ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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また火曜更新になってしまった……
来週は必ず。


76.こんな悲劇は、ここで終わらせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰り道を歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日前までは夕方に帰るのが()()()()()。それも()()()()()()

 だが、今は違う。

 

 自分以外は誰もいない。隣にも、前にも、後ろにも、いつもはいたはずの“誰か”はいない。自業自得のせいで、その結果は自分が招いたものだと自覚して、いつもの帰路を歩く。

 

 

 

(下を向くな、前を見ろ。立ち止まるな、歩き続けろ……)

 

 

 先程、先生に言われた事を思い出す。

 躓いたから諦めるのは弱者になる事だと言われた。だから諦めるなと遠回しに言われた。

 

 

(……、)

 

 

 実際、それが簡単にできるなら世の中はもっと生きやすい世界だと思う。諦めずにいたから幸せになれた、諦めずにいたから夢を掴む事ができた、諦めずにいたから守る事ができた。

 

 別に否定するつもりはない。だけど、本当にそれを唱えている人は限りなく少ない事を知っている。諦めずにいても幸せになれる確証もない。諦めずにいても夢を掴める保証もない。諦めずにいても守れるとは限らない。

 

 

 結局、どちらを選んでも結果がどうなるかなんて誰にも分かりやしないのだ。

 ただ、諦めるか諦めないかの違い。それによって得られるものは何か、失うものは何か。結果によってそれぞれ違う。

 

 

 

(俺は……)

 

 

 

 そして、岡崎拓哉が選んだ道は、諦めるだった。

 諦めずにいて得たものは何もなくて、むしろ守るべき存在を自らによって壊した。失ったも同然の事をした。

 

 

 

 

 そんなものだ。岡崎拓哉という人間なんて、そんなものなのだ。どこにでもいる平凡な高校生だから、諦める事だってある。その道を選んだところで、きっと誰も責めはしない。誰もが経験した事のある挫折や失敗なんだから、誰も責めはしないと思っていた。

 

 

 

 しかし、責める者はいなくても諦めさせないようにしてくる者はいた。

 

 

 

 

 

 そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 拓哉の足が止まる。

 原因は、自分の視線の先に誰かいたから。

 

 

 他人とは違う、腕を組んで正面に立って、明らかに自分を待っていたかのような仁王立ち。

 夕陽が逆光になっていて上手く目の前の人物が見えない。だから正体を掴むためにゆっくりと近づいていく。

 

 

 

 

 正体は、判明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……桜井」

 

 

 

 

 

 

 岡崎拓哉が音ノ木坂学院に転入する前、そのもっと前。中学の頃に拓哉に助けられ、そこから執拗に拓哉にまとわりつくように絡んできた1年後輩の少女。

 桜井夏美が、仁王立ち+しかめっ面で拓哉を睨んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少しお久しぶりでーす。せ・ん・ぱ・い……?」

 

 

 

 

 

 

 やはりといえばやはり、随分とご立腹だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ◇―――76話『こんな悲劇は、ここで終わらせる』―――◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花陽ちゃんからメールが来ました」

「ッ」

 

 特に場所移動はしなかった。その道は元々人通りも少ないため、とりあえず話はこのままする事にした。

 夏美の最初の一言目は、いきなり拓哉の胸を遠慮なく突き刺す。

 

 

 

 

「何であたしが先輩の他にμ'sのみんなとも仲良くしたのか分かりますか?」

「……そんなの、友達がいないから作りたかっただけじゃないのかよ」

 

 初めてμ'sと会った時に、そんな雰囲気を漂わせていた。だからそうなんだろうと思っていた。だけど夏美はフルフルと首を横に振る。

 

「確かにそれもありますけど、狙いはそれだけじゃありませんでしたよ。……本当ならないと思ってたからこんな動機でみんなと仲良くなりたいなんて思いたくなかったんですけど……本当にあるとは……」

 

 少し勿体ぶりながら、ジト目にも近いそれで夏美は拓哉を見て言った。

 

 

「先輩に何かあった時とか、先輩を含めるμ'sに問題が出てしまった時、あたしが何か役に立てるかもと思ったからです」

「……、」

 

 俯く。

 本来なら、本当の意味で関係ないはずの夏美すら出てくるまでに、今のこの状況は酷いのだと思い知らされた。下を向くなと先生に言われた事も今は忘れ、俯いてしまう。

 

 

 

「いざとなって聞いてみれば、あたしが思い付く限りで1番最悪の問題ですよこれ。もう分かってると思いますけど先輩、これだけは言わせてもらいます。今のあたし……結構怒ってます」

 

