ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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三話連続と言ったな。
……あれは嘘だ。



いやほんとすみません勘弁してください。
まさかここまで長くなるとは思わなかったので……

そんなわけでまだまだ続きます。
今回は少々短めです。

途中、一人称→三人称への視点変更があります。


Soul54. 甦るD / a returnee ~生還、そして~

能動的に次元を超えるって、何か変な気分だ。

乗り物酔いに近い感覚と言うか、俺は正直そういうのには弱いので

そう何度もは経験したくない。

……が、最低でもあと一回はやらなきゃならないんだが。

 

その不快感を腹いせの如くぶつけるつもりはそこまで無かったのだが

次元を超えた目の前に白龍皇がいたので、つい反射的に蹴り飛ばしてしまった。

面ドライバーキック。綺麗に入ってしまった。

 

と言うか、ふっとんだ。

アインストに苦戦した今の俺が、白龍皇を蹴り飛ばした? しかも綺麗に。

そこまで力を奪った感じは無いんだが……

 

「せ……セージ! お前、無事だったんだな! よ、よかった……!

 しかも右手も戻ったんだな! やったじゃないか!」

 

『れ……霊魂のだと!? 霊魂の……貴様、その力は……右手は何処で手に入れた!?』

 

……あー、言われると思ったよ。紫紅帝龍(ジェノシス・ドラゴン)――紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)について。

はっきり言って、ドライグに諸々解説する義理は無い。

今試す気にはならないが、恐らく今イッセーに憑依しても

もう俺の右手が持っていかれることは無いだろう。その前に憑依出来るかどうかが疑わしいが。

 

「右手は元に戻った。俺は力を取り戻した。事態は切迫している。以上。

 あとはどこぞの警視さんじゃないが俺に質問するな」

 

「いや、端折り過ぎだってセージ……」

 

いや、これ以上余計な情報を流すと白龍皇まで釣っちゃうからやりたくないんだが……

しかしイッセーは、俺の説明にあまり納得していないみたいだ。

そりゃまぁ、さっきまで右手が無かった奴に右手が生えていれば気にはなるだろうけど。

 

……つか、当たり前だけど元々右手はあったっつーの!

お前だってそれは知っているだろうが!

 

「空間を開けるぞ、そこの赤龍帝を連れて行くなら急ぐんだ」

 

「あん? 誰だあのイケメン? イケメンってだけで……」

 

「彼は白金龍(プラチナム・ドラゴン)。俺の恩人みたいなものだ。彼が元の世界に飛ばしてくれる。

 ……ここでつまらない喧嘩をしたくないのだったら急いだほうがいい。

 俺たちの敵は誰だ? こんなチンピラ紛いの白トカゲか?

 それとも未来を奪わんとするバケモノか?」

 

ああ、やっぱりか。だから何でお前はイケメンってだけで目の敵にするんだよ。

イケメン=人類の敵なんて不文律は俺の辞書にも記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)にも無いんだが。

 

『霊魂の! 「赤」と「白」の戦いに口を挟むとはお前も随分と偉くなったものだな!』

 

『全くだ。言うに事欠いて「白トカゲ」だの「チンピラ」だの言われるのは不愉快だな』

 

当たり前と言えば当たり前だが、ドライグと白龍皇が口を挟んできた。

しかし白龍皇よ。さっきまでの態度を見ていればお前の宿主がチンピラにしか見えないのは

俺の世界が狭いからか? 誰彼構わず喧嘩を吹っかけるスタイルはチンピラのそれなんだが。

ヤのつく自営業の人たちも今日日……と言うか元来そういうことはしないぞ。

 

『おいセージ。誰だこいつら』

 

『……っ!?』

 

『ど、ドラゴン……だと……!?』

 

「フリッケンか。一応アレが俺にあると言う力の大本になった二頭だ」

 

あ、そうか。通りすがりのフリッケンはドライグも白龍皇も知らないんだっけか。

ただ、俺のほうにある力でしかその存在を知らない。

 

『じゃあ俺の先輩方ってわけか。よろしくな、ロートルさんがたよ』

 

『ろ、ロートルだとぉ……』

 

『「二天龍」に向かって随分と舐めた口だ! 新入りのドラゴンは礼儀を知らんと見えるな!』

 

