アニメは長い長いシンクロ次元編が終わりエクシーズ次元編へと突入。カイトの容赦のなさに関係なく懺悔の用意しないといけない気がしています。アニメに追いつける日は来るだろうか…。
それでは、どうぞ
~~~ 舞網チャンピオンシップ3回戦当日 ~~~
昨日アカデミアへの対策を話し合っていたのを知らない人達は、普通に舞網チャンピオンシップを進めていく。
[さあ~!舞網チャンピオンシップも3回戦目に突入!なお、今回は急遽ルールを変更して、町全体を舞台としたバトルロイヤルを行います!]
「バトルロイヤル…」
[バトルロイヤル開始は今日午前11時!そして終了は明日の午前11時!またバトルロイヤル中の食事に関しては、各自で用意する、もしくはLDSが用意した施設の利用、就寝はこちらもLDSが用意した施設がございますので安心を!そしてそしてここからが大事!今回のバトルロイヤルについては、なんとなんと!LDS製のペンデュラムカードを使うのです!]
「!LDS製の、ペンデュラムカード!?」
[はい!街の至るところにLDS製のペンデュラムカード、ペンデュラム・スタチューが隠されています!このペンデュラム・スタチューのカードを2枚以上持っている場合にのみデュエルを行えます!そしてペンデュラム・スタチューは必ずデュエル前に1枚以上賭けなくてはならず、敗北した場合は勝利したほうへと賭けたペンデュラム・スタチューを渡し、明日の午後1時の時点でペンデュラム・スタチューを多く持っている選手上位8名が決勝トーナメントに出場できます!]
「上位8名か…」
そう。最大1枚以上ペンデュラム・スタチューのカードを賭けなくてはならないため、2枚だけ持っている場合の敗者はまたペンデュラム・スタチューを1枚探す必要がある。そのため、今回はどれだけ早くペンデュラム・スタチューのカードを、より多く見つけられるかも重要となる。
[さらに!このバトルロイヤルには、3人、1回戦、2回戦で敗北したデュエリストが敗者復活枠として参加します!]
「敗者復活…いったい、誰が」
[ではさっそく発表しましょう!ここで復活するのは…梁山泊塾所属!勝鬨勇雄!LDS所属!沢渡シンゴ!南雲玉砕塾所属!南雲白―!]
その3人の名前が呼ばれ、3人がフィールドに入ってくる…が。
「おいおいなんで沢渡シンゴが~?」
「デュエルは確かに良かったけどなんで?」
「まさか親のコネじゃないだろうな~」
というブーイング。…だがそんなブーイング気にもせず、手を振っている沢渡。…もちろん沢渡の敗者復活に疑問を持った遊華は…。
「…沢渡、あんたなんでいんの?」
「え?なんでって………それは…もちろん、このオレが選ばれているからに決まってるだろ?」
「…」
どうやら何か隠しているような感じがすると思う遊華。沢渡の場合、結構素直だ。嘘をつく場合はすぐにその場で考えて言うため、間が開くことが多々ある。
[えーなお、敗者復活枠の人物に関しては、ペンデュラム・スタチューを4枚以上集めないとデュエルはできず、最初のデュエルのみペンデュラム・スタチューのカードを全て賭けなければなりません!]
「はあ?!そんなの聞いてねえぞ!」
「まあ敗者復活戦とかやった覚えなんてないからいいハンデじゃない?」
「くっそー…赤馬零児め…」
[そしてバトルロイヤル中のデッキ改造は、デュエル中を除いて手持ちのカードを使って可能です。ではみなさん!もうすぐ午後1時!いよいよはじまりますよー!!]
12時58分…カウントダウンには早いが、あと少しで、3回戦が始まる。
「…(ペンデュラムカード…かー)」
遊華は少し前のことを思い出す。3回戦、デュエルフィールドに行く前に中島さんから、ペンデュラムカードをもらっていた。しかも、自分のデッキと相性がいいよう調整されていた。
「(ペンデュラム・スタチュー、どんなカードかな~)」
[ではカウントダウン!10!9!8!]
遊華が考え事をしている間にもカウントダウンまで経過。それを聞いた遊華は慌てて意識を現実に向ける。そして7、6、5、4となり
[3!2!1!第3回戦、開始~!!!]