 言われなくてもそんな事は分かってる、なんてとても言えなかった。言うだけの精神も持っていなかった。

 

「ったく、先輩が付いていながらその先輩が問題を起こしてどうすんですか!何のためにあの人達のお手伝いをやってるんですか。わざわざ仲良くなってから関係を壊してしまえとでも思ってたんですか!」

 

「ッ!それはちが―――、」

 

「一緒なんですよ!結果がこうなんじゃ、そう思われても仕方ないんです。それだけの事を先輩はしたって結果だけが残って……これからずっと先輩の心を蝕んでいくんです。もっと酷くなれば、μ'sの評判にも関わる」

 

 

 何も、言えなかった。

 自分がどう思っていても、守りたいと思い続けても、それを自分自身が壊してしまえば、他人からは自分が悪いと思われる。それが現実の当たり前の見方だった。

 

 弁解しようが、守りたかったと弁明しようが、世間はそれを耳に入れずにただ拒む。普段は凄いや応援してるなど言っていても、不祥事が起こればひたすらに批判をし続ける。まるで芸能人を叩く一般人のような感覚。

 

 μ'sの活動休止がネットに流れれば、その原因が手伝いをしている拓哉だと分かれば、μ'sを応援していた人は必ず拓哉を責め立てる。そしてその飛び火はいつの間にかμ'sにまで移ってしまう可能性も否めない。

 

 自分の起こした問題で、μ'sがより酷い環境に晒されるのは絶対にあってはならない。そう強くは思っていても、今の拓哉には行動に移す勇気も気力もない。

 

 

 

 

 だから、それを許さない者がいる。

 

 

 

 

「……先輩、そんな酷い顔しないでください」

 

 頬に何か触れる感触がした。

 夏美の手だった。

 

 

「ぁ……さ、くら……い……?」

 

「あたしは確かに怒ってますけど、怒るためだけに来たわけじゃありません。あたしだからこそ、できる事があると思ったからここに来たんです」

 

 普段はただのあざとい後輩としか思っていなかった。だけど、今目の前にいるのは、本当に、純粋に、優しい目でこちらを見ている少女だった。

 

 

 

「先輩は今、どうしようもないくらいに絶望しちゃってます。過去の自分の今までの行動がダメなんだって決めつけて諦めちゃってます。だからもう無意味なんだって何もしないように流されちゃってます」

 

 夏美の言っている事は当たっている。自分の今までの行動が仇になったから、今こうして絶望の淵に立っている。それは今回の事だけではなく、過去の事にも言えてしまう。

 

 

 もし、自分の知らないところで、自分が助けたと思っていた誰かが実はまだ救われていなかったら?

 もし、拓哉が去ったあとで、拓哉が選んだ選択肢のせいで再び悲劇に襲われていたら?

 もし、自分がとった選択肢が、ただ悲劇を先延ばしただけの一時的な問題の解消にしかなっていなかったら?

 

 

 それこそもう、本当の本当に、岡崎拓哉という人間をいとも簡単に壊してしまう爆弾だ。現実なんてのは何が起こるか分からない。不幸は何故か立て続けに起きてしまうものだ。そんなのが不意に拓哉の耳に入ったら、それこそもう拓哉は二度と立ち直れなくなる。

 

 

 

 だから、その前に。

 言っておかないといけない言葉がある。

 どうしようもないくらいに自分の選択が悪いと思っている少年に言わなくてはならない言葉がある。

 

 

「でもね、先輩。あたしを見てください」

 

 片手ではなく、両手を拓哉の頬に優しく添える。

 

 

「先輩は過去に救ってきた人達にも負い目を感じてる。もしかしたら実は後に同じ悲劇がその人達に起きてるんじゃないかって。でもそれは違う。もしそうだとしても、本当に、万が一の確率でそんな事があったとしても、先輩はこれだけは忘れちゃいけない」

 

 しっかりと自分を見させる。目を逸らす事は許さない。

 

 

 

「確かに先輩に救われた人はいるんです。……だって、あたしがそうなんですから」

 

「っ……!ぁ……」

 

「先輩がどれだけ落ち込んいるかは正直言ってあたし程度には分かりかねます。だけど、先輩はあたしを救ってくれました……。どうしようもなかったあたしさえも、先輩は助けてくれた。だから、あたしも少しずつは変われてきて、本当に友達って言える人達ができたんです……!」

 

 不思議と、夏美の瞳が潤んできたように見えた。

 

 

 

「ただ男を手玉に取るかのようにして気取っていたあたしが当然の報いを受けそうになってた時に、先輩は助けてくれた。そのあとに先輩にまとわりつくようになっても、何だかんだでいつも構ってくれる先輩がいた……。それさえも、あたしの救いだった。そして今も、友達ができるようになったのも、先輩のおかげなんです……」

