遊戯王ＡＲＣ－Ｖ 光紡ぐ意思

第２３話 融合次元

どうも、シューティング☆です。更新サボってすみません…そしてアニメは、長いシンクロ次元編が終わり、エクシーズ次元編突入。…長かった、長かった。


そしてこの小説のシンクロ次元編も長くなりそうと構想段階からそう思えます。



それでは、どうぞ。

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時間は少し巻戻り、零児とバレットとのデュエルが始まったとき…それと同時に同時に始まったもう１つのデュエル…。南…こと、南香　対　セレナのデュエル。

香　ＬＰ　８０００

セレナ　ＬＰ　８０００

「…では私のターン。私はカードを２枚セット、そして手札からクリバンデットを召喚」

クリバンデット　ＡＴＫ　１０００

フィールドに現れたクリバンデット。…早々に現れたこのモンスターを見て、セレナは眉をひそめる。

「早々にクリバンデット…仕方ない」

「では、ターンエンド。エンドフェイズ、クリバンデットの効果発動。このカードをリリースし、デッキの上から５枚を捲ります」

捲られたカード

融合

月光紅狐(ムーンライト･クリムゾン･フォックス)

月光紫蝶(ムーンライト･パープル･バタフライ)

月光白兎(ムーンライト･ホワイト･ラビット)

月光狼(ムーンライト･ウルフ)

「では融合をて「なっ！？む、ムーンライトだと！？」…融合を手札に加えます」

香　手札４（融合）　ＬＰ　８０００

モンスター　なし

魔法･罠　セットカード×２

「くっ…まさかムーンライトの使い手が他にいるとは…私のターン、ドロー！…だが、同じデッキの使い手でも、私のほうが強い！私は手札から魔法カード、融合を発動！手札の月光紅狐(ムーンライト･クリムゾン･フォックス)と月光紫蝶(ムーンライト･パープル･バタフライ)を融合！数多を化かす赤き獣よ、紫の毒持つ蝶よ、月の引力により渦巻きて、新たな力と生まれ変わらん！融合召喚！現れ出でよ、月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)！」

融合の渦に、赤い女の狐の獣人と、パープル･バタフライが入り、渦からキャット･ダンサーが現れる。

月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)　ＡＴＫ　２５００

「さらに墓地のパープル･バタフタイの効果発動！このカードを除外し、手札のムーンライト１体を特殊召喚する！現れろ、月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)！そしてブルー･キャットの効果発動！自分フィールドのムーンライトの攻撃力を、２倍にする！キャット･ダンサーの攻撃力を、２倍に！」

月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)　ＡＴＫ　１６００

月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)　ＡＴＫ　２５００→５０００

セレナのフィールドにブルー･キャットが現れ、キャット･ダンサーの攻撃力を大幅にあげる。…攻撃力５０００、圧倒的だ。

「バトルだ！いけ、キャット･ダンサー！フルムーン･クラスター！！そしてキャット･ダンサーの効果で１００ポイントのダメージだ！」

「残念ながら、簡単に通すわけにはいきません。永続トラップ、リビングデッドの呼び声を発動。墓地のブルー･キャットを特殊召喚。ブルー･キャットの効果でブルー･キャットの攻撃力を２倍にしたいところですが、それは制限により叶わないので、使いません」

香　ＬＰ　８０００→７９００

月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)　ＡＴＫ　１６００

「ふん、ならブルー･キャットを攻撃だ！フルムーン･クラスター！」

「！くうぅぅっ！」

「南さん！」

香　ＬＰ　７９００→４５００

強い衝撃が南に襲い掛かる。これほどのダメージを受ける機会は早々あっても困るのが事実。…ムーンライトの場合、こんなダメージがヘタをすれば２回以上飛んで来る。

「ブルー･キャットの効果にチェーンしトラップ発動！月光輪廻舞踊(ムーンライト･リンカーネーション･ダンス)！自分フィールドのモンスターが破壊されたとき、デッキからムーンライトモンスター２体を手札に加えます。デッキから月光狼(ムーンライト･ウルフ)、月光黒羊(ムーンライト･ブラック･シープ)を手札に加え、ブルー･キャットの効果でブルー･キャットを特殊召喚！」