ふ、フリッケン……

俺も他人のことは言えないが、こいつも相当口が悪いな。

傍から見ている分には爽快だが、フリッケンは俺に宿っている。

この先余計なトラブルを作ってくれないことを祈るばかりだ。

 

「ん? ちょっと待てよセージ。ドライグは分かるけどよ、白龍皇の方もお前に……?」

 

「あ? ああ。俺ははっきり覚えてないが、最後に奴の腹をぶち抜いただろ。

 そのときに白龍皇の神器(セイクリッド・ギア)の一部を奪ったらしい。それを取り込んだって訳さ」

 

『で、その結果がこの右手だ……っと。どうやら白金龍の準備が済んだようだぞ。

 急いだほうがいいんじゃないか?』

 

話し込んでいる間に白金龍が俺たちの世界に戻るゲートを開けたらしい。

向こう側に、巨大な蛇の怪物が見える。恐らく、まだ天照様らが戦っているのだろう。

そこに俺たちが行って、力になれるのかって話だが。

 

「出るなら急いでくれ! この空間、どうやら何か強い力で維持されているみたいだ!

 あまり長時間、ゲートを開けていられない!」

 

「わかった! 何から何まで感謝します、白金龍!

 さあイッセー、聞いての通りだ。出るぞ!」

 

俺は有無を言わせず、イッセーを引きずってゲートに駆け込もうとする。

勿論、その目の前には白龍皇が飛び出してくるが……

 

「何処へ行くつもりだ赤龍帝! 俺と戦え!」

 

「嫌だね! 俺は部長のところに戻るんだ! こんな部長どころかおっぱいも吸えない世界で

 野垂れ死ねるかってんだ!」

 

「イッセーの言うことは置いておいて……悪いが白龍皇、こうなっては取引はチャラだ。

 俺はあのアインストを倒すまでの期間、最低限の停戦を申し込んだ。

 それを破棄して攻撃してきたのはそっちだ。つまり、だ……

 

 ――今更お前の要求など飲めるか!」

 

DIVIDE!!

 

「逃がさん! こうなったらお前をダシにしてでも赤龍帝には俺と戦ってもらうぞ!」

 

白龍皇が俺の左手を掴み、「半減」の力を行使してくるが……

悪いな。今それ俺にも使えるんだ。

殴りかかろうとしてきた白龍皇の腕を掴み返す。

力が落ちている分、押さえるので精一杯だが……

 

「右手」は奴の腕を確かに掴んでいる。条件は揃っているんだ。

 

「……誰がダシだ。俺たちはただ、こんなお前しか得をしない戦いに

 付き合ってられないだけだ!」

 

DIVIDE!!

 

「な、なんだと!?」

 

『さっき言ったのはハッタリではなかったということか!』

 

『セージ。今はっきり分かったが、今の力は重ねがけが効かない。

 だが、その状態でももう一つの力は使えるぞ。そっちも重ねがけは効かないだろうがな』

 

「フリッケン。そいつを聞けて安心した」

 

BOOST!!

 

白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)」には確か

「相手の力を半減し、その力を自分の物にする」と言う効果があった。

それに「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」の「自分の力を倍加する」を加える。

……するとどうなるか。

 

「ぐ、が、があああああああっ!?」

 

こちらの力が1、相手の力が4であったとしても。

最初の一手で(2or3)対2となり。

さらに次の手で4~6対2となる。

 

この一手で優位性を確信した俺は、白龍皇の手首を掴みなおし

そのまま捻り上げた。

しかし、こいつ腹をぶち抜かれたのによくそんな力が残っていたな。

回復アイテム的なものでも隠し持っていたのか?

