今回はいつもより長くなりました。
クロト サイド
二〇二四年 三月某日 第五十六層
「―――フィールドボスを、付近の圏外村へ誘い込みます!」
ダンッ!と音を立ててテーブルを叩きながらそう言ったのは、今回のボス戦の指揮官にして血盟騎士団副団長の少女、アスナであった。
彼女が着ているのは白を基調とし、縁が紅く彩られた騎士服であり、その美貌と相まって高潔な印象を与える。だが今の彼女の表情は硬く、言葉には有無を言わせぬ気迫があった。その証拠に、先ほど彼女が出した作戦に対して誰も何も言わない。
この状況で声を出せばたちまちアスナは絶対零度の視線を向けてくるだろうし、何よりも一人この場から浮いてしまう。人間、集団の空気には中々逆らえないものだ。そんな事ができるヤツがいるとすれば―――
「ちょっと待ってくれ!」
キリトくらいだろう。オレ自身、アスナの作戦には問題点があると思うのだが……明確にこれといった代案が浮かばなかったので、今回は大人しくしておこうという心算だったんだけど……
(はぁ……こりゃまた荒れるなぁ……)
コッソリため息をつきながら、チラリとアスナの隣で彼女の補佐をしているサクラを見ると、オレと同じようにため息をついていた。お互い苦労するよな。
「そんな作戦じゃ、村の人達が犠牲になる!」
「もとよりそのつもりです。ボスがNPCを襲っている間に包囲、撃破します」
キリトとアスナがこうやって会議で言い合いになるのはよくある事だ。現状で最も安全かつ効率的な作戦を立てるアスナは同年代としては素直に感心できるが、先を急ぎすぎるあまり、感情を度外視した作戦も躊躇い無く提案するのが玉に瑕だ。
「NPCは木やただのオブジェクトとは違う!彼らは―――」
「―――生きている、とでも?」
逆にキリトは多少効率が落ちても人としての道を踏み外す事が無い作戦を目指す……ちょっと感情を優先しすぎな時もたまにあるので、一概にどっちが正しいとかは言えない。現にアスナに突っぱねられて何も言えなくなっている
(って、村の人達?……確かあの村が見つかったのが昨日の昼前で、ボスを発見したのがその一時間ほど後だったな。偵察戦が夕方前に終わったってサクラがメッセくれたし…、その時オレ達は下の層でレベリングしてたし……)
そこまで考えた時、オレはある事に気づいた。それを指摘すれば、もしかしたらアスナも考えを改める……まではいかなくとも、作戦の延期くらいはしてくれるかもしれない。
「アレはただのオブジェクトです。殺されても、次の日にはリポップします」
だから何も問題は無い、と言外に言い切るアスナ。周りの連中も、乗り気じゃないけど代案が浮かばないから反対しないヤツと何の疑問も挟まずに同意するヤツの二種類に分かれている。ちなみにサクラやクライン、エギルらは前者だ。
確かにアスナの作戦が最良だってのは解る……’現在は’とつくが。
「ちょっといいか?」
「……何?」
さっきまでキリトに向けていた視線をこちらへ向け、少々うっとうしそうにオレを睨むアスナ。キリトみたいな頑丈なメンタルを持ってるわけではないので、表情が引きつっていない事を祈りながら話を進める。
「アンタ、自分を基準に考えすぎだぜ?」
「何が言いたいの?」
視線がさらにきつくなるが、そこまで気にならなくなった。人間、スタートさえ切れれば後は勢いとかで何とかできるものだ。
「NPCの死亡エフェクトはプレイヤーのそれとソックリ。目の前でそれを繰り返されて、全員アンタみたいに冷静なままでいられるワケねぇだろ。―――なあ、チキンタンクのシュミットさんよぉ?」
後半は思いっきりふてぶてしい表情をつくりながら言ってやった。突然話をふられたシュミットは青い顔をして動揺していたが、やがて無理だと答えた。
