どうも、大変長らくお待たせいたしました。
二週間に一度は更新すると言ったな?あれは嘘だ(殴
いやね?先週はリアルがとんでもなく忙しくて執筆どころではなかったのですよ……。
とまあ、言い訳はこれくらいにして。
今回は非常に短いですが、区切りを考えるとどうしてもこうなっちゃいました(笑)
ある意味本編(水着とか)は次回まで引き延ばしだよ!!
ではどうぞ!!
「「「「「「「「おお~!!」」」」」」」」
綺麗な晴れ空の下。
セミがミンミンと暑苦しく鳴いていて、余計それが暑い夏を感じさせる。
そんな太陽が遠慮なく照り付ける日の下で、そんな少女達の声が聞こえた。
「いや、すげえなこれ……」
俺達の目の前にあるのは真姫が言う別荘らしいのだが、これがまた……でかいなオイ。10人いても全然有り余るくらいの大きさだろう。
「凄いよ真姫ちゃん~!!」
「さすが金持ちにゃー!!」
「そう?普通でしょ?」
これが普通なら一軒家の俺の家でもゴミレベルにまで下がるんだが。やはりアニメの中でもリアルでも金持ちお嬢様の金銭感覚はどこかおかしいようだ。西木野家の養子になりたいです。
「「「わぁ~!!」」」
次に来たのは寝室。まあ、穂乃果と凛と海未の声で分かると思うが、そんな声が出てしまうほどベッドが大きい。何でもかんでも大きくすればいいってものじゃないでしょ!!僕のベッドは別の部屋にもあるんですよね!?
「こことーった!!」
そう言ってベッドに勢い良く飛び込んだのは穂乃果だった。これこれ、仮にも女子高生がそんな気品のない行動をしてはなりません事よ。もしスカートだったら丸見えだったぞ。何がとは言わんが。
「凛はこっち~!」
「お前ら……」
「ふっかふか~!それにひろーい!」
何で男の俺よりこんなにもはしゃいでんだこいつら。あー穂乃果、ベッドの上でゴロゴロするんじゃありません。そうやって女の子の匂いをベッドに擦り付けるとかけしからんでしょうが。……俺のベッドはあるのか?
「海未先輩とたくや先輩も早くとった方が……あっ」
「……やり直しですね」
「まあ、まだ慣れない方が当たり前か。でも俺達は気にしないから、どんどん普通に呼んでくれて構わないぞ」
絵里がいきなり言った事だ。急に先輩禁止と言われても中々慣れないのが普通だ。特に1年はな。
「……うんっ!海未ちゃん、たくや君、穂乃果ちゃん」
しかし、1年でもフラットな方の凛ならば、慣れるのに時間はそうかからないだろう。凛らしい良い笑顔じゃねえか。
「って、寝てるっ!?」
「今すぐそのバカを起こせ凛」
「ったく、何でああすぐに寝れるんだあいつは……のび太君かよ……」
さっそく海未に軽く説教されている穂乃果を放置して俺は1階に戻って来ていた。凛は海未の隣で穂乃果を見守っているのだろう。俺ももう少し別荘の中の構造を見ておきたい。
まずはキッチンだな。
あいつらが練習で疲れている時は、料理をするのは手伝いである俺ってのが普通に考えても必然だろう。そうともなればキッチンを見ておかなければならない。どういう調理器具があるとか、どこにあるのかとか、そういうのは先に知っていて損はない。
そこで。
「りょ、料理人!?」
にこの声がキッチンの方から聞こえた。料理人って単語が聞こえるって事はまさか……。
「そんなに驚く事?」
「驚くよ~。そんな人が家にいるなんて……凄いよね!」
「一般家庭に料理人がいる事自体が普通におかしいんだよ……」
「あっ、たっくん!」
駆け付けてみれば案の定だった。真姫の家には料理人とかがいるらしい。何故こういうお金持ちお嬢様は一般の人と少し感覚がズレているのだろうか。……お金持ちだからか。
「どんだけお嬢様なんだよお前は。俺の家にも料理人が欲しいくらいだぜ全く……いや、やっぱいらん。唯の料理が1番だからな」
「何自己完結してるのよ……」
バッカお前、何てったって唯の料理だぞ?世界で1番美味いに決まってるだろ。誰にも劣らん最高の妹だぞ?そんな最強の妹が他にいるか?いやいない。あー、早く唯の手料理が食べたい。というか家に帰りたい。ホームシック!!
