遊戯王ARC-V 光紡ぐ意思   作:シューティング☆

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どうも、シューティング☆です。

今回は比較的短めなお話しになっています。



それでは、どうぞ。


第03話 重なる剣

「フン♪フンフ~ン♪」

 

前回、赤馬零児とのデュエルに負けた遊華。だが楽しげに鼻歌を歌い、自転車に乗って自宅へと向かっている。ちなみにLDSの建物から遊華の自宅までは、自転車で10分ほどの距離。そして、遊華の自宅が見えてきた。…それはお店も兼用している家で、看板には「カードショップ ゆっくり」とある。

 

「よっと…」

 

ブレーキをかけ、自宅前で止まり、家の駐車スペースまで移動後、しっかりとロックをかけてから、家へと入る。

 

「ただいま~」

「お帰り遊華」

「父さん、みんな来てる?」

「ああ。今デュエル中だよ」

 

と、遊華の父親がレジの向こうで座りながらいう。中々人の良さそうな人物である。

 

「よーし、ガトムズでプレアデスを攻撃だー!」

「フン、ガトムズでのハンデスが始まったときはどうなるかと思ったけど、想定内だ!手札のオネストの効果発動!」

「な!だー!くっそー!負けたー!!」

 

…卓上デュエルにて、ワイルドな髪形の茶髪の少年…刀堂刃が、北斗七星を模したと思われる飾りを髪に付けた、紫色の髪の少年…志島北斗とデュエルをし、負けた。

 

「これでボクの連勝記録がまた伸びた」

「くっそ~!非公式とは言っても悔し~!」

「そりゃあ、北斗と刃とのデュエルで、非公式だと北斗のほうが負けた回数、多いものね」

「うぐ…それは言わないでくれ…」

 

黒髪で、小麦色の肌をした少女…光津真澄にそう言われ、北斗はショックを受けたのか、店の隅のほうでいじけ始めた。

 

「お、みんないらっしゃい!」

「遊華!」

「やっと来たわね。何か用事でもあったの?」

「ちょっと急用ができてね」

 

と、北斗のことはいつものことと放置し、3人で話しをしている。3人はよく一緒にいるようだ。

 

「それじゃ、いつも通りに詰めデュエル、やってく?」

「おう!」

「ええ、やらせてもらうわ」

 

どうやら詰めデュエルをやることがいつものことらしく、さっそくその作業に入る。……途中で北斗が復活したが、詰めデュエルの答えが分からず、また真澄の言葉によりショックを受けるのであった…。

 

 

そして、…夕焼けの赤色だった空が、赤よりも青のほうが少し強くなり、星も少し見える時間となった。

 

 

「あ、そうだ遊華。デュエルしようぜ!」

「大体うちに寄るときは遅めだけど、いいの?私はいつでもOK!」

「しっかり母ちゃんや父ちゃんのOKももらってるから大丈夫!…まあ、やるはの1回だけだけどな」

 

真澄と北斗に関してはもう帰っている。真澄に関しては詰めデュエルを1回解いたら帰った。親が宝石商とのことなので、大目には見られているようだ…その際、強制的にかつ無理やり、北斗が連れて行かれたのもいつもの光景となっていた。

…ただし、連こ……連れて行ったことに関しては、デレなど一切存在しない。大事なことなのでもう1回。デレなど、一切存在しない。いつものことだ。

 

「それじゃあスタンディング?」

「いや。…ちょっと急ぎたいから、テーブルの…ライフは、ハーフルール」

「OKもらったけど夕飯までには帰ってきなさいってこと?」

「そうなんだ…」

「でもOK!それじゃあ、時間もあんまりないんだし、始めよ!」

 

そういって、二人は準備をし、そして…。

 

「「デュエル!」」

 

刃 手札5 LP 4000

 

遊華 手札5 LP 4000

 

「それじゃあじゃんけんでオレが勝ったから、オレの先攻!オレは手札から、XX-セイバー ボガーナイトを召喚!そしてボガーナイトの効果!手札のXX-セイバー フラムナイトを、特殊召喚!さらに!自分フィールドにX-セイバーが2体以上存在することで!XX-セイバー フォルトロールを、手札から特殊召喚!」

