前回の話に主人公の簡単な容姿を描いたので、見ても構わない、もしくは気になる方はご覧ください。
翌日の早朝。
俺と幼馴染の3人は神田明神に来ていた。何故体操着でなのかと問われれば、もちろん朝練をやるためである。
「それにしても、よく起きれたな穂乃果。俺はてっきりギリギリに起きると思ってたわ」
「確かに眠かったけど、私だってやろうと思えば出来る子なんだよ!」
そう、いつも寝坊する穂乃果の事だから俺も少しギリギリに穂乃果を迎えに行ったら、既に家の前で穂乃果が待っていたのだ。
いや~あの時は驚いた。
「ならいつも寝坊しないように心がけて下さいよ……」
「全くだな」
「無理な時もあるんだよっ!」
お前の場合ほとんど無理な時の方が多いじゃねえか。いつも迎えに行く俺の身にもなれよ。家に着いて桐穂さんの第一声が「ごめんなさいね、穂乃果まだ起きてないのよ~」とか何回聞けばいいんだよ。
毎回起こさず海未達と登校してると、途中から走って追いついてくる形がいつもの日常になっている。起こさないのはただ単にめんどくさいだけだ。
「はあ、まあいいです……。じゃあ練習を始めましょう」
「「はい!」」
「はっ、はぁっ、はぁ……っはぁ……っ!」
「はぁ、ひぃ……っ、は、はぁっ、はぁ……!」
今俺の前に映っている光景は、神田明神の長い階段を何往復もして走ってる穂乃果とことりだ。ただでさえ一回でも上るのが疲れるのに、それを何往復もすると疲れるのは必然だろう。
というより、2人の息遣いが何というか、やらしい。たまらんね。
何往復かしてる内に2人は上りきった所で倒れ込んだ。
「はぁっ、はぁっ……! もう、キツイよお……!」
「もう足が動かないっ……!」
激しく息切れをしてるのを見ると、相当疲れているのが目に見えて分かる。そりゃ初めての朝練でいきなりこの階段を走るのは辛いだろう。でも、そのくらいはしないと体力もつかないし、ここはまだ見守っておこう。
というより、倒れ込んでる2人は息切れして、走ったせいか顔も火照っている。うん、朝から良いもの見れた。こんな事を考えてる俺は神様に罰を貰い受けるかもしれない。
「これから毎日、朝と晩、ここでダンスと歌とは別に、基礎体力をつける練習をしてもらいます」
「一日2回もおーー!?」
おいおい、昨日しっかりやるって言ったそばから不満を言うんじゃありませんよ。
でもまあ、確かにこの階段を走るのはキツイとは思う。だから愚痴が零れるのも分からないでもない。
「そうです、やるからにはちゃんとしたライブをやります。そうじゃなければ生徒も集まりませんから」
「……はぁ~い」
でも、愚痴を言いつつもちゃんと返事をしてしっかりやってるのを見ると、穂乃果がいかに本気かってのが伝わってくる。何だかんだ言っても分かってるんだ。今の自分達じゃダンスや歌をした所で上手くいかないと。だからこういう時にきっちり練習して、基礎体力を付ける事だけでも色々変わってくる。
「穂乃果、ことり、スポドリだ。休憩中の今に飲んどけ」
「あ、たくちゃんありがとー!!」
「ありがとたっくん~!」
自販機で買っておいた冷えたスポドリを渡すと、2人共嬉しそうに手に取る。これだけで手伝いとは言えないかもしれないが、何もしないよりはいいだろう。ほんの少しの事だけでもやれる事をやる。それが昨日俺の決めた事だった。
「よし、休憩も挟んだ所で、もう1セット!」
「よおっし!」
海未の掛け声と共に、穂乃果が気合いを入れる。ことりはまだ疲れが見えるが、立ち上がるくらいには回復したのだろう。
そこで、
「君たち――、」
確かに、俺達に掛けられた声がした。
「副会長、さん?」
ことりの声を合図に、俺も振り返る。
「やっぱり東條か。おっす」