 

 頬に添えている両手が徐々に震え始める。潤んでいた瞳は、確かな粒となって目に溜まっていく。

 

 

 

「だから先輩がどう思ったってこれだけは忘れちゃいけない!絶対に忘れさせちゃいけない!あたしだけでも確実に先輩に救われて、今も楽しく日常を過ごしているんだって分かってもらわないといけないんです!先輩に救われてこうして今ここにいる事、先輩が絶望しているから駆け付けて来れたあたしがいる事を、先輩は分からないといけないんです……」

 

「……桜、井……」

 

 

 添えていた手が落ちる。俯いた夏美からポタポタと落ちているのは、涙で間違いはないだろう。これが夏美が言いたかった事。拓哉に救われた夏美だからこそ言える言葉。他の誰でもない、拓哉に救われ、拓哉と仲良くなり、拓哉の仲間と友達になれて、拓哉の事をよく知る事ができた夏美だからこその言葉。

 

 どれだけ拓哉が過去に絶望していようが、拓哉に救われ、今の世界を楽しく過ごしている者もいるんだと分からせてやる必要があった。拓哉を立ち上がらせるのはきっと違う誰かがする。何故かは分からないが、夏美はそれを何となくで察していた。

 

 

 だからこれは前座。

 自分は拓哉を立ち上がらせるための、たった1つのちっぽけなピースであってきっかけに過ぎない。

 

 しかし、それでいい。それだけでいい。

 どれだけちっぽけでも、些細な事でも、想い人を立ち上がらせるためならば、どんな小さい事でもしてやろう。盛大に前座をこなしてやろう。

 

 自分は前座に過ぎない。そんな事は最初から分かっている事だった。拓哉の側には、いつもμ'sがいる。その時点で、桜井夏美という少女はただの前座で、お膳立て役でしかない。分かっている。分かっているのだ。

 

 叶わない事なんて、自分がこの少年のハートを掴む事はできやしないんだって。本気のアタックも少年からしてみれば、ただのあざとい行動でしかなく、良くて少しドキッとさせれる程度のもの。

 

 今まで自分がやってきた男を手玉に取るような行動が、“本気の恋では悪手”にしかならない。まるで今までの自分の行為の戒めだと思わせるかのように。だから夏美は、拓哉とは別の意味で、()()()()()()()()()()()

 

 

 それら全てを分かった上で、自分ではもう目の前の少年を振り向かせる事はできないのだと知った上で、μ'sを救うための小さい駒なんだと言い聞かせた上で、せめて大好きな少年を助けるために一躍してみせる。

 

 

 

 落としていた手を、片方だけ、少年の頬に添える。

 涙はまだ止まってはくれない。だけど構わない。伝えないといけない。

 

 

 

 

 

「……だから、これだけは忘れないでください。少なくともあなたのおかげで、本当の意味で誰かを好きになれた女の子がいたって事を……。それを少しでも糧にして、同じように、また誰かを助けてあげてください。拓哉先輩……っ!」

 

「……、」

 

 

 夕陽のせいもあったかもしれない。拓哉の目に映った女の子は、とてもあざといとは言い難く、可愛くて、美しくて、可憐で、切なくて、儚くて、誰かに恋をしている少女だった。

 

 

 

「……ッ!」

 

 

 

 気を取られていたのか、単に見惚れていたのか、そんな事を思う前に夏美は拓哉から走り去っていってしまう。

 

 

「あ……おい、桜井!」

 

 

 呼ばれると夏美は止まった。拓哉からは後ろ姿しか見えない。しかし、何となく、夏美が涙を腕で拭っているような動きは分かった。それからして、意を決したかのように、夏美は振り向いて言った。

 

 

 

 

 

「あたしはまだ怒ってるんですから、さっさとどうにかしてきてくださいねー!それまでは先輩と連絡とりませんのでーッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それだけ言うと、拓哉の言葉も待たずに夏美は行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……こんな俺にでも、救われた人はいる……)

 

 

 

 

 

 

 夏美に言われた言葉を断片的に思い出す。

 全部が全部、間違いなわけではなかった。

 

 

 

 確かに間違ってなかったものもあった。

 

 

 

 

(……、)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャリと聞き慣れた音を聞き流しながら戸を閉める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれからすぐに帰宅した。

 何かを考えるのにも、暑い外にいてはできないものだ。だからさっさと自分の部屋に行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

「おう、拓哉。今日は帰るの遅かったな」

 

 

 

 不意に声がかけられた。自分の家で自分の他に男の声がする。となれば、誰かはすぐに分かる。

 

