ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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今回、知る人ぞ知るあの伝説の特訓が行われます。


Soul15. 特訓、始めます!

レーなんたらゲームを控えた俺たち駒王学園オカルト研究部は

部長であるリアス・グレモリーの別荘に来て泊まり込みの特訓を行うことになった。

ついこの間入ったばかりのアーシア・アルジェントさんも同じく、だ。

 

で、俺こと歩藤誠二は生霊であるため、日中は実体化しての活動ができない。

仕方なく、俺は憑依先であるイッセーこと兵藤一誠に憑依し

同時進行で講義を受けることになった。

 

……実戦形式で。

 

 

――Lesson1. 木場との剣術修行

 

 

まずは木場との剣術修行だ。さすがに真剣ではなく、木刀を用いての訓練ではあるが。

さて、結論から言うと――イッセーが力みすぎている。

これでは当たるものも当たらない。俺が口出しすると修行にならないとのことなので

さっきから俺はだんまりである。結構、じれったいものがある。

 

「さて。セージくん、君から見てどうだい?」

 

『悪いが、イッセーにあと十日未満で剣術のイロハを叩き込むのは無理だろうな。

 少なくとも木場の技術を優先した剣術は、こいつには向かない』

 

「そ、そこまで言わなくたってもいいじゃねぇかセージ……」

 

向き不向きの問題だ、とフォローを付け加える。同じ剣術でも、コイツの場合

気迫で押す示現流とか向いてるんじゃないか? 薩摩藩で起きたと言うアレだ。

最も、俺も剣術に関してはど素人なのでなんとも言えんのだが。

 

「なるほど。力押しなら方向性はありだろうけど……それを当てられないと意味がないよ?」

 

『ああ、だからせめて動きについていくのは必修科目になるだろうな。俺のカード抜きで。

 勿論、それは俺にも言えることなんだが……』

 

いつの間にか完全にアドバイザーになっている。俺も特訓しなくていいのか?

俺の場合、情報処理能力を上げて前線指揮を取るってのもアリっちゃアリなんだろうが。

おあつらえ向きとばかりに能力には不自由してない。

アナライズやレーダー、イッセーという防壁。そうしてくれと言わんばかりだ。

 

「それじゃあ、方向性を変えようか。とにかくこの特訓期間中に、僕に一撃でも当てること。

 これを最低ラインとしようか、イッセーくん」

 

『わかってると思うがこれは最低ライン、つまり赤点ギリギリだぞ?

 逆に合格点は木場から一本をとること、だな』

 

「ひ、他人事みたいに言うなセージ……」

 

他人事だよ。少なくとも今はな。

と言うか、お前がその調子だと俺は枕を高くして寝られないんだ。

なんとか頑張ってくれ。なんたらゲームは勝とうが負けようがどうでもいいが

これだけのことをやって成果が出ないのもそれはそれで癪だ。

 

――最も、今日はまだ一本どころか木場の動きを目で追うことすらできない様子だったが。

ちなみに俺は一応目で追えてはいるが、防御など迎撃態勢をまるっきり取らない状態で、だ。

これじゃあちょっと使い物になるとは言い難い。

俺の方も、一応特訓に付き合っているんだがなぁ。

 

 

――Lesson2. 姫島先輩との魔力修行

 

 

続いて、姫島先輩主導のもとで魔力錬成の特訓なんだが……

これは屋内で行われているため、俺もようやく実体化しての参加ができる。

しかし、喜んだのも束の間。これまた結論から言おう――俺これやる必要あるのか?

 

何せ俺の実体化は全て魔力で補っている。先輩に曰く「魔力はイメージ」らしいのだが

俺はそもそもイメージでこの姿形を得たんだが。なので、俺は緑色の魔力の玉を出している

アーシアさんや、一向に変化の見られないイッセーを尻目に魔力玉でお手玉を始めている。

 

「あらあら。セージくんにはこれじゃ物足りなさそうですわね。

 それじゃ、今イッセーくんから面白いアイデアを貰ったんですけど……

 こういうのはどうかしら?」

 

そう言うなり姫島先輩が俺の耳元にそっと話しかけてくる。

あの、息がこそばゆいんですけど。

 

