艦隊これくしょん-艦これ-司令艦、朝潮です!!   作:めめめ

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エピローグ:任務達成報告

そこは青い空がどこまでも広がる、とても静かな世界だった。

 

 司令官と一緒だったから寂しくはなかったけれども、私はそこに降る雨が大嫌いだった。

 

 一つは空が黒くなったら降って来る―――鉄の雨。

 

 わんわん煩く鳴り響くその音は、いつも私を不安にさせた。

 

 もう一つは鉄の雨が止んだ後、空が赤くなったら降って来る―――人の雨。

 

 若者からお年寄りまでの、色んな服を着た男の人たち。

 

 でもそこに貼り付いた表情は、

 

苦悶

 

悲嘆

 

後悔

 

憤怒

 

憎悪

 

困惑

 

絶望―――そんなものばかり。

 

 おかげで私は、ここしばらく司令官以外の笑顔を見たことが無いような気がする。

 

―――まあそう嫌ってやるなヨ

 

 空模様を覗いながら恰幅の良い身体を揺らして、上機嫌の司令官がやってきた。

 

―――俺もお前も、あいつらと同じなんだからさァ

 

 私の隣に腰かけて、いつものようにのんびり煙草を燻らせる。

 

 あの―――司令官?

 

―――なんせ―――もう死んでんだもんナ

 

 腐った顔からずるり、と皮が剥げ落ちた。

 

 

――――ャァァァァァァァ――――

 

 最初、何のサイレンが鳴っているのか分からなかった。

 

 しばらくしてやっと、それが自分から発せられている悲鳴だということに気付く。

 

 だがいくら止めようと思っても、咽喉の奥から絞り出されるような絶叫は止まろうとしない。

 

 胸が痛い。苦しい。誰か―――

 

 と、手に何か温かいものが触れた。

 

「ちょっと、何であたしが当番の時に限って―――あ~もうっ、起きて!!起きなさいったら!!朝潮―――お姉ちゃん―――」

 

 え――今のは―――

 

 ゆっくりと目を開けると、そこは白天井にカーテンで仕切られた病室だった。どうやら自分はベッドに寝かされていたらしい。

 

 木枠のガラス窓の向こうには、船が行き来する見慣れた横須賀の海が広がっていた。だとすればここは、ほとんど使っていないという艦娘専用傷病療養施設、通称ドックなのだろう。

 

 温かさを感じた左手を見る。

 

 掌に重ねられた、もう一つの小さな手。そこから上へと視線を移す。

 

「―――霞?」

 

 艤装は背負っていないが、朝潮型に共通する小学生用の白いブラウスと黒い吊りスカート姿。どこか朝潮に似た細い眉と気の強そうな栗色の瞳。そして緑色のリボンで銀髪を顔の右側にサイドテールにして垂らした少女。

 

 ラバウル基地の駆逐隊と演習した際、機関ユニットに異常をきたして離脱してから会っていなかった霞がそこにいた。

 

「―――手を―――」

 

「っ違うわ!!これは、その―――」

 

 慌てて重ねた手を離そうとする霞だが、逆にその手を逃がさずぎゅっと握りしめる。そしてそのまま自分の頬に導いた。

 

 そっと霞の掌を自分の左頬に当てる。彼女の体温が、血潮の熱さが、じんわりと沁み込むようにして感じられた

 

「―――温かい―――生きてるんだ―――霞―――」

 

「はぁ?ったく、やっと目が覚めたと思ったら、どこか頭でもぶつけ―――何、泣いてんのよ」

 

「あ―――」

 

 気が付かなかった。

 

 いつの間にか流れ出した涙が、熱い一条の流れとなって頬を伝い霞の手を濡らしている。

 

 ―――生きている。私にも霞にも、温かい血が、生命があるんだ。

 

「霞ぃっ!!」

 

「わっ、ええええっ!!」

 

 思わず衝動的に体を起こして、霞に抱き着いてしまった。体勢を崩した彼女の首に両腕を回し、思いっきり力を込める。

 

「霞……生きててくれてありがとう……ここにいてくれてありがとう……」

 

「な、何よいきなり!!」

 

