気で煤がつき、薄汚れていて、そんな中で呟いた響ちゃんの言葉で、あぁ。これから轟沈するんだな……って、改めて死への恐怖が浮かんできたのです。
「……敵艦は分かる?暁」
雷ちゃんが暁ちゃんにそう尋ねました。その目は既に死を覚悟した"ソレ"になっていた事を覚えています。
「当然よ、前方に数え切れないほど一杯。これだけで十分でしょ?」
その時、霧の中で深海棲艦の紅い目が光りました。
威嚇するかのように向けられたその光は電達の戦意を奪っていったのを覚えています。
そしていよいよ決死の防衛戦が始まろうか……といったタイミングでした。
「……え?」
突然、提督からの指示が私達に届きました。
それは極々短い文章でこう書かれていたのを覚えています。
『この戦いで勝つ』
そして、命令に従うように指示がされていました。
そこからは驚きの連続でした。脈絡のない突撃の指示。魚雷の発射。細かい動きの微調整。
……全て、全て細かく指示を出され続け、その通りに行動し続けました。
これは、今までの提督の様子からしたらあり得なかったことです。何せ、その指示は全て的確。
指示に従い動けば敵の攻撃を回避していて、指示の通り魚雷や弾丸を射出すればほぼ、全弾が命中する。
極め付けは敵艦の攻撃を利用し、敵の旗艦。戦艦レ級を撃破した事。
提督さんにはそこまでの才能なんて無かった筈なのに。
……終わってみれば、結果は完全勝利。……無傷で戦いが終わったのです。
……正直言えば、帰投している今でも信じられない気持ちです。当たり前なのです、死ぬ覚悟をしていたのに結果は無傷だったんですから。
でも、私達は生き残った。しかも無傷で。
……それは正にーー
奇跡。
万が一、億が一に起こる限りなく低い可能性。
……そう、所謂あり得なかった筈の可能性。
ーーそれに巡り合った。
……初めてだった。あり得ない選択肢を選ぶ事が出来たのは。
……初めてだった。起こり得ないはずの奇跡を知ったのは。
だから、私は決めたのです。
その、奇跡に賭けてみようと。
深海棲艦とはいえ、敵とはいえ、沈めるのは私も好きじゃ無い私の気持ち。
それに嘘を吐く事は出来ないと。
……だから、私は決めたのです。
艦娘、人間、深海棲艦。
その三つの種族が共に生き残る道を探る戦いをする事を。
一度死んだ筈の身、もう怖くなんて無いのです。
……だからこれは、私の。私にしか出来ない戦い。
私達が死ななかった奇跡だって起こるなら、
ーー皆で手を取り合う幸せな未来になる奇跡だって……きっとある、と。
……後、帰ったら提督さんに色々と問い詰めてやらなければならないのです……!
○月△日、くもりなのです!
何となく気分で今日も日記を書いてみるのです。
昨日は色々な気持ちが混ざっちゃって変な文章になってたのですが、今日はちゃんと日記として書くつもりです。
今日、昨日の戦いを終えて帰投したのですが未だに信じられない気持ちが電達を覆っていました。
それもそのはず。死ぬ筈だった私達が無傷で帰還したのですから。
……そして、電達に待ち受けていたのはとんでもない報告でした。
「今回、お前らに指揮をしたのは俺じゃない」
私達に与えられた事細かな指示。そして敵艦を見事轟沈させた戦術を考えたのは提督ではない。そんな知らせでした。
「その方はこの横須賀鎮守府に滞在している。くれぐれも怒られるような事はするなよ」
その時の提督の顔が何とも言えない表情だったのは何でだったのかな?
まるでーーそれが提督の意志では無いかのような、そんな感じ。
あっ、それからその人にお礼を言おうと探していた時に見知らぬ人とぶつかってしまったのです。
……完全にこちらの不注意だったので慌てて謝ったのですが、その人は笑って許してくれました。
でも、さりげなく注意してくれたりとしっかりした方だったようです。
……見かけない人だったけど誰だったのかな?
明日提督に聞いてみようっと。
○月□日、晴れなのです!
何か、日記を書くのが楽しくなってきたのです。
このまま習慣にしても良いかもしれません!
……さて、昨日の事を提督に話してみたら、なんと私が昨日ぶつかってしまった人が私達を指揮してくれた人だったみたいです!
道理で見かけない人だなぁ、と思ったわけでした。
そして、お礼をする為に間宮さんに教わりながらクッキーを焼いて、持っていったらとても喜んでくれました。
頭を撫でてくれたその手がとっても暖かかったのです。
でも、指揮について話すと変な顔をされました。……もしかして何か事情があったのかな?
