ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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突貫で仕上げたのでちょっと中身が薄いかもしれません。


Special16. 帰郷と告白と愛別離苦

アモンが蒔いた種のために、セージは自身の母と憧れの人への説明のために

実家に向かう事になった。

そこには、病院でセージの母と言葉を交わしたアーリィ。

それに、セージによって助けられた黒歌と白音が事情説明のために同行することになった。

 

前もって無事と合流の旨を電話で伝えようと

災害用ダイヤルで言伝を残したうえで、行動を開始することにした。

 

「……ごめんなさい。セージ先輩の実家の場所がわかれば、シロにお願いできたんですけど……」

 

「シロって確か使い魔だったよな? 今から『悪魔になりました』って話をしに行くのに

 使い魔を使うのもな……だから気にしなくていいよ」

 

「実家に行って、いなかったじゃ徒労も良い所にゃん。

 お兄さん、本当に実家にお母さんはいるのかにゃん?」

 

「……痛い所をついてくれるな、黒歌さん。俺もそれは思ったんだ。

 まず実家に行って、それでもいなかったら近場の避難所を当たってみる。

 それでもだめなら病院だな」

 

黒歌の言う通り、町がこの有様で悠々と自宅にいるとは考えにくい事だ。

セージもそれは把握しているのだが、人探しをするのにぞろぞろ歩くのは効率が悪い。

しかし、セージと共通の知り合いならまだしも、そうでないメンバーばかりなので

手分けして探すというのも難しい事態なのだ。

 

「いきなり知らない人が来て『息子さんが探しています』なんて言っても

 俄かには信じられないですもんね。仕方ないでしょう」

 

そうした事情を踏まえた上でセージの実家に向かう途中。

 

セージは霊体になった直後、記憶の混乱が起きていたが

それも沈静化した今、場所は大まかに記憶している。

そこに至るまでの目印が軒並み倒壊していたりだのはあったが。

 

「そう言えばセージさん、お父さんは?」

 

「……親父は物心ついた時にはいなかった。じいちゃんとばあちゃんがいたからいいんだけどな。

 そのじいちゃんとばあちゃんも、高校入る頃には旅立っちまったけどな」

 

「ご、ごめんなさい! 私、失礼なことを……」

 

「いや、アーリィさんが謝る事じゃないって。

 それより……どうやって説明すればいいんだろうな、この面子。

 何とか話は合わせてみるが……」

 

実家に帰るだけでも話がややこしいというのにそこに加え

顔をヴェールで覆ったシスター――一応セージの母とは顔見知りだが――に加え

白猫と黒猫は説明のしようが難しい。

猫の姿のままならば「ついて来た」である程度初見は誤魔化せるだろうと思い

セージは一先ず二人には猫の姿のままついてきてもらう事にしていた。

 

セージにしてみれば、頭の痛い話である。

一体どうやって事の顛末を話せばいいのか。

どうやって意識不明の重体の者が、こうして歩けるように回復しているのか。

なお、現在もフリッケンの力を使って足りない分を補っている形だ。

アモンの力を使えば、アモンに意識を持っていかれる。

これから説明をしようと言うのに、それでは意味がない。

 

そんなセージの頭痛の種を知ってか知らずか、足元には黒猫が頭を摺り寄せてきている。

正体を知っているがために、無碍に出来ない。

知らなくても無碍に出来ないのがセージと言う人物なのだが。

案の定、黒猫は白猫に叩かれているのだが、傍から見ている限りでは

じゃれているようにしか見えない。

そんな風景になごみつつも、いよいよセージの実家が見えてきた。

 

「……この辺りもある程度被害受けてるみたいだな。

 ま、被害が無いほうを探すというのが難しい話か。それじゃ、入るぞ――」

 

インターホンを鳴らし、玄関を開けようとするが、鍵がかかっている。

一つ、鍵を開けた後二つ目の鍵を開けようとするが二つ目の鍵は開いていた。

 

「――!!」

 

「どうかしたんですか?」

 

「……母さんの癖なんだ。家にいる時は一つだけ鍵をかける。

 今鍵は一つしかかかっていなかった。これはつまり……」

 

「家にいるって事かにゃん?」

 

「分からない。開けるぞ――」

 

玄関を開け、恐る恐る家に入る。

以前夢の中で大声を上げ家に帰った事はあるが、今回は事情が違う。

驚かさないためにもセージは恐る恐る玄関で靴を脱ぎ、家の中に入る。

そんなセージをすり抜けるかのように、黒歌は家の中に入り込んでいき

白音もそれを追う形で家の中に入る。

 

リビング。お世辞にも片付いているとは言えない辺りが生活感を醸し出しているが

それは、今のセージにとっては喜ばしい事であった。

 

