それでは、どうぞ。
「いったい何が起こっているんだ…」
フィールド内にオベリスクフォースが現れて、ユーキとユーリのデュエルが終わった頃の遊矢は…ジャングルエリアにいた。
「…変な仮面はいるし、オレ自身にもよく分からないことが起きてるし…もうなんなんだ…」
オベフォとのデュエルだったり、覇王黒竜だったり、ダーク・リベリオンだったりと、謎の現象が起きている。今はそれを考えても仕方がないので…。
「とにかく、柚子と合流しないと」
そういい、ジャングルエリアを走る。だがその途中で…。
「どこだ、どこだ黒咲隼!!ボクは認めない!!!ボクと戦え!黒咲!!!」
「!この声…素良!!」
すぐ近くに聞き覚えのある友の声…素良の声が、聞こえた。そしてすぐ聞こえたほうへと駆け出し…
「「でっ?!」」
…衝突した。どうやら意外と側にいたらしく、すぐにこうなった。
「イタタタタ…!遊矢…なんのようさ」
「イテテ…!素良…」
素良は遊矢に対して鋭い視線を向け、それを分かった遊矢は思わずひいてしまう。
「邪魔だよ!ボクはあいつを、黒咲隼を倒すんだ!」
「素良落ち着け!落ち着けって!」
「うるさい!遊矢には分からないさ!ボクはアカデミアなんだ!そしてヤツはエクシーズのヤツだ!他の仲間がエクシーズのヤツを何人も倒してるのに、このボクが倒せないなんてありえない!もう1度デュエルをして、今度こそ倒すんだ!!」
「だったらその前にオレとデュエルをしろ、素良!」
…遊矢の言葉に、素良は一瞬、唖然としたような表情になる…だが表情は再び険しくなり。
「…なんで遊矢とデュエルしなくちゃいけないのさ」
「お前を止めるためだ」
「はあ?なんのため?」
「友達だからだ!素良、アカデミアのやっていることは間違っている!デュエルは戦争の道具じゃない!みんながみんな楽しむものなんだ!」
「アカデミアのやってることは正しい!次元を統一するっていう目的のために戦ってるんだ!!それにボクは十分楽しいよ!だから邪魔しないでよ!邪魔するなら遊矢だからって容赦はしない!」
「…なら、とことん邪魔してやる!とにかく、オレは素良、お前を止める!」
「やれるもんならやってみろ!」
そういい、素良はディスクを構え、遊矢も構える。…素良は遊矢に強い敵意を向け、それを向けられた遊矢は少し怯えたが、素良を止めるためにも立ちはだかる。
「「デュエル!!」」
素良 LP 4000
遊矢 LP 4000
「ボクのターン、ドロー!手札のファーニマル・ベアを墓地へ送り、効果!手札から墓地へ送ることで、デッキからトイポットをセットし、そのままトイポットを発動!」
素良の後ろに巨大なガチャガチャが現れる。そして素良は手札を1枚墓地へ送ると、巨大なコインが現れ、投入口へと入る。
墓地へ送ったカード
・ファーニマル・ウイング
「トイポットの効果発動!手札1枚を墓地へ送り、デッキからカードを1枚ドローする!そしてそれがファーニマルモンスターなら、手札のモンスターを特殊召喚する!ドロー!…ボクが引いたのはファーニマル・ドッグ!これによって今引いたファーニマル・ドッグを特殊召喚!」
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
ガチャガチャから出てきたカプセルから、ファーニマル・ドッグが出てきたのを見て遊矢は警戒する。このカードについてはよく知っている。…素良とデュエルしていて、ほぼ毎回出ていたからだ。
「ファーニマル・ドッグのモンスター効果!このカードが手札から召喚、特殊召喚されたら、デッキからエッジインプ・シザーかファーニマルモンスター1体を手札に加える!デッキからファーニマル・ラビットを手札に加える!さらに墓地のファーニマル・ウイングの効果!墓地のファーニマルモンスターとともにこのカードを除外し、デッキから1枚ドローする!そしてフィールドのトイポットを墓地へ送ることで、さらにドロー!」
「!トイポットを墓地へ送った、ということは…」
「トイポットはいつも使っていたからよく分かってるよね。トイポットの効果!このカードが墓地へ送られたら、デッキからエッジインプ・シザーかファーニマルモンスターを手札に加える!ファーニマル・キャットを手札に!」