それから、気付いたら色々な事を話していました。
……私の事、第六駆逐艦隊の皆の事。戦いなどの戦術。
どれも嫌な顔をせずにニコニコと聞いてくれたのが嬉しかったのです。
そして、少しだけその人も自分の事を話してくれました。
自分は単なる高校生だよ、という謙遜から慎み深い人なんだなぁ、って感じたのが印象的です。
度が過ぎた謙遜も勿論良くないとは思うのですが、その辺りもキッチリと理解しているようでした。
そして最後に第六駆逐艦隊の皆を紹介することを約束したらこれまたとても喜んでくれました。
…………この人ならもしかしたら。
○月☆日、晴れなのです!
今日も日記を書いてみるのです、……もう習慣付いてきた感じがします。
それで、今日もあの人の所に行こうかな、と思って部屋を尋ねてみたのですがどうやら不在のようでした。
そう言えば自己紹介もしていなかった気がします……うぅ、やってしまったのです。
提督の秘書艦、霧島さんに聞いてみたところ、なんと元帥さんに呼ばれていたそうです。
何か用事でもあったの?、と尋ねられたのを適当に濁して場所を聞いたのですが、くれぐれも邪魔はしないように。と念を押されてしまいました。……そんな事しないのに。
「……ここ、なのです?」
霧島さんに教えてもらった場所は横須賀鎮守府に存在する殆ど使わない会議室でした。
初めてここに来た時にここでは重要な会議のみを行う、と説明されたのをふと思い出しました。
表のドアは少しだけ錆びていて、とても中で会議がされているとは思えない部屋でしたが、する事も無いのでその場であの人が出てくるまで待っていたのを覚えています。
そして数分間ドアの前で座っていた私だったのですが……、
「……………ぁ」
「?」
突然、部屋の中から怒鳴り声?のような声が聞こえました。
その声には聞き覚えがあります、確か……元帥さんの?
「なんだろう……なのです」
気になった私はそっとドアに近付くと聞き耳を立てました。
この時点で既にやってはならない事をやってしまったのですが、その時は"あの"温和な元帥さんが怒ったという理解出来ない事態に驚いて、ついつい我慢しきれなくなったのです。
どうして重要な会議をする部屋から音が漏れたのか。それは古かったから穴が開いていた為か、元々そんな欠陥があったのか。それは分かりませんが、とにかく聞こえてしまったのですから。
「ご安心下さい。ちゃんと俺の犯した罪の分は働きますから。……何なら警察にでも放り込みますか?」
「ッ!?」
その声の主は、昨日、私と楽しそうに話してくれたあの人。
ーーそう、あの人のモノだった。
罪?どういうこと?あの人は提督さんと元帥さんに脅されているの!?という突拍子の無い考えが頭を駆け巡り回った。
でも、答えなんか出てこない。
……ただ、一つだけ言うならば。
ソレは、私が聞いてはならぬ事だった。
そしてその時、聞き耳を立てている私の存在に気付いたのか"あの人"がドアを開けました。
突然、ドアを開けられた事に怒られる……!と思って私は思わず身体をビクリと震わせました。
ですがーー、
「キミは……、どうしたの?"こんな所"で」
「…………、」
あの人は私にそう尋ねます。それで全てを理解しました。
ーー気付かれていた、と。
その理由はアクセント。わざわざあの人は"こんな所"という言葉に力を込めて言ったのです。
……つまり、私が聞き耳を立てていた事にあの人は気付いていた。
思わず、身体が震えました。それは、目の前にいるあの人が、昨日のあの人とは別人のようだったから。
その時の目は死んでいて、昨日との違いに怖くてギュッと目を瞑ってしまいました。
しかしーー、
「あぁ、ゴメンね。怖がらせちゃったかな」
目を開くとそこには、昨日のあの人が居ました。
のほほんとした表情で私の頭を撫でてくれました。
気持ち良かったので目を細めていると、
「とりあえずここに居て元帥さんに何か言われるのもアレだし、少し離れるか……よっと」
「ふぇ!?」
気が付けばおんぶされていました。……うぅ、恥ずかしいよぉ。
それから明日、第六駆逐隊の皆を紹介する事になったのです!
少しだけ楽しみなのは内緒なのです。
○月@日、くもりなのです!
今日はあの人に第六駆逐隊の皆を紹介したのです。
何故かは分からないのですが、私と雷ちゃんの事を。
あ!そう言えばなのですが、やっとあの人の名前が分かりました。
うぅ……カッコいい名前なのです。
ニコニコとした表情で私達の作戦や考えなどを聞いてくれました。
時折、細かいミスを指摘してくれたりあっと驚くような作戦を考えてもくれました。
……やっぱり、九条さんは凄い人なのです!!
……この人なら私の夢も。いえ、何でもないのです。
この夢は私自身が叶えなくちゃならないものなのですから……!
……むぅ、そろそろ眠いので終わるのです。
明日は晴れると良いなぁ。
とりあえず簡単に電ちゃんサイドを書いてみました。
今回は余り内心の描写をしていませんので次回、細かく書こうかな?と考えております。
では、また次回お会いしましょう