ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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書き貯めがなくなってきました。
なるべく毎月曜の更新には間に合わせるようにはしていますが……

今回、匿名掲示板風の演出があります。
その手のノリが嫌いな方はご注意ください。

ノリ以外の問題点を挙げるとすればAAが見苦しくなってるくらいでしょうか。


Soul43. 密室に差す光明

祐斗と塔城さんに協力の約束を取り付け。

結局、その日はそれだけで終わりはしたものの、現状の打開の一歩を踏み出せたと思う。

そんな俺の思惑をよそに、今旧校舎の開かずの間の封印が解かれようとしている。

 

……そういえば、何故幽閉が解かれるのか。

ギャスパーとやらの幽閉が解かれた理由。それについての説明は、ついぞ無かったな。

俺が幽閉される理由は言わずもがななだけに、なにやらきな臭いものを感じる。

まぁ、だからグレモリー部長がこの決定に対して反発を覚えたのかもしれないが。

 

聞けば、能力の制御が困難だからギャスパーは幽閉されていた。

まぁ、そこまではいい。

封印しておくのは、往々にして曰くつきなモノばかりだからだ。

では何故、それが急に解かれたのか。

 

「グレモリー部長。ギャスパーとやらは俺みたいに反抗的なんですか?」

 

「反抗的って自覚があるなら直して欲しいのだけれど……まぁいいわ。

 反抗的って訳じゃないけど……ただ、極度の人見知りなのは間違いないわ。

 この部屋から、一度も出たことが無いんですもの。

 一応、旧校舎内であれば自由に動ける風にはなっていたのだけれど……」

 

「でもセージ君はこの部屋からも出られませんわ。残念でしたわね」

 

……そういう事をニコニコ笑顔で言うもんだから、俺は軽く姫島先輩に殺意を覚えた。

殺意は言い過ぎかもしれないが、うざいとは間違いなく思った……。

しかしほぼ同等の扱いとか言っておきながら、結局は俺をここから出すつもりは無いんだな。

よほど、他人を管理下におかないと気がすまないと見える。

まあ、あんなクソッタレな道具で他人を縛るのがトレンドになっているくらいなんだ。

そういう思想が蔓延するのもむべなるかな、か。

 

「そうだぞセージ。いい機会だから反省しとけ」

 

「……お前こそ、俺がいないからって性犯罪に手を染めるなよ。

 そうでなくとも、お前には前科がある。

 お前がやっている事は、犯罪だって言う認識が無さ過ぎる。

 お前は一度、オカ研の部員含めた女性陣にどう思われているのかをもっと見つめなおせ。

 松田や元浜にも言えることなんだがな。

 ……そういう行動に走るから、余計にもてなくなるんだと言うのがまだ分からんのか」

 

イッセーが偉そうに語ってくれたので、俺もつい熨斗をつけたカウンターを見舞ってしまった。

自分のしている事が犯罪だと言う認識が無い。

いや、犯罪だと知ってて行う故意犯もどうかと思うが。

こいつには一度道徳と言うものを一から叩き込むべきだと俺は思う。

罪の意識の無い犯罪者。それって最早サイコパスの領域ではなかろうか。

何も某フリードみたいに殺人鬼ばかりがサイコパスじゃない。

連続放火を働き、市民の生活を脅かし個人の欲求を満たすのと

性犯罪で精神的苦痛を与え、個人の欲求を満たす。どれほどの違いがあるのだと。

 

……やはり、友人は選ぶべきだろうか。

確かにこいつにも美点はあるんだが、それを全て打ち消すほどにマイナス要素が強すぎる。

人間なんてそんなものかもしれないが、ここまで悪名を轟かせていては……。

 

そんなイッセーの態度に頭を抱えていると、件の扉が開く。

それと同時に、金切り声が響いてくる。どいつもこいつもうっせーな。

聞いたことの無い声なので、恐らくこの声の主がギャスパーとやらなんだろう。

……記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)が無いのが悔やまれる。アレがあると話が早くなるのに。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!! ブンブン振り回されるのいやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「あ……あらあら。一体何があったのかしら」

 

「……セージ君」

 

困惑している様子の姫島先輩だが、事情を察した祐斗は俺の方を睨んでいる。

うっ……お、俺だって知らなかったんだよ。だが……やっちまったのも事実だしなぁ。

意を決して、俺は中に入ろうとした……が。

 

――数歩先にいたはずの相手が、いつの間にか遠くにいる。

移動した様子は全く無い。そういえば、部屋に入った瞬間

周囲のものの色という色が一切合切消えうせた、そんな錯覚を覚えた気はしたが。

 

……何が起きたんだ? ええい、記録再生大図鑑さえ使えれば!