一人目が出ればそれに便乗して、自分も無理だと言うヤツがちらほら出てくる。数としてはそこまで多くないが、この全員が戦闘中に平静を保てなくなればレイドが立ち行かなくなるほどだった。
「な?アンタほど肝が据わってるヤツばかりじゃないんだよ」
「なら代案を出してください!」
苛立たしげに声を荒げるアスナ。その横でサクラが止めようとしているが、アスナには届かずオロオロしてしまう。キリトもここまでアスナを刺激するつもりは無かったらしく、
「何やってんだよ……」
呆れ声で、ボソリと呟いてきた。オレはそれを無視して、先ほど気づいた事を指摘する。
「代案出せって言うけどさ、囮にする村の調査って終わってんのか?」
「どういう事です?」
意味が解らないといわんばかりにアスナが聞き返してくる。だから先を急ぎすぎなんだって。
「今回ボスと村が近すぎだ。ゲームならこういう場合、村にキークエストがある事が多い。アンタ等そこら辺調べきったのかって聞いてんだよ」
「ッ!そ、それは……」
常に先へ進む事を考えていたからこそ、アスナは見落としていたようだ。加えて彼女はゲーム初心者である。だからゲーム内での’お約束’になっている展開が読めない。
このSAOはデスゲームだが、意外にもその’お約束’はきちんと守られている。
「オレとしちゃ、ボス戦は村を調べ終えてからでも遅くないと思うんだが?」
「フロアボスならともかく、フィールドボスにそんな悠長な事言ってられません!」
……どうしよう、全く折れなかった場合を考えてなかった。頭の切れる彼女なら、一考の余地はあると思ってくれると予想していたのに……
「俺はクロトに賛成だ。キークエストを発見、クリアできればより安全にボスに挑めるからな」
キリトが真っ先に賛成してくれた。それをきっかけに、風林火山のような少数精鋭ギルドやソロ、少人数パーティーのプレイヤー達がオレの提案に賛成してくれた。
だが、DDAやKOBといった大手ギルドはアスナの作戦を支持。完全に対立してしまった。
(やべ……こんな真っ二つに分かれるなんて思ってなかったぞ……)
元々先を急ぎ気味なアスナに、少し考えを改めてもらうというか、作戦を決行する前にやるべき事がまだあるんじゃないかって気づかせるつもりだったのだ。しかしそれが会議を二分する原因になるなんて、思ってもいなかった。
互いに一触即発な空気になったところで―――
「だったら互いの代表者によるデュエルで決めませんか?勝った方の意見を通すということで」
サクラが、そう提案してくれた。……マジで助かった。このまま険悪な空気が続いたら、これから先の攻略に響くし。
「なら、こちらからは私が出ます」
まずアスナが名乗りをあげた。これについて大手ギルド側は何の異議もでてこないが、当然といえば当然だろう。
アスナは指揮を執る事が多いが、決してお飾りなどではない。彼女自身、攻略組でもトップクラスのレベルと剣技を兼ね備えた一流の剣士なのだ。さらにその剣筋は目で追う事が叶わないほどに速く、閃光の二つ名で呼ばれるほど。
大ギルド側としては最も勝率が高い人物を選んできたのは解るが……相手であるこっちとしては最もやっかいな人選だ。さて、こちら側は誰を代表にするか……
「―――俺がやる」
キリトが、有無を言わせぬ口調で宣言する。確かに、彼女の速度に反応できるのはキリトくらいだ。みなそれを解っているからこそ、こちらも誰も反対しない。
「頼むぜ、相棒」
「ああ」
軽く拳をぶつけあう。後は彼を信じて何も言わないでおく。
「デュエルは今から三十分後、この街の広場で。それまでは一時解散です」
アスナがそう告げ、準備のためか足早に去っていく。その背を見つめるキリトは、心なしか高揚しているようだった。
~~~~~~~~~~
キリト サイド