 

「せ、赤龍帝と白龍皇の力を同時に……!?」

 

『ど、どういう事だ赤いの……!?』

 

『ば、バカな……相反する二つの力を……はっ!?』

 

「……あ、ああ。ありえるかも知れねぇ。木場だ。木場の奴も聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)を完成させた。

 対立する二つの力の融合、それが出来るってのは前例があるじゃないか。

 もしかしたら、とは思ったけどよ……まさかこれほどの物になるなんてな……

 

 ……ははっ。やっぱすげぇじゃねーか。セージ」

 

『当然だ。俺も、俺の宿主もこの程度で終わる奴じゃない』

 

フリッケンはさも当然と言わんかのごとく鼻を鳴らしている。

口が悪く自信過剰なタイプか。また頭が痛くなりそうな……

 

……けれど今は、それが非常に心強く、頼もしい。

そんなフリッケンの鼓舞に答えるように、白龍皇の腕をそのまま捻り上げ、背中を向けさせる形にし

思いっきり蹴りを入れる。遊んでなどいられない。俺達は帰る。帰って成すべきことをする。

 

「白龍皇! そこで寝ていろ! 行くぞ、イッセー」

 

「お、おう!」

 

イッセーの手を引き、俺達は白金龍が作り出したゲートに飛び込む。

やはり知覚している状態で次元の壁を破ると言うのは気分のいいものじゃないが……

魔法陣による移動と違って、強引に突破しているからだろうか。

 

――もう、迷子になるなよ?

 

ゲートをくぐる瞬間、白金龍がそう語りかけてきたのが聞こえた気がした。

 

 

――――

 

 

◇◆◇

 

 

――――

 

 

二天龍の消失。それはカテレア――いや、アインストレヴィアタンとの戦いに臨もうとしていた

神仏同盟や三大勢力に衝撃を与えた。

その中でも、その決断を下したサーゼクスには様々な意見がぶつけられた。

 

曰く――戦力をそぐとは何事か、と。

 

曰く――結界を守るためには致し方ない、と。

 

そのいずれも正しい。それほどまでにアインストレヴィアタンは強大であった。

大日如来の「時間加速空間(クロックアップ)」。アザゼルとミカエルの光の槍。

天照大神の砲。ヤルダバオトの「創世の目録(アカシック・リライター)」。それらを集めても一進一退と言う有様だ。

滅びの力は相手に力を与えるだけと言う理由から、サーゼクスは前線に出られない。

しかもアインストレヴィアタンは次々と下位のアインストを繰り出している。

朱乃と合流を果たした木場が下位のアインストの相手に回っているが

下手に前に出ればアインストレヴィアタンの戦いに巻き込まれるため

露払いすら出来ない状態だ。

 

「排除……消去……

 今ここに……望まれぬ……世界は……」

 

「御託はいいっつたぞ、カテレアぁ!!」

 

一瞬の隙を突き、アザゼルがアインストレヴィアタンの背後に回る。

肉迫しており、尾の砲も使える距離ではない。

アインストとなっても、悪魔の因子が多少は残っているのか光力による攻撃は有効だった。

それが、三大勢力にとって幸いだったかもしれない。

 

「この距離じゃゲロビ砲は使えねぇよなぁ?」

 

「浅慮……無知……蒙昧……

 望まれぬ者に……相応しい……最期を……」

 

そう。アザゼルは確かにアインストレヴィアタンの背後を取った。

そこは尾の主砲も発射できない位置。振り回しても当たらない位置。

いわば安全地帯。

 

――そう、アザゼルは思っていた。

だから、守りを考えず攻撃に出ようとしていた。

墮天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)。アザゼルの持つ人工神器(セイクリッド・ギア)

神器と言うものの成り立ちを考えれば、ヤルダバオトどころか

真なる聖書の神たるヤハウェの怒りをも買いかねない代物。

実際、アザゼルはこの場において有効な力足りうると考えていたのだが……

墮天龍の閃光槍が、アインストレヴィアタンに刺さることは無かった。

 

「ぐああああああああああっ!?」

 

その前に、アインストレヴィアタンの尾が、アザゼルの腕をまるごと噛み砕いたのだ。

そう。アザゼルが回りこんだ位置。それはアインストレヴィアタンの尾――

もう一つの「口」がある、その位置に。

 

人間のような歯を生やした、巨大な口。

それが容赦なく、アザゼルの腕を噛み砕いたのだ。

骨付き肉を骨ごと噛み砕くと言う、通常ありえない食べ方。

それが、アインストレヴィアタンの異様性をこれでもかと物語っていた。

アインストレヴィアタンの尾の口からは、血が滴っている。

 

「あ、アザゼル!」

 