「げげ!この状況に、嫌な予感が…」

「行くぜ!レベル4のボガーナイトに、レベル3のフラムナイトをチューニング!シンクロ召喚!レベル7、X-セイバー ソウザ!」

 

X-セイバー ソウザ ATK 2500

 

刃の得意なプレイング、ボガーナイトX-セイバーチューナーフォルトロールである。そこからシンクロを行ってから、フォルトロールの効果によってチューナーを呼び出し、またシンクロ…ということをする。…ちなみに、なぜかテーブルでのデュエルだと口上を言わないが…やはり、気分の問題だろう。

 

「そしてフォルトロールの効果!墓地のフラムナイトを特殊召喚して、レベル6のXX-セイバー フォルトロールに、レベル3のXX-セイバー フラムナイトをチューニング!シンクロ召喚!レベル9、XX-セイバー ガトムズ!今回は運がいいからこいつも!手札から魔法カード、ガトムズの非常招集を発動!墓地のボガーナイトとフォルトロールを、特殊召喚!」

「げげ!」

 

XX-セイバー ガトムズ ATK 3100

 

XX-セイバー フォルトロール DEF 0

 

XX-セイバー ボガーナイト DEF 0

 

露骨に嫌な表情をする遊華。理由に関しては、XX-セイバー ガトムズの効果が、大きく影響している。

 

「さあ行くぜ、フォルトロールの効果!墓地のフラムナイトを守備表示で特殊召喚して、XX-セイバー ガトムズの効果!フォルトロールとボガーナイトをリリースして、手札2枚を墓地へ!」

「く…」

 

XX-セイバー フラムナイト DEF 1000

 

墓地へ捨てられたカード

竜星の具象化

ジャンク・シンクロン

 

シンクロを使う低レベルモンスターを使用するデッキには御用達のジャンクシンクロン、そして竜星のサポートの中でも展開に関わる具象化を墓地へ送られたことで、あちゃー、となる遊華。

 

「お、ラッキー。オレはこれで、ターンエンド!」

 

それに対して刃は、やはり使っている側なので喜ぶ。だがしかし、これで遊華の展開は止まるわけではない……本当なら罠カードが欲しかったであろうが、ないものは仕方がないのである。

 

刃 手札1 LP 4000

モンスター X―セイバー ソウザ×1(攻)、XX-セイバー ガトムズ×1(攻)、XX-セイバー フラムナイト×1(守)

魔法・罠 なし

 

「私のターン、ドロー!…あ、ラッキー。手札から闇竜星-ジョクトを召喚して、ジョクトの効果!手札の水竜星-ビシキと炎竜星-シュンゲイを墓地へ送って、デッキから攻撃力が0のビシキと、守備力が0のシュンゲイを、特殊召喚!」

「あ」

 

闇竜星-ジョクト ATK 0

 

水竜星-ビシキ DEF 2000

 

炎竜星-シュンゲイ ATK 1900

 

「さあ行くよ!レベル4のシュンゲイと、レベル2のビシキに、レベル2のジョクトをチューニング!シンクロ召喚!レベル8、輝竜星-ショウフク!そしてショウフクの効果!ソウザ、ガトムズ、フラムナイトをデッキにバウンス!」

「うわ!くっそー!」

 

輝竜星-ショウフク ATK 2300→2800

 

前のターンで出したX-セイバーの中でも主要のシンクロモンスターに加え、一応防御のためと残しておいたフラムナイトまでデッキに戻され、一瞬でこのありさまだ。

 

「刃、やっぱり展開も大事だけど、こうなったときのアフターケアも考えないと。それじゃあバトル!ショウフクで、ダイレクトアタック!」

「このダメージはデカイぜ…」

 

刃 LP 4000→1200

 

ハンデスを行い、遊華の戦術を減らした刃だが、あっさりと状況が逆転。フィールドにカードのない刃が不利な状況になった。

 

「まあ、私もちょっとまずい状態だけど。これでターンエンド!」

 

遊華 手札1 LP 4000

モンスター 輝竜星-ショウフク×1(攻)

魔法・罠 なし

 