妙にドギマギしてしまう先輩の話しぶりではあったものの、その内容は実に興味深いものだった。

よし、これを会得すれば俺の戦術はさらに幅が広がる。

俺はイッセーほど瞬発力には長けてないし、その他もイッセーとほぼ互角。

差があるとすれば魔力くらいだ。実戦経験なんて言わずもがな。

それを補うならば、手数と作戦考案力だ。

 

「それじゃ、セージくんにはこれをお願いしようかしら。もちろん魔力で」

 

「何すかこれ……木の枝やら石ころやら」

 

おもむろに俺の目の前によこされたのは、外に出ればいくらでも取れるような木の枝や石ころ。

これを一体どうしろと?

 

「さっきもお話しましたけど、魔力はイメージですわ。

 イッセーくんには魔力で野菜の皮むきをお願いしましたけど

 セージくんはこれを、何か別のものに変えていただきたいの。ものは木の枝や石でなくても

 水道のお水でも結構ですわ。『これだ』と思ったものを、念じてみてくださいな。

 セージくんなら出来ますわ。うふふ」

 

イメージ……イメージねぇ。確かに記録再生大図鑑どころか俺自身がイメージの産物だが。

で、この木の枝や石ころ相手にイメージを膨らませる、と。魔力も重ねつつ。

むう、これはさっきの木場の特訓よりもキツいカリキュラムかも。

褒めて難問を吹っかける、姫島先輩の本領発揮といったところだろうか。

 

ま、期待されているならやりますか。とりあえずは木の枝からだ。むむむ……。

 

 

――Lesson3. 塔城さんとの組み手

 

 

魔力修行はちょっと侮っていたかもしれない。

何せ、頭をフル回転させるためブドウ糖が欲しくなる。

最近思ったのだが、どうも俺は甘党らしい。だがこんな場所に菓子がある訳もなく。

やむなく水でごまかしている。ああ、せめてこの水をスポーツドリンクに出来たらいいのに。

 

……ん? 今何かひらめいたような、ひらめかなかったような?

 

さて、それはさておき。続いては塔城さんとの組手。

曰く、打撃は相手の体の中心線を狙って打つ。

なのだが、相手が小さいと狙いにくいんじゃないか?

こういう場合、俺なら質量のある武器を思いっきり叩きつけるか

リーチで優位に立てるのを活用するか。

どっちの案も、相手と互角以上の力がないと作戦としては成り立たないが。

 

――で、イッセーはと言うと……数えるのも嫌になるくらい吹っ飛ばされている。

中にいる俺が酔うくらいだ。今回も木場の時同様、口出しは無用である。

と言うか、さっきから吹っ飛ばされすぎてこっちにもダメージが回ってきた。

あれ? 俺殴られ損じゃね? おいイッセー、少しはガード……は無謀だから避けろ。

おもに俺がやばい。

 

何度かイッセーが木に叩きつけられたあたりで、俺の方にこみ上げてくるものを感じた。

これ、は……っぷ。なんとかイッセーに伝えて、この場を離れないと……うぷ。

 

『わ、悪い、イッセー……俺、かなり……吐きそう』

 

「え? ちょっ、セージ! 俺の中で吐くな! 影響はないかもしれないけど気分的に嫌だ!

 ちょっ、小猫ちゃん! タンマ! タンマ!」

 

「……待ったなしです。次行きます」

 

狼狽えるイッセーに、無情にも塔城さんの掌打が入り。

イッセー諸共吹っ飛んだ俺は、吹っ飛ばされて薄れゆく意識の中。

イッセーの心の中に広がるオカ研の部室の床に――

 

盛大にリバースした。

 

『……うえっ。す、すまん、イッセー……』

 

「ぶ、物理的に汚れてないとは言え……俺の中でゲロ吐かれるとは思わなかったぜ……」

 

マジでごめんイッセー。俺もまさかこうなるとは思わなかったんだ。

ま、まあ実戦でなくて良かったってことに……してもいいよな?

 

と、思った矢先鳩尾に戦車の鉄拳が入り――

二発目のリバースをかました。もう出すものないってのに、だ。

 

 

――Lesson4. グレモリー部長とヒ・ミ・ツの特訓

 

 

リバースの後遺症から戻るやいなや、続いてはいよいよグレモリー部長によるトレーニング。

あれ? これ毎朝やってなかったっけか?