「ふふっ、おはようさん、岡崎君」
声で何となく誰かは分かっていた為、俺は大して驚かず東條に挨拶をする。
今日も朝早く手伝いとは、流石だな東條は。
「その恰好……?」
穂乃果が東條の服装を見て疑問をぶつけているが、この場所でこの服装なら普通分かるでしょ君ぃ。
「ここでお手伝いしてるんや。神社は色んな気が集まる、スピリチュアルな場所やからね」
それを聞いて納得した様子の穂乃果達。それにしても、うむ、今日は朝から良いものばかり見ているな。
現役女子高生の巫女姿なんて、マンガやアニメでしか見られない大変貴重な光景、どうもありがとうございます眼福眼福。
「4人共、階段使わせてもらっているんやから、お参りくらいしていき」
「それもそうだな。これからの事も考えて、願掛けでもしておくか」
3人の肯定を見てから、参拝しに行く。
その道中、
「岡崎君」
「ん、何だ?」
「ここではあまり煩悩は考えへん方がええよ」
「ぶふぉうっ!?」
思いっきり爆弾を投下された。
え、何でバレてんの? そんなに顔に出てた? ポーカーフェイス得意な俺がバレるなんて……。
「な、何の事なのかな~……?」
「ふふっ、顔には出してないようやけど、ウチには分かるで~」
何この子。読心術でも極めてんの? スピリチュアルが関係してんの?
何それ俺も取得したい。とりあえず前の3人には聞こえてないようで安心した。
「初ライブが上手くいきますように!」
「「上手くいきますように」」
「あの3人、本気みたいやな」
「そりゃそうだろ。本気じゃなきゃ朝練なんてしないしな」
参拝してる3人を後ろから眺めながら思う。穂乃果が本気じゃなきゃ俺もこんなにやる気になるわけもない。3人が本気だからこそ俺も本気でやろうと思える。
なら、もし万が一、3人のやる気が無くなったら? 3人の内の誰かが本気じゃなくなったら?
その時俺は、1人でもやれるだろうか。正直、1人じゃどうする事も出来ないのはスクールアイドルをやる前から分かっている。だから俺は、こいつらが辞めてしまったら、もう何もする事は出来ないだろう。
「そういや、岡崎君はお願いしないん?」
少し物思いに耽っていると、後ろの東條に当然の事を言われた。
今はこんな事考えるのは止めておこう。もしその時が来たら、その時に考えりゃいい。
「ん、まあな」
「どうして?」
「俺はいつでもあいつらの笑顔を願ってる。だから今更何を願おうとも大して変わらないんだよ。それに、」
「それに?」
「神様に願うことおも悪くはない。でも、出来れば俺があいつらを守ってやりたいんだ。それで、俺がどうしようも出来なくなった時は、俺の大事な奴らなんだ。カッコ悪くたって神様にでも助けを頼んでやるさ」
別に神様ってやつを信じてないわけではない。実際、数日前にここで願ったら、東條という素晴らしい巫女に出会えたしな!
いや~神様最高っ。今なら神信じちゃう!
「……へえ~」
「な、何だよ、急にニヤニヤしやがって」
ハッ!? まさかまた読心術で読まれたのか!? 早急に対応せねば……っ!
「また変な事考えてるんは分かったけど、それよりも後ろ見てみ?」
やっぱりバレてたんだぜっ☆もうこいつの前で変な考えはしない方がいいな。
というより、後ろ?
「ん?」
「良かったなあ~。岡崎君、3人のこと大事な人やから守ってくれるんやって」
そこには、
「た、たくちゃん……その、えっと、お願い、します……?」
「それじゃあ……期待、しちゃおう、かな……?」
「拓哉君になら、ずっと守られてもいい気がします……」
赤面している幼馴染達がいた。
「待て待て待て待て待て待て待て待て待て」
状況に着いて行けない。何これ、まさか聞かれてた感じ?