そして全員が、舞網市の街中へと、走り出していった。…その途中、勝鬨が…。
「榊遊矢」
「ん?」
「今度は自分が勝つ」
「勝鬨…オレだって負ける気はないからな!」
といい、遊矢と勝鬨は別の方向へと走って行った。…そして、3回戦が始まって数分経過し…司令室では。
「…そろそろ良いだろう。アクションフィールド、ザ・シックス・ワールドの発動を」
「はっ!各システム、オールグリーン!アクションフィールド、発動!」
アクションフィールドの発動を宣言し、街の至る所に設置されたリアルソリッドヴィジョン投影機が起動、街の姿を変えていく。……ザ・シックス・ワールド、このアクションフィールド最大の特徴は…6つの区画が存在し、それぞれ拾えるアクションカードの種類も少し変わることだ。灼熱の火山エリア、木々が溢れるジャングルエリア、一面氷の世界の凍土エリア、遺跡がいくつも並ぶ遺跡エリア、巨大でいくつものルートがあるブリッジエリア、そして荒れた比較的低い岩山が連なる山脈エリア。なお、今回はリアルソリッドヴィジョンで作られた宿泊設備が備わっており、そこで休むことも可能。
そして遊華が出たフィールドは…。
「…うっひゃー、見てるだけで凍えそう」
凍土フィールドだ。なお、今回は気温の変化は起きてはいないため、ご心配なく…とはいえ見ているだけでも寒そうな場所であることに変わりはない。
「さーてとペンデュラムカード、ペンデュラムカード…っと。あった!」
早速1枚のペンデュラムカードを見つけた遊華。…氷塊の、中に。
「…これ、どうやってとればいいんだろ…うーん……触ったら溶けるーなんてことは…あ、砕けた」
触った結果、氷塊が砕けてペンデュラムカードが手に入った。手に入ったのはPS-グリーン・バード。スケールは1だ。
【Pスケール:赤1/青1】
①自分フィールドの風属性モンスターの攻撃力・守備力は300ポイントアップする。
【モンスター効果】
「PS-グリーン・バード」のモンスター効果は、1ターンに1度しか使用できない。
①このカードがP召喚に成功した場合、発動できる。デッキから「PS」カード1枚を手札に加える。
「よーし、この調子で集めるぞー!」
そして遊華は、他のペンデュラムカードを探す。…十数分後…。
「…うん、結構集まったかな。さーて他には…ん?」
3枚を集めた遊華。さらに他のペンデュラムカードを見つけるため辺りをよく見渡すと…人が見えた。座り込んでいるように見える。
「何してるんだろ…」
もちろん気になった遊華。その人に近付く…近付くにつれ、その人物がはっきり見えてくる。どうやら、絵を描いているようだ。その人物は、髪はきれいな長い金髪纏め、頭にキャスケットを被り、ワンピースを着たカバンを側に置いている少女。…胸に関しては、普通のように見える。
「(絵を描いてる?こんなときに…)」
どんどん近付く遊華と、まったく気が付く様子のない少女。…遊華は、少女が描いている絵を後ろから覗いてみた。
「…(…うーん…絵、だね…途中の)」
絵は…この凍土フィールドの一画を、鉛筆で描いたものの途中。凍りついたビルと道路が途中だがしっかりと描かれている。
「…?…あなたは?」
「!あ、ご、ごめんなさい、何してるのかなーって思ってつい…あ、私は巳柳遊華です」
「巳柳…ああ、あの竜星を使っていた…私は、シャルロット・レイモンです。フランスから来ました」
「フランスから…日本語、上手ですね」
「勉強しました」
シャルロット・レイモン…きれいな眠そうな青い目をした少女。ちなみに目の下にクマはない。
「絵、とっても上手ですね」
「将来は画家を目指しています。いずれは世界中を巡っていろんな絵を描く、それが夢です」
「?じゃあ、なんでこの大会に?」
「?ダメですか?出場資格が得られて、旅費と言った様々な費用もレオ・コーポレーションが出してくれるとのことだったので、日本の建物、特にお寺、有名なところには独特の風情があり、1度は描いてみたかったですし、日本の方とも交流できるいい機会だと思ったので」
「え?つ、つまり、絵を描くために、この大会に出場したってことですか?」
「??デュエルの大会なんですから、デュエルするためですよ。でも今はバトルロイヤルという特殊な状況下、それも、こんな風景が広がっています、2度とこの風景を描くチャンスはないと思いましたので」
「あ、そう…」
話しながらも絵を描き続けるシャルロット。…結構マイペースなようだ。
「…あれ?じゃあ、ペンデュラムカードは?」
「?……ああ…確か、拾えるんでしたね。絵のことを考えていて、忘れていました」
「…」
「今描いている絵を描き終えたら次の場所に移動しつつ探してみますね」
と言いている間にも、消したり描いたりを繰り返していた。
「…えっと…じゃあ、集まってまた会ったら、デュエルしましょうね」
「ええ、いいですよ」
そして遊華はシャルロットと別れる。かなり変わった人だった。
「(デュエルより絵を優先するなんて…分からない)」
デュエル大好き遊華にとっては、あまり分からないのであった…だが絵が大好きなシャルロットとデュエル大好きな遊華は、同類だろう。間違いない。