三十分後、準備を終えた俺とアスナは街の広場で互いに剣を構えていた。周りには会議に参加していたプレイヤー以外にも、今回の対決を聞きつけた野次馬がギャラリーとして多数集まっていた。
デュエルは初撃決着モードで、申請および受諾は先ほど行った。カウントは残り三十。
(こうして剣を交えるのは、初めてだな……)
思い返せば、アスナと協力した事はあれどクロトの様にデュエルした事は無かった。彼女の成長を見ていても、それをこの身で確かめようとは思わなかったのだ。
彼女―――アスナの剣は、攻略の為に振るわれるものであって、俺のようなビーター相手に振るわれるものではないからだ。
―――カウントは残り十五。
感傷に浸るのをやめ、神経を研ぎ澄ます。アスナは中段に剣を構え、通常攻撃とソードスキルのどちらにも移れる体勢だ。彼女の武器は細剣なので、メインの攻撃は突きだと予想できる。だが、今の構えからこちらの何処を狙ってくるかまでは予測できない。
(小細工は、通用しないだろうな)
アスナには正面から挑むしかない。そのため俺も普段どおりの構えを取る。
―――カウントは残り五。
いつの間にかギャラリーの声が聞こえなくなり、俺はアスナしか見ていなかった。やがてカウントがゼロになり―――
「―――ふっ!」
「ッ!」
アスナが先に動いた。ソードスキルではない通常攻撃だったが、予想以上に速い。クリティカルポイントに設定されている心臓を正確に狙った刺突をなんとかパリィするが、左腕に掠る。だが―――
(……?)
彼女の剣に、違和感があった気がした。
「はぁっ!」
素早く剣を引き戻したアスナが、俺に反撃の隙を与える事無く追撃する。そのためさっきの違和感を頭から締め出し、彼女の剣に全神経を集中させる。
初撃とは違い、防御しづらい末端部を矢継ぎ早に突き続けてきたため、防戦一方な展開になってしまう。右頬、右上腕、左脛などに攻撃が掠り続け、あっという間にHPが二割削られてしまった。本来なら焦るところだろうが、彼女と剣を交えるたびに違和感が増していった俺にはどうでもよかった。
(濁ってる……!!)
違う、一層の頃はこんな剣じゃ無かった筈だ。あの頃はもっと煌いていて、流星のようで―――綺麗だった。
確かにあの頃よりも速くなっただろう。鋭くもなっただろう。だが、俺が綺麗だと感じた剣筋ではなくなっていた。何も恐れずに前へと進んでいた剣が、今では何かに追い立てられるような剣に変わっていたのだ。あの綺麗な剣筋は見る影も無く、濁っていた。
(ふざけるな!)
その事に、無性に腹が立つ。普段なら、こちらの押し付けだと割り切れただろうが、今はそんな事できなかった。
「ハァッ!」
強引に『ホリゾンタル』を発動する。アスナは突然反撃に出た俺に対して、冷静にバックステップで回避する。俺が使ったのは硬直時間が無いに等しい初級技なので、向こうから攻め込む気配は無い。
「……こんなもんか」
「なんですって?」
吐き捨てるように呟いた俺の一言に、彼女はピクッと反応した。
「噂の閃光様の剣が、期待はずれだって言ったんだよ」
「なっ!」
聞こえていたのなら遠慮はしない。半ば八つ当たり気味に挑発すると、アスナは一瞬驚いた後に怒り、たいていの人間なら射殺せそうなほど目つきを鋭くした。
再び彼女が仕掛けてくる。さっきよりも速く、鋭く。だが、不思議と俺は反応できていた。……後にクロト達から聞いたが、アスナを挑発して以降は俺はノーダメージだったらしい。
「くっ!」
俺が防ぎ、かわし、反撃までするようになると、アスナは焦りに支配され、剣技が精彩を欠いた。狙いが甘くなった突きを、左下から跳ね上げるように弾くと、アスナに決定的な隙が生まれた。そして俺は剣を振り上げているため、『バーチカル』を発動できるが―――
(ッ!何だ?)