やだ恥ずかしいっ。じゃなくて、この反応はいただけない。前にも似たような事があったぞこれ。
「どうしたん?岡崎君」
「どうしたも何も、お前ら何言っちゃってんの? わたくしめは凄く混乱してますことよ?」
そんな反応されたら俺が困るわ。穂乃果は何をお願いしてんだよ。そして俺は何をお願いされたんだよ。ことりは何をどう期待してるんだよ可愛すぎるからその目やめてっ。
そして海未、海未! お前は2人と違って変に堂々と言い切るな。キャラブレてんぞ大丈夫か。つうか3人共やめろ、そんな事言われたら変な勘違いしてしまうから。
「別に勘違いじゃないと思うけどな~」
「だから東條は心を読むんじゃねえよ! そして君達! そういう事は勘違いしてしまう男子が多いから今後一切止めなさい! 俺もちょっと危なかったわマジで女の子って怖い」
こいつらこれを自然でやってるから余計タチが悪い。純粋なのは良いが、そういうのは本当に好きな人に言ってやりなさい。トラブルで女の子と会う機会が多かった俺だから大丈夫だったものの、普通の男子ならオチて好きになっちゃうレベル。
あれ、俺女の子と結構会ってるのに出会いが一切ないぞ? これって何かの呪いかな? 悲しくなってきた。
「岡崎君って、色んな意味で凄いな……」
「どういう意味だよそれ。ったく、ほら、お前らも何に対してむくれてるか知らんが、時間が潰れたからもう学校に行く準備をしろ」
「「「むぅ~……」」」
予想以上に喋っていたせいか時間が潰れてしまった。仕方ない、放課後の練習を多めにするか。いつまで膨れてんだこいつら。怖くないからやめろ。逆に可愛いだけだぞ。
「じゃあ東條もそろそろ学校行く準備した方がいいだろ? 俺達はもう行くよ」
「そうやね、じゃあ、ほなな~」
後ろでブツブツ話し合っている3人をよそ見に、俺達は学校へと向かった。何話してんだよ怖いよ。
休み時間。
俺達は1年の教室に出向いていた。昨日穂乃果が言っていた歌の上手い子に会うためである。
「失礼します!」
穂乃果の声を合図に続いて行く海未とことり。俺は行かない。何故かと言われれば、変な噂が多く立っている俺が1年の教室に入ったら警戒されかねないからだ。
自分で言ってて空しくなってきた。悪気があるわけじゃないのよ。全部誤解と偶然で出来てしまった不幸な事件なのよ。
そんなわけで俺は廊下で待機中なのだ。うん、まあ、ここでも十分怪しいけどね。めっちゃ見られてるし。そんな見られたら腹が痛くなってくるわ。……あっ、本当に痛くなってきた。ダメだ。トイレ行こう。
一刻もここから離れたい俺は、海未の携帯にトイレに行くから逐一連絡してくれと頼み、走った。男子が少ない、もとい俺1人だけというせいか、男子トイレは2階に1つだけしかない。
だから体育の時でもいちいち2階まで行かなきゃいけないのは大変不便なのである。もしそのせいで俺のダムが決壊したらどうしてくれるんだろうか。それじゃ俺が社会的に死ぬだけだ。いや最悪じゃんそれ。
用は済み、トイレに出ると同時に自分の携帯を確認すると、海未から連絡が入っていた。どうやら例の1年と一緒に屋上に行ったらしい。この文面だけ見ると、なんか上級生が下級生を恐喝してるみたいだな。
はてさて、1年の子は協力してくれるだろうか。してくれないとほとんど、いや、ほぼ完全に手詰まりになる。今は屋上に向かおう。
まだ見慣れない屋上に足を進め、ドアの向こうに見知った幼馴染の他に、1年という証拠のリボンを胸に付けている女生徒が1人、恐らくあの子がそうなのだろう。
俺も話に入らないと――、
「お断りします!」
ドアを開けた直後に、それは聞こえた。
思わず動きが一瞬止まってしまうのを感じてから、海未の側に駆け寄る。穂乃果と1年の女の子は俺に気付いたようだが、気にも介さず会話を続けている。せめて一言ないと無視されたかと思うんだけど。この学校に来てから無視というかスルーが多くなってる気がする。俺の影が薄いわけじゃないよね? もしかしたらその内「僕は影だ」とか言いながらミスディレクション使える日がくるかもしれない。来ないか、来ないな。
「お願い。あなたに作曲してもらいたいの!」
「お断りします!」
「で、状況はどうよ?」
小声で隣に海未に聞いてみるが、
「見ての通りです。さっきからあの押し問答がずっと続いています」
「まあ、そうだよな……」
穂乃果が必死に食らいついているが、あの1年の女の子、赤髪が肩くらいまであって癖毛なのかは知らないが、首辺りから巻かれてるのが特徴だな。その見た目と同じくらい、強情で、意見を曲げずに断っている。
でも、何であんなに頑なに断るんだ? 作曲が出来るって事は、それなりに音楽に精通していて、音楽も好きなはずじゃないのか?