 

「大きい人やだぁぁぁぁぁぁ!! 怖いぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「と、取り付くしまもありませんわね……。

 明らかにセージ君を見て怯えているようですけど……」

 

「セージ、あなたギャスパーに何か……出来るはずもないわね。

 一体どうしたと言うのかしら……」

 

……ここで黙っておくのもまずいと考え

俺はコカビエル戦でギャスパニッシャーを生成した経緯を掻い摘んで説明する事にした。

しかし今考えると、ギャスパニッシャーという名前も

ギャスパー・ヴラディから取られたと考えると凄く合点がいく。

ああ、やはりあの棺桶の中に入っていたのか。

そういえば、棺桶をモーフィングさせる前に何か聞こえた気がしたが……。

 

「――と、言うわけですグレモリー部長。ギャスパー、先日はすまなかった。

 俺もまさか、棺桶の中にお前が入っているなんて知らなかったんだ」

 

「あ、あなたねぇ……なんだか、その能力封印されてよかったって思えてきた気がしたわ。

 まさか生物まで変化させるなんて、規格外もいいところよ」

 

「あらあら……『対象物を変化させる』アイデアは確かに出しましたけど

 まさかギャスパー君まで変化させてしまうなんて……これは私も驚きですわ」

 

……能力会得させたのはあんた達だろうが。特にグレモリー部長。

あんたのゴタゴタが無ければ無かった能力なんですがねこれは。

それにこっちは事故で使えなくなってるんだ。

事故に遭った奴に向かってよかったは無いでしょうよかったは。

 

「……も、もう振り回しませんか?」

 

ああ……多分。

少なくとも今は、やりたくても出来ないがね。

振り回そうにも、俺は塔城さんじゃないんだから片手じゃ無理だろう。

 

「せ、セージお前! こんないたいけな女の子をハンマーにして振り回すとか何考えてるんだ!

 お前、人に散々説教しておいて自分はそれか! お前だって……」

 

「イッセー、熱弁ふるってるところ悪いんだけど……ギャスパー、男の子よ?」

 

――はい?

 

俺とイッセーが、珍しくはもった。

ギャスパニッシャーのデザインと、今のギャスパーの格好やこの部屋のデザインで

少女趣味とは思ったが……女装趣味でもあったとは。

格好がこうなだけで、男なんだろ? まぁ、ちょっと面食らいはしたものの

そういうもんだと思えば、別にどうと言う事はない。

そもそも、悪魔だ妖怪だ幽霊だ、そんな連中の相手をしているものだから

今更俗に言う女装子が出てきたところで、どうってことは無い。

だがイッセーはこの世の終わりのような顔をしている。

いや、それはそれで失礼じゃないか?

 

「こんな……こんな見た目美少女なのに……そんな……」

 

「お前は他人を見た目でしか評価できんのか。

 しかし……ふーむ……なるほどなるほど」

 

「なっ……何なんですか……?」

 

「いや、着こなしがうまいな、と。俺もファッションに関しては素人なんだが

 これは下手な女性よりもよほど上手に服を着ていると思う。

 イッセー、何時までそうしてるんだ。別にどこぞのミルたんみたいに

 こいつは筋肉モリモリマッチョマンの変態じゃないんだから」

 

「筋肉モリモリ……怖いぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

ぬ。ちょっとびびり過ぎじゃないか? 言葉に出しただけでこのざまとは。

想像力豊かと言うか、なんと言うか。しかしこのままでは話が進まない。

軽く錯乱しているようにも取れるが、このままではなぁ。

 

「……ギャスパー。あなたが出たくなくても、今日からこの部屋に一人入るの。

 あなたがその人と一緒にいたいのなら、別に出なくても構わないわ。

 ただ、その人はあなたの言う怖い人よ?」

 

おや。グレモリー部長にしては珍しく、突き放した態度だな。

まぁそれ位やってくれないと、話が進まないのだろうが。

案の定、ギャスパーはさらに錯乱しだしている。

 

「怖い人と一緒にいるのやだぁぁぁぁぁ!! ここに一人でいるのがいいぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「……なぁ。お前が男なら俺は別に相部屋でも構わないんだが。

 誰かさんみたく我儘言い続けるのはやめにしないか?