自分でも理解できない何かに引き止められ、一瞬躊躇ってしまった。そのためアスナに回避のチャンスを与えてしまい、『バーチカル』は見事に空振りした。
「……何のつもり?」
「さぁな」
震える声で訊ねるアスナに対し、俺は適当に濁す事しかできなかった。自分でも理解できていない事を他人にどう説明しろというのだろうか?唯一解ったのは、このまま彼女を叩き潰しても何も変わらないだろう、という事だけだ。
だがそれが逆鱗に触れたらしい。今度こそアスナは怒りを隠す事無く叩きつけてきた。
「ふざけないでよ!!」
このデュエル中で一番のスピードで突進してくると、勢いそのままに突きの嵐を浴びせてくる。
「貴方達はいつもそう!自分勝手で!全力で攻略しようとしない!!」
一瞬で数発の突きをするほど激しい攻撃だが、それだけで伝えきれないという風に激情のままに叫んでくる。
「これだけの強さを持っていながら!何でよ!!」
だが、彼女の叫びを聞くごとに俺は視界がクリアになり、全ての攻撃に対応できてしまう。やり過ごしにくい末端部への攻撃すら回避してみせ、あまつさえ―――
「何をそんなに焦る?」
彼女に問いかける。ただ知りたかったのだ。彼女がこんなにも追い詰められるほど焦る理由を。
「解ってるでしょう!この世界で一日過ぎる度に、現実での私達の時間が一日無駄に失われていくのよ!今まで積み上げて来た物がどんどん崩れていくのが怖くないの!?」
そうか……これが彼女が戦う理由であり、今ここまで焦る理由でもあるのか。
「それだけじゃない!貴方は帰りたくないの!?一緒に囚われた弟を一日でも早く現実に帰そうって思わないの!?大事な家族でしょう!!」
(そんなの……思ってるに決まってるだろ!)
細剣ではまず行わない斬撃を放ってくるほど、アスナの剣は普段のそれとはかけ離れていた。ただ、癇癪をおこしたように自分の感情を叩きつけてくる。それを受け止め、つばぜり合いになる。
「……帰してやりたいとは思うさ」
「だったら!」
本来STRよりもAGIを優先している彼女が力押しするのは愚策でしかないが、この時の剣はステータス以上に力がこもっていた。
「―――けどアンタみたいにはできない」
「んなっ!?」
アスナは俺の言葉に目を見開き、驚愕した。その拍子に力が緩み、俺が押し切って弾き飛ばす。そのとき俺の剣が彼女の左腕に当たり、HPが減少する。
俺のHPは約八割残っているのに対し、向こうは九割以上残っていた。……なんだかんだでさっきのしか当ててなかったのか。
「訳が解らないわ!どうして攻略に全てを向けないの!弟を帰したいと言いながら、何で!?」
「その弟に言われたんだよ!」
剣での応酬を繰り返しながら、俺も叫び返す。
「身を捨てた攻略なんてするなって!例え現実に帰れても、俺が死んだら意味が無いって!」
「う、ぐっ!」
次第に俺の剣が、アスナを捉え始める。それでもダメージを最小限に抑えるあたり、彼女の体にはこの世界で培った経験が染み付いているようだ。
「何より、独りにしないでくれって泣いたんだ!」
思い出すのは去年のクリスマス。サチからのメッセージを聞いた後、ハルはそう言って泣いたのだ。他でもない俺の為に。唯一の肉親である俺がいなくなれば、ハルは独りだ。いくらスグ達がいるとしても、ハルの心は孤独にさいなまれ続ける事になる。
「それに!俺達が今生きているのはこのアインクラッドだろう!!」
これは、一年以上この世界で過ごした俺の考えだ。
「例え全てがデータの塊でしかなくても!それを見て、聞いて、感じた俺達の心は本物だ!!」
「そんなの……ただの詭弁よ!!」