 

「……ああ、まあな」

 

 

 岡崎冬哉。

 岡崎拓哉がヒーローになるきっかけを与え、そう育ててきた張本人。いわば元凶にも近いそんな父親は、リビングから拓哉を呼び止めた。

 

 

「まあいい。それよりこっちに来い。少し話がある」

 

「……何でだよ。俺は部屋に行―――、」

 

「俺が何も知らないと思うか?」

 

「なッ」

 

 まさかとは思っていた。自分の父親は“本物”だ。岡崎拓哉が知る人物の中で圧倒的であり、“本物のヒーロー”だ。だから、まさか自分の周りで何が起きているか知っているんじゃないかと心の片隅で思っていた。

 

 仕方なく2階へ向いていた足をリビングへと向ける。

 

 

「昨日までは何も知らなかった」

 

 リビングに入るまでに、その言葉は放たれた。

 

「でもその前からお前に対しての違和感は感じていた。明らかに様子がおかしかったからな。だから聞いたんだ、唯に」

 

 なるほど、と拓哉は内心で納得する。確かに唯なら何か知っているだろう。唯の事だ、きっと雪穂か亜里沙辺りから話を聞いたんだろう。落ち着いたら自分から話すとか言っておきながら落ち着く気配など一切なかった。

 

 だから話すつもりもなかったのだが、身近に情報を知っている者がいるなら自然とそれは耳に入ってくる。それにしても、それにしてもだ。この父親はタイミングが良すぎる。

 

 

「唯も昨日知ったばかりだったらしい。だから聞くのは今日しかないと思ってな。今日を逃したら、何もかもが手遅れになると思ったからだ」

 

 これだ。このタイミングの良さ。自分の父親を“本物”と思っている真の確信。それは岡崎冬哉の“直感”にある。冬哉は何故か、いつも直前まで何も知らないのに、いざとなったら一気に真相へ近づいてくる節がある。

 

 

 

 故に、“本物のヒーロー”。

 

 

 

「何くだらない事で落ち込んでいるんだ」

 

「ッ!!」

 

 衝動的に目の前の父親を睨む。が、何も言えない。言い返せない。冬哉の目が、それをさせてはくれなかったから。

 

「自分のせいでμ'sが壊れた?自分がもっとしっかりしてれば悲劇は回避できていた?抜かすな。もっとよく考えてみろ。お前が間違った選択をしていなくても、どうせ結果はこうなっていたさ」

 

「な、ん……」

 

 冬哉の言っている意味が分からなかった。自分のあの選択は意味を成していなかったとでも言うのか。とんでもないくらいの決心をしたのに、嫌われたくないのに嫌われるような事までしたのに。それを、無駄だったとでも言うのか?

 

 

「違う……違うッ!!俺があそこで選択を間違っていなければ、もっと違う結末になっていたはずなんだ……!せめて俺があいつらの側にいる選択をしていたら、心の支えくらいにはなれていたんだ!!」

 

「心の支えが何になる。穂乃果ちゃんが辞めてしまっては何の意味もないだろうが」

 

「俺や穂乃果が辞めたせいで、絵里は家で1人泣いていた……。みんなの前では生徒会長であり3年だっていう事もあってまとめ役だからやせ我慢してたけど、絵里だって女の子なんだ。精神面でいったらまだ思春期の類だろう。そんな子を、そんな子に……俺は全部背負い込ませてしまったんだ……!」

 

「それがどうした」

 

「……あ?」

 

 耳を疑った。これでも拓哉は冬哉を“本物のヒーロー”としては尊敬していた。いつだって正しい選択をして、困っている人がいるなら絶対に助けるその精神に憧れていた。

 

 

 だから。

 なのに。

 

 

 

「それが、どうした……だと……?女の子が、大事な女の子が泣いてんだぞ!?友達で、仲間で、守るべき人が自分のせいで泣いてんだぞッ!!それなのに、それがどうしただ……?そんな言葉は、アンタが1番言っちゃいけない言葉だろうが!!」

 

 勢いに任せて胸倉を掴む。

 いっそ、失望までしていた。自分の父親が、自分をヒーローとして育ててきたこの親が、よもや息子の友達の女の子が泣いているのに、まるで気にも留めていないかのような言い草。それを聞いて黙っていられるほど拓哉は温厚ではなかった。

 

 

 だけど、岡崎冬哉の表情は一切変わらない。

 そしてあくまで冷静に言った。

 

 

 

「何を勘違いしてるんだ。この問題は俺じゃない、お前が巻き起こした事だろう。だったらこの問題に俺が干渉するべきじゃないのは、お前も分かっているんじゃないのか」

 