月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)　ＡＴＫ　１６００

「（ブルー･キャットとブルー･キャットでバトルしてもいいが…あまりメリットがあるとは、言えないな…）私はこれで、ターンエンドだ」

セレナ　手札２　ＬＰ　８０００

モンスター　月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)×１（攻）、月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)×１（攻）

魔法･罠　なし

「南さん、大丈夫ですか？」

「…大丈夫です。衝撃は大きかったですが、問題はありません。それに…このターンで、決めるつもりですから」

「なんだと？」

「では私のターン、ドロー。…手札からスケール５の月光虎(ムーンライト･タイガー)と竜剣士ラスターＰを、ペンデュラムゾーンにセッティング」

「！？私の知らない…ムーンライト…だと？」

香のフィールドに光の柱が２つ現れ、その中に、片方には虎の少女の獣人、もう片方にはラスターＰが昇ってきた。

「では、月光虎(ムーンライト･タイガー)のペンデュラム効果。１ターンに１度、自分の墓地の月光(ムーンライト)１体を、効果を無効にして特殊召喚する。この効果で墓地から月光紅狐(ムーンライト･クリムゾン･フォックス)を特殊召喚」

「！蘇生効果…」

月光紅狐(ムーンライト･クリムゾン･フォックス)　ＤＥＦ　６００

「さらにラスターＰのペンデュラム効果。もう片方の自分のペンデュラムゾーンのカードを破壊し、デッキからそれと同名のカードを手札に加えます。この効果で月光虎(ムーンライト･タイガー)を破壊し、月光虎(ムーンライト･タイガー)を手札に加え、月光虎(ムーンライト･タイガー)のモンスター効果。このカードがフィールドで戦闘、効果で破壊された場合、墓地の月光(ムーンライト)１体を特殊召喚します。墓地の月光狼(ムーンライト･ウルフ)を特殊召喚」

月光狼(ムーンライト･ウルフ)　ＡＴＫ　２０００

フィールドに現れる紅狐と、狼の女の獣人。ウルフのほうは、なんだか遊華が見たら睨みつけそうだ。

「また私の知らないムーンライト…」

「破壊されたペンデュラムカードは、エクストラデッキに表側で送られます。では、再び月光虎(ムーンライト･タイガー)をペンデュラムゾーンにセッティング」

とりあえず…ムーンライト･タイガーのモンスター効果考えたヤツ誰だ、ヒグルミで学習しろ。

「さらに手札から魔法カード、サイクロンを発動。その効果で…ラスターＰを破壊」

「自分のカードを破壊だと…何を意味のない行為を」

「ええ…ちょうどいいカードがなかったので、今回は代用です。では…手札からスケール１の月光狼(ムーンライト･ウルフ)を、ペンデュラムゾーンにセッティング」

消えた光の柱が再び現れ、その中にムーンライト･ウルフが昇ってくる。

「これにより私は、レベル２から４のムーンライトを同時に召喚可能となりました」

「どういうことだ？」

「今私のペンデュラムゾーンには、スケール５のムーンライト･タイガー、スケール１のムーンライト･ウルフが存在します。１と５の間は、２、３、４、つまりこれらが今１体以上を同時に召喚可能。これをペンデュラム召喚と言います。もっとも制限により、ムーンライト以外をペンデュラム召喚はできません」

「…よ、よく分からない…」

「そしてペンデュラム召喚は、エクストラデッキに表側で存在するペンデュラムモンスターも、ペンデュラム召喚時に呼び出せます。ではさっさと済ませましょう。ペンデュラム召喚！エクストラデッキから、月光虎(ムーンライト･タイガー)を特殊召喚！」

月光虎(ムーンライト･タイガー)　ＤＥＦ　８００

「融合を使わず、エクストラデッキからもモンスターを特殊召喚だと…」

「ええ。では手札から魔法カード、融合を発動。フィールドのムーンライト･タイガー、クリムゾン･フォックスの２体を融合。融合召喚！月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)！」