巨大なガチャガチャが消え、素良の手札は一気に3枚増えた。…3枚…トイポットを使うためにファーニマル・ベアを墓地へ送り、さらにトイポットのコストで1枚、効果で特殊召喚されたことで1枚…トイポットの効果でドローした分も考えると消費された分1枚おまけで増えた上に、ファーニマル・ドッグの効果によって手札が1枚増えている。つまり、5枚だったのが7枚になっている。
「あれだけやって、手札7枚…」
「さらに手札から
素良 LP 4000→3000
デストーイ・チェーン・シープ ATK 2000
素良が呼び出したのは、黒咲とのデュエルでも呼び出した鎖の巻き付いた羊のぬいぐるみ。…ファーニマル・シープと違い、また他のデストーイとも違って怖い、というより不気味な感じを出している。
「融合素材なしで融合モンスターを…」
「まだだ!手札から永続魔法、デストーイ・ファクトリーを発動!このカードは墓地の融合かフュージョンと名のつくカードを除外し、手札とフィールドのカードを素材にデストーイモンスターを融合召喚する!墓地の
融合の渦が現れ、その中に不気味な目が除く鎖とファーニマル・ドッグ、デストーイ・チェーン・シープが入る。
「悪魔の駆動鳴らす鎖よ、忠実なる獣よ、鎖のケダモノよ!今1つとなり新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!全てに牙向く魔獣!デストーイ・サーベル・タイガー!!」
デストーイ・サーベル・タイガー ATK 2400→2800
現れたのは…体中から剣の刃が飛び出て、おしりの辺りには剣そのものが突き刺さったような形になっている虎の人形が現れる。…そして口の中からは不気味な目が覗く。
「デストーイ・サーベル・タイガーとエッジインプ・チェーンの効果!デストーイ・サーベル・タイガーは融合召喚に成功した時、墓地のデストーイ融合モンスター1体を特殊召喚し、エッジインプ・チェーンは手札かフィールドから墓地へ送られたらデッキから、デストーイカードを手札に加える!エッジインプイ・チェーンの効果で
「!(融合による消費を、より抑えた上にモンスターが2体…いや…多分もっとくる)」
デストーイ・チェーン・シープ ATK 2000→2400
「そしてサーベル・タイガーの効果で、デストーイモンスターの攻撃力は400アップする!さらに手札に加えた
「くっ…やっぱり…」
「そして融合を発動!手札のエッジインプ・シザーとファーニマル・キャットを融合!悪魔の爪よ!気ままな野獣よ!今1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!全てを薙ぎ払う悪魔の人形!デストーイ・デアデビル!」
デストーイ・デアデビル ATK 3000→3400
次に現れたのは、おそらく何かのぬいぐるみ。見た目から考えるに悪魔のぬいぐるみ。手には三又の槍を持っている。
「今度は3400…」
「ファーニマル・キャットの効果!このカードが融合素材になったら、墓地の融合を手札に加えられる!カードを2枚伏せて、ターンエンド」
素良 手札2(ファーニマル・ラビット、融合) LP 3000
モンスター デストーイ・サーベル・タイガー×1(攻)、デストーイ・チェーン・シープ×1(攻)、デストーイ・デアデビル×1(攻)
魔法・罠 「デストーイ・ファクトリー」×1、セットカード×2
攻撃力2800、2400、そして3400のモンスター…うち1体は破壊されたら攻撃力2800になって戻ってくる。サーベル・タイガーの上昇効果を合わせると3200だ。そしてセットカードが2枚。
「行くぞ…オレのターン、ドロー!オレは手札から魔法カード、ペンデュラム・コールを発動!手札1枚を墓地へ送り、デッキから魔術師2体を手札に加える!」
墓地へ送ったカード
・貴竜の魔術師
「デッキから降竜の魔術師と、星読みの魔術師を手札に加え、スケール2の降竜の魔術師と、スケール7の
光の柱が昇り、その中に仮面をつけ、刺々しい帽子をかぶった魔術師と、王冠にマント姿のクマが昇ってきた。魔術師の下には2が、クマの下には7の数字が浮かぶ。