 このままじゃ、話が進まない。今度お前の代わりに幽閉されるのは俺なんだ」

 

……幽閉って環境でないのならば、俺は別に相部屋でも構わなかった。

幽閉って環境だから、出られるならば出してやりたいのもまた人情ってものなんだが。

……あ、でも曰くつきのものだから、下手に出したらまずいのか?

 

「えっ? あ、あの……どうしてですか?」

 

「知りたいか? それはだな……」

 

「セージ! 余計な事は言わないで!」

 

チッ。こうなるに至った一部始終を解説しようと思ったんだが

グレモリー部長に制止されてしまう。こっちからも話をしなきゃ意味が無いだろうに。

何故こうなったか、どうしてなのか。

それは行動を決めるに当たって重要なファクターではないのか?

 

「ぶ、部長がそういうなら、いいです……」

 

「……つまらん。と言うか、話したかったんだがな」

 

ああ、もしやお前もその口か? 上から言われるがままに行動する。

その言われた事の意味を疑問に思わず、ただ言われるがままに動くだけ。

まぁ、それが眷属の正しいあり方らしいけどな。

……全く知的生命体の生き方ではないがな。

 

ともあれ、観念したのかギャスパーは部屋から出ることになった。

部屋の私物は魔法で既に転移させられている。用意周到なことで。

すっかりだだっ広くなった部屋に、今度は俺が入れ替わりで入る事になる。

 

「……なるべく早く出してもらえるようにするわ。それまで大人しくしていて頂戴。

 イッセー、セージの事は――」

 

「――待ってください部長。見張りは、僕と小猫ちゃんに任せてもらえませんか?」

 

「え? けど、霊体のセージが見えるのはオカ研の中じゃ俺だけ……」

 

「……この部屋の中には、結界が張ってあるんですよね?

 なら、私たちにも見えます。だから、私たちにも見張りは出来ます」

 

作戦通り、祐斗と塔城さんが見張りを名乗り出る。

さて、どうなるか。ここで却下されたならばそれならそれだ。

まあ、最悪イッセーに外の様子を聞くことになるがそれでもある程度は問題あるまい。

……駒王番長の件と、俺の身の振り方の件については絶望的だが。

実のところ、イッセーには別件で聞きたいことがあったりする。

 

――ドライグだ。俺の右手を奪って以来、俺の事には一切触れてこないらしい。

まあ、本気で俺を予備電源程度にしか考えていなかったのだろうがな。

俺が消えたところで、奴にとっては痛くも痒くも無かった。

その程度に見られていたと思うと、少し……いや結構腹が立つな。

最も、今はどうしようもできないが。

 

「……まぁ、わかったわ。じゃあイッセー、祐斗、小猫の三人で見張りを交代。

 セージが何かするわけでもないとは思うけれども、一応ね」

 

「……お好きにどうぞ」

 

結局、随分と大掛かりな見張り体制になってしまったが

俺は晴れて……と言うのも何か変なものを感じるが、幽閉生活を始める事になった。

 

――――

 

――幽閉生活を始めて、最初の夜を過ごした。

結局、夜中は寮住まいの祐斗か塔城さんが見張りについているらしい。

高校生なのに夜勤とは、労働基準法も真っ青なシフトだとは思う。

なので、俺も鬼畜生ではないので夜中は彼らに要らぬ心労を与えぬよう大人しくしている。

 

……それに、ここでギャスパーが悪魔契約に使っていたらしいパソコンがあるため

時間つぶしには全く苦労しない。勿論、契約の用途として使ってはいない。

単純に、ネットを介した情報収集だ。

 

こんな便利なものがあるなら、祐斗や塔城さんの協力は要らなかったのでは?