遊華が奇妙な出会いをしていた頃、遊矢は…。
「!あった!これで2枚目…」
2枚目のペンデュラム・スタチューをゲット。場所はジャングルエリアだ。これで遊矢はデュエル可能となった。
「よーし…これでデュエルが出来る。さっそく相手を」
「それじゃあボクとデュエルしないかい?」
と言う声が聞こえ、声がしたほうを遊矢が見ると…ギザギザのオレンジの髪をした緑の瞳の少年だ。
「えーっと…君は?」
「デニス・マックフィールド。よろしく」
「よろしく。…オレは」
「榊遊矢。君のことはよく知ってるよ。あ、デュエル前に1つお願いがあるんだけど…」
「え?な、何?」
デニスは懐に手を入れると………サインペンと色紙が出てきた。
「サインください!」
「…え?」
「いやー、ボク、キミのお父さんの榊遊勝や、キミのファンなんだよね~!その影響で、エンタメデュエリストを志しているんだ!」
「あ、う、うん。オレのサインでよかったら…」
と、サインペンと色紙を受け取り、サインを書く遊矢。…ただ、サインなんて求められたことはほとんどなく、とりあえず有名人が書いているサインを思い浮かべ、それを真似して書いていく。
「ごめん、サインなんて、ほとんど欲しいって言われたことなくて…」
「ううん!君のサインをもらえただけで十分うれしいよ!それじゃあさっそくデュエルをしよう!ペンデュラム・スタチュー、2枚あるんだよね?」
「ああ。デニスは?」
「ボクも2枚さ。それじゃあ何枚賭ける?ボクは、1枚」
「それじゃあ、オレも1枚」
「じゃあ始めよう!」
そういいディスクを構えるデニス。
「ああ!もちろん!」
そして遊矢も構える。…一方、観客席のほうでは…。
[おーっと!どうやらジャングルエリアのほうでデュエルだー!対戦するのは…榊遊矢と、デニス・マックフィールド!!]
というと、6つのエリアを映していた大型モニターの映像が切り替わり、遊矢とデニスの顔が出てきた。
「じゃあ行くぞ!戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」
「モンスターと共に!地を蹴り宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」
「アクショーン…」
「「デュエル!」」
デニス LP 4000
遊矢 LP 4000
いつもの口上から始まる遊矢とデニスのデュエル。先攻は…デニスから。
「お。どうやらボクの先攻だね。ボクのターン!ボクは手札から魔法カード、火炎地獄を発動!相手に1000ポイントのダメージを与えて、自分は500ポイントのダメージを受ける!」
「!火炎地獄…バーンデッキ!」
「ノンノン。それは違うよ。自分へ効果ダメージを与える効果が発動した場合、手札の
火炎地獄の炎がデニスに迫るが、その炎が突如として現れた黒い球体に食べられる。…そして、黒い球体は炎を吐き出す。
遊矢 LP 4000→3000→2500
デニス LP 4000→3500
「あっちっち!な、なんでダメージが500増えて…」
「フレイム・イーターは、ダメージを食べてくれるのはいいんだけど、召喚、特殊召喚したら互いに500ポイントのダメージを受けるって効果があってね…」
「そ、そうなんだ…」
「じゃあ次に…手札からアステル・ドローンを通常召喚!」
続いて現れたのは、プニプニしていそうな人型のかわいらしいモンスター。手に持つ杖で五芒星を描く。
アステル・ドローン ATK 1600
「…ん?レベル4が、2体…」
「それじゃあさっそく行ってみよう!ボクはレベル4の魔法使い族、
フレイム・イーターが赤い光に、アステル・ドローンが黒い光になり、フィールドに現れた穴の中へと飛び込む。
「ショーマストゴーオン!!天空の奇術師よ、華やかに舞台を駆け巡れ!エクシーズ召喚!ランク4、
穴から現れたのは…勢いよく空中ブランコに掴まっているピエロにも、奇術師にも見えるモンスター。笑顔に見えるが、仮面により真の表情は窺えない。
「そしてトラピーズ・マジシャンのオーバーレイ・ユニットにしたアステル・ドローンの効果発動!このカードがエクシーズ素材となった場合、このカードをエクシーズ素材にしたモンスターに、エクシーズ召喚したとき、デッキからカードを1枚ドローする効果を与える!ということで、1枚ドロー!」
「トラピーズ・マジシャン…」
「ボクのエースモンスターさ。それじゃあカードを2枚伏せて、ターンエンド」
デニス 手札1 LP 3500
モンスター
魔法・罠 セットカード×2
「行くぞ…オレのターン、ドロー!…それじゃあ…レディースエーンド、ジェントルメーン!」
「お、始まった」
「それではこれより、私、榊遊矢のエンタメデュエル、始まります!…とはいえまだ準備も何もできてないので、準備から始めさせてもらいます。手札からスケール4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを、ペンデュラムゾーンにセッティング!」
