遊戯王ARC-V 光紡ぐ意思   作:シューティング☆

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どうも、シューティング☆です。


アニメでは徳松さんが柚子とライディングデュエルをし、柚子が勝利を掴んで徳松さんが敗退…そして遊矢はいずれくる自分のデュエルで、エンタメデュエルで観客を沸かせることができるか…。



それでは、どうぞ。


第12話 咲き誇りし華、そして…

~~~ ユース選手権 会場 ~~~

 

「いよいよ私の番…」

 

遊矢のデュエルが行われる頃…ユース選手権のほうでは、ユーキのデュエルが行われようとしていた。

 

「(…誰か応援してくれるといいですが…時間帯は、遊矢くんのデュエルと被っている…誰もこなくてもまあ…仕方ないですね)」

 

時間が被っているため、誰かが応援にくる…かは分からない。だが、それでもデュエルフィールドへと、足を進める。応援がないと思うとさみしいが、それはそれで仕方ないと、ユーキは考える。…そして、デュエルフィールドに出る。

 

[さあ!舞網チャンピオンシップ、ユース選手権第6試合!対戦するのは…遊勝塾所属、ユーキ!!そしてLDS融合コース所属、藻野武!!]

 

デュエルフィールドにはユーキとともにもう一人…メガネをかけた…なんだかあまりパッとしない、目つきが鋭い少年がいる。こちらが藻野武だろう。

 

「よろしくお願いしますね…ユーキさん」

「はい、よろしくお願いします」

「ふふふ…ユーキさん、ボクが勝ったらボクと付き合ってくれませんか?」

「……やめておきます」

 

普通に付き合ってくださいというのを断るユーキ。…武のことを一切知らないということもあるがそれ以上に、彼から何か、嫌なものを感じた。何か得体のしれない嫌なものを…。

 

[それではアクションフィールド、深海の海底遺跡、セット!]

 

リアルソリッドヴィジョンが作動し…フィールドが暗い海中に沈む遺跡に変わった。水中ではあるが、なぜか呼吸はできる…が、感覚は水の中そのものである。

 

「……まあ、いいでしょう…では始めましょうか。戦いの殿堂に集いしデュエリストが!」

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い」

「フィールド内を駆け巡る!」

「見よ、これぞデュエルの最強進化系」

「アクショーン…」

 

「「デュエル!」」

 

ユーキ 手札5 LP 4000

 

武 手札5 LP 4000

 

「ではレディーファーストということで、どうぞ」

「…私のターン!モンスターを1体セット、カードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

ユーキ 手札2 LP 4000

モンスター セットモンスター×1

魔法・罠 セットカード×2

 

ターンを終えると、すぐにアクションカードを探しに水中を泳ぎ始める。

 

「ではボクのターン、ドロー。…いいカードだ。ボクは手札から、ヴォルカニック・エッジを通常召喚!」

 

ヴォルカニック・エッジ ATK 1800

 

炎とともに白金の体を持つ比較的に小柄な金属質のモンスターが現れる。

 

「ヴォルカニック・エッジの効果発動!相手ライフに、500ポイントのダメージを与える!」

 

ユーキ LP 4000→3500

 

ヴォルカニック・エッジの口から火の玉が吐き出され、ユーキに迫る。…ギリギリのところでかわしたが、火の玉が掠る。…だが。

 

「っ?!(掠っただけなのに…おかしい、いくらなんでもこの痛みはおかしい)」

「続けますよ。ボクは手札から魔法カード、融合を発動!」

「!さっそくですか…」

 

紹介に融合コースとあったので融合を使うのは容易に予想できた。そして案外その発動は早かった。

 

「ボクが融合するのは、フィールドの炎族、ヴォルカニック・エッジと手札の音響戦士ベーシス!炎の爪よ、音響かせる弦楽器よ!今1つとなりて、大いなる炎を解き放て!融合召喚!現れ出でよ、重爆撃禽 ボム・フェネクス!!」

 

重爆撃禽 ボム・フェネクス ATK 2800

 

ヴォルカニック・エッジと、ベースに手足が生えたようなモンスター、ベーシスが融合の渦の中に入り…フィールドに、巨大な炎の鳥が現れた。

 

「!ボム・フェネクス…」

「ボクは永続魔法、強欲なカケラを発動。さらにカードを1枚伏せ、ボム・フェネクスの効果!フィールド上のカードの数×300ポイントのダメージを、相手ライフに与える!ボクのフィールドには、ボム・フェネクス、強欲なカケラ、セットカード、そちらの場にはセットモンスターにセットカード2枚。その合計は6枚、よって1800ポイントのダメージを与える!さあ、燃え尽きろ!不死魔鳥大空襲!!」

「っ!あああああああ!!!」

 

ユーキ LP 3500→1700

 

…やはりおかしい、とボム・フェネクスの業火によってもたらされた激痛…火傷はないが、激痛を感じながらそう思った。…500や1800のダメージで、これほどの痛みが生じるはずがない、と。

 