「この辺りは、被害が少なかったみたいだな。氷上さんの言った通りだった」

 

警察署を出る前、事情を話して出発したセージだったが

その際に氷上から情報を受け取っていたのだ。

それによれば、セージの実家の付近も被害こそあったものの

最低限で済んでいたようだ。少なくとも、フリードに狙われるような事態にはなっていない。

 

――今までは俺がノーマークみたいなものだったからよかったものの

  これからはそうはいかないだろうな……

  兵藤の親御さんみたいに、神仏同盟か超特捜課に保護をお願いしないと……

 

しかし、一階にセージの母の姿は無かった。

いるとすれば、二階の自室だろうか。そう考えたセージは二階に上る。

 

「せ……セージ!? あなた、いつ退院……それ以前に、身体は大丈夫なの!?」

 

質問攻めにあう事はわかりきっていた事なのだが、いざやられると辟易とするのか

多少げんなりしながらも、実体のまま家族と再会できたことに喜びを隠せないでいた。

 

「それについて話があるんだ。ちょっと長くなるし、姉さん――明日香さんにも話したい」

 

「それはいいけど、大変なのよ! 昨日からむーが、むーが……!」

 

むー。正式名称「むつ」。セージが幼少の頃から一緒に育ってきた猫である。

セージとそう変わらない年齢であるため、猫としては少々、高齢である。

そこに加え、セージの重体による長期入院やここ最近のテロなどが重なり

ストレスがたまっていたのかもしれない。

 

「むー……もしかして私がこの辺根城にしてた時にお世話になったあのおばちゃん!?」

 

「へっ?」

 

セージの母がセージの後ろに目をやると、そこには思わず人間の姿になっていた黒歌がいた。

黒歌もこの辺りにいた時、野良猫に混じっていたがその時に偶々外に出ていた

セージの飼い猫・むーの世話になったというのだ。

それを何の前情報も無しに言うものだから、当然周囲の空気が凍り付く。

 

「ね、姉様……!」

 

しまった、という顔をしてももう手遅れである。

怪訝な顔をしてセージと黒歌、白音そしてアーリィを交互に見遣る。

 

「お、お邪魔してます……病院でお会いして以来ですね……」

 

「……せ、セージ先輩には学校でお世話……じゃなくて、姉が……でもなくて……ええっと……」

 

平静を取り繕うアーリィに対し、白音は完璧に狼狽していた。

言おうと思っていた事は全て無理がある。

一年である白音は春先に入院したセージとの接点があるはずがない。

黒歌を引き合いに出すのは論外だ。自分達が猫の妖怪であると言っているようなものである。

言わなければならないのかもしれないが。

 

「って、むーが!? ちょっと、今むー何処にいるんだよ!?」

 

白音と同様に慌てふためいているものがいた。セージである。

彼も飼い猫に何かが起きたという母親の話を聞き

状況を確認すべくむーの居場所を母親に問い質していた。

そんなセージの問いかけに、黙って母親はセージのベッドの上を指し示す。

そこには、段ボールの中に敷き詰められたタオルの上で、丸くなっている猫がいた。

しかし、そこに生気は無かった。

 

「む、むー!?」

 

セージが手を伸ばすと、か細い声で短く鳴く。

その弱弱しい声に、セージの中の不安は加速していく。

 

「……お兄さん、通訳……いる?」

 

「……普段なら『無粋なもの』だろうから要らないと言いたいところですが

 今は少しでも意思の疎通を図りたい、頼みます」

 

セージの異変を感じ取った黒歌が、同じ猫であるむーの言葉を通訳しようと名乗り出る。

その弱り具合は、同じ猫である白音や黒歌にはよくわかるほどであった。

涙を堪える様な声を絞り出しながらセージは黒歌にむーの通訳を依頼する。

 

「……こんな時、私に『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』があれば……と思うのは、聖職者失格でしょうか。

 ですが主よ、これは……これは些か残酷です……!」

 

「……アーリィさん。むーは多分寿命もあると思うから……気持ちだけ貰っておきます……」

 

「始めるわよ……『お帰り、セージお兄ちゃん。しばらく見ない間に大きくなった気がするよ……』」

 

黒歌の通訳が始まると、その場にいた全員が押し黙ってしまう。

 

「『私、ちょっと疲れちゃったかな……この頃色々あったし……ちょっと、休んでも……いい?』」

 

通訳の声に答えるように、セージは黙って首を縦に振る。

その眼には、涙が浮かんでいた。

 

「『お母さん……何があっても、セージお兄ちゃんはセージお兄ちゃんだから……

  最後に……ちょっと、耳の後ろ撫でてもらってもいい……?』」

 