 慌てて抵抗するが、構うことなく抱きしめ続ける。

 

 その声も、その仕草も、今は彼女の全てが愛おしい。

 

 白いブラウスの背中部分に、涙で出来た染みがどんどん広がっていった。

 

 やがて霞も躊躇いながらだが、その細くしなやかな腕で抱きしめ返してくれた

 

「―――ホントはあたしも、朝潮――お姉ちゃんがいなくなったら寂しいし―――元気になってくれて嬉し―――ち、違うぅっ!!今のはその、言葉の―――」

 

 そう言いながらも彼女の声のトーンは弱くか細くなっていく。

 

 二人で抱き合い互いの体温を感じながら、沈黙の、だが安らかな時間が流れる。

 

「こら吹雪、押すなって!!今いいところなんだからよ!!」

 

「私じゃないよ!!」

 

「子日だよ~」

 

「うわぁぁぁ、これ、禁断の姉妹愛ってやつじゃないですか!?」

 

「はぁ、五月雨興奮し過ぎです」

 

「痛っ、今わらわの足を踏んだのは誰じゃ!!」

 

「若葉だ」

 

「―――あなたたち、怪我人も混じって朝潮の病室の前で、一体何やってるの」

 

 個室の扉の向こう側でどたばたと暴れる音。

 

 木製のドアがばたん、と開くと、皆が団子になって転がり込んで来た。

 

 まだ頭に包帯を巻いたり顔に絆創膏を貼ったりした、入院着姿の深雪と五月雨。そして吹雪、初春、子日、若葉、初霜のラバウル基地駆逐隊『ヒャッハーズ』の面々。

 

「な、ええっ、いつからっ!!」

 

 驚いて身体を離す霞。少し名残惜しい。

 

「よ、朝潮!!」

 

「うわあぁん、朝潮ちゃ~んっ!!」

 いつものように手を上げて軽く挨拶する深雪。その脇から弾丸の飛び出した五月雨が、肩までの長さに短くなった水色の髪をなびかせて抱き着いて来た。と、その直前で急ブレーキ。

 

「―――って朝潮ちゃん、何で裸なの?」

 

 言われて初めて気が付いた。横にさっきまで着ていたと思われる入院着が脱ぎ捨てられており、膨らみかけのささやかな胸と白いパンツが丸見えになっている。

 

「おい霞、まさか眠ってる間に変なこと―――」

 

「されたのはあたしの方よ!!ラバウルの皆で朝潮の世話を順番にすることになった、って前に言ったの、忘れたの!?」

 

「深雪はラバウルじゃねーから知らねーよ」

 

 ぐぬぬぬ、と釈然としない表情の霞と、どこ吹く風といった感じの深雪。

 

 裸でいては居心地が悪いので、早速上着だけ羽織る。胸の先が布に擦れて少し違和感。

 

「そういえば、何でラバウルの人たちがここにいるんですか?」

 

 主力艦隊の飛鷹は泊地棲姫討伐に参加していたけれども、駆逐隊『ヒャッハーズ』の面々は、演習後どこかに去ってから姿を見ていない。何をやっていたのだろう?

 

「それが聞いて下さい……」

 

 ラバウル組を代表して、何やらべそをかきながら話し始める吹雪。

 

「演習の日、昼ご飯を食べた後、私たち箱根に連れていかれたんです。そのまま芦ノ湖畔の旅館に一泊って言われて。それで慰安旅行かな、と思ってのんびりしていると、次の朝起きた時には服も荷物も無くなってて、代りに潜水艦用の水着とランドセルが残されていて……」

 

 ああ、由良が深雪にやった懲罰ゲームがこんなところで採用されていたのか。

 

「隼鷹さんの字で『横須賀まで走って帰れ』って書置きがあって、それで水着にランドセルを背負った格好で、炎天下の東海道を東へ東へ―――。沿道の人たちには応援と視線と容赦ないカメラフラッシュを浴びせられ、地元の新聞には『海軍変態行列』と書かれて―――。途中親切な人に泊めて貰ったり基本野宿しながら丸5日間かけて横須賀に戻ったら、飛鷹さんも隼鷹さんもいなくて……」