「これでターンエンド」

 

武 手札1 LP 4000

モンスター 重爆撃禽 ボム・フェネクス×1(攻)

魔法・罠 永続魔法「強欲なカケラ」×1、セットカード×1

 

「はあ、はあ…くっ…私のターン…ドロー!…反転召喚、ライトロード・ハンター ライコウ!ライコウの、リバース効果発動!ボム・フェネクスを破壊!」

「残念ですが、トラップ発動、ブレイクスルー・スキル。ライコウの効果を無効にします!」

「なら…魔法カード、ソーラー・エクスチェンジを発動!手札のライトロード・ビースト ウォルフを墓地へ捨てて、デッキからカードを2枚ドローし、2枚を墓地へ!」

 

デッキから墓地へ送られたカード

 

ライトロード・ビースト ウォルフ

ライトロード・アサシン ライデン

 

「よし。ライトロード・ビースト ウォルフの効果!このカードを特殊召喚!さらに手札から魔法カード、光の援軍を発動!デッキの上からカードを3枚墓地へ送り」

 

墓地へ送られたカード

 

ブレイクスルー・スキル

くず鉄のかかし

裁きの龍

 

墓地へくず鉄のかかしと裁きの龍が置かれたのを見て、うっ、と少し表情が強張る。…無論すぐにデュエルを続ける。

 

「デッキから、ライトロード・サモナー ルミナスを手札に!」

「…なるほど。どうやら、墓地へ行ってもらいたくないカードが墓地へ行ったようですね」

「…ライトロード・サモナー ルミナスを召喚!そしてルミナスの効果!手札1枚を墓地へ送り、墓地のチューナーモンスター、ライトロード・アサシン ライデンを特殊召喚する!」

 

墓地へ送られたカード

ボルト・ヘッジホッグ

 

ルミナスがフィールドに現れ、その隣にライデンが現れる。…チューナーがいる以上、シンクロモンスターが出てくる。

 

「…ですが、どのモンスターもボム・フェネクスを下回っています(それに、例えシンクロモンスターを呼び出しても、これを使えば…)」

「ええ。…でも、関係ないです。まずはライデンの効果発動!デッキの上から、カードを2枚墓地へ送る!」

 

墓地へ送られたカード

ライトロード・マジシャン ライラ

サイクロン

 

「ライトロードが墓地へ送られたことで、ライデンの攻撃力は200ポイントアップします!」

「200程度、問題ないですよ」

 

ライトロード・アサシン ライデン AT 1700→1900

 

「…レベル3のライトロード・サモナー ルミナスに、レベル4のライデンをチューニング!集いし歌が、華となり、月明かりの下咲き誇る!光差す道となれ!!シンクロ召喚!」

 

ライデンが4つの歯車になり、その中にルミナスが入り、3つの光になる。歯車から光が放たれ…赤い翼に赤い体、それらがまるで赤いバラのように見えるドラゴンが、現れた。…翼の上部には、黒い線が引いてある。そしてフィールドには、花びらが舞い始める…といっても、水中なので漂っているのだが。

 

「レベル7!月華竜ブラック・ローズ!!」

 

月華竜ブラック・ローズ ATK 2400

 

「月華竜ブラック・ローズ…ですか(まあ問題ないですね)」

「月華竜ブラック・ローズの効果!このカードが特殊召喚、もしくは相手がレベル5以上のモンスターを特殊召喚した場合、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を手札に戻す!退華の叙事歌(ローズ・バラード)!」

「手札のエフェクト・ヴェーラーの効果発動。手札のこのカードを墓地へ送り、月華竜ブラック・ローズの効果を、無効にします。残念でしたね。さあ、次のターンで」

「トラップ発動!スキル・プリズナー!月華竜ブラック・ローズを、モンスターを対象にした効果を無効にします!」

「なっ?!そ、それでは…うわああああああ!!」

 

フィールドに赤い花びらが舞い、それが大きな水の流れとなって、ボム・フェネクスへと襲い掛かり、押し流す。そして、ボム・フェネクスはフィールドを離れた。…その水流の勢いに巻き込まれ、武も流される。

 

「ぼ、ボクのボム・フェネクスが…」

「バトル!ライトロード・ビースト ウォルフで、ダイレクトアタック!」

「!アクションカード…うわあああああ!」

 

武 LP 4000→1900

 

ビースト ウォルフの攻撃をかわせず、まともにくらい、吹き飛ばされる。…その先にアクションカードは…。

 

「!あった、アクションカード…」

「取らせません!月華竜ブラック・ローズで、ダイレクトアタック!散華の鎮魂歌(ローズ・レクイエム)!!」

「!う、うわあああああ!!」

 

フィールドに漂っている花びらが一斉に武のほうへと向かい、アクションカードを取ろうとしていた武へと襲い掛かり…ライフを0にした。

 

武 LP 1900→0

 

デュエルが終了し、リアルソリッド・ヴィジョンが消え、フィールドが海底遺跡から、元のフィールドに戻る。

 

[決まったー!!難しい水中でのデュエルの中、勝利を掴んだのは…フィールドの特性を生かした、ユーキ選手―!]