アスナは俺の言葉を振り払うように『リニアー』を放ってきた。パリィするが、予想以上に重い一撃だったため剣の握りが甘くなる。
無論アスナはそれを見逃さず、極僅かな硬直時間が過ぎると追撃をする。咄嗟に俺は左手でも剣を握って迎撃する。結果パリィには成功したが、右手が剣から離れてしまった。
「せやあぁぁ!!」
すかさず『ペネトレイト』を発動するアスナ。その刺突三連撃を―――
「シッ!」
―――俺は、’左手に握った剣’を右、左、右へと振り、防いだ。
「っ!?」
アスナは目の前で起こった事に、ただただ驚愕したように目を見開いていた。その隙に右手に持ち替え
「ハアァァッ!」
『シャープネイル』を発動した。アスナも咄嗟に防御を試みるが、もう遅い。
一撃目―――上段からの斬撃を細剣で防ぐも体勢を崩す。
二撃目―――返す刃での振り上げによって、アスナの手から細剣が吹き飛ぶ。
三撃目―――一撃目と同じ軌道を描く俺の剣が、ついに彼女を捉えた。
「あぐっ!」
俺の斬撃を受け、アスナは片膝をついた。それと同時にデュエルのウィナー表示が現れたらしく、ギャラリーから割れんばかりの歓声が聞こえた。
(俺、勝ったのか……?)
どっと疲れが噴き出し、その場に座り込みながらアスナのHPを確認すると、イエローゾーンにまで減少しているのが解った。
「お疲れさん」
俺にポーションを差し出しながら、クロトが労いの言葉をかけてくれた。それを受け取り、後の事は彼に任せた。
「こっちの代表が勝ったんで、そうだな……フィールドボス戦は三日くらい待ってくれ」
「……いいでしょう、三日後に村の調査結果の報告をしてもらいます」
サクラに手助けしてもらいながら立ち上がったアスナは、クロトにそう言った後に立ち去った。それを合図にギャラリーは三々五々に散っていく。途中でクラインやエギルにも労いの言葉をかけられたが、疲れていたので適当に返すのが精一杯だった。
「立てっか?」
「……正直クタクタだ、自力で動けそうに無い」
しゃーねぇな、と言いつつクロトは俺を立たせると肩を貸してくれた。……本当に助かる。
「―――ホント、すごかったけど……お前らしくなかったな」
「え?」
帰る途中、唐突にそんな事を言われた。
「なんつーか……お前ってさ、どっか冷めたトコがあるって言うか……あんな風に他人に感情ぶつける事ってほとんど無かったろ?」
「あぁ……それか」
アスナとのデュエルを思い返してみるが、何故か途中から鮮明に思い出す事ができない。相当恥ずかしい事を真顔で言ってた気がするのは確かなのだが……
「よく、解らないんだ……アスナの剣が濁ってた事に無性に腹が立って、それで……」
「剣が濁ってたって……変わった感性してんなお前。確かに一層の時とは違うなって感じたけどよ」
いいだろ別に、と拗ねて返すとクロトは悪びれた様子も無く、悪い悪い、と軽く謝ってきた。この軽口の応酬が、今はとても心地よかった。
「―――つっかさ、オレはお前が羨ましくて仕方ねぇんだよ」
「は?」
なんだろう、クロトから感じるこれは……嫉妬か?とりあえず刺激しないように気をつけて―――
「何であんなクサイ台詞が様になってるんだよ!同じ女顔だろーがぁ!!」
「あががっ!?し、絞まってる!ギブギブギブ~!!」
手遅れだった。圏内なのに何故かクロトのヘッドロックが決まって苦しい。クタクタだった俺は抵抗らしい抵抗ができず、クロトから逃れられなかった。
(理不尽だー!!)
胸中でそう叫ばずにはいられなかった。
これ書いていて作者兄弟が感じたのは
「「今回のキリト、チートじゃね?」」
です。最近キリトメインの話だったから……クロトをもっと活躍させなきゃ!