 

「わらわ、もう二度とやりとうないぞ!!」

 

「ごめんだよ~」

 

「私も流石に疲れました」

 

「勘弁だ」

 

 ……どうやら知らない所で彼女たちも、新人芸人のTV企画みたいな大冒険していたらしい。

 

 お疲れ様でした。

 

「えと、じゃあ今まで横須賀で何やってたんです?」

 

「訓練です。恥辱の5日間が終わって私たちも帰れるかと思ったら、そのまま呉から来た不知火ちゃんの地獄特訓が始まって……」

 

 それはご愁傷さま。

 

「不知火に何か落ち度でも?」

 

 不意に入り口から聞こえた妙に冷めた女の子の声に、霞を除くラバウル組がびくっ、と背筋を正す。

 

「Sir, no sir!!」

 

「あら、いい返事。不知火も心を鬼にして頑張った甲斐がありました」

 

 現れた紫色の短い髪を後ろでぴょこっと括ったブレザー姿の少女、不知火が満足そうな、というか嗜虐的な笑みを浮かべる。

 

 陽炎型駆逐艦2番艦『不知火』。

 

 吹雪たちの怯えよう、どこのフルメタルジャケットだ。というか、この子は絶対自分の趣味でやってる。

 

「不知火、あんまり怖がらせちゃダメよ」

 

 茶色の髪を黄色のリボンでツインテールにした、不知火と同じブレザーを着た少女が窘める。

 

 陽炎型駆逐艦1番艦『陽炎』。

 

 不知火と共に呉の電から派遣された、電が司令艦だと知る二人の少女。

 

「ああ、私たちの事は気にしないで。今日の夜呉に発つから、皆に挨拶しておこうと思って探してたの」

 

 短い間でしたがお世話になりました、と深々と頭を下げ、陽炎は不知火を連れてそれ以上何も言わずに去って行った。

 

「また会えるって分かってても、少しさびしいです……」

 

 吹雪がぽろりと漏らす。

 

「他人事じゃないわよ。あなたたちも明日の飛行機でラバウルに帰るんだから」

 

 と、今度は顔にかかった前髪を払いながら飛鷹が入ってきた。後ろに薄緑色の病院着姿の阿武隈と利根、そして何やら菓子折りらしき箱を手に持った由良が続く。

 

 さっき声が聞こえてからすぐに入ってこなかったが、どうやら病室の外で立ち話をしていたかららしい。

 

「明日、ですか?」

 

「そう。作戦の事後処理で隼鷹と、あと電がラバウルに残って頑張ってるみたいだけれども、人手が足りなくて猫の手も借りたいらしいのよね。だから予定を繰り上げて早めに帰ることになったの。でも……」

 

 病室内に詰めた駆逐艦娘たちを見回す。

 

「皆、なんだかんだで仲良くなってくれたみたいだから、それがラバウル第二艦隊の一番の戦果ね」

 

 ふふっ、と笑う。

 

「じゃあ私たちも、今は邪魔にならないように退出しましょう。せっかく朝潮が目を覚ましたんだから、横鎮の人たちが一番気になるでしょうし」

 

 ラバウルの駆逐艦たちに退室を促しながも、自身はベッド際に近寄ってきた。

 

 その朱色の小さな唇を耳元に寄せて囁く。

 

「覚えてる?」

 

 ……記憶の事だろう。

 

 実際どれくらいの記憶が削られたのか、自分では分からない。だが、自分が司令艦であることは分かる。

 

「―――大丈夫です」

 

「良かった。じゃあ詳しい話はまた―――今回の作戦で条件は4割を超えたわ―――あと少しよ」

 

 わしわしっ、と子供にするみたいに頭を撫でられた。次の提督会では何か進展があるのだろうか。

 

 飛鷹は最後まで残っていた霞を伴って外に出る。

 

 照れながらも霞は、去り際にこちらを向いて「じゃあね」と言ってくれた。今はそれだけで十分だ。

 

 そして騒がしいラバウル組が去った後には、鳳翔さんを除く横須賀鎮守府のメンバー、由良、阿武隈、利根、深雪、五月雨が残された。

 

