ルフィがボンボンをぶん殴り、ゾロを仲間にすることを決め、私たちは海軍基地を目指した。
「よっ」
「また来たのか。海賊の勧誘なら断ったハズだぜ……!!」
ルフィがゾロと交渉する。そして、ゾロの武器である刀を取り返すことになり、ルフィは行ってしまった。
「……基地に乗り込むつもりかよ」
「ルフィなら大丈夫でしょ」
私はルフィの行動には何も言わない。十年以上の付き合いだからその辺のことは慣れている。
そう言って、私はゾロの縄を取る作業に入った。
「おい、いいのか! おれに手を貸せば、てめェが殺されるぞ」
「大丈夫よ。私はここで死ぬつもりはないから」
固く結ばれた縄に私は苦戦していた。
そして、私の肩に向けて何かが飛んで来ることを察知し、身体を僅かにずらす。
「ルフィの奴……」
それは、狙撃だった。
発砲音からして、それが狙撃であることはすぐに分かり、ゾロと共にその狙撃場所を睨む。
海軍基地の中で一番高い塔の上に同じく睨んでいる男がいた。
「すぐに逃げろ。あいつらが下りてくるぜ」
「必要ない。手っ取り早く済ませることにした」
私は腰に吊るした刀の柄に手をかける。
「おれはいいんだ。一ヶ月耐えれば助かるんだから。早く行……」
「助かりませんよ!! あなたは三日後に処刑されるんです!!」
遅れて来たコビーがあのボンボンがした約束が嘘だったことを説明する。
「ルフィさんが強いと言うのは本当です!! あなた達が手を組めばきっと、この町からだって逃げ出す事が出来るでしょう!! 逃げて下さい!!」
逃げる必要はないんだけどね、コビー。
でも、貴方の気持ちは分かったわ。
「そこまでだ!! モーガン大佐への反逆につきお前達三人を今、ここで処刑する!!」
どうやら、もう来てしまったらしい。
「基地を取り囲め!! あの麦わら小僧は絶対逃がすんじゃねェぞ!!」
怒鳴らすあたりからして、本命が来たらしい。
右腕が斧の海兵が現れたのだ。
「面白れぇ事やってくれるじゃねぇか……。てめぇら四人でクーデターでも起こそうってのか?」
どうやら、コビーも……って言うか遅いか。
「ロロノア・ゾロ……。てめぇの評判は聞いていたが、この俺を甘く見るなよ。貴様の強さなど俺の権力の前にはカス同然だ……!! 構えろ!!」
そう言って、海兵たちが一斉に銃を構える。
私もさっさとこの縄を斬ることにした。
「射殺しろ!!」
その言葉と同時に私は刀を抜き、ゾロを縛っている縄を斬り、素早く鞘に戻す。
そして、弾は空から降りて来たルフィが全て受ける。
しかし、ルフィの前では銃弾など無意味。
「効かーん!!!!」
受けた銃弾は弾き飛ばされる。
ルフィが食べた悪魔の実……ゴムゴムの実の前では打撃系は効かない、ゴムだから。
「ほら! お前の宝物どれだ? 分かんねぇから三本持ってきちゃった」
ルフィはどうやら無事に刀を取り返して来たようだ。
そして、同時にゾロが仲間になることになった。
「そんじゃ、始めましょ」
ゾロの縄も斬ったことだし、後はこの海軍基地を潰すだけ。
私は《絶滅天使》を呼び出す。
「〈絶滅天使〉―――【光剣】」
〈絶滅天使〉を分離させ、海兵めがけて光線を放つ。もちろん、殺傷能力はなく足を打ち抜く程度で。
ルフィは海軍の親玉であるモーガン大佐と戦っていた。
そして、決着が着こうとした時。
「こいつの命が惜しけりゃ、動くんじゃねぇ!!」
「ヘルメッポ様……!!」
あのボンボンがコビーを人質に取ったのだ。
しかし、コビーの覚悟の前ではそれは無意味だった。
「ゴムゴムの……」
そして、決着がついた。
「銃!!」
ルフィがヘルメッポを殴り飛ばし、ゾロがルフィの背後から迫るモーガン大佐を斬り伏せたのだ。