光の柱が現れ、その中にオッドアイズが昇ってくる。
「さらにカードを2枚伏せ、手札から
フィールドに現れるソード・フィッシュ。さっそく分身してトラピーズ・マジシャンへと突撃。
「ソード・フィッシュはこのカード自身、もしくは自分の他のモンスターが召喚、特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのモンスターの攻撃力を、600ポイント下げる!」
「おっ、そう来たか」
「カードを2枚伏せて、ターンエンド。エンドフェイズにオッドアイズのペンデュラム効果!このカードを破壊し、デッキからPSパープル・ソードを手札に!」
「ペンデュラム・スタチューをサーチしてきたか…」
遊矢 手札3(PSパープル・ソード) LP 2500
モンスター
魔法・罠 セットカード×2
「それじゃあボクのターン!ドロー!…それじゃあそろそろ、本格的に動くかな」
「え?」
「トラップ発動!デステニー・デストロイ!デッキの上からカードを3枚墓地へ送る!」
「え!?たしかもっといい、針虫の巣窟ってカードが…」
「んー、それのほうが確かに強いよ。でも、虫っていうのがね…やっぱり演出上、こっちのほうがボクはいいかなって思ってるよ」
「そ、そう…」
「それじゃあ3枚を墓地へ」
墓地へ送られたカード
ブレイクスルー・スキル
「おっと、トラップが1枚あったから、デステニー・デストロイの効果で1000ポイントのダメージを受ける…んだけど、ここでトラピーズ・マジシャンの効果」
「え?」
「トラピーズ・マジシャンがモンスターゾーンにいる限り、トラピーズ・マジシャンの攻撃力以下の自分が受ける戦闘と効果ダメージを0にできるんだ」
「!そんな効果が…」
「そういうことで、ダメージは0。いやー、でも結構危なかったかな…さてそれじゃあ、墓地のダメージ・ジャグラーの効果!メインフェイズにこのカードを除外することで、デッキから
「!ライトロード…」
ライトロード・マジシャン ライラ ATK 1700
「?どうかしたの?」
「あ、いや…知り合いに、ライトロード使ってる人がいて…」
「なるほど。それじゃあライラの効果。このカードを守備表示にして、相手のマジック、トラップを1枚破壊する。ということで、右のほうのカード、破壊させてもらうよ」
ライラ ATK 1700 → DEF 800
ライラが守備表示になり、その杖から光が放たれ、遊矢のセットカード1枚を貫く。
破壊されたカード
「くっ…」
「それじゃあ自分フィールドにモンスターが2体以上存在することで、手札から
フィールドに現れたのは…とんがり帽子にメガネ、マント、白い手袋…のみのモンスター。…それらだけでできているモンスターだ。
「それじゃあレベル4のハットトリッカーとライラでオーバーレイ!エクシーズ召喚!聖なる光で舞台を照らす可憐なる乙女!ランク4、ライトロード・セイント ミネルバ!」
ハットトリッカーが黒い光に、ライラが黄色い光に変わり、穴の中へと飛び込む。そして現れたのは…白いローブに翼、杖を持つ少女。肩にはフクロウが停まっている。
ライトロード・セイント ミネルバ ATK 2000
「ライトロード・セイント ミネルバの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、デッキの上からカードを3枚墓地へ送り、その中にあるライトロードの数だけ、デッキからカードをドローする!ということで、3枚を墓地へ!」
墓地へ送られたカード
ライトロード・アーチャー フェリス
ソーラー・エクスチェンジ
「1枚以外は、ライトロードのカード…」
「ボクのデッキには、ライトロードのギミックも組み込んであるんだ。それじゃあ1枚ドローして、墓地へ送られた
ライトロード・アーチャー フェリス DEF 2000
フィールドに現れたのは、フェリスと、小さな玉に片手で乗るピエル。…このトリック・クラウンはかなり厄介であることは、間違いない。
「またレベル4が、2体…」
「さらにフェリスの効果!このカードをリリースし、相手フィールドのモンスター1体を破壊して、その後、デッキの上からカードを3枚墓地へ送る。ソード・フィッシュを破壊!」
「!ソード・フィッシュ!!」
アーチャー フェリスが、自慢の弓矢でソード・フィッシュを狙い撃ち、破壊。そして自らも消える。
墓地へ送られたカード
トリック・ボックス
光の援軍
「うーんよくはないかな…トリピード・マジシャンの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使い、フィールドのモンスター1体はこのターンのバトルフェイズ、2回攻撃できる!この効果で、ライトロード・セイント ミネルバを選択!」
「に、2回攻撃!?」
「さあバトル!まずはトリック・クラウンで、ダイレクトアタック!」
トリック・クラウンが華麗にバランスを取りながら遊矢に迫る…が。