「ひ……っ!」

 

目の前で起きたあまりにも残虐な行為に

治療のために待機していたアーシアの顔から一気に血の気が引く。

主を守ろうと果敢にアーシアの前に立つラッセーだが、あまりにも規模の違う戦いの前に

小さな身体は震え上がっており、アーシアに抱きかかえられる形となってしまっている。

 

「あ……頭からじゃなくて……よかったと……言うべきかよ……っ!」

 

右手を喰われ、ふらふらと飛びながら距離をとろうとするアザゼルだが

その瞬間を見逃すアインストレヴィアタンでもなかった。

追撃と言わんばかりに、今度は足を喰おうと「口」が迫るが

その攻撃はミカエルによって阻止される。

 

しかし、次の手……かつてカテレアであった上半身から繰り出された触腕の攻撃までは

今のアザゼルに回避することはできなかった。

触腕になぎ払われる形で、アザゼルは地面に叩きつけられる。

 

この一連の流れにより、接近戦も危険であることが証明されてしまった。

実際、今まで挑んだ接近戦は大日如来が加速して挑んだ攻撃くらいである。

尾の砲から発射されるビームと、尾そのもののなぎ払い。

これにより、最早駒王学園は原型を留めていない。こうなっては、地下も無事かどうか。

 

右腕を失うと言う重傷を負ったアザゼルもそうだが、サーゼクス、セラフォルー以外のメンバーも

少なくは無いダメージを受けている。大日如来の法衣は所々に穴が開き

天照の艤装も黒煙を上げている。

服も若干だが破け、胸の徹甲弾風の胸当てが露出してしまっている。

ミカエルは肩で息をしており、ヤルダバオトも平静を装ってはいるが内心では思考の堂々巡りだ。

 

「ぐ……何故私はこんな大事な場面で何も出来んのだ……っ!!」

 

「サーゼクスちゃん……こうなったら逃げよ? リアスちゃん達連れて、私達だけでも逃げよ?

 逃げて冥界から応援呼んでくるの。アジュカちゃんに、ファルビー。

 それからギレちゃんにハマリアちゃん。……」

 

この絶望感からか、セラフォルーはサーゼクスに撤退を具申している。

是非はともあれ、サーゼクスは立場上冥界のシンボルであると言える。

既に組織としての体を成しているかどうかが危うい堕天使と違い

悪魔は明確に組織が存在している。

そんな中、組織のトップが失われると言うのはそれだけでも危機的状態を意味する。

 

「それは出来ない。私に出来ることは何もないかもしれない。だが、ここで逃げては

 アザゼルにもミカエルにも、そしてここで戦っている皆に申し訳が立たない。

 だからセラフォルー。君がリアス達を連れて逃げるんだ。

 ……アインスト。確かドイツの人間の言葉で似たような言葉があったな。

 意味は確か……『過去』『かつて』……ふふっ、旧魔王派に相応しい相手と言うべきか……」

 

「そんなのダメ! サーゼクスちゃんも逃げるの! 今サーゼクスちゃんがいなくなったら……!」

 

「サーゼクス……セラフォルー……

 不思議な……ものですね……

 あれほどの……憎悪も……今はもう……ただ……」

 

そんな中、次にアインストレヴィアタンが狙いを定めたのは二人の魔王。

彼らを前に、カテレアだったものは静かに右手を天に掲げる。

そこに、力の奔流を集めながら。

 

「ぐ……空間が!?」

 

「サーゼクスちゃん! 逃げて!」

 

「もう……遅い……あなた方も……静寂なる……世界に……」

 

カテレアだったものの右手は、ゆっくりと握り締められようとしている。

その右手の中には、サーゼクスとセラフォルーが映っている。

それに呼応するかのように、サーゼクスとセラフォルーの周囲の空間も圧縮され――

 

――そのまま、握りつぶされた。

 

「魔王様!」

 

「サーゼクス! セラフォルー!」

 

これで堕天使と悪魔のトップがやられたことになる。

残るは天使のトップ、そして神仏同盟に偽りの神。

魔王がやられたことに、朱乃や木場が参戦しようとするがそれはヤルダバオトに止められる。

 