そのまずい状態は刃がハンデスをやったことで、魔法と罠が1枚も伏せられてないこの状況のことを言っているが、手札1枚の刃のほうが不利なのは、明白だ。

 

「オレのターン、ドロー!…(…よし。こいつがあれば、ちょっとはなんとかできる!)カードを1枚セット!さらにモンスターを1体伏せて、ターンエンド!」

 

刃 手札0 LP 1200

モンスター セットモンスター×1

魔法・罠 セットカード×1

 

「私のターン、ドロー!…刃、ごめん。手札から魔法カード、大嵐を発動」

「うわああああああ!!」

 

まさかの大規模除去により、セイバー・リフレクトがあっさり破壊される。だが、まだチャンスは

 

「そして手札から風竜星-ホロウを召喚して、ショウフクの効果!ホロウを破壊し、墓地のジョクトを特殊召喚!そしてホロウの効果でデッキから、地竜星-ヘイカンを特殊召喚!」

「あ」

 

…どうやら、残ってないようだ。

 

「レベル3のヘイカンに、レベル2のジョクトをチューニング!シンクロ召喚!TG―ハイパー・ライブラリアン!バトル!ショウフクで、セットモンスターを攻撃―!」

 

TG―ハイパー・ライブラリアン ATK 2400

 

「く…ダークソウルの守備力じゃ太刀打ちできねえ…」

「それじゃあハイパー・ライブラリアンで、ダイレクトアタッーク!」

「負けた~!」

 

刃 LP 1200→0

 

「刃は大量展開が好きかもしれないけど、それだと手札の消費が大きくなって、全体除去への弱さが大きくなるから、手札補充やドローカードを入れたほうがいいと思う。後、サーチカードとか」

「やっぱりそうだよな~」

「後は、X-セイバー以外も使うこと。レベル7には、ダーク・ダイブ・ボンバーっていうモンスターもいるし」

 

ダーク・ダイブ・ボンバー…通称DDB。こちらではあの、1ターンの制限のないエラッタ前…ではなく、エラッタ後しかない。つまり、問題なく入れられる…が。

 

「いや、それでもやっぱり、オレはX-セイバーにまだ拘りたい」

「それなら、とことん拘ってね。…他のカードが必要になったらうちで買っていってね」

「ちゃっかりしてんな、遊華…っと、急がないとヤバイヤバイ…それじゃあな遊華!親父さん!お邪魔しましたー!!」

 

…どうやら飯がかかっているようだ。刃は急いで片づけると、帰って行った。そして遊華はレジのほうへと向かう。そして、父親と話しをする。

 

「今日も、中々のデュエルだったね、遊華」

「でも私だってまだまだだよ。今日、赤馬社長とデュエルしたんだけど負けちゃって…」

「赤馬社長っていうと、レオ・コーポレーションの?」

「うん。ほんと社長強かった~!」

 

娘の楽しげな表情を見て、思わず微笑む父親。でもしっかりと指摘をする。

 

「まあ遊華は、結構猪突猛進なところがあるからね。デュエルについては…そうところは無くしたほうが、プロになるならそうしたほうがいいよ。刃くんのあのプレイングは、遊華のプレイングに似てるところがある。君が彼にシンクロについていろいろ教えた分、そういうところも似たんじゃないかな」

「まあ、そうなんだろけどね…あ、今日のごはん何?」

「それじゃあ、夕飯を食べながら話しをしようか。それとごはんは、シチューだよ」

「やったー!シチュー大好きー!!」

 

…巳柳遊華…中学生であり、年相応の身長はあるとはいえ、どちらかと言えば童顔であることも相まって、大好きなことで喜んでいるその姿は、ちょっと背の高い小学生に見られても不思議ではない。

 

 

………そして翌日…遊華の姿はLDS……ではなく、遊勝塾近くにあった。用事があったはずだが、どうしたのだろうか。

 

「…(…用事が早めに済んだから来ましたー…って、言ってもね…)」

 

どうやら早めに済んだから、何をやっているのか気になってきたようだ。…とりあえず、変装としてサングラスに帽子、マフラー。サングラスと帽子に関してはともかく、マフラーは完全に季節外れ。…零児はマフラーをしているが。

 

「(…ここが遊勝塾か…)」

 

