ワンピース 絶滅天使と行く   作:ぬっく~

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第7話

「このバギー一味!! 旗揚げ以来、奪いに奪ってハデに名を上げて来た!!」

 

ルフィたちが逃げてから数十分。バギー一味が目を覚ました。

 

(あの小娘……何処かで見た覚えが……)

 

バギーはルフィたちを連れ去った少女に何か違和感を抱いていた。

 

(いや、あり得ないな。だが、あの力は間違いない。しかも、あの悪魔の実は……)

 

白く長い髪の女性の後ろ姿。

かつてある船団でその女性率いる海賊団と戦った。

 

(あの女は……もう死んだはずだ)

 

既に忘れられし記憶。

その海賊団はロジャーの死後の後に報じられた。

船長の死、そして解散。

 

「生命の樹海賊団……」

 

かつてロジャー、白ひげと並び立った海賊をバギーは口にした。

 

 

 

 

「あう……」

 

「あんた気付いたのね……」

 

私は身体をゆっくりと起こし、立ち上がる。

 

「あれ……ここは」

 

「おう! オリガミ、起きたか」

 

無事に檻から出られたのか、ルフィが私の前にいた。

 

「ゾロは?」

 

ルフィがいるのにゾロの姿が見えないので、辺りを見わたす。

 

「ゾロは町長の家よ」

 

「やあ、航海士さん」

 

「あんたもかよ!!」

 

オレンジ色の髪の少女がゾロの居場所を教えてくれ、私が眠っている間に起きたことを軽く説明してくれた。

バギー一味の追ってから逃げるために檻に入っていたルフィを置いて、私だけ背負って裏通りに隠れたらしい。

 

「俺、ちょっとゾロの所に行ってくる。あの着ぐるみ男、ゾロ探してたみてぇだから」

 

そう言って、ルフィは町長の忠告を無視して、ゾロのいる町長の家に向かった。

町長の家は先程私が気絶した所の横だったらしい。

 

「ワン!! ワン!! ワン!!」

 

犬の鳴き声……泣き声が聞こえてくる。燃える建物の前で。

その建物は犬の主人の形見。

私とルフィは無言のまま、ある所に進む。

 

「! てめぇは……」

 

先程ルフィを吹き飛ばしたバギー一味の前に私たちは出る。

猛獣使いのモージはルフィが死んだと思っていたが、私からしてみればあれぐらいでは死ぬ訳がない。

 

「また、俺の前に現れるってのバカだ!! 頭を噛み砕いてやれっ!!」

 

モージは乗っていたライオンに命令し、こっちに向かって来る。

 

「ふんっ!!」

 

私は向かってくるライオンの頭を地面めがけて殴り付けた。

 

「!!!? リッチー……!??」

 

ライオンの頭は地面に刺さり、沈黙した。

 

「なんだ!! ……お前……何なんだ!!?」

 

「海賊だが?」

 

ルフィの言う通り、私たちは海賊。

 

「よ……よしっ! お前たちにな! 好きなだけ宝をやろう!! そ……それと、ここは一つ穏便に謝ろうと思う!! ごめん!!」

 

モージは私たちの実力を知るいなや謝り始めた。

だけど……それはもう無意味。

 

「もう、謝んなくていいよ。今さら何しようとあの犬の宝は戻らねえんだから」

 

そうさ、もう戻らない。

だから……。

 

「「だから、俺は(私は)お前をぶっ飛ばしに来たんだ!!!!」」

 

ルフィはモージを引き寄せる。

 

「あ……あああおい!! や……やめてくれぇあああああ!!」

 

そして、私とルフィは思い切りモージの顔を……

 

「助け……」

 

殴り付けた。


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