融合の渦の中に、ムーンライト･タイガー、クリムゾン･フォックスの２体が入り、キャット･ダンサーが現れる。

月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)　ＡＴＫ　２５００

「そしてクリムゾン･フォックスの効果。キャット･ダンサーの攻撃力を０にします」

「キャット･ダンサーまでも使うのか！だがそれは対象を取る効果！こちらは墓地のクリムゾン･フォックスの効果！自分フィールドのムーンライト１体を対象にするカード効果を無効にし破壊！そして互いのライフを１０００ポイント回復させる！」

「少し嬉しいですね」

香　ＬＰ　４５００→５５００

セレナ　ＬＰ　８０００→９０００

「では、手札の月光黒羊(ムーンライト･ブラック･シープ)の効果発動。このカードを墓地へ送り、デッキから融合、もしくは墓地から同名以外のムーンライト１体を手札に加えます。この効果でデッキから融合を手札に加え、さらに手札から月光白兎(ムーンライト･ホワイト･ラビット)を召喚。ホワイト･ラビットのモンスター効果。墓地のブラック･シープを特殊召喚します」

「ま、まだモンスターを呼ぶというのか」

月光白兎(ムーンライト･ホワイト･ラビット)　ＡＴＫ　８００

月光黒羊(ムーンライト･ブラック･シープ)　ＤＥＦ　６００

香のフィールドに現れるホワイト･ラビットと羊の女の獣人。…この２枚はセットで使えば中々の強さを誇る。そして黒羊はさらに言えば、ムーンライト･タイガーともいい相性だ。

「では手札から魔法カード、融合を発動。フィールドの黒羊と舞猫姫を融合。融合召喚！月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)！」

キャット･ダンサー、ブラック･シープの２体が融合の渦に入り、現れるパンサー･ダンサー。さあ次は…。

月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)　ＡＴＫ　２８００

「今度はパンサー･ダンサー…くっ…」

「そしてブラック･シープのモンスター効果。墓地のブルー･キャットを手札に。さらに魔法カード、ダーク･バーストを発動。墓地のブラック･シープを手札に加え、ブラック･シープを墓地へ送りデッキから融合を手札に」

「また融合…！まさか…」

「その前に一手間…ムーンライト･タイガーのペンデュラム効果。墓地のクリムゾン･フォックスを特殊召喚します」

月光紅狐(ムーンライト･クリムゾン･フォックス)　ＤＥＦ　６００

再び現れた、現れてしまったモンスター、クリムゾン･フォックス。…そして手札には…融合。

「！またクリムゾン･フォックス…」

「では、手札から魔法カード、融合を発動。フィールドのパンサー･ダンサー、ホワイト･ラビット、クリムゾン･フォックスを融合。融合召喚！月光舞獅子姫(ムーンライト･ライオ･ダンサー)！！」

「１ターンで、キャット･ダンサー、パンサー･ダンサー、ライオ･ダンサーの３体を融合召喚しただと…！」

パンサー･ダンサー、クリムゾン･フォックス、ホワイト･ラビットが渦に入り、現れたのは…これまた露出度の高い衣装を纏い、頭にはムーンライトのうち何体かがつけている仮面の一部をつけた、紫色の肌をした獅子の女の獣人。その手に持つ剣が鋭い光を放つ。

月光舞獅子姫(ムーンライト･ライオ･ダンサー)　ＡＴＫ　３５００

「…１ターンでライオ･ダンサーまで繋げるとは…」

「もっと少ないカード消費でも呼び出せる方法はありますよ。…では、融合素材としたクリムゾン･フォックスの効果。キャット･ダンサーの攻撃力を０に」

「っ！く…」

月光舞猫姫(ムーンライト･キャット･ダンサー)　ＡＴＫ　２５００→０

「さらに、月光狼(ムーンライト･ウルフ)のペンデュラム効果！フィールド、墓地のモンスターを除外し、それらを素材にムーンライト融合モンスター１体を融合召喚する。墓地のキャット･ダンサー、ホワイト･ラビットをゲームから除外、融合召喚！月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)！」