と、用事が終わった後に調べた住所を確認して言う。…とは言っても、近所にデュエル塾と思われる建物は他にはないが。

 

「それじゃあ…!」

 

中に入ろうとしたが、ドアが開こうとしたのが分かったため、咄嗟に隠れてしまった。

 

「(…なんで隠れたんだろ…)」

 

と思ったが、つい咄嗟に反応しただけであるため、なんとも言えない。…そしてすぐに出てきたのは…。

 

「(!…社長に、理事長…それに刃たち…)」

 

出てきたのは零児に、LDSの理事長にして零児の母親、赤馬日美香、そして刃、北斗、真澄。それと多分日美香の秘書の人。その全員は、停めてあったリムジンに乗り込み、出発していった。

 

「……刃達、呼ばれてたんだ…まあ…改めて。お邪魔しまーす」

 

と、遊勝塾に入って行った…ら。

 

「?君誰?」

「あ…」

 

水色の髪をした少年と、遭遇した。

 

「み、見つかった…」

「?…君…怪しいね」

「あ、ちょ、わ、私、決して怪しいものじゃ…」

 

という発言が、より怪しい感じを出していることに気付かない遊華。そこに…。

 

「どうしたのそ…だ、誰!?」

「あ、えーっと、その…」

 

ピンクの髪の、同い年ぐらいの少女も来て、このままでは状況がよりややこしくなることは、目に見えてきている…そのことは、言うまでもないだろう。

 




というわけで、後書き!…まあ今回、全力デュエル塾、さっそく始めようと思います!

真澄「あら、さっそく始めるのね」

YES。今日はキーカード紹介に加えて、遊華についての設定についての説明をします。

遊華「お、私の?」

北斗「まあ、やるならいいんじゃないか?」

刃「んじゃ、とっととやろうぜ!」

それじゃまずは、遊華のキャラ設定!


巳柳 遊華(みやぎ ゆうか) 15歳
LDSシンクロコース所属。虹色のセフィラの欠片を持つ。シンクロコースの中でも高い実力を持ち、単純な実力で言えば、刃より上。ただし知識に関しては微妙であり、またデュエルで猪突猛進なことをやることが多いため、LDSでの成績は、刃より下。
性格は子供っぽく純粋で、強烈なデュエルバカ。デュエルを挑まれたら基本OKしか出さない。
また、シンクロ召喚を刃に教えた。また、遊華本人にシンクロを教えた人物は、LDS以外の人物であるらしい。



真澄「確かに、遊華にデュエルを申し込んだら、外せない用事がない限り必ずOKだったわね」

北斗「むしろ遊華のほうからデュエルしようっていうほうが、多かったかな」

遊華「いやー、それほどでも」

刃「今のってほめ言葉なのか?…てか、遊華がオレにシンクロを教えたっていうのは?」

なんとなく

刃「なんとなくかよ。…まあ、次行こうぜ。長くするのもちょっとな。それじゃ、キーカードだ!」

…それじゃあ、今回のキーカード!


ガトムズの非常招集 通常魔法
「ガトムズの非常召集」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
①自分フィールドに「X-セイバー」Sモンスターが存在する場合に自分の墓地の「X-セイバー」モンスター2体を対象として発動できる。そのモンスター2体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃力が0になり、このターンのエンドフェイズに破壊される。


ガトムズの非常招集!

刃「X-セイバーの中でも、こいつは強力だぜ!」

真澄「ガトムズの緊急指令っていうカードはあるけど、それとは違って召喚条件を無視できるのが強味ね」

北斗「XX-セイバー フォルトロールを墓地から呼び出せるのは、かなり強力だよ。ただ、バトルフェイズを行えないっていうのはね…」

遊華「ガトムズの緊急指令っていう、ほぼ同じような効果のトラップがあるけど、速攻性じゃ、非常招集のほうが高いよ。召喚条件を無視できる分、これでデメリットなしっていうのは強力」

刃「ま、ガトムズの効果を使うには、十分強力だぜ」

北斗「君はたまに無限ハンデスをしてくるからね…」

それでは、今回はここまで!感想や様々な指摘、待っています!

遊華「次回も読んでくださいね!」


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