「ッ……!」

 

 図星を言われた。胸倉を掴んでいた手がずれ落ちていくのが分かった。

 

 

「それに、俺はお前自身の話をしているんだ、拓哉」

 

「俺の、話……?」

 

「確かにμ'sの件も大事ではある。でもその前にだ。μ'sを救える立場にいるお前が今そんな状態で何をしているって言ってるんだ」

 

 違う。最初に拓哉はそう思った。μ'sを救える立場になんか自分は立っていない。いたとしてもそれは過去の事で、今の自分には剥奪されたものだ。自分で失う事にしたものだ。そんな事を言ってもらう資格など、どこにもないのだ。

 

「……俺には、もうそんな事はできない……。今更俺がどうにかしようとしたところで、何も変わらない。むしろ悪化させてしまう可能性だってある!だって俺があいつらを壊してしまったんだから!!どの面下げて顔合わせりゃいいかも分からない……」

 

「そうやって逃げるのか?自分のせいだから、もう合わせる顔がないから、壊してしまった関係をそのままにして自分はもう辞めたし関係ないからと決めておさらばか?そんなのはヒーローでも何でもない。ただの卑怯者だ」

 

「ッ……、どうとでも言えよ。もうどうしようもないんだ……。ことりはもうすぐ日本を発つ、それで全てが終わる。……絶対にやってはいけない事をやってしまったんだ。だからもう、俺は―――、」

 

 

 

 言葉は続かなかった。

 最後を言いきってしまう前に、冬哉が拓哉を殴り飛ばしたからだ。

 

 

「ぁ……がッ……!?」

 

「久し振りに人を殴ったが、それがよもや自分の息子だとはな」

 

「テ、メェ……!!何しやが―――、」

 

「少しは目が覚めたかバカ息子?」

 

 

 見下ろされる。口答えは許さないと言わんばかりに。

 

 

「たった1度失敗したくらいで諦める。それもお前にとって大事な子達が関係している事でだ。……自分で情けないとは思わないのか」

 

「……分かってる。分かってるんだよ、自分が情けないって事くらい。そんなの俺自身が1番分かってるに決まってんだろ!守るって誓ったあいつらの関係を俺が壊してしまったんだから!!でも、だけど……もう俺じゃどうしようもないとこまで来ちまったんだよ!!」

 

「だから諦めるのか?たった1度の失敗で。拓哉、お前はそんなヤツじゃなかったはずだろ。泣いている人がいれば必ず手を差し伸べるお前が、1番大事な女の子達がそうなっているのに何をやってる」

 

「だって、俺のせいなんだ……。今までの問題を考えてみれば、全部俺がちゃんとしてれば回避できていたかもしれない事だったんだ!それができなくて、しかも間違った選択までしてしまった。俺だけじゃ取り返せないところまで来てしまったんだ!!」

 

 全てを話す。これまでの経緯も全て。その上で、それら全てを聞いた上で、冬哉は言い放った。

 

 

 

 

「自惚れるなよ、岡崎拓哉」

 

 

 

 

 哀れな息子を見下ろしながら、それでも芯の通ったその目は、拓哉から逸れる事は決してなかった。

 

 

 

「何1人で全ての業を背負っているような口で言っている。俺からしたらお前なんてまだただのガキと変わらないんだぞ。そんなガキがいっちょ前に自分が全部悪いだの抜かして、何様のつもりだ」

 

「……そんなガキでも、俺はあいつらを守ろうとしたんだ……」

 

「結局守れてないからガキなんだよ。いいか拓哉、お前は俺の息子だ。ならやるべき事は最初から1つだろう。あの子達を救うためにお前はまたヒーローにならないといけない。たった1度の失敗が何だ。たった1度の挫折が何だ。それを乗り越えるからこそのヒーローだろ。……いや、違うか。失敗や挫折を乗り越えるのは普通の人だってできる事なんだ」

 

 

 岡崎拓哉はただの人間であり、ただの子供に過ぎない。それは山田博子にも言われた事だった。人間だから失敗もするし、挫折もする。心も折れる事だってある。現実なんてそれがありふれている。

 

「確かに失敗や挫折から立ち直るのはとても難しい事だ。それを素直に受け入れて、尚且つまた挑戦するようなものだからな。だけど、それができたら、できるから人は強くなっていく。拓哉、お前が俺の息子なら、絶対にもう一度立ち上がれるはずだ。お前だってもう分かってるんだろ。本当にもう自分には何もできないのか、それを決めるのは誰かじゃない。お前自身だ」

 

「……、」

 

 