 

「バカだなセージ。ここまで来て同じ内容をやるわけがないだろ。

 きっとグレードアップしてるんだぜ! 今から楽しみだ!」

 

あーはいはいそうですか。あれでさらに上となると……

俺はヘラヘラしているイッセーを尻目に、あらぬ想像が頭をよぎった。

 

ここは山道。しかもさっき吹っ飛ばされている途中で見たが、遠くに採石場が見えた。

しかも、ここはグレモリー部長の私有地らしいじゃないか。

確か私有地で関係者以外立ち入り禁止の場所では運転免許なくても車が運転できる――つまり。

 

あの伝説のスチールボールパンチや、ジープとの激しい戦い(生身)が行われるのではないかと。

往年のヒーローは皆こうして特訓をしたらしいが……い、いや、まさかね。

俺は不安をぬぐい去るように、冗談めかしてイッセーに話を振る。

 

『イッセー。こんな話を知っているか。さる有名なヒーローは、負けたとき特訓と称して

 真冬の滝を斬ろうとしたり、生身の状態で走ってくるジープに向かったりしたそうだ。

 そしてさらに別のヒーローは、重さ数トンのクレーン鉄球をパンチで打ち返す特訓をしたり

 先輩ヒーローがこぞって特訓という名の集団リンチを仕掛けたり……』

 

「そ、そんな時代錯誤な特訓を部長がするわけ……」

 

「あら、いい案ね。セージ、もっと詳しく教えてちょうだい」

 

嘘から出た誠、瓢箪から駒とはまさにこのことか。いや、これはヤブをつついて蛇を出したか。

あー、マジですまんイッセー。これなんたらゲームの前にお前、死ぬかも。

そして意気揚々とジープをどこからともなく引っ張り出してきた部長は当然――運転していた。

それも、俺たちに向かって。

 

「部長! やめてください! 部長ぉぉぉぉ!!」

 

「イッセー! 逃げてはダメ! ちゃんと向かってきなさい!!」

 

向こうは普通にスピードを出している車。

こっちはいくら悪魔とはいえ、相手の殺気が生身とは桁違いだ。

そりゃあ全速力で逃げるってもんだ。

 

イッセーも部長の理不尽な檄に対して、健気に立ち向かおうとするが

相手が悪すぎる。あの獅子座の王子でさえ逃げ腰になった伝説の修行だ。

イッセー、これ逃げていいぞ、マジで。

 

俺はと言うと、これジープじゃなくてトラックだったら撥ねられたら

胡散臭い神様が目の前にいて、わけのわからない力を寄越されて

どっか別の世界に転生させられるんじゃないかとか

巷で有名なあの猫の妖怪は生前は普通の猫であったからして、今俺が撥ねられても

妖怪にはならないだろうなあ、とか現実逃避していた。

 

あ、やばい。イッセー、今バンパー当たったぞ。勿論俺も痛い。

うん、これ絶対撥ねられてるよね。やはり、グレモリー部長の特訓が一番ハードであった。

最も、半分以上俺のせいって気がするが。

 

 

――Half time.

 

 

ジープ特訓のショックの後、晩飯タイムでようやくイッセーは立ち直った。

俺の方も消耗した分を取り戻すのに食事はありがたかった。

作ったのは姫島先輩らしい。俺? 無理言うな。いくら作れるとは言え

そこまでやったら死ぬ。除霊される。成仏できずに消滅する。

 

皆すごい勢いで食べている。特に塔城さん。本当によく食べるなぁ。

どこに入っているのか、とか考えるのはやめておこう。触れてはいけない領域だ。

向こうでイッセーに何か訴えている目をしているのは……アーシアさんか。

 

まあ彼女、今回は魔力修行以外はちと影薄いな。メインはイッセーの地力向上だから

そっちに重みが行くのは仕方ないとは言え。この際、料理修行とかしたらどうだろうか。

……っとそういえば、スープはアーシアさん製だっけ。

 

で、イッセー。あれだけアーシアさんとひとつ屋根の下なのになんの進展も無いのか?