「ならトラップ発動!ピンポイント・ガード!相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、墓地のレベル4以下のモンスターを、守備表示で特殊召喚します!墓地のソード・フィッシュを特殊召喚!そしてソード・フィッシュの効果!」
トリック・クラウンの前にソード・フィッシュが現れ再び分身、デニスのフィールドのモンスター全てへと突撃し、その力を弱める。
ライトロード・セイント ミネルバ ATK 2000→1400
「!でも、攻撃は止めないよ!」
「ピンポイント・ガードの効果で特殊召喚されたモンスターは、戦闘、及びカードの効果では破壊されない!」
「うーん、これ以上は無理か…バトルフェイズ終了時にトラピーズ・マジシャンの効果によりミネルバは破壊される。ここでミネルバは退場だ。ありがとう、そしてごめんね」
トラピーズ・マジシャンの効果により、光になって消えていくミネルバ。さり気なくデニスに手を振る。
「それじゃあちょっとバスターイム。永続魔法、バリア・バブルを発動!自分の
「!戦闘破壊できなくなる上に、ダメージも0…」
「それでは、一応トラピーズ・マジシャンを守備表示にして、ターンエンド」
デニス 手札1 LP 3500
モンスター
魔法・罠 永続魔法「バリア・バブル」×1
「…オレのターン、ドロー!行くぞ…オレはスケール11の
光の柱が2つ現れ、片方に紫の結晶が、もう片方には胸がドラム、肩にシンバル、手がオレンジのボール状になっているゴリラが昇ってきた。パープルソードの下に11、ドラミング・コングの下には2の数字が浮かび上がる。
「お、来たねペンデュラム!」
「では参ります!揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!来い、オレのモンスター達!レベル7、雄々しくも美しく輝く二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!手札からレベル4、
光の柱の間に巨大な振り子が現れ、それが揺れる。そして上に穴が開き、そこから光が落ちてくる。そして光はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと、小さな振り子を持つシルクハットを被った男性が現れた。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK 2500
「ワーオ!やっぱりすごいねペンデュラム!」
「ペンデュラム・マジシャンの、モンスター効果発動!このカードが特殊召喚に成功したとき、自分フィールドのカードを2枚まで破壊して、破壊した枚数分、デッキから
「うわー、攻撃力が3ケタまで下がっちゃった…」
「それではペンデュラム・マジシャンの効果で、パープル・ソードとペンデュラム・マジシャンを破壊し、デッキから
ソード・フィッシュが消え、代わりに現れたのは赤いスーツを着て仮面をつけたモンスター。上半身こそ人であるが、下半身は青い結晶だ。
「ではスライハンド・マジシャンの効果!手札を1枚墓地へ送り、相手フィールドの表側のカード1枚を破壊します!この効果で、バリア・バブルを破壊!」
「うわ!あちゃー…お、ラッキー」
スライハンド・マジシャンの持つ杖から雷が放たれ、容赦なくバリア・バブルが破壊される。…ついでにアクションカードを見つけたデニス。
「バトル!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、
「おっとストップ。ボクは手札からアクションマジック、回避を発動!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃を無効にするよ!」
「でもスライハンド・マジシャンの攻撃は止められない!スライハンド・マジシャンで、トリック・クラウンを攻撃!そしてこの瞬間、ドラミングコングのペンデュラム効果!スライハンド・マジシャンの攻撃力を、600ポイントアップする!」
「うわあっとっと!」
デニス LP 3500→800
「これでターンエンド。バトルフェイズが終了したことで、スライハンド・マジシャンの攻撃力は、元に戻る」
遊矢 手札0 LP 2500
モンスター オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×1(攻)、
魔法・罠 なし
Pゾーン
「ふぅ。それじゃあボクのターン、ドロー!…うん。中々だ」
「?なんだ…」
「それじゃあ手札から魔法カード、エクシーズ・シフトを発動!このカードは自分フィールドのエクシーズモンスターを、同じ種族、属性、ランクの別のエクシーズモンスターへと変える!では…3、2、1!トラピーズ・マジシャン!」
トラピーズ・マジシャンが布に覆われる。中でもぞもぞ動いている。…そして数秒で、布がバッと投げられる。…トラピーズ・マジシャンは、操り人形を操るピエロのような恰好をした人形遣いに変わっていた。
「トラピーズ・マジシャンを、チェンジ!さあ出番だよ、人形師ドール・マイスターへと変える!