「…えーっと…生かした覚えは、ないんですが…」

「あ、あり得ない…あり得ない!!このボクが、負けるはずがない!」

「…」

 

…ユーキは武のことを少し気にはしたが、やはり嫌なものを感じたため、フィールドから離れた。

 

 

 

…そしてその日の夜……LDSの医療施設の入り口にて集まっている遊矢、柚子、ユーキ、権現坂。…そしてユーキは、素良に何があったかが聞けないでいたため、そのことを聞いた。そして説明を受けた。…それはユーキにとって、衝撃的な内容であった。

 

「…紫雲院くんがそんなことを」

「ああ……全部本当かは、分からないけど…」

「だが、黒咲と素良が、互いに敵対していることは事実だろう。…おそらく、素良は、元は融合を主体とした塾の所属で、その塾と敵対していた、エクシーズを主体とした塾に、黒咲が所属していた…ということではないか?」

 

権現坂の出した意見に対して…遊矢、に柚子、ユーキは疑問を持つ。…言っていたことが、そんな規模ではない…という感じの内容であった。

 

「…いや、なんか、違うような…」

「確かに。敵対塾同士だったから…っていうのとは、違う気がする」

「…塾…という規模じゃないと思います。…なんだか、そう…戦争…とか、そういうもっと規模の大きいことだと思います」

「戦争?そんなバカな」

「…でも、あり得ない話じゃないかもしれない…あり得るかは、分からないけど」

「とにかく、素良が起きたら、話しを聞きましょう」

 

柚子がそういうが…そう言った僅か少しして…声が、聞こえてきた。

 

「いたか?!」

「いえ。しかし、あのケガでいったいどこに…」

「とにかく探せ!あのケガなら、そんなに遠くには行ってないはずだ。それと社長に連絡しろ!紫雲院素良が逃げ出したと!」

「はい!」

 

…そんな僅かな会話を、がっつり全部聞いてしまった、遊矢、柚子、ユーキ、権現坂。

 

「……素良が逃げ出しただって?!」

「まだ安静にしてなきゃいけないのに…」

「とにかく探すぞ。聞きたいこともあるしな」

「はい!私はできる限り、広い範囲を探してみます!」

「じゃあ、オレはあっち!」

「私は向こうを!」

「オレはこっちを探す!とりあえず、定期的に連絡しよう!!」

 

 

そしてユーキは、D・ホイールに乗り、町の中を走る…………が…。

 

「いない…いったいどこにいったの」

 

見つからなかった。すると不意にディスクに通信が入った…権現坂からだ。

 

[ユーキ、そっちはどうだ!こっちはまだ見つからない!!]

「それがまだ…次は港の辺りに行こうと思ってます」

[いや、港の辺りは人気が少なく危険だ。オレのいる場所から港は近い、オレが行こう!ユーキは、他のところに!]

「……そういえば確か、中央公園のほうには…」

[なら中央公園に向かってくれ!もしかしたら他に誰かいるかもしれん!]