いや、あってもそれはそれでリアクションに困るが、何もないのも不自然だぞ?

まあ、他人のことに首突っ込むのも野暮極まりないので、今は深く追求するのはよそう。

 

……とはいえこれが、後々変なしこりにならなきゃいいんだが。

 

「食事を終えたらお風呂に入る? 露天風呂だから素敵よ。

 本当は温泉にしたかったのだけど、ここ温泉は出ないのよ。残念だけど」

 

グレモリー部長の一言。そりゃそうだ。温泉だって元は地球から掘ってるものだ。

言うなれば石油とある意味近いものがある。掘り当てれば大儲けという点もあわせて。

そもそも、温泉が出ているなら駒王町自体が温泉宿の街になっているはずだ。

それくらい、温泉というのは特殊性のあるものだ。

スーパー銭湯? ありゃまた話が違うと思うが。

 

で、露天風呂と聞いて一人はしゃいでるのが――またお前か。

 

「僕は覗かないよ、イッセーくん」

 

「右に同じく。俺はブタ箱に好き好んでいく趣味は無いからな。

 ブタ箱に行きたきゃお前ひとりで行け、イッセー」

 

「……俺にもねぇよ。つか、それだけの事で大げさすぎるだろ」

 

今のイッセーの不躾な言葉にカチンと来た俺はご丁寧に記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)を起動。

調べる内容は決まっている。それは――

 

曰く、軽犯罪法第一条二十三号。

『正当な理由なく通常衣服を着けずにいるような場所を密かに覗きみた者は

 これを拘留または科料に処す』だそうだ。

 

ここまではっきりと法に触れていると突きつけたので、止めの一言を加えておく。

 

「あ、これ日本の法律で、未成年でも普通に警察の世話になるからな。

 要は、俺らがタバコ吸ったり酒飲んだりするのと同じ。立派な犯罪だ。

 しかも酒やタバコは二十歳で解禁されるが、覗きは仮に覗かれた側が

 訴えないと言っても、罪として成立するからな。

 非親告罪ってのはそういうものだ」

 

「セージ、ちょっと硬すぎるわよ。前にも言ったけど、イッセーを見習えとまでは言わないけど

 もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃない?」

 

「もしよろしければ、マッサージしてあげましょうか? うふふ」

 

……くっ。ここは男も女もエロ猿ばかりか! 姫島先輩、下手したらそれセクハラですよ。

これ、セクハラだってはっきり言うべきなのか? ある意味、イッセーより生々しい。

一瞬イッセーが恨めしそうな目線をこちらに向けてきたので、腹いせもかねて睨み返す。

 

「わかった、わかったって! けど正当な理由ならあるだろうが!」

 

「……どんな理由ですか」

 

ほれ見たことか。塔城さんが冷ややかな目で見てるぞ。

しかしちょっと皆さんこのバカに対する態度が甘くないですかねぇ?

正直、あの剣道部の……誰だっけ。まあいいや。あの子ら程とは言わないにせよ

相応の罰は与えて然るべきだと思うのだけど。俺がおかしいのかな。

でも罪と罰は切っても切れない関係にあると思うんですよ。

 

「ま、そういうわけだから諦めてちょうだい。残念ねイッセー」

 

「夜這いならお待ちしてますわよ?」

 

「そう思うなら、あまりこいつをからかわないでやってくれませんかね。特に姫島先輩。

 ほらこいつ、頭の線が直線だからすぐ本気にするんですよ」

 

「おいセージ! そりゃどういう意味だよ!?」

 

思った通りに俺に食ってかかるイッセー。そうやってキレるのは認めてる証拠だぞ?

適当にあしらおうと考えつつお茶を飲んでいると、グレモリー部長から思わぬ提案が来る。

 

「はいはい怒らないの。セージもちょっと言葉が悪いわよ。

 イッセー、そんなにセージが気に入らないなら、後で模擬戦をしてみるのはどうかしら?」

 

模擬戦か。考えてみれば同期同士なんだし、実力の差はそれほど無い……よな?