「これでレベル3から6のモンスターが、同時に召喚可能!」
「3から6…オッドアイズを呼ぶってわけじゃなさそうだね」
「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、オレのモンスター達!手札からレベル4、
フィールドに現れたのは、茶色いドンキー、紫色の体のトカゲ。どちらも守備表示だ。
「…全部守備って…つまり守りに徹するってこと?」
「まさか!ボットアイズ・リザードと、セカンドンキーの効果!ボッドアイズ・リザードは召喚、特殊召喚に成功したら、デッキからオッドアイズ1体を墓地へ送り、墓地へ送ったモンスターと同じ名前になる!そしてセカンドンキーは、デッキから
ボットアイズ・リザードにオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの幻が纏われる。…これでボッドアイズは、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとなった。
「そして降竜の魔術師のペンデュラム効果!相手フィールドのモンスター1体を、ドラゴン族にする!デストーイ・サーベル・タイガーをドラゴン族に」
「カウンタートラップ、デストーイ・マーチ!自分フィールドのデストーイモンスターを対象とするカード効果を無効にし破壊!そして対象になったデストーイモンスターを墓地へ送り、エクストラデッキからレベル8以上のデストーイモンスターを融合召喚する!サーベル・タイガーを墓地へ送り、融合召喚!現れ出ちゃえ!全ての玩具の結合魔獣!デストーイ・マッド・キマイラ!!」
「何!?」
デストーイ・マッド・キマイラ ATK 2800
デストーイ・チェーン・シープ ATK 2400→2000
デストーイ・デアデビル ATK 3400→3000
降竜の魔術師が破壊され、デアデビルも消える。…その後に素良のフィールドに新しく現れたのは…下が台になり、そこからわたの飛び出たピンクのクマのぬいぐるみ、細長い機械についたわたの飛び出たサルのぬいぐるみのあたま、そしてこちらも細長い機械についた…おそらく、シカと思われる布の頭。…少し不気味だ。
「!そんな…」
「そういう効果を使うんだ、どうせ何か企んでたんだろ?残念だったね失敗して!」
「…いやまだだ!手札からスケール1の星読みの魔術師をセッティング!星読みの魔術師のペンデュラム効果により、スケールは4になる!」
星読みの魔術師 Pスケール1→4
「…それがどうしたのさ。次からレベル5と6しか出せなくなるだけじゃないか」
「まだだ!オレは墓地の貴竜の魔術師の効果発動!このカードは、自分フィールドのオッドアイズのレベルを3つ下げることで、手札か墓地から特殊召喚できる!」
「何言ってるのさ、オッドアイズなんて君のフィールドに…!そうか、ボットアイズ・リザード!」
「そう!ボットアイズは今、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとして扱う!よってボッドアイズのレベルを3つ下げ、特殊召喚!」
貴竜の魔術師 DEF 1400
「オレはレベル4のセカンドンキーに、レベル3の貴竜の魔術師をチューニング!そして貴竜の魔術師は、オッドアイズ以外のモンスターと一緒にシンクロ素材になった場合、エクストラデッキへは置かれず、デッキの一番下に置かれる!熱き情熱の炎纏い、今新たな姿を現せ、二色の眼の竜よ!」
貴竜の魔術師が3つの歯車になり、その中にセカンドンキーが入り、4つの星に変わる。そして光が放たれ、オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンが現れる。
「シンクロ召喚!レベル7、猛き咆哮をあげし、灼熱の竜!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」
オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン DEF 2000