 失敗を受け入れる。挫折を受け入れる。そしてそこからまた挑戦する。それは簡単な事のように見えて、とても難しい事だ。しかし、決してできない事ではないという事も知っている。

 現に、岡崎拓哉は1度そういう女の子と話した事がある。

 

 絢瀬絵里。

 過去にダンスをやっており、コンクールで挫折したせいで高校3年まで立ち直れなかった女の子。だが、絢瀬絵里は救われた。岡崎拓哉と最終的に手を差し伸べた高坂穂乃果によって。

 

 

 

 つまり。

 絶対に乗り越えられない事ではないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今一度よく考えろ。そして決めろ。まだほんの少しでもお前の中に守りたい何かがあるならば、立ち上がってみせろ、岡崎拓哉(ヒーロー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自室。

 

 

 

 

 

 

 

 そこのベッドで座り込んでいた。

 殴られた頬はまだ少しズキズキと痛むが、特に気にしてはいなかった。

 

 

 それ以上に、父に言われた事が頭に残っていた。

 

 

 

 

 

『まだほんの少しでもお前の中に守りたい何かがあるならば、立ち上がってみせろ』

 

 

 

 

 

 

(……そんなの、あるに決まってんだろ……)

 

 

 

 

 そんな時だった。

 部屋のドアからノックの音が聞こえた。

 

 

 

「お兄ちゃん、入るよ」

 

 

 返事を待たずして、自分の妹、岡崎唯が入ってくる。

 

 

「ごめんね、返事待たずに入っちゃって。でもお兄ちゃんの事だから何もしないと思ったから、手当てしに来たよ」

 

 そう言って手に持っていたのを前に出してきた。救急箱。いわゆる薬や応急処置用の手当てグッズが入っている箱だ。

 タタタと、刻み良い足音をパタつかせて拓哉の前にやってくると、唯はすぐさま箱を開けて手当てグッズを出していく。

 

 

「お父さんも強く殴りすぎだよねえ。お兄ちゃんが飛ばされた音すっごくでかかったんだもん。やるにしてももうちょっと優しくしないとDVだって私が訴えちゃおうかなっ」

 

 サラッと物凄い事を言う唯だが、そんな冗談にも拓哉は反応する事なく、ただ唯に手当てされるがままになっている。

 しかしやがて、拓哉はポツリと呟くように言った。

 

 

 

 

 

「……唯も、全部知ったんだよな……」

 

 ピクリと唯の動きが一瞬止まった。冬哉が唯から聞いたと言った時点で誤魔化しは効かない。そもそも、唯は誤魔化すつもりも毛頭なかった。少し腫れている拓哉の頬に消毒をポンポンと当てながら答える。

 

「うん……。昨日亜里沙から偶然聞いちゃったの。ごめんね、待ってるなんて言いながら全部聞いちゃって。お兄ちゃんもことりちゃんがいなくなったら私も悲しむって思ったから言えなかったんだよね。むしろ気遣ってくれて私はとても嬉しいよ」

 

 この気持ちは嘘ではない。自分がこんなになってるのに、妹の事をちゃんと気遣っている。そこは正直に嬉しかった。

 だけど。

 

 

 

「でもね、私は昨日の時点で聞けて良かったって思ってる。後悔もしてない。お兄ちゃんがとても辛い思いをしてるって自分で気付けなかったのが凄く腹立つくらいだよ。だからね、全部聞いた上で、私はお兄ちゃんにお願いがあります」

 

「おね、がい……?」

 

 今まで俯いたまま顔を上げなかった拓哉が、ようやっと顔を上げた。だがその表情にはまだ陰りがあった。父である冬哉の言葉を以てしても、まだ拓哉は完全に立ち直ってはいなかった。

 

 

 それでも唯は伝える。

 もう、自分が拓哉を助けられる最後の人物だと直感的に分かっているから。

 

 

 

 

「うん……。お兄ちゃん、μ'sのみんなを助けてあげて」

 

 

 

 

 

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。

 

 

 

 時が止まったような感覚に襲われた。

 むしろ唯が何を言ってくるか何となくで分かってはいた。だけど、いざこうして言われると、拓哉は何も言えなくて、動けなかった。

 

 

 自分がしなくてはいけないと分かっていながら、その事に恐怖しているのだ。もしまた選択を誤ってしまえば、関係の悪化は多分逃れられない。このまま一生溝は深まっていってしまうかもしれない。だから、すぐに答える事ができなかった。

 

 

「お兄ちゃんの気持ちは、きっと私なんかじゃ理解してあげる事も分かってあげられる事もないんだと思う……。だけど、そこまで深くは理解できなくても、少しでも自分に立場を置き換えてみれば分からないわけじゃない」