「エクシーズ召喚をしないで、別のエクシーズモンスターを呼び出した…」
レベル4の魔法使い族モンスター×3
「
①1ターンに1度、このカードのX素材を1つ使い、自分の墓地に存在するレベル4以下の「
②1ターンに1度、自分フィールドのこのカード以外の「
③このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、発動できる。次の自分のスタンバイフェイズまで、自分は戦闘及び効果ダメージを受けない。
「そしてエクシーズ・シフトはこの効果で特殊召喚したモンスターのオーバーレイ・ユニットになる。そしてドール・マイスターの効果発動!このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使い、墓地のレベル4以下の
ドール・マイスターがフィールドに現れた穴に糸を垂らす。そして糸を引き上げトリック・クラウンが現れる。
「そしてドール・マイスターの効果発動!自分フィールドの
「!スライハンド・マジシャン!」
ドール・マイスターの指から糸が放たれ、スライハンド・マジシャンの体に張り付き、その糸は指から離れ、地面に固定され身動きがとれない。
「バトル!
「!くっ…ですがここから!墓地の
遊矢 LP 2500→1700
ドール・マイスターが鋭い糸を放ちスライハンド・マジシャンを貫こうとする…が、それはスライハンド・マジシャンの前に現れた半透明のジンライノによって弾かれ、ジンライノは消える。
「あー、なるほど…うーん…それじゃあターンエンド。エンドフェイズにエクシーズ・シフトの効果で特殊召喚されたモンスターは、エンドフェイズに墓地へ送られる。…でも、ただじゃ墓地へ送られないよ」
「え?」
「墓地へ送られたドール・マイスターの効果!このカードが墓地へ送られた場合、次の自分のスタンバイフェイズまで、戦闘と効果ダメージを受けなくなる!」
「次のターンまで倒せないってことか…」
「これでエンタメデュエルはまだまだ続けられるってことだね」
デニス 手札1 LP 800
モンスター
魔法・罠 なし
「…まあ、そうだな。…それでは私のターン、ドロー!…さて…(…このスケールじゃあペンデュラム召喚は難しい、…けど、ちょうどいい!)手札からスケール4の
「!融合…そうくるかい」
デニスとは始めてあったばかりの遊矢はデニスのことをよく知らないため、彼の裏に隠れているものについては知らない。…が、それでもこの状況を偶然にも作り出す。
「様々な技術を持つ奇術師よ、眩き光となりて龍のまなこに宿らん!融合召喚!現れろ、秘術ふるいし魔天の龍、ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」
融合の渦の中にスライハンドとオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが入る。そしてルーンアイズがフィールドに姿を現す。
ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK 3000
「さあバトル!ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで、トリック・クラウンを攻撃!光輪のシャイニー・バースト!!」
「おっと…それじゃあトリック・クラウンのモンスター効果!破壊されたことで、墓地からトラピーズ・マジシャンを特殊召喚!」
「ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは、融合素材にした魔法使い族モンスターのレベルに応じて攻撃回数が変わります!融合素材にしたのはレベル7のスライハンド・マジシャン、この場合は3回モンスターに攻撃できます!ということでもう1度攻撃!連撃のシャイニー・バースト!」
「ごめん、トラピーズ・マジシャン…でもトラピーズ・マジシャンの効果!このカードは相手によって戦闘、もしくはカード効果で破壊されたら、デッキから
新たにフィールドに現れたのは、竹馬のように長い棒に乗ったモンスター。しっかりとバランスを取り、まったく落ちる気配がない。
「!…ターンエンド」
遊矢 手札0 LP 1700
モンスター ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×1(攻)
魔法・罠 なし
Pゾーン EMドラミング・コング(2)、EMトランプ・ウィッチ(4)
「それじゃあボクのターン、ドロー!…うん、いいカード。ボクはスティルツ・シューターをリリース!