「……へ、へえ~、真姫ちゃん家もそうだったんだ~!にこん家も専属の料理人、いるのよねえ~!だからにこぉ、ぜ~んぜん料理なんかやった事なくて~」
「あれ?でも俺と初めて会った時はスーパーの安売りで必死に商品取ろうとしぶぎゃぶるぇッ!?」
う、うぶふぅ……も、猛スピードで腹に蹴りを喰らった……。女の子の時折見せる男をも超える圧倒的な力は何なんだ……。
「へえ~!にこ先輩もそうだったなんて~!」
「にこにーでしょ」
「え?」
「にこ先輩じゃなくて、にこにー!」
「あ……うん!!」
……あれ?何か良い感じに終わろうとなってない?あれ?ことりさん?あなたいつもならここで俺の心配してくれてるはずじゃ……。というか真姫なんかこっちを見向きもしないんですがそれは。
ひと通り調理器具がどこにあるかを把握し終えた俺は広間へとやって来ていた。そこにいたのは何やら話し合っている絵里と希と、何故か少し後ろで縮こまっているように立っている花陽だった。
「何してんだ?」
「ああ、ここなら練習も出来そうねって希と話してたのよ」
「そうなんよ~」
確かに、これだけ広ければ室内でも練習はできそうだ。しかし、広いからと言って何もここだけで練習する必要もないと思うが。と思っていた矢先に希がそれを代弁してくれた。
「でもせっかくなんやし、外の方がええんやない?」
「海に来たとはいえ、あまり大きな音を出すのも迷惑でしょ?」
「もしかして、歌の練習もするつもり?」
「もちろん、ラブライブ出場決定枠まであと1か月ないんだもの!」
それを聞いて、希も俺も口元が緩む。一見いつも落ち着いているようにも絵里だが、やる気は十分にあるみたいだ。
「やる気やねっ。……で、花陽ちゃんはどうしてそんな端にいるん?」
「な、何か、広いと落ち着かなくって……」
「気持ちは分かるけど、何もそんな奥に縮こまらなくてもだな……」
別荘にまで来て萎縮している花陽に苦笑いしながら、海未から言われた伝言を3人に伝える。
「粗方別荘は確認したし、10分後に練習を開始するから各自練習着に着替えてから外に集まってくれ」
3人の返事を聞いたところで俺は自分の部屋を探しに行く。男1人だし、当然みんなと別の部屋を探さないとな。10分もあれば空き部屋の1つは余裕で見つかるだろ。……最悪布団だけでもあればいいなあ。
「これが!合宿での練習メニューになります!」
「おー」
「凄い、こんなにびっしり……」
全員が練習着に着替え、外に集合したところで練習メニューを考えてきた海未の説明が始まった。
いや、待て。おかしい。3人ほど練習着じゃない奴らがいる。というか完全に水着になっている輩が3人いるぞ気付け海未。練習でウキウキしすぎかよ。ちくしょう、ガン見しづらいじゃねえか。
「……って海はぁ!?」
「……私ですが?」
「いやそうじゃないから。察しろよあいつの姿で」
「そうじゃなくて!海だよ!海水浴だよ!!」
珍しく穂乃果が海未をツッコんでいるな。海未はいつの間にか練習大好きッ子になっている。何をどうしたらそんな熱血講師みたいなキャラになるんだこの大和撫子は。
「ああ、それなら、ほらっ♪」
いつもより笑顔で、いつもより楽しそうに、海未は練習メニューにある一部分に指を指した。
「え、遠泳10キロ……!」
「そのあとランニング10キロ……!?」
おい、これどうみても女の子がするような練習じゃねえぞ。俺でもこれはさすがにキツイ。というか出来ない。というかやりたくない。絶対に途中で逃げ出すレベル。
「最近、基礎体力をつける練習が減っています……。せっかくの合宿ですし、ここでみっちりやっといた方がいいかと!」
オイやべえぞこの青髪天然娘。自分の言っている事を理解しているのか。みっちりとかいうレベルを遥かに凌駕しているぞ。オリンピック目指す気か。ラブライブって甲子園みたいなものだって言ってなかったっけ?
「それは重要だけど、みんな持つかしら……」
さすがの絵里もこれには承諾しかねるよなあ。うん、絶対持たないもんこれ。みんな海に沈むオチが見え見えだぞ。そんな事件になったらシャレにならん。
「大丈夫ですっ!熱いハートがあれば!!」
誰かーッ!!水でも海水でもいいからこの熱血松岡もどきに掛けてあげて!!頭を冷やさせるんだ!今の海未はきっと暑さで頭がオーバーヒートしているに違いない!!