 

 再び俯いた拓哉にそっと語り掛けるように、唯は言葉を紡ぐ。

 

「もし雪穂や亜里沙が私のせいで関係が壊れてしまうような事があったら、私だって耐えられない。ずっと部屋に閉じこもってるかもしれない。大事な親友だから余計に……」

 

 これはあくまでもしもの話。未来にあるかないかなんて誰にも分からない話。だが、拓哉でさえこうなってしまったのだったら、決してあり得ない話ではない。だからこそ唯は続ける。

 

「でも私がそんな状態に陥ったら、お兄ちゃんはそのまま私を放っておく?私達の関係がこじれたままいつも通り日常を過ごす?」

 

 そんなわけない。いつもだったら即答していただろう。でも今はそれができない。唯達のために何かして、それすら間違って唯達の関係を決定的に悪化させてしまったらと思うと、無責任に答えるわけにはいかない。

 

 

 だけど、拓哉とは違って唯は言った。

 

 

「お兄ちゃんは絶対に放っておかないよ。例え何があっても、お兄ちゃんは必ず私達を助けてくれる。だってそれがお兄ちゃんなんだもん。私の中のお兄ちゃんは、()()()()()()()()()()だから」

 

 それは一種の暴論にも近かったかもしれない。自分ではそうは思っていなくても、他の誰かからは自分はそういう人物なんだと勝手に決めつけられる。そして期待され、失敗すれば失望される。そんな暴論にも近い言葉。

 

 

「しょうがないよ。私のお兄ちゃんは小さい時からずっとそうだった。一時は離れていても、その認識は変わらないままだった。良い、お兄ちゃん?私はお兄ちゃんの妹なの。友達とか、親友とか、仲間とか、そういう縁の関係じゃない。血の繋がった正真正銘の家族。だからこそ、最もお兄ちゃんと近い関係にいる私だからこそ断言してあげられる事がある」

 

 

 ガーゼを貼り終わり、拓哉の隣に座った唯は、あくまで笑顔を崩さずに言った。

 

 

 

 

「お兄ちゃんは絶対に、最後の最後にはヒーローになるんだよ」

 

 

 

 

 最後の最後には。そう言われて、だけど、納得できるだけの材料が自分の中にはなかった。またしても、否定的な事ばかりが頭に浮かんでしまう。

 

 

 

「……だけど、俺は最初からそのつもりだった。あいつらのために何ができるか、あいつらのために何をするのか、あいつらのために何を選ぶのか。全部最良だと思った事をして、結果的にこんな事になった。だったらもう、どうする事もでき―――、」

 

「そこだよ、お兄ちゃん」

 

「…………は?」

 

 

 言葉を遮られ、何がそこなのか、拓哉には理解できなかった。何があるのか、一体どういう意味をもって言ったのか、分からない。でも唯は分かっているような口ぶり。今までとは違う決定的な違いがどこかにあった……?

 

 

 

 最後の糸口を掴んだかのような口ぶりで、だけど唯自身は安心したように、あっけらかんと口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そもそもの話。お兄ちゃんは穂乃果ちゃんが倒れた時からずっと心に余裕がなかったんだよ。そこから少しずつ捻じれていったんだもんね。だってそうじゃないと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()調()()()()()()()()()

 

 

 

 

「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ」

 

 

 今までどこかで凍ったままだった何かが、徐々に溶けていくような感じがした。

 

 

 思い返してみればだ。

 最初から岡崎拓哉という人間は誰かのためなんかじゃない。自分のために行動していた。

 

 

 スクールアイドルを始めるという話になった時も悲しむ穂乃果達の顔が“自分が”見たくないから。

 初めてのファーストライブで失敗に終わりそうになった時も、何より“自分が”そのライブを、成果を見たかったから。

 矢澤にこをμ'sに入るよう説得した時も、このままにこが何も出来ずに高校生活を終わってしまうのを“自分が”見たくなかったから。

 絢瀬絵里と言い合った時も、挫折を乗り越えてまた輝く絵里を“自分が”見たかったから。

 

 

 

 そう、全部、いつだって、自分のためだった。

 それがちゃんと結果に繋がっていった。

 

 

 

 だけど、穂乃果が倒れてからは何かが違っていた。

 

 穂乃果のために、μ'sのために、気付けば自分のためではなく、ただただ彼女達のためというだけで動いていた。自分が見たい最高の結果ではなく、あくまで彼女達優先で結果は考えていなかった。

 

 こうすればこうなるではなく、こうしたらこうなってくれるはず。そんな希望的観測にも似た考えにしかなっていなかった。だから失敗した。自分のためにした行動ではないから。

 