「メテオバーストの効果!このカードが特殊召喚に成功したとき、自分のペンデュラムゾーンのペンデュラムモンスターを特殊召喚する!来い、星読みの魔術師!」
星読みの魔術師 DEF 2400
メテオバーストが咆哮をあげると、光の柱が消え、星読みの魔術師がフィールドへ降りてくる。
「そして手札からスケール4の
ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK 3000
「バトル!ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、デストーイ・チェーン・シープを攻撃!光輪のシャイニー・バースト!!」
「!ぐぅ…チェーン・シープの効果!破壊されたら、墓地からこのカードを特殊召喚し、攻撃力を800ポイントアップさせる!」
素良 LP 3000→2000
デストーイ・チェーン・シープ(守備表示) ATK 2000→800 DEF 2000
ルーンアイズから放たれた光線に貫かれ破壊されるも、再び現れる。…だが。
「ならもう1度チェーン・シープを攻撃!連撃のシャイニー・バースト!!」
「くっ…」
「そしてデストーイ・マッド・キマイラを攻撃!連撃のシャイニー・バースト!」
「っ…マッド・キマイラも…」
素良 LP 2000→1800
素良のフィールドのモンスター2体を一気に破壊し、有利になる遊矢。だが素良のフィールドには攻撃力3000のデアデビル。遊矢のフィールドには攻撃力3000のルーンアイズ、そして攻撃力2500、守備力2000で守備表示のメテオバースト。今の遊矢に除去カードはないので…。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!そしてこのエンドフェイズ、ペンデュラムゾーンのキングベアーの効果!このカードを破壊し、エクストラデッキか墓地の、レベル7以下のペンデュラムモンスターを手札に加える!墓地のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に!」
遊矢が墓地からオッドアイズを手札に加えた。…だが素良は伏せていたカードを発動する。
「ならそのエンドフェイズにトラップ発動!
「!?なっ…ぐああああ!!」
遊矢 LP 4000→1500
デアデビルが、ルーンアイズにダンスを強要し、無理やりダンス。それも、ワルツ。そして踊りながら、デアデビルはさり気なくメテオバーストを破壊する。…アクションカードを取りに行こうとしていた遊矢はその衝撃をかわすことができず、もろに受ける。
遊矢 手札1(オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン) LP 1500
モンスター ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×1(攻)
魔法・罠 セットカード×1
Pゾーン 「
「くっ…どうしてそんなカードを…」
「念のためさ。融合モンスターを使うヤツと戦うかもしれないからね…それに使わないならそれはそれでブラフになるさ。ボクのターン、ドロー!ボクは墓地のエッジインプ・シザーの効果発動!手札1枚をデッキトップに置き、墓地のこのカードを特殊召喚!」
エッジインプ・シザー ATK 1200
エッジインプ・シザーが現れる。…この状況でシザー・ウルフを出されるときついのは明白だ。
「(…セットカードはくず鉄のかかし…シザー・ウルフは、融合素材になったモンスターの数だけ攻撃できる。素良の手札には、融合とファーニマル・ラビットぐらい…つまり、少なくとも2回攻撃できる。このカードで1回は防げても、もう1回が防げない…)」
「さらに魔法カード、融合を発動!フィールドのエッジインプ・シザーと、手札のファーニマル・ラビットを融合!悪魔の爪よ、飛びまわる獣よ!今1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!全てを引き裂く密林の魔獣!デストーイ・シザー・タイガー!」
デストーイ・シザー・タイガー ATK 1900→2500
デストーイ・デアデビル ATK 3000→3600