「ああ、それ位なら……だから……やっと、やっと会えたんだ……

 でも……疲れるよな、そうだよな……」

 

セージはむーの耳の後ろを撫でつつ、ベッドに腰掛け抱きかかえ、膝の上にむーを乗せる。

そのまま、静かに耳の後ろや背中を撫で続けていた。

 

「『やっぱ……寝心地……いいな……』」

 

「……ああ、だからゆっくり……休んで……ううっ……!」

 

――その日、宮本家で一つの小さな命が幕を閉じた。

  まるで、セージが帰って来るのを待っていたかのように。

 

宮本むつ。享年15歳。家族に看取られながら、その生涯に幕を下ろしたのだった……

 

――――

 

むーの死亡と言うショッキングな出来事に始まった、セージの里帰り。

しかし、本題はまだ片付いていない。

お茶を飲み、気を落ち着かせつつセージが多少強引に本題に切り出そうとしたとき

黒歌が話を遮って割り込んできた。

 

「……その事なんだけど、まず私たちの事から話すわ。

 さっき、通訳もして見せちゃったしね……」

 

そう言って、黒歌はセージの母の前で人の姿から猫の姿に変わる。

しかし、セージの母はさほど驚いた様子を見せない。

 

「やっぱり。通訳が出来るって時点でもしかして――って思ってたけど。

 セージ、あんた本当に猫に好かれるわね。覚えてる? 小学生の頃――」

 

「母さん、脱線してる」

 

「……それで、私は妹の白音と言います。今通訳をしたのは姉の黒歌。

 猫魈(ねこしょう)って猫の妖怪です。だから、さっきのむーちゃんの言葉を姉様が翻訳できたんです」

 

黒歌に続く形で、白音も自己紹介をする。

白音も猫の姿になり、自身の正体を明かした後に再び姉妹揃って人間の姿に戻る。

 

「私は、ある悪魔の眷属になったの。けれど、その悪魔が妹の白音を強引に眷属にしようとして

 私はそれを守るためにその悪魔を倒し、はぐれ悪魔に――指名手配されたのよ。

 それから色々あったところを、お兄さんに助けてもらったってところ」

 

「……私も、現在進行形である悪魔の眷属なんですが、セージ先輩には

 姉様に会わせてくれただけでなく、姉様を元の猫魈に戻してくれた恩もあります。

 ですから、私達姉妹はセージ先輩に恩返しをしたいと思って

 セージ先輩についていくことにしたんです」

 

「セージ。あんた明日香さんはいいの?」

 

「……だから脱線してる。それにそう言うのじゃないから。

 で、俺の事なんだけど――」

 

母親のボケをさらりとかわしつつ、セージはいよいよ自身の身の上を明かす事となった。

母親相手に身の上話をするのも変なものだと思いつつも

話さないわけにはいかない。

 

それから、短いようで長い、長いようで短い約五か月の間に起きたことを話した。

 

友人を守り、堕天使に殺されかけた事。

その際に友人に巻き込まれる形で悪魔にさせられ、肉体と離れ離れになってしまった事。

悪魔・堕天使・天使の三大勢力のいざこざに巻き込まれてしまった事。

新たな友人を得た代わりに、かつての友人と袂を分かった事。

そして今、身体を取り戻した代わりに新たな悪魔をその身に宿してしまった事を――

 

「……掻い摘んで言えば、そんなところかな」

 

「……改めまして、病院でお会いして以来ですね。私、アーリィ・カデンツァと申します。

 あの時お会いした息子さんは、その悪魔が表に出ていた状態だったんです。 

 私の仕事ならば、本来は祓うべきだったのでしょうが

 彼に事情がおありだったようで、そこに至れませんでした。

 職務怠慢でご心配をおかけし、申し訳ありませんでした」

 

「いえ、とんでもない! アーリィさんでしたね?

 私、シスターさんの前でこんな事を言うと怒られるかもしれませんけれど

 そのセージに宿った悪魔には感謝……ってのも変な話ですけど。

 だってそうでしょう? その悪魔のお陰でセージがこうして元気になってくれたんですから」

 

「……あのな母さん? アモンはタダで俺を生き返してくれたわけじゃないんだぞ?

 知ってるだろ? フューラーの演説。それと禍の団(カオス・ブリゲート)ってテロリスト。

 俺さ、その戦いに巻き込まれる形になるんだぞ?

 いや、怖いとかそういうんじゃ……まぁ、そりゃ怖いは怖いけど」

 

セージの指摘にも、母は眉を動かさない。

 

「それは確かに問題ね。けれど、あなたには新しいお友達が出来たんでしょ?