スティルツ・シューターが消え、代わりに現れたのは何やらカラフルですごくハデな恰好をしたピエロ。手にはステッキ、シルクハットはビックリ箱のようにバネがついていて顔が飛び出している。
「それではサプライズ・イリュージョナーの…サプラーイズ!サプライズ・イリュージョナーは召喚に成功したとき、墓地のサプライズ・イリュージョナー以外の
「
①このモンスターが召喚に成功した場合、自分の墓地の「
②このモンスターが特殊召喚に成功した場合、発動できる。自分の除外されている「
サプライズ・イリュージョナーが自分のシルクハットを手に持ち、ステッキで軽く叩くと、明らかに質量を無視してトリック・クラウンが飛び出してきた。
「なるほど…でもレベル5とレベル4、それじゃあエクシーズはできない!」
「大丈夫大丈夫、問題ないよ。自分フィールドにモンスターが2体以上存在することで、
「レベル4が2体…」
「ノンノン…レベル5が、3体になるよ。墓地の
「!ということは…」
「
①自分が効果ダメージを受けた場合、発動できる。墓地からこのカードを特殊召喚する。
②墓地のこのカードをゲームから除外することで発動できる。自分フィールドのレベル4以下の表側のモンスター全てのレベルを、1つ上げる。
何やら巨大な手が2つ現れると、トリック・クラウンとハットトリッカーに包まれる。…そして解放される。特に変化はない。
「それじゃあ行くよ!ボクはレベル5のサプライズ・イリュージョナーとトリック・クラウン、ハットトリッカーでオーバーレイ!3体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!降りたて魔界の芸術家!エクシーズ召喚!」
フィールドに現れた穴の中にトリック・クラウンが黄色、ハットトリッカーが黒、サプライズ・イリュージョナーが紫の光になり飛び込む。そしてそこから現れたのは…影。だがそれが立ち上がり…帽子、仮面、蝶ネクタイをつけ、手には大きなハサミを持つモンスターが現れる。
「ランク5、
「攻撃力2600…(でもデニスはさっき、アクションカードを拾った。…そのカードによっては…)」
「さあそれじゃあ、シャドー・メイカーの力を発揮してみようか!ボクは手札からアクションマジック、ターザンアタックを発動!このターンの終わりまで、ボクのモンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
ターザンアタック アクション魔法
①自分フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターの攻撃力を、このターンの終わりまで1000ポイントアップさせる。
「さらにシャドー・メイカーの効果発動!このカードがカード効果の対象になったら、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、エクストラデッキからシャドー・メイカー1体を特殊召喚できる!」
「え?!またエクシーズ召喚せずにエクシーズモンスターを!?(黒咲がRUMってカードを使ってたけど、他にもいろいろあるのか…)」
「まあ、いろいろあるってことだよ。ということで、カモン!シャドー・メイカー!」
レベル5の魔法使い族モンスター×3
①このカードがカードの効果の対象になった場合、1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ使うことで発動できる。自分のエクストラデッキから「
シャドー・メイカーが自身の影を切り取る。するとその影はもう1体のシャドー・メイカーへと変わった。なお、切り取った部分は影だからか、すぐに再生した。
「!シャドー・メイカー2体…」
「さあバトル!攻撃力のあがったシャドー・メイカーで、ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!」
「ドラミング・コングのペンデュラム効果!ルーンアイズの攻撃力を、600ポイントアップさせる」
ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK 3000→3600
「それじゃあ相打ちだ!」
「っとっと…アクションカード…」
ルーンアイズはシャドー・メイカーの持つハサミにより真っ二つに切られ、シャドー・メイカーはルーンアイズの放つ光線によって破壊される。なお、ルーンアイズは光線を放った直後に紙のように薄くなり、その上で真っ二つに着られた。
「さて、これが通ればボクの勝ち。もう1体のシャドー・メイカーで、ダイレクトアタック!」
「いいやまだまだ!アクションマジック、大地の恵み!自分のライフを500ポイント回復し、このターン受ける戦闘ダメージを半分にする!くっ…」
大地の恵み アクション魔法