などと思う不届きな輩もいるかもしれないが、俺はそうは思わない。

なにぶん、ネットで得られる情報と言うのは範囲が広すぎて絞りづらいのだ。

まして、俺が彼らに頼んだのはごくローカルな情報だ。

その手の情報を集めるだけならば、裏サイトなるものもあるらしいのだが

俺は未だその実態を掴めてはいない。

……だが裏サイトか。正攻法では調べられない情報も、ありそうな気はする。

最も、裏社会と言うものは既に悪魔の手が伸びているらしく

悪魔である俺らにも、優先的に情報が回ってくると思うんだが……。

 

――気が向いたら調べてみるか。駒王学園の裏サイト、か。

……ククッ、面白い情報がいっぱい埋まっていそうだよ。

 

ともかく。こうしてネット環境があるのは好都合だ。

俺はこれでも、パソコンはあれこれ弄った事がある。

足がついてはまずいと、接続の設定を調べてみたが

普通に近所のwi-fiに接続されているようだ。

最も、そこが悪魔――それも魔王陛下に抑えられていたらおしまいなのだが。

幽閉中に、契約を取るでもなく情報収集を行っていると知られれば……ねぇ。

 

しかしここで二の足も踏んでいられない。

そう考え俺はさっきから左手一本でキーボードを叩きながら

ディスプレイとにらみ合っている。中々しんどいが仕方ない。

 

「情報を得るには、まず餌がいるな……。

 『【悲報】ワイ転生悪魔、悪魔の駒が身体に合わずバケモノになったンゴwwwww』

 ――っと。

 

 ……さあ、どうだ……?」

 

食いつきそうな餌を片っ端から撒いてみる。

俺が知りたいのは、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)の除去方法。

これを抑えておけば、後はうまく外に出られたときに実践するのみだ。

出来れば、イッセーに負担のかからない方法が望ましいのだが。

 

勿論、すぐに情報が入るとは思っていない。

だから、俺はグレモリー部長に「ゆっくりでいい」と話した。

……で、どうなったかと言うと。

 

 

【悲報】ワイ転生悪魔、悪魔の駒が身体に合わずバケモノになったンゴwwwww

 

1 : 名無しの悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:TkIWDeviLMaN

 

質問ある?

戻し方知ってたら教えてクレメンス

 

2 : 名無しの悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:JaLienPEDanO

 

|-|・▽・|-|

ヽ|□ □|ノ ガシャーン

 | __| ガシャーン

  ||

 

3getジョーだよ

自動で3getしてくれるすごいやつだよ。

 

3 : 名無しの悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:oUsHImaKAzei

 

2get

 

4 : 名無しの悪魔@俺の趣味だ YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:AmR0KmIrujDO

 

>>1

バ……仕様だから諦めろ

 

>>2

AAずれてんぞ

 

5 : 名無しの悪魔@働いたら負け YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:GFAlconDNDrO

 

>>1

糞スレたてんなめんどくさい

 

>>4

仕様じゃね?

 

6 : 名無しの悪魔@まじ☆かる YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:MGSEira4RuLC

 

>>1

んーとね、サポート対象外なの☆

 

7 : 名無しの悪魔@真っ赤な超越者 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:ChAR6LuCIFEr

 

>>1

悪魔の駒に不備は無いんですが。

バグ呼ばわりされた変異の駒も仕様だって発表あるから。

 

いい加減な事言ってると特殊部隊動くぞ?

 

8 : 名無しの悪魔@現代の悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:ThEZaBISBroS

 

>>7

んな事で特殊部隊動くとかwwwwww

 

9 : 名無しの悪魔@はにゃーん YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:HAmaANSAmABz

 

>>7

恥を知れ俗物wwwwww

 

10 : 名無しの悪魔@チョコ愛好家 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:WoNURubEISKw

 

>>7

匿名掲示板の書き込み一つで動く特殊部隊とかwwwww

民度低すぎて草不可避wwwww

っつーかそんな暇じゃねぇしwwwww

 

11 : 名無しの悪魔@恐縮です YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:wPAobAoAQfuU

 

>>1もだけど>>7も叩かれすぎワロタw

でもどんなバケモノか気になるからkwsk>>1

具体的には画像クレメンス

 

 

……見事に人間世界の匿名掲示板のノリそのまんまだった。

これ……本当に冥界のネットなんだよな?

まあ、俺も話半分で餌を撒いていたので、ろくな情報が入るとは思わなかったが……ん?