俺は異議なしとばかりに二つ返事を返す。イッセーも同意見らしい。

 

「ああ、ちょっと宮本の方のセージにも言おうと思ってた事なんだが

 お前はどうにも嫌味ったらしいからな。ここらで一発殴りたいと思ってたところだ!」

 

「おうよ、やれるもんならやってみろ。俺ひとり倒せないくらいじゃ

 なんたらゲームで勝つことはおろか、この特訓でも生き残れやしないからな」

 

思わずイッセーに対し火花を散らしてしまう。むう、俺も結構頭に血がのぼりやすい。

今はまだ演習だからいいものの、これが実戦だったらマズい。これは俺の改善点か。

落ち着かせるために周りに気を配ると、興味なさげに食後のデザートを頬張っている塔城さん。

先を越されたか、と呟いている木場。いつもどおりの笑顔の姫島先輩。

おや? アーシアさんは……?

 

「ふ、二人ともやめてくださいっ! 喧嘩はダメですっ!」

 

あ。まあ、そう映るか。イッセーの方はともかく、俺は喧嘩ってつもりは全くなかった。

しかしそう言ってるのはアーシアさんだけで、他は皆生暖かく見守っているような様子だ。

 

「いいのよアーシア。イッセーには酷だけど、セージが言ってるのは本当のことよ。

 セージだってそこは分かっていて、敢えてイッセーを焚きつけてるのよ」

 

部長。それは買いかぶりすぎです。焚きつけてるのは半分本当ですが。

とりあえず、イッセーは今日の訓練で相当ボロボロにされている。

恐らくプライドの類もズタズタだろう。

 

最も、今の力量で変なプライドをつけるとそれはそれでマズいが。

 

とにかく。ここでイッセーに己の実力を再確認してもらうのと、俺自身の力を知りたい。

万が一、イッセーが折れてしまったとしたら――

 

――ドライグには悪いが、イッセーはそこまでだ。

一応、そうなった場合のことも考えておくべきか。

 

「それじゃ、休憩の後イッセーとセージは模擬戦。

 ただし、初日から飛ばすわけには行かないわ。イッセーは倍加を3回まで。

 セージはカードを2枚まで。それが条件よ。

 それを破ったらその場で模擬戦は中止。破った方の負けよ。負けた方はお風呂の準備ね」

 

「了解っす! 相手がセージならまだ勝ち目はあるぜ!

 それにお前のカードもたった2枚なら勝てる!」

 

「吠えてろ。ドライグ頼りだけじゃ俺には勝てないってことを教えてやるよ。

 それに、俺は確かにカードは2枚しか使えないが……

 どのカードを使ってくるか、お前に読めるかな?」

 

ルールが決まっているなら、逆に作戦は練りやすい。

イッセーの特訓を全て黒星にしてやるか、あるいは俺が一泡吹かされるか。

どちらにしても面白い。イッセーとは一度やり合ってみたかったってのもある。

 

「イッセーくんもセージくんも、頑張ってくださいね」

 

「それじゃ、今日は僕は君たちの戦いぶりを見学させてもらおうかな」

 

「……セージ先輩、このエロ先輩にきっついお仕置きをお願いします」

 

ギャラリーの応援は微妙に俺が勝ってるみたいだ。

ここは日頃の行い……っつっても、俺日頃の行いってほど、外で活動してなかったや。

まあ、日頃の行いがイッセーより悪いなんてことはありえないと断言できる。

いくら住所不定でも、犯罪には手染めてない……はずだ。多分。恐らく。

 

お茶を飲み終え、ひと呼吸置いたあたりに

グレモリー部長の号令がかかり、俺達は別荘の外に出た。




ようやく(あるいはもう?)イッセーVSセージのカードが組まれました。
一巻部分のラスト? あんなのノーカンですしおすし。


さて、特訓と言えば私的にはこれを入れざるを得ませんでした。




   ジ   ー   プ   !   !




ヒーローヲタクらしく、鉄球クレーンパンチ(仮面ライダーV3)や
先輩ヒーローリンチ(スカイライダー)など特訓シーンについて触れてます。
滝を斬る、はジープと同じくウルトラマンレオが元ネタです。
こうしてみると昭和ヒーロー放映時はスポ根全盛期とは言え
ぶっ飛んだメニュー多いですよね……



……え? バッティングセンターでスピードボールの数字を当てる特訓?
いえ、知らない子ですね(すっとぼけ

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