…素良が呼び出したのは、シザー・ウルフではなく、ハサミがついた虎のぬいぐるみ。…サーベル・タイガーとは色が違い、あちらが紺色系統に対し、こちらは水色だ。
「!シザー・ウルフじゃない…」
「そっちでもいいけど、こっちのほうが確実だからね…シザー・タイガーとファーニマル・ラビットの効果!ファーニマル・ラビットは融合素材になったとき、墓地のエッジインプ・シザーかファーニマル1体を手札に加え、シザー・タイガーは、融合素材にしたモンスターの数だけ、フィールドのカードを破壊する!」
「なんだって?!」
「ボクはラビットの効果で、ファーニマル・ドッグを手札に加え、シザー・タイガーの効果で、ルーンアイズとセットカードを破壊する!!」
シザー・タイガーの腹にあるハサミの刃が伸びルーンアイズとセットカードを1回で切り、破壊する。…遊矢のフィールドは、一気にがら空きとなる。
「くっ…ルーンアイズどころか、くず鉄のかかしも…」
「シザー・タイガーの効果で、ボクのデストーイモンスターの攻撃力は、フィールドのデストーイ、ファーニマルモンスターの数×300アップする。2体だから、600アップしている!バトルだ!いけ、デアデビル!遊矢にダイレクトアタック!!」
デアデビルが遊矢に迫る。…だがその途中で、遊矢はアクションカードを茂みの上に見つけた。
「!あった…たあ!……無いよりマシ!アクションマジック、密林の鼓動!墓地の獣族、獣戦士族、鳥獣族、植物族モンスター1体を特殊召喚する!こい、
密林の鼓動 アクション魔法
①相手の攻撃宣言時、自分の墓地から、レベル4以下の獣族、獣戦士族、鳥獣族、植物族モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは、このターンの終わりにデッキに戻る。
「セカンドンキーの効果!デッキから
「だからどうしたのさ!そのまま攻撃!!」
「墓地のジンライノの効果!自分フィールドのエンタメイトが破壊される場合、墓地からこのカードを除外し、破壊を無効にする!」
セカンドンキーの前に小柄なサイが現れ、デアデビルの槍を角で受け止める。何度もデアデビルは槍で攻撃するが、全てジンライノが受け止めている。
「ちっ…でも所詮その場しのぎ!シザー・タイガーでセカンドンキーを攻撃!!」
「くっ…」
シザー・タイガーの強靭な爪に引き裂かれ、セカンドンキーは破壊される。…このターンは凌げたが、次のターンもしのげる保障は…ない。
「このターンで決めるつもりだったのに…運がよかったね。それじゃあバトルフェイズを終わらせて、ボクは手札からファーニマル・ドッグを召喚!その効果でデッキから、ファーニマル・オクトを手札に加える!」
ファーニマル・ドッグ ATK 1700
デストーイ・デアデビル ATK 3600→3900
デストーイ・シザー・タイガー ATK 2500→2800
ファーニマル・ドッグが召喚されたことで、攻撃力を確実にあげていった。といってもファーニマル・ドッグの攻撃力はそのままだが。
「これでターンエンド!さあかかってきなよ遊矢!!…おっと、アクションカードだ」
素良 手札1(ファーニマル・オクト) LP 2000
モンスター デストーイ・デアデビル×1(攻)、デストーイ・シザー・タイガー×1(攻)、ファーニマル・ドッグ×1(攻)
魔法・罠 「デストーイ・ファクトリー」×1
「くっ…(多分、素良が油断したおかげでなんとかライフが残ったけど…次は無い…)」
素良の油断によって運よく防ぎきれた。素良がファーニマル・ドッグを召喚していれば、ほとんど他のアクションカードの見当たらない現状では負けていただろう。特に素良がさっき取ったアクションカードは、素良のほうが近い。…つまり、これは事実上情けをかけられたターンだ。
「…(運よく生き残れたとは言っても、このターンで決められなくちゃ、オレは負ける…)……行くぞ…オレのターン、ドロー!!」
勢いよくカードを引き抜き、確認する。…そのカードは…。
「っ(…このカードは……いいや、ここは迷ってる場合じゃない!)オレは手札から魔法カード、七星の宝刀を発動!手札のレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを除外し、2枚ドロー!」