「あなた方の力であれは倒せませんよ。こうなった以上仕方ありません。

 ここを中心に強力な封印の術式を展開します。

 そうなれば、ここは悪魔も天使も堕天使もない土地になります。無論、神もです。

 神器はその力を失い、ここにいる者は何一つの例外も無く外に出ることは出来なくなります。

 こうなっては、それこそがこのアインストを止められるであろう唯一の方法ですからね」

 

「……私は異議を申し立てません。残念ですが、姫島を中心にここはもう

 我々天津神も、国津神も声を届けることの出来ない土地ですから……」

 

「それ以外の方法がないというのであれば、仕方が無いな。俺も同意しよう。

 こんなばかげた生命体のために、この国の、いやこの世界の命をつき合わせる必要は無い」

 

「悪魔も天使も堕天使も……それどころか神も無い……そんな世界を作ろうと言うのですか!?

 偽りとは言え、神であるあなたが!?」

 

現時点での賛成は2、反対は1。見事に神仏同盟と三大勢力のうち一つが分かれている形だ。

こうなることはヤルダバオトも予測していたのか、何も言おうとはしなかった。

 

「やっぱヤルダバオト……てめぇこれが目的で

 アインストをけしかけたんじゃねぇだろうな……?」

 

「右手を失いながらその物言いは感服いたしますよアザゼル。

 ではあなたにはあれを止める方法があると言うのですか?

 二天龍は失われ、三大勢力どころか神仏同盟のお二方にも協力いただいてこの体たらく。

 方法があれば、教えていただきたいものですが。

 後、私はアインストを知ったのは今日が初めてですよ?

 如何に私が全能の神の影を勤めていたとは言え

 外の世界にまで目は向けていませんでしたからね。

 

 ……最も、そのお陰で対応が後手に回ってしまいましたが」

 

そう。偽りとは言え全能の神までもが匙を投げ。

世界の理を知るものが悉く打ち破られると言う「ありえない」状態。

 

ある経典にはこう記されている。「目には目を、歯には歯を」と。

この記録に則るならば、この場合適切なのは外の世界の力を使うこと。

しかしそれは、間違いなく新たな災いをもたらすことに繋がる。

そうでなくとも、場当たり的な対処法と揶揄されても返す言葉が無い。

――それでも。

 

最後の切り札が用意できないのならば、作ればいい。

なんと強引で、横暴で、無茶な対策法なのだろうか。

それが出来る唯一の者が、今ここに返り咲こうとしていた。

 

それは神でさえ知りえなかったこと。

それは天使の常識を超えていたこと。

それは悪魔の誇りを粉微塵に砕くこと。

 

それは龍の歴史に、加筆される瞬間。




キリのいいところで今回はここにて。
まだまだ続きますよ。

解説は前回の続きから。

>紫紅帝龍の名の由来
ジェネシス(創世)+ジェノサイド(殺戮)

創造と破壊

全てを破壊し、全てを繋げ!

そう言えば某呪われし放浪者の必殺武器にもほぼ同様の由来の武器がありましたね。
あっちはあからさまに意識してる元(?)機体の最終兵器の名前由来かもですが。
それからこの組み合わせでゴッドマーズを連想しちゃった人は正直に名乗り出てください。
きっと私も同じこと考えてますから。
最近の騎士ガンダム推しは一体何だろう。いいけど。

>フリッケンの名の由来
ドイツ語(またか!)で「継ぎ接ぎ」の意。
赤龍帝と白龍皇の組み合わせ、セージの能力の性質等から。

>アインストレヴィアタンの尾
そういえば深海棲艦の艤装の歯って、あれ凄く痛そうですよね。
目がなく、やたら歯並びのいい怪物って得体のしれない不気味さがありますよね。
エイリアンとか。
……韮澤クリーチャーにもそれに類する怪物がいますよね。
韮澤デザインの深海棲艦、見たかったかも……
いや、姫級とかすっごい浮くのはわかってますけど!

今回、仮に頭から行っていたら俗にいう「マミられた」状態になってました>アザゼル
原作では左手ですが、拙作では右手を失ってます。

……原作でイッセーに言った「悪魔になってよかったな」発言の
意趣返し……かもしれません。もしセージがそんな事言われた日には
確実にブチ切れますので。

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