「やる気スイッチが痛い方向に入ってるわよ……何とかしなさいよ拓哉……!」
「何で俺に振るんだよ……!?」
「幼馴染なんだから扱いには長けてるんでしょ?今の海未をどうにかできるのはアンタしかいないのよ。というかこういう時のための手伝いでしょうが!」
ここで俺に振るとか鬼かこのツインテール。でもこいつらをこのまま練習に出せば全員たらふく海水を飲む羽目になってしまう。それだけは回避せねばならない。仕方ない、やってみるか。
「いや、でもな海未?1日目なんだからもう少し軽くでもいいと拓哉さんは思うのでせうが……」
「その軽くという思いこそがダメなのです!お手伝いだからといって拓哉君も弛んでいますよ!これは拓哉君も一緒に練習する必要がありますね。一緒に頑張りましょう!!」
「おいいいいいいいッ!!何か俺まであの地獄のレッスンに巻き込まれたんだが!?余計酷くなってしまったんだが……!?」
「なぁんでそんな結果になってんのよ!アンタこういう時はてんで役に立たないわね……!」
小声でにこと騒ぐも関係ない。これはもう俺も一緒にやらされる。そして海に沈む。ああ、母なる大地ではなく、海に還るのか俺は……。
「しょうがないわね……穂乃果、どうにかしなさい」
「う、うん……。凛ちゃん!」
「分かったにゃ!」
俺が遺書に何を書こうか考えていると、穂乃果は凛とアイコンタクトだけで意思を疎通し、凛が海未の手を引っ張り海の方へと駆けだした。
「海未ちゃん!あそこー!」
「ええ!何ですか!?」
凛が海未を引っ張って視線を逸らした瞬間の事だった。俺、絵里、真姫、希を除いたメンバーが海方面へと駆けていく。何と古典的な方法だよ。でもその古典的な方法に負けた俺とは一体……。
「今だー!」
「行っけー!」
「ああ!あなた達ちょっとー!!」
ちなみに普通なら遠慮して行かないはずの花陽は凛に見事に引っ張られていった。ことりはことりで何故かうわーおっ!とか叫びながら走っていった。ノリノリだなオイ。
「まあ、仕方ないわねぇ」
「えぇっ、いいんですか絵里先輩……あっ!」
「……禁止って言ったでしょ?」
「すみません……」
海未も咄嗟の事で出てしまったんだろう。それに、絵里が言うなら海未も納得してくれるかもしれない。それに託すしかない。
「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから、こんな風に遊んで先輩後輩の垣根を取るのも、重要な事よ」
「……あっ」
「おーい!海未ちゃ~ん!絵里ちゃ~ん!」
向こうから花陽の声が聞こえる。そこにはもう、先輩という垣根を感じさせるような戸惑いはどこにもなかった。大切な部活仲間、対等な友達としての、そんな声音がハッキリと感じられた。
「まあ、いいんじゃね?絵里の言う通りそうした方が今よりもっと仲良くなれるだろうし、それで練習中の雰囲気も良くなったら効率も上がるんじゃないか?」
「それは、まあ……そうかもしれません……」
「さあ海未、行きましょう!!」
ほんの少しだけ迷っていた海未の手は、恐る恐る絵里の伸ばされた手へと吸い込まれるように伸びて行った。
それはゆっくりと速度を増していき、迷いがなくなった途端に海未は笑顔で絵里の手を掴んだ。それと同時に俺以外の残りのメンバーが海辺へと走って行く。うん、これが正しい。内心あの地獄練習なくてホッとしてる拓哉さんですよ全く。
あのまま走って行ってるって事は、全員下に水着着てるって事だよな?……何だよ、海未は遠泳するつもりだったから分かるけど、絵里とか真姫も何だかんだ遊ぶつもりだったんだな。
恐らく今日はもうこのまま1日遊びつくす事になるだろう。でもそれを悪い事とは思わない。それでみんなの絆が強くなるなら、その方が断然良いに決まってる。嫌々ムードで練習するのは見てる俺からしても何だか嫌だしな。
さて、この中で唯一水着に着替えてないのは俺だけだな。……いや、普通に練習すると思ってたからいいかなと思って、ね?ほら、俺って真面目だから……。はい、嘘です。元々この合宿もめんどくさかったですサーセン。
んじゃま、さっさと水着に着替えてあいつらの元に行きますかね。
遊んでる途中何もなければいいけど……。
さて、いかがでしたでしょうか?
短いとか言うなよ、仕方なかったんだ。
水着まだとか言うなよ、予告詐欺なんてこの小説じゃいつもの事だろ?
はいサーセン、次は確実に出しますのでww
この3月4月って忙しい時期ですよね~(白目)
いつもご感想高評価(☆9、☆10)本当にありがとうございます!
では、新たに高評価(☆9、☆10)をくださった、
9回裏から逆転さん(☆10)、黄色の閃光さん(☆10)、ありのままのぎーのさん(☆10)、東條九音さん(☆9)、pocky@さん(9☆)、夢咲さん(☆10)
大変ありがとうございました!!
これからもご感想高評価(☆9、☆10)お待ちしております!!