「はい!」

 

そしてユーキは方向を変え、中央公園へと向かう。

 

 

そのとき、中央公園では…。

 

「ボクはまだ、アカデミアに戻るわけには、いかないんだあああああああ!!!」

 

その絶叫とともに、素良は融合次元のアカデミアへと、強制的に帰還させられた。遊矢、そして遊矢に似た顔のユートは、それを見ていた。…なお、ただいまデュエル中である。

 

「…い、今のは…」

「おそらく、アカデミアへ強制帰還させられたんだろう」

「アカデミア…」

「…どうする。このままデュエルを続けるか?」

「…できるわけないだろ!」

 

遊矢はディスクからデッキを取る。…そしてユートも、ディスクからデッキを取る。それによって、デュエルは強制的に終了となった。

 

「……聞きたいことがある。いったい、何があったんだ。お前と素良の間に」

「いや、先ほどの彼とオレは、初対面だ。…問題は、彼が所属している組織だ」

「組織?」

「…アカデミア。オレ達の故郷、エクシーズ次元……ハートランドを侵略してきたヤツらだ」

 

そしてユートは語り出す。…遊矢の疑問に答える形で。別の次元の存在、エクシーズ次元へ行われた、融合次元からの侵略戦争、そしてレジスタンス…。

 

「…そんな…」

「信じられないか?」

「信じられるわけないだろ!そんな、別の世界とか、戦争とか、そんな話し…」

「…世界には、君の知らないところで様々なことが起こっている。…だが、君の気持ちは分かる。オレ達だって、最初は信じられなかった。…だが、現実に起こったんだ。それも、目の前で」

「…」

 

ユートの話しに、遊矢は言葉が出なかった。……その僅か後、不意に光が現れる。

 

「!なんだ…」

「うわ!」

 

そして、光が収まると……電灯の1つが倒れ、近くに…白いバイクに乗った人物が、いた。

 

「いっつっつ…なんだってこんなところにこんなもんがあるんだよ。ったく…」

 

バイクに乗った人物は、ヘルメットを取る。…その顔は…。

 

「え?!オレに、ソックリ…」

「!お前はっ…」

「ん?あ、オメエは!ここであったが100年目、オレとデュエルしろこの野郎!」

 

……遊矢にソックリ…?な顔をした少年、であった。……………似ている……のか?

 

 




熱血!デュエル塾!始まります!

ユーキ「それにしても、今回のデュエル…あれはいったい…」

昇「後で映像を見させてもらったが…何もなかったぞ」

藻野武の能力によって、ああなりました。

ユーキ「能力…それってつまり、サイ」

おっとそれ以上はちょっとね。

昇「??まったく分からん…」

では、今回のキーカード!今回のキーカードは…。


月華竜 ブラック・ローズ ドラゴン族・効果/シンクロ 光属性 星7 ATK 2400 DEF 1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが特殊召喚に成功した時、または相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に発動する。相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。
「月華竜 ブラック・ローズ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。


月華竜 ブラック・ローズ!

ユーキ「レベル7のシンクロモンスターで、このカードかレベル5以上のモンスターが特殊召喚されたら、そのモンスターを対象にし、手札に戻す効果を持ちます」

昇「多くのデッキにこのカードは痛手となりうるな…特に融合やシンクロは、重要な戦力となるモンスターはレベル5以上のモンスターがほとんど、その上主力を呼び出すには融合、シンクロをする必要がある。味方ならば頼もしく、敵ならば厄介だろう」

ユーキ「でも1ターンに1度ですし、強制効果ですから召喚条件の緩い…例えばバイスドラゴン、裁きの龍、ダークアームド・ドラゴンといった、条件さえそろっていれば簡単に特殊召喚できるモンスターを先に呼び出せば、効果を使わせた上でまた特殊召喚できますよ」

昇「なるほどな。…それにこの効果、対象を取るようならば、オレのデッキならカゲボウーCが墓地にあれば防げるな」

ユーキ「他にもスキル・プリズナー、このカードの対象にすることで対象を取るモンスター効果を無効にするカードで、墓地からも同じ効果が発動できます。これで除外も素早くできますからフルモンスターにも比較的入れやすいですね」

昇「それではフルモンスターとは呼べん。…だが、考える余地ならば十分あるな」

ユーキ「でもこの月華竜 ブラック・ローズの効果は、意外と発動しやすいところがありますね。シンクロ素材にして、次のターンにリビングデットの呼び声を使い、効果を発動させることも可能、それにドラゴン族ですから他にもいろいろな方法で特殊召喚も可能です」

デュエルはやっぱり、奥が深い。…それでは、今回はここまで!

ユーキ「次回もぜひ、読んでくださいね!」

昇「うむ、次回は…反逆VS翼……か」

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