「朝潮、今回の大規模攻略戦は大変だったね。これ、飛鷹さんからもらったお菓子、ここに置いておくから」

 

 由良が手に持った菓子折りをベッド脇の机に置く。

 

 包み紙に見覚えのあるカタツムリの姿が描かれているが、見なかったことにしよう。

 

「いや、目が覚めて本当に良かったのう。泊地棲姫に撃たれたときはもう終いかと思うたが、その後の朝潮の鬼神もかくやと言う容赦ない攻撃、今思い出しても震えがくるわ」

 

「利根さん、それは……」

 

 由良が利根の腕を押さえて頸を振る。

 

「おお、そうじゃった!!あれは吾輩と阿武隈が倒したんじゃったな!!追い詰められてもはやこれまで、という場面で放ったあの合体攻撃、朝潮たちにも見せてやりたかったぞ」

 

 かっかっか、と笑う。

 

 建前上そうなっている、ということなのだろう。

 

 泊地棲姫との戦い―――魚雷で攻撃した後吊り上げられ、お腹のあたりに砲撃を受けた記憶はある。

 

 その後は――――頭の中に霧がかかったようになっていて、はっきりは思い出せない。けれども自分が泊地棲姫をてにかけた、それだけはおぼろげながら覚えている。

 

 あの時の自分は、自分ではない。全てが別の大きな何かに塗りつぶされたような感覚があった。

 

 深く、重く、冷たくて、そして熱い、得体のしれない矛盾した何か。

 

 もしかしてあれが、太平洋戦争で沈んだ『朝潮』の船霊なのだろうか。だとすれば自分は、艦娘朝潮は、その心の内にどれほど恐ろしいものを棲まわせているのだろう。

 

 哀しみが形を持った痛みと狂気に変わるまで、碧い海の底で哭き続けた彼女の魂は。

 

「あはは………あたしも含めて艦隊全員大破なんて前代未聞ですけれど、精密検査で誰も問題なかったのが不幸中の幸いです」

 

 苦笑いしながら阿武隈が付け加える。

 

 「そういえばさっき鳳翔さんに朝潮の目が覚めたことを伝えたら、何だかすごく張り切ってたっけ……心配してくれてたから、ちゃんと顔は見せておかないと」

 

 今日はごちそうかもね、と由良が微笑んだ。

 

「そうそう、実は朝潮が眠っている間に、新しく横須賀に着任した子がいるの」

 

 入って、と彼女が促す。が誰も入ってくる気配はない。

 

 どういうことかと目を凝らすと、見覚えのある巫女服を着た黒髪ボブカットの少女が、扉の隙間から幽霊のようにこちらを眺めていた。

 

「え~とまだ慣れていないだけだと思うけど、朝潮も前に会ったから知ってるよね。扶桑型戦艦2番艦『山城』。ショートランド泊地が一時閉鎖になって責任者の西村提督が軍令部に栄転されるのを機に、彼の意向でこちらに転属が決まったの」

 

「不幸だわ……どこに行ったって姉さまはいないのに、よりによってあのクズに一番近い鎮守府なんて……」

 

 そう言いながらガジガジ裾噛んでるし。

 

 最後に会ってから数日経つが、相変わらずの堂に入った不幸っぷりと言うか何というか。

 

「山城の分の艤装は、新しいのが明日届く予定なの。飛鷹さんたちがラバウルに帰るのと入れ替わりに、由良と一緒に鎮守府の防衛に就いてもらうつもり。でもそんな事より……」

 

 すっ、と腰をかがめ視線の高さを合わせる。白い手が伸ばされ、手の甲を撫でた彼女の指が絡められた。

 

 そんな事よりって何よ、ああ不幸だわ……、と後ろから声が聞こえる。

 

 由良のエメラルド色の双眸が、真っ直ぐにじっと見つめてきた。

 

 ベッドを取り囲む仲間たち―――深雪、五月雨、阿武隈、利根―――が優しく見守る中、由良がそっと呟いた。

 

「おかえりなさい、朝潮」

 

「はい……ただいま」

 

 

 