>>11に、食いついているのがいるな。とりあえず、どうせネタ半分だから

前もって保存をかけておいた画像データを……っと。

 

 

18 : 名無しの悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:TkIWDeviLMaN

 

>>11

ほれ画像

ttp://meikairoda.com/gazo/7538315193.jpg

 

19 : 名無しの悪魔@ドラゴンアップル農家 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:TaNNeenDraGN

 

>>18

横レスすまんやで

こいつドラゴンアップルの害虫にそっくりなんだけど

これ何処で撮ったん?

つか>>1はドラゴンアップル食った事あるのか?

あるなら全力を挙げて潰すが

 

20 : 名無しの悪魔@恐縮です YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:wPAobAoAQfuU

 

>>18

ほんとだ、ドラゴンアップルの害虫にそっくりじゃん

背景は人間の街っぽいけど……>>1は人間界にいるの?

でも人間界にドラゴンアップル成ってないし……???

 

21 : 名無しの悪魔 YYYY/MM/DD HH:MM:SS.SS ID:TkIWDeviLMaN

 

>>19

すまんが俺はそのドラゴンアップルってのを知らないし

食った事もない

だから潰さないでくださいおながいします

 

>>20

人間界の日本って国

こんな格好じゃ冥界にはいられないから、こっちの妖怪領とかでひっそり生きてる

でも通報は勘弁な

 

 

勿論、撒いた餌には虚偽情報も多く含んでいる。

そもそも俺とこのはぐれ悪魔はイコールじゃない。

とりあえずこのはぐれ悪魔がスレッドを立てたって風にしたほうが

第三者の俺名義で情報を集めるよりも効率よく情報を集められると思ったからだ。

それ以前に言ってしまえば、匿名掲示板に蠢いている情報なんざ嘘八百もいいところだ。

そこで情報収集すると言うのも、無謀なもんだが……。

 

とりあえず、現時点ではこのはぐれ悪魔に関する情報だけか。

しかも、これが何でこうなったか、これを元に戻す方法とかは出ないみたいだ。

こいつを手がかりに、何か掴めるかもとは思ったが……そううまくはいかないか。

 

――――

 

あれから掲示板に張り付いてはみたが、結局はあのはぐれ悪魔が

ドラゴンアップルという、ドラゴンの食べる実につく害虫的存在である事と

繁殖力が異常に強く、ドラゴンアップルを生育している地域では積極的に駆除が行われている。

それが分かったくらいである。正直、記録再生大図鑑が生きていれば

自力で調べられたかもしれない情報だ。

俺が知りたいのは、そういうことじゃないんだが……仕方が無いのか。

 

それにこれはこれで興味のある話だ。俺はてっきり、件のはぐれ悪魔は

悪魔の駒で変異した存在だと思っていたし、記録再生大図鑑の記述に虚偽がなければ

そういう経緯であるのだが、ドラゴンアップルという果実につく害虫的存在と言う事は

すなわち、それを食糧にしていると言う事だ。

ドラゴンアップルについても、記録再生大図鑑さえあればすぐに調べられるんだが……。

意地の悪い考え方をすれば、ドラゴンアップルの生育で発生した種ではないか、とも取れるのだ。

ドラゴンアップルの存在が、このはぐれ悪魔をのさばらせている、と。

……まぁ、今この件について深く突っ込んでも俺の欲しい情報は多分得られないだろうが。

 

それに、あまり一つのスレッドに張り付いても仕方ない。

折角沢山のスレッドが立てられているのだ。

そう思い、俺は別のスレッドもついでに調べてみる事にした。

こちらは俺が立てたものではない。ざっと見渡すと、環境だからなのか

現政権に対する不平不満が渦巻いていたり、一方ではちやほやされているはずの

魔王を輩出した家――特にグレモリー家――に対するアンチが強かったり

ここが冥界の住人の心の奥底だと思うとぞっとするものを感じずにはいられない。

さすが悪魔だ、中々腹芸のうまい連中の多い事、多い事。

 

そう思いながらスレッドを眺めているが、別段めぼしい情報はないし

俺が立てたスレッドも分かっちゃいたがあまり情報が書き込まれている痕跡はない。

ふと、突然パソコンにメールが入った通知がポップアップする。

早速チェックしてみる。ウィルスの類は――ついてない。よし。

差出人は……バオクゥ? 知らない名だが……迷惑メールか?