①自分のライフを500ポイント回復する。この効果を発動したターン、自分が受ける戦闘ダメージは半分になる。
遊矢 LP 1500→2000→700
「いいねいいね!そう来なくっちゃ!ボクはこれでターンエンド!そしてこの瞬間、ターザンアタックの効果は終了、シャドー・メイカーの攻撃力は元に戻る」
デニス 手札0 LP 800
モンスター
魔法・罠 なし
「行くぞ…オレのターン、ドロー!……あ」
「ん?どうかしたのかい?」
「…い、いや、な、なんでもない…(ど、どうしよう…こんな状況で……エンタメ・バンド・ハリケーン…)」
エンタメ・バンド・ハリケーン、自分フィールドのエンタメイトの数だけ相手フィールドのカードを手札に戻す、強力な除去カードの1枚だ。ペンデュラム召喚によって大量展開した後にこのカードを使えば相手フィールドのカードも大量にバウンス可能…だが、手札はこれだけ、ペンデュラムはできそうにない、アクションカードは…近くには、見えない。
「(…よし、ここはもう、最後の最後までがんばるしかない…)カードを1枚伏せて、ターン、エンド」
遊矢 手札0 LP 700
モンスター なし
魔法・罠 セットカード×1
Pゾーン
「…あれ?…セットカードだけ?」
「ああ。さあどうくるデニス!」
「じゃあボクのターン、ドロー。…うーん、そうだね…バトル!シャドー・メイカーでダイレクトアタック!」
「…やっぱりそうくるよな…」
遊矢 LP 700→0
シャドー・メイカーの攻撃により遊矢のライフは、0になった。
「うん、ボクの勝ち!いやー結構危なかった。そういえば、セットカードってなんだったの?」
「あの状況じゃあ使えないカード。オレのフィールドにモンスターがいないと使えないカードだったんだ」
「そうだったのか…」
「まあ、とりあえず…はい、
「うん、ありがとう」
デニス「ということでボクの出番だったけどみんなどうだったかな?」
黒咲「貴様など、出る必要はない」
デニス「いやそれちょっとひどくない?アニメのほうはともかく、こっちのほうはまだボクの正体バレてないからね?いくらここが楽屋裏的なところだからってあり?」
黒咲「カード化されないだけありがたいと思え」
まあまあ2人とも落ち着いて落ち着いて
黒咲「落ち着けるか!!」
とにかく落ち着いて。…じゃあとっとと始めちゃおう今日の全力!デュエル塾!今回のキーカードは…
Emトラピーズ・マジシャン 魔法使い族・効果/エクシーズ ランク4 光属性 AT2500 DEF 2000
魔法使い族レベル4モンスター×2
①このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分はこのカードの攻撃力以下の戦闘・効果ダメージを受けない。
②自分・相手のメインフェイズ1に1度、このカードのX素材を1つ取り除き、このカード以外のフィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターンそのモンスターは2回攻撃でき、バトルフェイズ終了時に破壊される。
③このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「Em」モンスター1体を特殊召喚する。
デニス「ショーマストゴーオン!!天空の奇術師よ、華やかに舞台を駆け巡れ!Emトラピーズ・マジシャン!ボクのエースモンスターさ」
黒咲「攻撃力以下の戦闘と効果ダメージをシャットダウンする防御効果、オーバーレイ・ユニットを1つ使い、自身以外に2回攻撃を可能とさせる代わりにバトルフェイズ終了時に自壊させる攻撃効果、そして破壊されたらデッキからEmをリクルートする展開効果、この3つを同時に兼ね備えた珍しいモンスターだ」
確かに珍しい。どれか2つまでぐらいならもっとあるかもしれないけど、3つ全部はこれ以外ないか少ないだろうな…。
デニス「Emには意外と効果ダメージを自分に与えるモンスターがいるからね、こういう効果は頼もしいよ」
黒咲「だが他人に2回攻撃を任せる他人任せなのは好きになれないな」
デニス「おっと、その効果をただの他人任せな効果と評価するのはいただけないね…この効果は相手ターンにも使えるから、うまく使えば相手モンスターを破壊してこっちの被害を最小限に抑えることができるんだ」
それに破壊されたら後続を呼ぶから防御力高いな
黒咲「ちっ…使いやすい効果を持つが、素材はレベル4の魔法使い族2体、召喚のしやすさでいえばあまりしやすいほうとは言えないだろうな、一部例外を除いて」
デニス「それ言ったら君のRRもそうだと思うけどね。…そんな目しないでよ」
ああほら喧嘩しない喧嘩しない。それじゃあ今回はここまで
黒咲「なっ、こ、こら離せ!」
デニス「お、サンキュー。えーっと何々…ある意味師弟対決!弟子の弟子はつまり弟子…?…何これ」