「自らエースを手放すなんてね」
…
「…オレはスケール6の
光の柱が現れ、胴体がギターになっているカメとタキシードを着たトカゲが現れる。そしてトカゲはすぐ消える。
「連続でドローしたってムダムダ!」
「…いいや、無駄じゃない!オレは魔法カード、金満な壺を発動!エクストラデッキのリザードロー、キングベアー、降竜の魔術師をデッキに戻し、2枚ドロー!」
「ちっ…またか」
ここに来て連続のドロー。…とはいえ、それでも手札は3枚。…さすがに、もうドローできない。だが…。
「オレは、スケール2の
「!スケール10…つまり、3から9か」
「これでオレは、レベル3から9のモンスターが同時に召喚可能!もう1度揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!!頼む、力を貸してくれみんな!!エクストラデッキから、レベル5の星読みの魔術師!そして手札からレベル8、
星読みの魔術師 DEF 2400
現れたのは、星読みの魔術師、そしてもう1体…黄色い服に黄色いとんがり帽子姿の魔法使い、ラフメイカーが現れる。
「そしてペンデュラム・マジシャンのペンデュラム効果!ペンデュラム召喚したとき、自分フィールドのエンタメイトの攻撃力を1000ポイントアップさせる!!」
「攻撃力3500…デアデビル以外には十分だけど、それで?」
「デアデビルを倒すのさ!バトル!ラフメイカーで、デアデビルを攻撃!」
「!ホントにデアデビルを…でもデアデビルの攻撃力は、ラフメイカーより400ポイント上だよ!」
「ラフメイカーの効果!このカードの攻撃宣言時、このカードと相手フィールドの元々の攻撃力よりも攻撃力の高いモンスターの数だけ、このカードの攻撃力を1000ポイントアップさせる!!」
「!なあ?!ボクのフィールドには、攻撃力3900になっているデアデビルと、2800のシザー・タイガー…」
「そして3500のラフメイカー自身、合計3体!よって3000ポイントアップだ!」
ラフメイカーが杖を腰に収めると、その手にトランプが一束。そしてその中のカード1枚を引き抜き、自分には見えないように見せる。…それはスペードの3。そしてそれをラフメイカーはシャッフルし…高く放り投げる。…そしてトランプが舞い落ちる中、素早く杖を手に取り1枚のカードを貫いく。…貫いたのは、スペードの3。思わず素良のフィールドのモンスターは拍手をする。…さり気なく星読みの魔術師も。その拍手にラフメイカーの気持ちが高まり、力が上がる。
「いっけえええええ!!」
そしてラフメイカーの杖から黄色い光が放たれ、デアデビルへと一直線に進む。
「その効果には驚きだよ。でもさ…無駄だよ!アクションマジック、回避!」
「!!!なっ…」
「君ならよく知ってるよね。このカードは、相手の攻撃を無効にする!」
大慌てで光をかわすデアデビル。…その光景に驚くラフメイカーと、遊矢。今の遊矢には、追加攻撃の手段も、回避を無効にする手段も…ない。
「君の手札は0。ラフメイカーは攻撃力が6500だけど、そんな効果だ、きっとエンドフェイズには効果が終わる。さあ、ターンエンドしなよ」
「…素良……くっ…ターン、エンド。エンドフェイズ、ペンデュラム・ターンとペンデュラム・マジシャン、ラフメイカーの効果が終了し、ギタートルのスケールと、ラフメイカーの攻撃力は…元に、戻る」
遊矢 手札0 LP 1500
モンスター
魔法・罠 なし
Pゾーン
「それじゃあ行くよ、ボクのターン、ドロー!ボクは手札から、ファーニマル・オクトを召喚!ファーニマル・オクトが召喚に成功したとき、墓地のエッジインプ1体を手札に加える!ボクはエッジインプ・チェーンを手札に加える!」
ファーニマル・オクト ATK 800
デストーイ・シザー・タイガー ATK 2800→3100
デストーイ・デアデビル ATK 3900→4200
素良が呼び出したのは、可愛らしいタコ。…だがその効果は、侮れば簡単にやられるだろう。
「デストーイ・ファクトリーの効果!