それにしては、文面や件名が簡潔すぎる。

大体あの手のメールは、変に凝っていたり長ったらしかったり

そもそも文字化けして読めなかったり、とよく聞く。

 

 

差出人:バオクゥ

件名:スレッドの件

 

本文:

あれが悪魔の駒から生まれた存在であるなら、スクープになる。

ぜひ、もう少し詳しく聞かせて欲しい。

 

 

情報を集めるために捨てアドを取得していたが、早速食いついてくるとは。

あのはぐれ悪魔については俺が求めている情報ではないが……

これを元手に、情報交換の交渉は出来そうだ。

早速、返答のメールを出す事にした。

 

 

差出人:AKIRA

件名:re:スレッドの件

 

本文:

了解した。

Suikapeを公開しておく。以後はそちらで話したい。

 

 

……AKIRAと言うのは、俺がネットで作業をするときによく使うただのHNだ。

特に理由も無く、ただ頭にふっと浮かんだ名前である。

まぁ強いて言うならば、今は亡きじいちゃんが付けたこの成二と言う名前の他に

アキラ、となる話もあったとかなかったとか、そういう話は聞いたことがあるが。

 

「祐斗、これから俺は喋るが、ボイスチャットをやっているだけだから」

 

「別に心配しなくても、セージ君が壊れただなんて思ってないよ。

 しかし幽閉された直後にボイスチャットとは……ま、別にいいんだけどね」

 

Suikapeを立ち上げ、外で見張っている祐斗にこれからボイスチャットをする旨をつげ

再びPCの前に張り付く事にした。




ここが2ch系の場所だったらAAもずれずにいけたと思うんですが。
まぁ、雰囲気だけ味わっていただければ。ここ2chやしたらばじゃないですし。
ネットスラングが最近だったり古かったり安定しないのは
全部赤土ってやつのせいなんだ。

今回はセージがPCに触れているのでこういう演出にしました。
最も、質問スレがあるのにスレ立てて質問するのは
あまりほめられた行為ではありませんが。

名前欄とID欄で、一部書き込みは誰のものか丸分かりになるようにしてあります。
この辺のノリは某円谷さんの四月馬鹿企画ですね、はい。

なお途中URLを張ってますがデタラメなURLなので入力しても何も出ませんよ、多分。
(元ネタの画像URLを張ろうと思いましたが流石に自粛)

毎回恒例の解説コーナー。
4章終わった時点で一度総集編をやろうと思ってます。
結構オリジナル設定とか増えてきましたし。

>駒王学園の裏サイト
誰も口に出さないだけで存在自体はみんな知ってる……という風にはしてあります。
一昔前少年犯罪の温床として取り沙汰されましたが、今はどうなんでしょうね。
学校裏サイト。原作みたいに明るい作風なら取り沙汰される事は多分無いでしょうが
本作みたいにややドロドロした作風で、取り上げないなんて嘘ですよ。
……さあ、学園の二大お姉さまや優秀な生徒会長様は
ここではどういう扱いを受けているやら……ククク……

……そもそも女性の情念てのはもっとこうd……いえなんでも

>ドラゴンアップル
インベス風のはぐれ悪魔がこれにつく害虫的存在、という事実が新たに発覚。
仮面ライダー鎧武をご覧になった方は
あのクソヤバイ果実を連想されるかもしれません。
本作では実際そのポジション。ドラゴン(キマイラ)の栄養源なのは事実ですし。
そういう意味では某タンニーンさんは原作より立場が悪くなった一人(一頭)。

>Suikape
Skype。そのまんま。機能についてはSkypeを参照。以上。
ちなみに私はMSNメッセンジャーはともかく、Skypeは使った事がありません。

>バオクゥ
名前の由来は「ペルソナ2」よりパオフゥ、「艦これ」より青葉。
そして「アバオアクー」。
青葉区とアバオアクーは語感は似てますが全く関係ありません。
尚このアバオアクーはゼダンの門ではなく、幻獣の方です。

>AKIRA
あの某有名作品とは関係ありません。
前回後書きにて触れたとおり、セージの名前の由来には不動明も入ってますので
そこから。

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