遊戯王ARC-V 光紡ぐ意思   作:シューティング☆

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どうも、柚子のことが心配なシューティング☆です。
セルゲイがあれほどの変態ドMだとは思わなかった上にまさか柚子があんなことになるとは…遊矢のメンタルもピンチだし、どうなるシンクロ次元編…。




それでは、どうぞ。


第17話 次へ向けて

舞網チャンピオンシップは、順調に進んだ。

 

「いけ、セイクリッド・トレミスM7!」

 

北斗は余裕を持って勝利。受けたダメージもそれほどなく、圧勝と言っても過言ではないだろう。…もっとも…この圧勝、そしてエクシーズを使ったということで、今このデュエルを見たある少女に目をつけられるとは、このときは誰も思っていなかった。

 

 

そして大会1回戦最終日の最後のデュエル…刃の、デュエルである。…相手は梁山泊塾所属にして、現在トップクラスの実力を持つ勝鬨勇雄。その結果は…。

 

「てりゃあああ!」

「うお!」

 

アクションカードを、荒っぽい方法で取られては適切な場面で消費され…。

 

「ホワチョー!!」

「わ!のああ!」

 

そして、最後には…。

 

「覇将星 イダテンで攻撃!」

「う、うわああああああ!」

 

結局碌にダメージを与えられず、刃は敗北した。

 

 

「刃大丈夫!?」

「いっつっつ…まあ大丈夫っちゃ大丈夫なほうだけどよ…」

「結構痛そうに見えるけど?」

「直接当たってはいないし、触っていないとは言っても、間接的に転ばせてたからね」

 

そう、勝鬨に関しては、アクションカードを奪う際もそうだが、それ以外でも、刃を何らかの手段を持って間接的に転ばせる。…相手に触ることに関しては、現在は禁止されており、それに伴いアクションフィールドにあるものを利用して相手を攻撃することも禁止されている。

 

「…あいつ許さない…私が必ず倒して、あんなデュエル間違ってるって教えて、そして刃の敵を取る!」

「お、おう…なんだか気合入ってるな」

「それと北斗、今後危ないことをしたら絶交だから」

「え?!なんでいきなり!?」

「榊遊矢とのデュエル、やり方は違うけどあの勝鬨勇雄ってヤツと同じようなこと、やったからじゃない?」

 

……ちなみに言うと、その勝鬨勇雄の対戦相手は…榊遊矢である。

 

「ぶ~…」

「ほら落ち着きなさい遊華。そんなふうにしたって変わらないわよ」

「なんだか納得いかない~!」

 

そして、勝鬨と対戦することが分かった遊矢はというと…。

 

「勝鬨、お前のデュエルは間違ってる!明日お前とデュエルして、お前のデュエルが間違っていることを証明する!そして、必ず笑顔にしてみせる!」

 

…と、宣言した。勝鬨にしっかり見える範囲で、堂々と。

 

 

 

そしてその日の夜、遊矢の自宅では…。

 

「…明日は、勝鬨と…」

 

と、自室で考え事をしている遊矢。明日のことで考えているようだ。

 

「…笑顔にするって宣言したけど、どうするか…あいつ、そんな簡単に笑顔見せるような感じじゃないからな………ギャグ…蹴られそうだな…顔芸…ダメかな…やっぱり、デュエルでどうにかして笑顔にしないとな…」

 

…と、試行錯誤。そんな中、ドアをノックする音が聞こえ…ユーキの声が聞こえた。

 

「遊矢くん、入っていいですか?」

「ん?ああ、大丈夫」

 

ドアが開き、ユーキが中に入る。

 

「…遊矢くん、どうです?調子は」

「……少し、悩んでて。明日、勝鬨をどう笑顔にしようか…って」

「笑顔…つまり、エンタメデュエル、ですね」

「ああ。ほら、勝鬨簡単には笑顔にならなそうな感じがあるから…デュエル以外でもって、少し考えたけど、どれも効果が薄いと思って」

「…うーん……でも、エンタメって難しいんですね」

「え?」

 

ユーキの言葉に、思わず少し驚いた表情をする遊矢。

 

「だって、人を笑顔にするには、同じことを続けていたら人は厭きるかもしれない、だからドンドン新しいものを考えていく。…きっとエンタメって、研究していくもの…なんでしょうね。…あ、もちろん長く愛され続けるものだってあると思いますけど」

「研究していく……」

「はい…私の父が研究者でして、そんな父の話しや過去の活躍を見たり聞いたりしていましたので。…技術を進歩させるには、研究して、新しいものを発見していく。…そういう意味では、遊矢くんは今のエンタメじゃない、別のエンタメを見つけるのもいいかもしれませんね」