「っ!…」
デストーイ・チェーン・シープ ATK 2000→2900
チェーン・シープ…発動を封じることで確実に倒すつもりだ、ということが容易に分かった。…だが、まだ終わりではない。
「さらにエッジインプ・チェーンの効果で、デッキから
デストーイ・シザー・ウルフ ATK 2000→3200
デストーイ・シザー・タイガー ATK 3100→3400
デストーイ・デアデビル ATK 4200→4600
デストーイ・チェーン・シープ ATK 2900→3200
ここに来て、ダメ押しと言わんばかりにシザー・ウルフを呼び出す素良。融合素材となったのは4体…つまり、4回攻撃が可能。さらにモンスターは全て3000オーバー、うち1体に至っては4600という数値。さっきそれ以上の数値を叩き出したラフメイカーがいるとはいえ今、その攻撃力はない。
「そ、そんな…」
「一思いに一撃倒してあげるよ遊矢!バトル!デストーイ・デアデビル!ラフメイカーを破壊しろ!!」
デアデビルがラフメイカーに向かって突撃する。…ラフメイカーの攻撃力上昇効果は自身の攻撃宣言時のみ。…もはや、打つ手はない。
「ぐっ…!ああああああああ!!!」
遊矢 LP 1500→0
デアデビルがラフメイカーを槍の一突きで破壊、その瞬間にアクションカードを見つけたが…もはや、手遅れだった。攻撃力4600対2500、その差2100の衝撃波は遊矢にすぐ届き、体を大きく吹き飛ばす。そして、遊矢、素良のフィールドから、カードが消える。
「これで分かったろ?君はボクより弱い。それがこの結果だ。君はボクの邪魔なんてできない」
「くっ…ま、まだだ…何度でも…お前を、止める!」
「………………そうかい。………じゃあ、仕方がないね」
吹き飛ばされてなお立ち上がる遊矢を見て素良は、今までの気持ちの高まりが一気に冷めたような声を出し、自身のディスクを操作する。
「………ボクはアカデミアの兵士だ。…ボクの邪魔をするっていうなら、遊矢でも、容赦はしない」
「!素良…」
「そう、ボクはアカデミアなんだ。…例え、遊矢だって」
…時折手を止めながらも、簡単な手順のためすぐに準備が整った様子。…だが、その手順の最後で一瞬だが止まる。…その一瞬で。
「ぬおおおおおおお!!」
「!!」
「この声…!」
けたたましい大声と共に現れたのは…白い学ラン、リーゼントに赤いハチマキ…そして、中学生には見えないその顔。
「権現坂!」
「ゴンちゃん…っ!」
「遊矢、素良、何があった。素良の声が聞こえて気になって来たが…いったいなんなんだ」
「…ゴンちゃんもボクの邪魔をするの…?」
「まずは話しを聞いてから…」
「邪魔しないでよ!ボクはアカデミアなんだ!ボクはその中でも特進クラスなんだ!強いんだ!!だから邪魔するなよ!!!」
少し裏返った叫び声をあげ、ディスクのプレートを展開させる。
「落ち着け素良!」
「素良、落ち着けっ…」
「邪魔するなら倒してやる!!」
必死の形相となり、声を荒げる素良。
「なら、オレがっ…」
「無理はするな遊矢。ここはオレがやる」
「!でも…」
「少し休んでおけ。…今のままではきついはずだ」
「…分かった」
遊矢は大人しく引き下がり、近くの木に背中を預け座る。…そして権現坂はディスクを構える。
「行くぞ、素良!」
「ゴンちゃんだからって手加減はしない!!」
「「デュエル!!」」
では本日の全力!デュエル塾!