 艦娘たちの戦いは続く。

 

 その先にあるのはあの戦争と同じ悲劇的な末路か、それとも別の未来なのか。

 

 今の自分には見当もつかない。

 

 けれどもただ今は信じたい。

 

 

 

 沢山の仲間たちに囲まれて

 

 今度こそ朝潮が

 

 幸せな夢を見られますように、と。







★次章予告★








E領域の攻略を終え、散発的な深海棲艦の対処と新海域開拓に邁進する横須賀鎮守府

「朝潮型駆逐艦3番艦、満潮よ。私、なんでこんな部隊に配属されたのかしら」

「あら、自己紹介まだでしたか~?私、朝潮型駆逐艦4番艦、荒潮です。また一緒に戦えるなんて数奇なものね、朝潮」

艦娘建造で現れたのは、浅からぬ因縁持つ元第八駆逐隊の仲間

「何か最近朝潮、ずっと荒潮と一緒にいるよな。つまんねーの」

「やっぱり姉妹艦の間には、あたしたちじゃ割って入れないのかな―――少し寂しいです」

「うふふふふ、皆が私たちを噂してる。でも、しつこいって言われたって今度は離さないわ、朝潮―――」

少しずつ軋み始める絆

「本日から艦娘体験学習で横須賀鎮守府に配属されました!!短い間ですがご指導よろしくお願いします!!」

「え、え~と……この子は駆逐艦朝潮候補、だそうです。大変かもしれないけど、朝潮について色々教えてあげてね、朝潮」

「やっぱり適性がある者同士、外見も雰囲気も似ておるの」

朝潮となる運命を担った少女

「あれってもしかして……最近帝都で噂の怪奇ジェンガ女?」

「姉さま~どこにいるんですか~?」

横鎮には今日も問題がてんこ盛り

そして壊滅したブイン基地とショートランド泊地にも新たな司令艦が着任する、が……

「こんな戦術思想の欠片も無い素人の指揮で、よく今まで戦ってこれたわね!!」

「―――否定はしないのです。現役海上自衛官の助言が得られるのなら、電としてはむしろ大歓迎なのです、瑞鶴提督」

「ふんっ!!」

提督会に投げ込まれた新たな火種

「わぁ、ういろうって丹陽、初めて食べました!!やっぱり日本は美味しいお菓子が多いですねっ!!」

「たんやん?雪風じゃないの?」

「この子ねぇ、元の世界では台湾からの留学生だったみたいなのよぉ」

「是!!できれば丹陽って呼んで下さい!!」

と、不確定要素

「すぐに戻って皆に知らせないと―――あんな敵、艦これでも見たこと無いでち!!」

迫りくる未知の脅威

「レ級だかレッキュウザだか知りまセンが、よくも可愛い後輩を苛めてくれたデース!!Nice and kindな私もいい加減ブチギレたネ!!」

「金剛姉様、比叡姉様、榛名も―――久しぶりにやりませんか?」

「はい、榛名は大丈夫です!!」

「気合、入れて、行きます!!」

「All right, sisters!!第7回時間無制限、金剛型SUTEGORO festivalデース!!Let's finish up this fuck'n bustard!!Ha!!」

混迷極める戦場

「ならばその怨念さえ誰かが、人間が造ったものなのです。自分の憎悪を受け継がせるため――この海に地獄を現出させるために―――」

帝都の奥底に潜む機械仕掛けの狂気

「やっと見つけた―――今度は僕がキミを守る!!」

「あの、軍人さん。その―――どなたかと勘違いされていませんか?」

分たれた想いは届くのか

「もう置いて行かないでよ!!取り残されるのは、一人になるのは嫌なのよ―――お姉ちゃん―――」

再び悪意と絶望の渦巻く海へ―――

「絶対に負けてやるもんですか―――でないと、鳳翔さんをあんなにしてまで生き残った自分が許せない!!」

その魂、紅き大洋に沈むまで―――

「一緒に行こう、満潮!!荒潮が、妹が私たちを待ってる!!」

『司令艦、朝潮です!!』next season!!




「―――朝潮、由良に何か隠し事してないかな?」



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