「別の?父さんのじゃなくて、別のエンタメデュエルを?」

 

遊矢は今まで、父親である榊遊勝のエンタメデュエル、それを目指し進んでいた。…それも十分いいだろう。だが…。

 

「…はい。確かに先人達の残したものには、偉大なものが多いです。様々な研究、それによって得られた成果など、きっと華やかです。…でも、それじゃ、それで止まったらきっと、ダメなんです」

「………それって、父さんのエンタメデュエルが古いってことか?」

「それは分かりません。でも…私たちは先人達の残したものが土台となり、今を生きています。そして、今を生きる人達が新しいものを生み出し、それが後生の人達の何らかの形で土台になる。…世界ってきっと、そんな感じで成り立っているんだと思います」

 

まあ、今考えたんですけどね……と、ユーキは少し笑って付け加えた。…遊矢はというと、ユーキの言葉に、目を丸くしていた。

 

「…土台…か」

「…はい。…遊矢くんのお父さんがすごい人で、しっかりとした土台になるなら、遊矢くんはその土台から、さらにしっかりした土台を作る。そして、より多くの後生の人達が遊矢くんを土台にする…でも、そのためにはまず、遊矢くん自身のエンタメデュエルを考えないと」

「オレ自身の…か。……父さんのエンタメデュエルを引き継ぐことばかり考えてたから、考えたことなかったな」

「まずは焦らずゆっくり考えましょう。…土台には、遊矢くんのお父さんのエンタメデュエルがあるんです、しっかり考えればきっとうまくいきます」

「よーし…遊華、デッキ調整手伝ってくれないか?」

「いいですよ」

 

そして、デッキ調整をある程度し、遅くならないうちに2人とも眠りについた。…特に遊矢はその日の一番最初。早めに寝ないと寝坊しかねない。そして、翌日……舞網チャンピオンシップ第2回戦、第1試合…。

 

[さあ~舞網チャンピオンシップ第2回戦!第1試合は、榊遊矢選手 VS 勝鬨勇雄選手だー!]

 

フィールドに入場してくる遊矢と勝鬨。そして中央付近まで行くと

 

「…勝鬨、よろしくな」

 

といい、握手をしようと手を差し出す遊矢。だが…。

 

「…何の真似だ」

「え?いや、デュエル前に握手しようと思って」

「そんなことは必要ない。自分は馴れ合うために、ここにきたわけではない」

「そ、そうか?………じゃあ、終わった後で握手しような」

 

遊矢のその言葉に勝鬨は返事をすることはなく、距離を取る。

 

「…自分は1度、お前にあったことがある」

「え?」

「自分とお前は違う。光を歩んだお前に、闇を歩んできた自分は負けない。負けるわけには、いかない」

「勝鬨…」

 

[では参りましょう!アクションフィールド、仙界竹林、セット!!]

 

リアルソリッドヴィジョン投影機が起動し、フィールドが大きく変わり…竹林が広がる岩場へと変わる。ところどころに小さな霞が発生している。

 

「行くぞ…戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い」

「フィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞデュエルの最強進化系」

「アクショーン!!」

「「デュエル!」」

 

遊矢 LP 4000 

 

勇雄 LP 4000

 

「ではさっそく……レディースエーンドジェントルメーン!会場の皆様、本日はご来場ありがとうございます!私のデュエルは、本日は1度きり、それが少し残念ですが…ミスター勝鬨とのデュエル、白熱とした熱さも兼ね備えたエンタメデュエルにしてみせましょう!」

 

早々に宣言する遊矢。今のところ、まだ自分のエンタメデュエルというものをしっかり見いだせてはいない。だが、それでも前に進む。

 

「それでは私のターン!…カードを2枚セット、さらに手札からスケール4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを、ペンデュラムゾーンにセッティング!」

 

遊矢がオッドアイズを発動し、フィールドに光の柱が現れその中にオッドアイズが浮かぶ。その下には4という数字がでている。

 

「さらに手札から、カードカー・Dを召喚!」

 

カードカーD ATK 800

 

遊矢のフィールドに現れたのは…青いラジコンカーであった。それも、通常サイズの。

 

「攻撃力800…なにを企んでいる」

「エンタメデュエルを続けるには、準備が必要となります。このカードカー・Dは、その準備には打ってつけ!カードカー・Dの効果!このカードをリリースすることで、デッキからカードを2枚ドローします!」