沢渡「なんだなんだ?アニメのほうだと遊矢VS素良で舞網チャンピオンシップって言ったら、結構いい感じだったろ?こっちじゃ負けてんのか?」
元々勝敗については悩んだところだけど、今回は素良の勝利にしてみました。
零児「ほう…だが、紫雲院素良の今回のデュエル、ところどころミスがあるようだが…」
それについては素良自身も今のところ気づいていないって感じです。後で考えて、なんであんなミスを…って感じになってるという裏設定付きです。
沢渡「にしても、最後のほうはかなり取り乱してるな」
零児「アカデミアとしての使命と…おそらく、遊矢達との友情に揺れているんだろう」
気にしている分、さらに気にさせてみました。
沢渡「それがあれってことか」
というわけで、全力!デュエル塾!今回のキーカードは…
【Pスケール:青5/赤5】
①1ターンに1度、相手フィールドに元々の攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターが存在する場合に発動できる。自分は1000LP回復する。
【モンスター効果】
「EMラフメイカー」の①、②のモンスター効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①このカードの攻撃宣言時に発動できる。
このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、このカード及び相手フィールドのモンスターの内、元々の攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターの数×1000アップする。
②元々の攻撃力より高い攻撃力を持つこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
沢渡「遊矢が今回最後に出したモンスターか」
零児「その効果は、攻撃宣言時に自身と相手フィールドのモンスターのうち、攻撃力が元々の数値より上のモンスターの数だけ攻撃力をあげる…その数値は、1体につき1000。モンスター効果としては破格だろう」
スマイル・ワールドと一緒に使えるし、ついでに元々の攻撃力が違うときに破壊されたら、墓地のモンスター1体を復活させる効果を持つ。
沢渡「ペンデュラム効果には元々の攻撃力より高いモンスターが相手フィールドにいれば自分のライフを1000回復できるっていう、まあこっちはおまけだろうな」
脳筋型EMの中でも最強クラスの攻撃力上昇効果だからね。ラディッシュ・ホースかライト・フェニックスと組み合わせるだけで最低4500まで対応可能、おまけで蘇生効果持ち。かなり便利なモンスター。
零児「だが相手フィールドに条件を満たすモンスターがいなければ爆発的な上昇はできない。…ゆえに、スマイル・ワールドとの相性は最高だな」
マジカル・スター・イリュージョンっていう手もあるけど…スマイル・ワールドより上昇数値が大きいからダメージを大きく減らす可能性も大きい。
沢渡「効果が1度しか使えないっていうのはまあ、2回目なんかあったら悪夢だからだろうな」
零児「特に魔法使い族と言えば、拡散する波動がある。ライフ1000と引き換えに、自分フィールドのレベル7以上の魔法使い族に強制的に全体攻撃を行わせるカードがある。オマケ付きだからかなり性質が悪い」
1ターンに何回も発動できたらそもそも1000アップじゃなくてよくて200、悪くて100だよ…。
零児「1ターンに1度だからこそ、ここまでの効果にできる。1000というのはかなり大きいからな」
沢渡「その分ダメージ反射受けたら一溜りもない…つまり、マジック・シリンダーを使えば」
星時読み魔法罠封じ。
沢渡「うぐ…ペンデュラムだからそいつらいたら封じられるってわけか…」
零児「オマケに遊矢はバトルフェイズ中の相手モンスター効果の発動を封じるオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンも使う。…これら3つが揃えば、ペンデュラムモンスターの攻撃時には相手は永続効果でしか対処できなくなる」
ただまあ、レベル8だから星時じゃそのままペンデュラム召喚できないんだよね…ペンデュラム召喚したモンスターをリリースすればいいんだけど。
零児「それも含むからこそ、蘇生効果もつけられるだろうな。…このモンスターをペンデュラム召喚できるスケール9以上と言えば、フィールドにモンスターがいればペンデュラム召喚を行えない覇王門無限ぐらいだ」
それじゃあ今回はここまで!…それにしても、あの最終回はな…。
零児「後味が悪いな…」
沢渡「ユートとユーゴに勝ち逃げされていい気はしないぜ…」
ユーリとはデュエルしてないしね。
沢渡「…それは、あれだ。脚本が、悪いんだ」
零児「戦わなくてホッとしている訳ではないんだな」
沢渡「ギクゥ!…そ、それじゃあ、次も読めよな!!」
零児「図星か」
ヘタレだな。
沢渡「うっせー!」