「なんだと？！」

容赦なく再び現れるパンサー･ダンサー。…確実に、１キルできる状況ができつつある。

月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)　ＡＴＫ　２８００

「では墓地のパープル･バタフライの効果。手札のブルー･キャットを特殊召喚します。そしてブルー･キャットの効果で、パンサー･ダンサーの攻撃力を２倍に」

「！！…」

月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)　ＡＴＫ　１６００

月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)　ＡＴＫ　２８００→５６００

確実に殺意マンマンのフィールドが出来上がった。そう、容易く１キルできるフィールドが揃った。

「では、パンサー･ダンサーの効果発動。これによりこのターン、パンサー･ダンサーは相手フィールドの全てのモンスターに２回ずつ攻撃可能となり、相手モンスターは１ターンに１度、戦闘では破壊されなくなります」

「…やるならや」

「ではバトル。パンサー･ダンサーで、キャット･ダンサーを２回攻撃」

香　ＬＰ　５５００→５４００→５３００

セレナ　ＬＰ　９０００→４２００→－６００

「ぐっ…うわあああああ！！」

キャット･ダンサーの効果が発動するが、ダメージとしてはまったく意味のない数値のダメージであるためまったく気にしない南。そして容赦のないパンサー･ダンサーの攻撃がキャット･ダンサーに炸裂し、セレナのライフを０にした…が

「続けてパンサー･ダンサーで、ブルー･キャットを攻撃」

「！なん…だ…！きゃあああ！！」

セレナ　ＬＰ　－６００→－５４００→－１０２００

「うう…や、やめ…」

「パンサー･ダンサーは自身の効果で攻撃力を２００ポイントアップさせ、次にブルー･キャットで、キャット･ダンサーを攻撃」

「！あぐぅ…」

月光舞豹姫(ムーンライト･パンサー･ダンサー)　ＡＴＫ　４８００→５０００

香　ＬＰ　５３００→５２００

セレナ　ＬＰ　－１０２００→－１１８００

「…あ、え、えっと南さん、もう決着はついて」

「続けてライオ･ダンサーで、キャット･ダンサーを攻撃」

「！あぐああ！！」

香　ＬＰ　５２００→５１００

セレナ　ＬＰ　－１１８００→－１５３００

「ライオ･ダンサーの効果。このカードがモンスターを攻撃したダメージステップ終了時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊します。これにより、キャット･ダンサーを破壊。そしてライオ･ダンサーで」

「ストップストップストップストップ！！！やめてください南さんダメですこれ以上は！死んでしまいますよいくらなんでも！！」

「…………そう…ですね。…お仕置きは、このぐらいで十分でしょう」

…いともたやすく行われた、えげつない行為…ダメージ、１枚を超えるオーバーキル。それもただでさえ１回を除いて１撃１撃が３０００以上。それによりセレナは…意識を失っていた。

「十分って…やり過ぎですよ…」

「とりあえず、彼女を保護するとして…社長は…まだ終わっていないようですね」

「だ、大丈夫でしょうか」

「状況は…………問題はないと思います。現在、社長は相手を圧倒している状況です…あ、ターンが社長に移りました。このターンで決まりですね」

そして南がセレナをお姫様抱っこした間に、零児はバレットを倒した。

「ぬおおおおおおおお！！！！！」

「…社長、お疲れ様です。意外とかかりましたね」

「相手は中々の手練れだった…まあ、少し手間取ったのは事実だ。そちらは私よりも早く終わっていたようだが…」

「相手ターンも含め３ターン、１ターンキルに特化したデッキだったので、準備さえ整えば問題ないです」

「…………なるほどな」

…全てを知らないほうがきっと、幸せだろう。…何やら零児がセレナに申し訳ないというような視線を向けているような気もするが…気のせい…だと思う。だがそうしている間にバレットは…。