「何っ、モンスターをリリースするだけで禁止カードの強欲な壺と、同じ効果だと!?」

「ただしこの効果には中々大きなデメリットがあり、この効果を発動した場合、私のターンはその時点で強制的に終了となります。これにてターンエンド。そしてこの瞬間、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの、ペンデュラム効果が発動します!エンドフェイズのこのカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター1体を、手札に加えます!私はデッキから、時読みの魔術師を手札に加えます!」

 

遊矢 手札4(時読みの魔術師) LP 4000

モンスター なし

魔法・罠 セットカード×2

 

「…自分のターンを終了させてまで2枚ドロー…だが構わない。自分のターン、ドロー!…このカードは、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、リリースなしで召喚できる。現れろ、天将星 ハヤテ!」

 

 

天将星 ハヤテ ATK 2100

 

天将星 ハヤテ 戦士族・効果 地属性 星5 ATK 2100 DEF 0

①自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚することができる。

②自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在しない場合、発動できる。1度だけ相手モンスターの攻撃を無効にできる。

 

 

藍色の鎧を纏い、狼の頭の部分の毛皮を使ったと思われるフードをつけた戦士が現れる。

 

「バトル!天将星ハヤテで、ダイレクトアタック!」

「残念ですが、その攻撃を通すわけにはいきません!リバースカード、オープン!永続トラップ、EMピンチヘルパー!相手のダイレクトアタック宣言時に発動でき、その攻撃を無効にし、デッキからEM1体を、効果を無効にして特殊召喚します!この効果でデッキから、EMシルバー・クロウを特殊召喚!」

 

EMシルバー・クロウ DEF 700

 

ハヤテの攻撃が防がれ、シルバー・クロウが呼び出される。

 

「自分はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

勇雄 手札4 LP 4000

モンスター 天将星ハヤテ×1(攻)

魔法・罠 セットカード×1

 

 

デュエルはまだ始まったばかり…さあ、どうなる。

 




遊華「…私、最初のほうしか出てないんだけど」

刃「オレ、アニメ本編よりマシとは言ってもボロッボロなんだけど」

ま、まあまあ…遊華は確実に今後活躍させるから。主人公だし。

刃「オレは?」

…活躍の予定は………ない。

刃「…マジ?」

何かの形で出すことはあると思うけど、アニメ本編同様、出番は一気になくなります…。

刃「畜…」

と、とにかく…始めよう全力!デュエル塾!今回のキーカードは…。


オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ドラゴン族・効果/ペンデュラム 闇属性 星7 ATK 2500 DEF 2000
【Pスケール:青4/赤4】
「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の①、②のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。
②自分エンドフェイズに発動できる。このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
①このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。


オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!

遊華「榊遊矢のエースモンスターだね!」

刃「モンスター効果は戦闘ダメージを2倍にする効果…ミニマム・ガッツとか、フォースとかとの攻撃力変動系との相性は抜群だぜ!」

遊華「ペンデュラム効果は、自身をエンドフェイズに破壊して、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターをサーチ、そして自分のペンデュラムモンスターに発生するダメージを1ターンに1度、0にできる効果。……戦闘ダメージを0にする効果はともかく、サーチ効果は強いよね」

攻撃力1500以下のペンデュラムなら基本なんでも手札に加えられる。案外デッキの主軸となるペンデュラムモンスターは攻撃力1500以下はそこそこいるから、このカードを入れてサーチする、という方法が十分使える。

遊華「戦闘ダメージを0にできる効果はサーチ効果のせいであんまり使われなさそうだよね…これはこれで、竜星ならペンデュラムモンスターを自爆特攻させて、具象化の効果で特殊召喚とかもできるかもしれないけど…やっぱり使わないかな」

刃「…んでま、サーチしたカードはマインド・クラッシュを打たれれば簡単に墓地送り、ダークロウなんか相手フィールドにいるときにゃ除外だからな…」

遊華「それと戦闘ダメージを2倍にする効果は、相手が戦闘ダメージを反射する効果を使っても、相手に与えるダメージが2倍になるだけで、自分へと反射するダメージは、自分が受けるダメージだからそのままだね」

刃「後、攻撃力はあまり高いほうじゃないから補助系をつけておけば、安心だな…つっても、融合素材になることが多いかもしれないけどな」

遊華「融合どころかシンクロやエクシーズ…儀式も出るからいろんなものの素材になってそうだね」

なんだろこの過労死臭…いや、主人公のエースだから仕方がないのか。まあ、オッドアイズは派生や進化が多い分、エクストラはしっかり考えないといけないですね…今後も増えるのが予想できますし…では、今回はここまで!

遊華「なんだか不完全燃焼感があるけどまあ…うん。次回もまた読んでねー!」

刃「お、次回は…覇者たる星VS新たなる眼 …か」


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