「もしかして、歌うだけで、作曲とかは出来ないの?」
おい穂乃果、その言い方は人によっては煽ってる感じに聞こえてしまうぞ。つか何、お前作曲出来るって確信があったわけじゃないの?
もしそれで出来なかったオチだったら俺達終わるよ?
「っ、出来ないわけないでしょう!」
良かった終わらなかった。変なオチで絶望見る羽目にならなくて良かった。
「……ただ、やりたくないんです。そんなもの」
そんなもの……? 何だ、何か理由があるのか?
音楽に精通していて、作曲が出来るほど凄いのに、そこまでやりたくない理由が。
「学校に生徒を集めるためだよ! その歌で生徒が集まれば――、」
「興味ないです!」
穂乃果の言葉は遮られ、そのまま女の子は行ってしまった。
興味ない、か。ちゃんとした理由は分からなかったが、まさか興味ないなんて言われるとはな。でも実際そうなのかもしれない。考えてみればおかしな事でもないのだ。
俺達みたいに生徒を集めようとしてる者もいれば、別に今のままの状態でもいいと思う者もいる。だが、まさかそう思っているのが1年生とは思わなかったな。
「お断りしますって、海未ちゃんみたい……」
「あれが普通の反応です」
「はあ~、せっかく海未ちゃんが良い歌詞作ったのに……」
何? 海未のヤツいつの間にそれを完成させたんだよ。昨日の今日だぞ。いくら何でも早すぎる。早いに越した事はないけどさ。これが元中二びょ、ゲフンゲフン、ポエマーの為せる技か。出来が超気になる。
「!? ダメです!」
「おおっ!? なあんで~! 曲が出来たらみんなで歌うんだよ!?」
「それはそうですが! ……はっ! ま、まだ曲名が決まっていないので、未完成品を渡すのは相手にも失礼かと思います!」
どんだけ必死なんですか海未さん。曲名なんて曲が出来てからでも間に合うでしょうに。
「じゃあ、ここで曲名決めちまうか」
「え」
「だから、ここで曲名決めたら、もし作曲出来る人に会えたらすんなり渡せるだろ?」
恥ずかしがりな海未にはこうやって強引にいって逃げ場をなくせばいいのだ。
退路が断たれた海未に残された道は1つ。
「……はい」
「よし、良い子だ」
聞き分けの良い子は拓哉さん大好きだぞー。これで合法的に海未の書いた歌詞を見る事が出来る。
「よし、穂乃果、歌詞を広げちゃいなさい」
「あいあいさー!」
いやどこの隊員だよ。ノリは評価するけどさ。
ことりも何気に敬礼するんじゃありません。超可愛いから。
「さてと」
地面に広げられた紙に目を通す。どうやら本当に曲名はまだ決めてないようだ。
「曲名を決めるなら当然と言えば当然、歌詞をヒントにしないといけない。てなわけで歌詞を見ろお前達」
各々が歌詞に目を通す。当人の海未は顔を赤くしながらもじもじしながら見ていた。
うわ超可愛い何こいつ最高かよ。こういうギャップがたまらんのが海未の良い所だな。何考えてんだ俺歌詞を見ろよおバカ。
えーと、何々。
『うぶ毛の小鳥たち、いつか空に羽ばたく』
『諦めちゃダメ、その日が絶対来る』
『希望に変われ』か、
全てに目を通して、抱いた事、思った事、それは。
「ははっ……何だこれ……」
「あの、や、やっぱりダメでしたでしょう――」
「すげえよ海未!」
「……え?」
「全然ダメなんかじゃねえ。むしろ良すぎるくらいだ。素人の俺だけど、歌詞に全く違和感がなかった。心にストンと収まるかのような歌詞だった。STARTDASH……今のお前らにピッタリで良いじゃねえか!」
決して嘘ではない事を言った。正直ここまで完成度が高いとは思わなかった。