 

 

 心の余裕がなかったと唯に言われた。それはきっと当たっているんだと思う。だから穂乃果が辞める前に、自らがあんな間違った選択をしてしまった。余裕があれば、せめて自分は残る選択を取れたかもしれないのに。

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん」

 

 

 

 再び、妹から声がかかる。

 

 

 

「今のお兄ちゃんなら、原因に気付いたお兄ちゃんならもう分かるよね。大丈夫だよ、気付けたなら、もうお兄ちゃんは()()()()()()()()

 

 ゆっくりと隣にいる唯の方へ顔を向ける。そこには、どこまでも優しい表情をした唯がいた。失敗の原因は分かった。あとは挫折を受け入れるだけ。その過程を、少しずつ進めていく。

 

 

「……俺はとんでもない事をしてしまった」

 

「うん」

 

「結局は、俺の心の余裕がないせいで招いてしまった事だった」

 

「うん」

 

「今更どうにかしようと動いたところで、きっと俺はあいつらにとんでもなく怒られる」

 

「大丈夫。それなら妹の私だって一緒に謝るよ。兄の責任は妹の責任でもあるんだから」

 

「……今になって俺の味方になってくれるヤツなんてどこにもいないかもしれない」

 

「それでもお兄ちゃんは今までだってやってこれた。だったら今回もきっと大丈夫。それに私だっている。何回も言ってるでしょ?私はいつだってどんな時だって、誰もがお兄ちゃんの敵になろうとしても、私だけはお兄ちゃんの味方だって」

 

「……こんな今の俺にでも、まだできる事はあるのか」

 

「自分のために動くと決めたお兄ちゃんなら、何だってできるよ」

 

「俺の望む結末が、もしかしたら誰か1人の未来を奪ってしまう事になったとしても」

 

「正しい事だけが幸せとは限らない。例え間違った選択をしても、最後にみんなが笑っていられる結末なら、そっちの方がいいじゃん」

 

「俺はまた……ヒーローになれんのかな」

 

「お兄ちゃんはいつだって私のヒーローだよ。だからさ、」

 

 

 

 

 

 

 もう大丈夫だった。

 質疑応答を繰り返して、自分には絶対の味方がいてくれると分かって、自分のためにするべき事を理解して。

 

 

 

 唯は最後の一言を放つ。

 それはある特定の意味を持つ人物にとっては呪いと言ってもいい言葉でもあった。

 

 

 ただのそれを、優しく、強く、はっきりと、今まで絶望に打ちひしがれていた少年に、再び発破をかけるように言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度立ち上がって、ヒーロー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒデコ達には、落ち込んでばかりいるなと慰められた。

 

 

 

 山田博子には、お前は1人じゃないから全部を抱え込むなと優しく諭された。

 

 

 

 桜井夏美には、確かに自分に救われた人物もいるんだと説教すらされた。

 

 

 

 岡崎冬哉には、守りたい何かがあるなら立ち上がってみせろと奮い立たされた。

 

 

 

 岡崎唯には、背中を押された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 であれば。

 

 

 岡崎拓哉は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 色んな人に言葉を貰った。色んな人に支えてもらった。色んな人に迷惑をかけた。ならば、そこまでしてもらって、いつまでも下を向いているわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

「これからどうするの?お兄ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 唯から優しい声音で問いが聞こえる。

 それに答える。先程までの力のない声ではなく、力のこもった声で。

 

 

 

「元はと言えばこれは俺が撒いてしまった悲劇だ。だったら、それらを全てを俺が解決してやる。しなくちゃいけないんだ。もう大丈夫。俺はもう、諦めない」

 

 

 

 

 

 そう、自分で撒いてしまった悲劇。

 それにμ'sを巻き込んでしまったのなら、どうにかするしかない。

 

 

 

 

 

 

 そのために、少年は。

 いつもの言葉をようやっと、自分の口から吐き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな悲劇は、ここで終わらせるッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1度沈んだヒーローが、蘇る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、μ'sを救え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、いかがでしたでしょうか?


恐らく今までで1番ボリュームのある話になったと思います。
ここまでが長かった……。
ようやっと立ち上がった主人公の活躍を、お楽しみに!
ヒーロー、復活。

追記。
夏美の事について、過去の事がまだ語られていないので、夏美に感情移入できないと思う方が多数いらっしゃると思いますが、それはまた1期が終わったあとに書くので、何卒ご理解のほどをお願いします!


いつもご感想高評価ありがとうございます!!

では、新たに高評価を入れてくださった


タッティさん、お砂糖!さん、takashuさん


以上、計3名の方からいただきました。ありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!



君の名は。面白かった。

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