「ぐ…本来ならば、このような手段をするつもりはなかったが…止むを得ん」

「何…」

倒れているバレットがディスクを操作した。…すると、バレットのディスクが赤く点滅し始める。

「これで私はアカデミアへと強制送還される。セレナ様と共に帰れないのが残念だが…手土産は、十分だ」

「なんだと」

そう言った零児を見て、不吉な笑みを浮かべるバレット。そしてバレットは、アカデミアへと強制送還されていった。

「…手土産…」

「いったい何をして手土産となるのかは分かりませんが…今は、この子を医務室に」

「ああ…それに、あの男が強制送還されたとなると、アカデミアが明日にも、セレナを連れ戻しに来るかもしれない。対策を立てる必要がある」

「ええ…」

…そして数時間後、舞網チャンピオンシップのジュニアユース２回戦が終了し、ユース選手権のベスト８が出そろった。そしてこの数時間の間に、対アカデミアへの対抗手段の案は、出ていた。…それは…。

「…なるほど、ジュニアユース選手権を、３回戦からはサバイバルにする…と」

「はい。アカデミアがどれほどの戦力で来るかは分かりませんが、数は多い方がいいでしょう（…デュエリストとしては、やはり心苦しいな…）」

「そしてそこには、ユース選手権ベスト８の８人も、アカデミアを確認でき次第投入、アカデミアの迎撃に当たらせる…とてもいい作戦だと思いますよ零児さん」

社長室には現在、零児とその母、日美香に加え、零奈と南、後黒咲がいる。

「それでユースのベスト８のほうに連絡は？」

「ＬＤＳ所属の木葉純一、加藤義正、鬼童輪助、並びに遊勝塾のユーキ、梁山泊塾の東堂葉佩、霧隠れ料理スクールの天道貴作、海野占い塾の青衣幹樹、そして南雲玉砕塾という塾のイーリス･イーリヤと連絡がとれ、こちらに向かうよう伝え、本人、塾共に了承をとってあります」

「さすが零児さん、対応が早いですね」

ユース選手権ベスト８、全員に連絡してここレオ･コーポレーションに来るよう伝えてある。後は到着次第中島の案内でここに来る。…そして１時間もすれば全員が揃う…はず…だったのだが…

「…零児さん、今いないのは誰ですか？」

「…天道貴作と…イーリス･イーリヤです」

「社長さんに理事長さーん、オレらはいつまで待てばいいんですかー」

２時間経過して６名が揃った。ＬＤＳ所属の３名はすぐに、続けてユーキが、その次に葉佩、さらにその５名よりも遅れて青衣幹樹が到着した…が、残りの２人が来ない。現在いる５人の中で遅れてきた藍色の髪の少年、青衣幹樹が文句を言う。なお、黒咲に関してはただ今席を外している。なんでもここで待っているよりはマシだ、とのこと。

「この中では一番遅くに来たお主に、それを言う権利はないと思うでござる」

「そうかもしれないけどよぉ、さすがにここまで待つなんてな～」

「お前以外はもっと待ってることを忘れるなよな」

「ま、まあまあ落ち着いて…」

社長室とはいえ待ち過ぎてイライラが溜まってきているみんな。…デュエルをしたいところだがユース選手権のベスト８、今度戦うかもしれない相手に簡単にデッキを見せるような真似はしたくない。…いつイライラが爆発するか分からないところで…。

「失礼します！やっと、やっと来ました！天道貴作と、イーリス･イーリヤ！」

「…２人に遅いとは？」

「とっくに言っています！」

中島さんが来た。そしてその中島さんの後から、銀色の髪にコートを着た少年と、金髪赤眼で完全に白人系外国人の顔の少女が来た。

「ここがレオ･コーポレーションの社長ルームデースカー！」

「家で料理を作っていたら遅れた」

…天道貴作と、イーリス･イーリヤ。大幅に遅れてきたこの２人の姿を見て、２人を除くそこにいる全員は…

「「「「「「「「「「「遅い！！！」」」」」」」」」」」

「うわあ！サプラーイズ…」

「…すみませんでした」

一斉に言う。こう言われても仕方ないぐらい遅れている。だが怒っても話しが進むわけではないため…

「…散々待たせて申し訳ない。ではさっそく君たちにここへ集まってもらった理由について、説明しよう。実は…」

そして零児、時折日美香や零奈が説明をする。ここに集まってもらった理由、そして何をしてもらいたいか、などを。その途中で黒咲が社長室に入ってきた。

「アカデミア…」

「ああ。…とはいえ黒咲達エクシーズ次元からの情報によれば、ここスタンダードを格下に見ているという話しを聞いたそうだ。それにエクシーズ次元にもアカデミアと戦っているもの達がいる。そのことを考えると、こちらに大戦力を送るとは限らない」