中学の時にポエム書いてたとか、そういう事はともかく、これは非常に才能があるのではないかと個人的に思う。俺じゃこの出来は出来ないな。
「そ、そうですかっ。そう言ってもらえると、こちらとしても頑張った甲斐があります……」
「頑張ったっておま、昨日今日でこの出来は十分すぎるくらいだぞ。やっぱり海未が歌詞担当で正解だったな」
「そんなに言わないで下さい恥ずかしいです! そ、それより、この曲名を考えないとですよ!」
「お、ああ、すまん、そうだったな」
しまった。思った以上の海未の健闘さに我を忘れてしまってたか。
それにしても、
「こんなに良い出来なんだ。海未は自分で何か曲名を思いつかなかったのか?」
「何個か思いついたのは思いついたんですが……」
「何々海未ちゃん!?」
「こら穂乃果、何個も聞いてちゃ埒が明かないでしょうが。海未、思いついた内の1番良いと思ったのを言ってくれ」
休み時間も限られてる。
出来れば今のこの休み時間の内に決めておきたい。
「自分で1番良いと思ったのは、『STARTDASH』なんですけど……」
「なるほど」
確かに歌詞の中にも入ってあるし、曲名にするにはしっくりくるかもしれない。なら何故それを採用しなかったのか。
「俺にはそれで十分だと思うんだけど。海未は何を感じたんだ?」
「上手く言えないんですけど、もう一手間が足りないような気がするんです」
もう一手間、か。この『STARTDASH』に一手間を加えるなら、前後に文字を入れるのはダメだ。それじゃ一手間じゃなく改造になっちまう。
なら『STARTDASH』の中に何か、らしいと思わせるような記号を入れた方がいいだろう。こいつらに合う、ピッタリな何かを。
「じゃあ何か“区切る”ような、そんな感じのを入れてみたらいいんじゃない?」
不意の穂乃果の言葉だった。それに不思議とピンときた。
「穂乃果、お前はやっぱり言い出しただけの事はある。今良い事言ったぞお前」
「ほぇ?」
言った本人は何のこっちゃと言った顔をしているが、もうこれ以外に俺の中でしっくりくるものはなかった。
『START:DASH』
「『START:DASH』、ですか?」
「ああ、今のお前達を表すなら、STARTDASHが合ってる。始まり、そしてそこから駆け出す。そこに、区切りの意味も持つ
俺の問いに3人はしばし黙っていた。
曲名と歌詞を交互に見直して、それから発せられた言葉は、
「うん、うん! いいよたくちゃん!! 私もこれがいい! 何か凄くしっくりくるよ!」
「私も、ずっと引っかかってた何かがようやく解けました。これなら言う事もありません」
「たっくん凄いねえ! 私何も思い付かなかったよ」
どうやら大好評らしい。これなら考えた俺も少しは報われるってもんだ。ほんの少しは役に立てた、か?
「よし、じゃあこの歌の曲名は、『START:DASH』だ」
「「「うん!」」」
「さて、曲名も決まった事だし、私もう1回あの子誘ってみる!」
「わぁ~! ちょっと待って下さい! まだ心の準備が!」
「いいじゃん、曲名も決まったんだし!」
「それは、そうですけど……!」
またやってるよこの子達……。
飽きないねえ~。
その時、思わぬ来客が屋上に訪れた。
「生徒会長?」
「……会長」
「……ちょっと、いいかしら?」
また、1つの嵐がやってきた。
さて、曲名も決まった。
そろそろ1年のあの2人と再会、岡崎と真姫の本格的な対話が書けるはず。
次回かどうかは分からない。
ラブライブサンシャイン。
応援します。
でも、μ’sもそのままでやってほしいなぁ。