それでは、どうぞ。
…遊勝塾に向かった翌日、LDSロビーにて、いつもの3人…刃、北斗、真澄の3人を見つけた遊華。…だが、その3人の雰囲気が、どこか違う。…いつもはもうちょっと和やかなはずなのに、なんだかピリピリしているような…。
「?…おーいみんなー!」
「あ、遊華!」
「遊華」
「…その様子だと、何も知らないようね」
真澄の言葉に、首をかしげる遊華。何かあった、というのは真澄の言葉で察したようだ。
「何かあったの?」
「…マルコ先生が、襲われたのよ」
「!マルコ先生…って確か、真澄に融合を教えてくれたっていう講師の人?」
「ええ、そうよ」
真澄が不安そうな顔をした。…尊敬していた人が襲われた。不安にならないほうがおかしいだろう。そして、その不安に追い打ちをかけているのが…。
「でも、襲ったヤツのことならともかく、マルコ先生に会わせてくれないし、今どういう状態なのかも教えてくれないんだ」
「?変だね…会わせてくれないのはともかくとして、状態も教えてくれないってなんでだろ…」
今どういう状態なのか、そして誰がやったのか……誰がやったのかはともかく、今どういう状態なのか、しっかりと教えてくれない…これでは、不安がより大きくなるだけだ。
「マルコ先生、大丈夫かな…」
「分かんねえ…ただ、それでもオレ達ができることはある!」
「できること?」
「ええ。マルコ先生を襲った犯人を見つけて、捕まえるのよ!」
…某少年探偵団がこういうことをやって、結果危ない目に遭うことが多く、そのことから実行すると危ない目に遭うと思うので、やらないほうがいい…が。
「なら、私も一緒にやる!友達の不安そうな顔を見るのは、好きじゃないし」
「ありがとう。それじゃあ話し合いをしたいけど、どこでする?」
「そうだね…食堂はどうだい?」
「そうね。今の時間なら、人がいないはず…」
「それじゃあ食堂へ、レッツゴー」
…この4人は、やる気だ。4人とも静かに、食堂へ向かう。…ただし、会話の内容は聞こえてないけど、中島さんに目撃されているのを、4人は気付いていない。
数時間後、夕方…遊華達4人の姿は、街にあった。なお、遊華のみ、一旦家に帰っているが、その理由に関しては…。
「…それじゃあ、話し合った通りに、お願いね」
「それはいいけど……変装は必要なのかしら」
…現在、遊華は遊勝塾へと行ったときの格好をしている。そう、一旦家に帰った理由は、変装道具を持ってくるためだ。
「一応だよ、一応」
「…一応…ね」
「でもさ、こういう、尾行とか、捜索って、その相手にバレないほうがいいよね」
「逆に目立ちそうだな…」
「でも、襲撃犯がLDSを狙っているなら、逆に目立つほうがいいなじゃないかしら。バッジは見えるようにしておけば、LDSの人間って分かるわ」
「…この恰好って、目立つ?」
という遊華。…しかし。
「マフラーがいらないわね」
「マフラーじゃなくて、フードつきの上着のほうがいいんじゃないか?」
「マフラー、季節外れだしな」
「う…でも今、フードつきの上着とか持ってないよ…」
フードつきの上着と言ったものなど、ここにいる全員が今、持ってきているわけがない。方法があるとすれば、どこかで買ってくる、ということだが…。
「…とりあえず、遊華はどこかで別の変装用のものを買う。…それじゃ話し合った通りに行くわよ」
「ああ」
「気をつけろ、どこからくるか分からないからな」
「うん!」
と、4人はそれぞれ、別々の方向へと走って行った。…単純に、捜索範囲を広げるため、4人バラバラに動くことにしたようだ。
「うーん……(襲撃犯…もしかしたら、隠れてるのかな…じゃあ、人気の少ないところとか……でも怖いな~………でも…)…うん、行こう」
と、遊華は歩きながら考え…人気のないほうへと、足を向ける。
「…(や、やっぱり怖い…でも、真澄のため!…でもやっぱり怖い…でも真澄のため!…でも)」
ということを考えながら、人気のない路地を歩く。…こういうところは危ないから、1人でいる、なんていうことは絶対に避けよう。
「…おーい、襲撃犯さーん、早く出てきてー……出てくるわけないか…」
「……貴様もLDSか!」
「え?…わ!!?」
そう、不審者に見つけられれば、何をされるか分からない……今の遊華も十分不審者な感じはするが。そして遊華は不審者…コートを来て、サングラスにマスクの人物に、声をかけられた。
「いくぞ!」
「え?デュエル?やるやるー!」
…不審者に声をかけられ、驚いてビビッていても、デュエルをすると分かれば嬉々と承諾する、マイペースと言えばいいのか、ただのデュエルバカと言えばいいのか…。とりあえず、デュエルする、ということで襲撃犯らしき人物を見つけたら連絡する、というのを決めていたが、そのことを遊華はすっかり忘れていた。…デュエルバカどころか、普通にバカとも思える。
「よーし…デュエル!」
「デュエル!」
…果たしてこのデュエル…いったい、どうなるのやら。
刃「…なあ、これって遊華、大丈夫か?」
それは次回までのお楽しみです。
真澄「そもそもよくあんな不審者にデュエル挑まれて、喜んでデュエルするわね、遊華」
北斗「彼女は生粋のデュエルバカ、いや、デュエル大バカだからね」
遊華「いやー、褒められても」
刃「ほめてねえよ…そういや、デュエルしてないからキーカード紹介ができないよな」
ならここは…ここで使われるライフルールについて説明しましょう!ということで…全力!デュエル塾!!
ライフルール
主にデュエル開始時におけるライフポイントを決める際に使われるルール。ライフポイント8000の場合はノーマルルール、アクションデュエルは強制的に4000のアクションルール、アクションデュエル以外で開始時のライフが4000ならハーフルール、そして特殊ルールにより開始ライフが8000でも4000でもない場合は、自分で開始ライフを決めるセルフルールがある。
刃「…今のところ、この小説のデュエルって、ハーフかアクションルールだよな」
そのうちノーマルでも書きます
真澄「どうせ面倒だからって理由でしょ?」
いや、気が付いたら早めに決着をつける必要のあるデュエルや、アクションデュエルがほとんどでしたので…。
真澄「ほんとかどうか怪しいわね…」
北斗「ボクには言い訳にも聞こえるよ」
…ノーマルルール、増えるようにがんばります。…それでは、今回はここまで。
遊華「あ、逃げた」
…感想、様々な指摘など、待っています!…がんばらないと…。
刃「…あんまりいろいろ言ってヘソ曲げられても困るな…っと、次回は…反逆の翼、広がる、か」
遊華「次回も読んでくださいねー!」