「それにおそらく、アカデミアの目的はこちら側が保護したセレナという少女の奪還と、そのセレナによく似た柊柚子の確保と思われます」

「！柚子さんの！？」

同じ塾に所属するユーキは驚く。遊矢と同じ顔の人物がいるのは知っているが、柚子とよく似た人物がいるのは知らなかった。

「それで、オレ達にはそのアカデミアが出てきたらそいつらを倒せと？」

「断られても仕方ないことだと私は考えている。だがやってくれるならばそれなりのものを渡そう」

「それなりの…？」

「まずは君たちのデッキの強化に使えると思われるカードを５枚に絞った。それを提供しよう。そして正式にランサーズのメンバーになったのなら、キミたちにペンデュラムカードを渡そう。そして将来プロデュエリストになる場合、支援をしよう」

「！ペンデュラム…榊遊矢が最初に使った、あの」

「ああ。…君たちの意見は尊重しよう。この戦いに参加するかしないかは、自由だ」

全員、真剣な顔で悩む。…アカデミア、未知の力を持つ敵と戦うのだ。悩む

「やるやるやりマース！」

「オレも参加するか」

「…もう少し考えてみたらどうだ」

………イーリヤと幹樹の２人が速攻で答えを出した。あまり悩んでいる様子は見えなかった。

「要するに、デュエルして勝てばいい。そういうことだろ、社長さん」

「デュエルをウォーズに使う輩を許すわけにはいきまセーン！」

「…まあ、そうだが…」

「それにそこの…イーリヤだっけ？オレも気持ちは同じ。まあ、応戦するためにこっちもそうしなきゃまずいんだよな…それを終わらせるには、アカデミアをどうにかする必要がある。そうだろ？」

「ああ、そうだ。…だが、単純な話しでは」

「やること分かりゃ、オレはそれでいい」

「難しいよりイージーなのほうがいいデース」

…今の発言で、この２人はあまり頭がいいとは、言えないかもしれないと思う人は、結構いる。

「…アカデミアは、強いのか？」

「大多数は大したことはない。だがあいつらが得意とするのは数で攻めること。…数がもっと少なければ、オレ達レジスタンスもより被害を減らせた」

「ほとんどがザコか。…だが、強いヤツと戦う機会があるというなら…参加しても、いい」

「ふん、せいぜいやられないようにな」

「そこら辺のザコにも負けるようなら、オレはその程度のザコということだ」

黒咲に挑発されながらも、貴作も参加。そしてＬＤＳの３人が参加を表明。そして葉佩は、というと…

「悪は倒す。ただそれだけでござる」

「それはつまり参加ということか？」

「無論でござる」

悩みこそしたがあっさりと参加。…ユーキは…。

「…私は……やっぱり、デュエルを戦争の道具にするなんて、許せません。…でも、そのために私たちも戦争をするなんて…」

「そんな考えは早々に捨てておけ。アカデミアが本格的に攻めてくれば、どの道こちらもそういう手段を使うしかない」

「………避けるのは…難しそう、ですね…分かりました。やります」

「…君たちに、感謝する」

～～～　融合次元　アカデミア　～～～

対策会議をしている頃、融合次元のアカデミアでは…。

「…バレットの勝手な行いにより、セレナの逃亡を許したが、代わりにセレナ、そしてもう１人…スタンダード次元の柊柚子、その２人の居場所を感知できるようデュエルディスクに細工をしたと報告を受けた。そこで君達にはセレナ、そして柊柚子、見つけたほうの確保を任せる。やってくれるね、ユーリ…ユーハ」

「了解しました、プロフェッサー」

「ああ分かった。しかしスタンダード…あそこにはボク好みの強いヤツはいるかな…今から楽しみだ」

…頭に妙な機械を取り付けたハゲ…プロフェッサー、赤馬零王。そしてその前にいる２人の人物…もう片方は、遊矢ととても良く似た顔の、紫色の髪の人物、ユーリ。そしてもう１人は…黒い髪に紫の鋭い瞳を持つ…遊華に良く似た顔の少女、ユーハ。

「一応保険として、オベリスクフォース第３、第４小隊と紫雲院素良を派遣する」

「…ん？どうしてですかプロフェッサー。ボクの仕事なのに…」

プロフェッサーの言葉に対して質問をするユーリ。プロフェッサーの命は絶対…だが、少なからず疑問は持つ。そしてプロフェッサーの答えは…。

「今回は確実に来ることが知られている。エクシーズ次元のときはそもそも若干の混乱に乗じて、シンクロ次元のときは極秘に行ったが今回は違う。ユーリ、ユーハ、君達がいても確実に２人を確保できるかは分からない。それに…」

「それに？」

「定期的に報告があるとはいえ、今のスタンダードの強さを測るためにも、十分だ」

「なるほど。そこから今後の方針を決めるってことか」

「そうだ。…それとユーハ、頼まれていたものは出来上がった。気が向いたら第４研究開発室に行ってくれ」

「話しが終わったらすぐに行く」

いったい、何ができたのだろうか…すぐに行くと返事をしていたことから、より期待していたものだろうか…。

「…では準備ができ次第出発してくれ」

「はい」

「分かった」

そしてユーハとユーリは部屋を出た。…各々、準備を始める。

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零児「やり過ぎだ」

零奈「やり過ぎです」

すみませんでした調子乗りました…。

香「申し訳ありません、社長…」

零児「リアルソリッドヴィジョンを使用したデュエルでの死者はいないとはいえ、けが人は何人もいる。やり過ぎれば大変なことに繋がる。それを忘れるな」

はい…すみませんでした…。

香「はい…」

零児「では、始めよう全力　デュエル塾　を。今回のキーカードは…」


月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)　獣戦士族･効果　闇属性　星４　ＡＴＫ　１６００　ＤＥＦ　１２００
「月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)」の①の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①このカードが特殊召喚に成功した場合、
「月光蒼猫」以外の自分フィールドの「ムーンライト」モンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで元々の攻撃力の倍になる。
②フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
デッキから「ムーンライト」モンスター１体を特殊召喚する。


香「月光蒼猫(ムーンライト･ブルー･キャット)。ムーンライトの中でも最大火力を出すのに使われる１枚です」

零児「ムーンライト専用のリクルーターと、特殊召喚されたら同名モンスター以外のムーンライトの攻撃力を、元々の２倍にする効果。特にこの２倍にする効果はムーンライトにとっては重要な効果だろう」

ムーンライトは連続攻撃によってダメージを与え勝つタイプのデッキ。攻撃力２倍は重要になる。状況によっては１キルだって容易になる。

零奈「相手フィールドにトークンを生み出したり、相手フィールドにモンスターを特殊召喚するカードとの組み合わせ…特にナイトメア･デーモンズというカードとのコンボはこのカードをうまく使えますね」

香「ナイトメア･デーモンズはモンスター１体をリリースする必要があります。攻撃力を２倍にした後、ナイトメア･デーモンズを発動してブルーキャットをリリースすれば、連続攻撃により一気に勝利に持っていくことも可能です」

零児「リクルーター故に壁としても使える。攻撃補助と防御、２つの効果をうまく使いこなせば、勝利への道は一気に近くなるだろう」

零奈「弱点は２倍効果は戦闘ダメージを反射する効果を使われたら逆にやられるかも、でしょうか。トラップにその手のカードはあまり多くはないですけど、油断したらやられますね…」

後はレインボー･ライフ、ドレイン･シールドなんかも使われたら一気にライフを回復されるから注意だ。最近見かけないけど。

零児「…では今回はここまでにしよう」

香「それでは、次回もよろしくお願いします」

零奈「それでは。…ん？……次回、生き残れ！舞網バトルシティを！…？」