 それに、昨日の夜夢でおばあちゃんが言ってたのよ。

 『これからはセージの好きにさせなさい』ってね。

 

 ……でも、これだけは約束。『絶対に生きて帰ってきなさい』。

 その約束を守れないようじゃ、母としてあなたを外に出すわけにはいきません」

 

『心配するな。この俺がついているんだ。人間一人くらい、俺が守ってやる。

 それに、こいつに死なれちゃ俺も困るんでな』

 

「アモン!? 誰が勝手に……」

 

セージの雰囲気が変わり、アモンが表に出る。

しかしそれでも、セージの母は微動だにしなかった。

 

「そう、なら改めて言わせてちょうだい。『私の息子を助けてくれてありがとう』。

 でも、セージは私のただ一人の息子で最後の家族。

 悪魔って、約束を守るものだって何かで聞いたわ。

 ……セージの事、よろしく頼むわね」

 

『任せておけ』

 

「それと白音さんに黒歌さん、アーリィさんだったかしら。

 あなた達も色々とありがとう。問題が片付いたら、またいつでもうちに来てちょうだい。

 ご飯くらいは御馳走するわよ」

 

満面の笑みで、セージの母はやって来ていた一同を迎え入れる発言をした。

拗れることなく、話が進んだことに一同は胸をなでおろしていた。

 

「お兄さん、物分かりのいいお母さんで助かったにゃん」

 

「ああ、うち昔から妖怪とかオカルト系に造詣があってね……

 信仰しているのは仏様だけど、それ以外のにもそこそこ免疫があるんだよ。

 ま、本物と対話するのは初めてだからそこは心配だったけどな」

 

こうして、セージの母親の許可を取り付けたのだが

もう一人、事情を説明しなければならない人が居る。

牧村明日香。セージの憧れの人だ。

 

「じゃ、姉さんのところには俺一人で行ってくるよ。

 その……訳は聞かないでくれると有難いけど」

 

「…………」

 

むくれっ面をしながら、セージを睨んでいる黒歌。

そんな黒歌にツッコミを入れつつ、白音はセージを見送る姿勢を取っている。

 

「……何言ってるんですか姉様。セージ先輩、留守は私達が守りますので」

 

「私と同じ思いはさせませんから、安心してください」

 

一同に見送られながら、セージは一人家の近くにある牧村明日香の家に向かっていた。

 

牧村家前。

インターホンを鳴らすも、反応はない。

 

それでもしびれを切らさずに待っているセージ。

傍から見ればストーカーと疑われかねないほどである。

 

そんなセージを見かねてか、近所の人が声をかけてきた。

 

「そこの人なら、息子さん連れてどこか行っちまったよ」

 

「……えっ?」

 

「で、あんた宮本成二さんかい? 手紙を預かっているんだけど」

 

手紙を受け取り、目を通すセージ。

そこには、セージにとっては衝撃的な事が記されていた。

 

――セーちゃんへ。

 

まずは退院おめでとう。

けれど、私達はこの駒王町を出ることにします。

私の子供の教育上も良くないし、やはり私はあなたの声には応えられません。

 

病院で会ったセーちゃんがどこか違うのはわかってたつもりです。

テレビで言ってたことを全部鵜呑みにするつもりもありませんが

それだけが原因じゃありません。

と言っても、言い訳がましいわね。

 

色々言うと、恨み言が混じってしまいそうなのでこれだけ言わせてください。

 

「今までありがとう」

 

――牧村明日香

 

「…………手紙、ありがとうございました」

 

そこに記されていることを察したセージは、手紙を寄越してくれた人に礼を言いながら

そのままどこかへと歩いて行ってしまった。

 

――――

 

――二時間ほど後

 

「お兄さん、遅いにゃん」

 

「きっと積もる話があったのよ。何年来の知り合いだもの、明日香さんは」

 

セージの帰りが遅い事に不満を持つ黒歌だが

セージと明日香の関係を知っている母は何も言わず

それに倣う形で白音とアーリィも特に何も言わない。

 

そんな中、家のインターホンが鳴らされる。

防犯のため、アーリィが出ると、そこには超特捜課のテリー柳警視が居た。

 

「アーリィさん? ああ、そう言えばついていくと言っていたか。

 俺もセージの親御さんに用があって来たんだが、セージはいないのか?」

 

「え、ええ……」

 

「これはセージの事に関してでもあるから、出来れば本人が居て欲しかったがまぁいい。

 お邪魔させてもらうぞ」

 

「あらあら、今日は千客万来ね」

 

その日、セージの母はさらに衝撃的なことを聞かされるのだった。

 

「宮本成二君のお母様ですね? 自分は警視庁超常事件特命捜査課のテリー柳警視です。

 宮本君には、本人の希望もあって我々超特捜課の特別課員として働いてもらっています。

 失礼ながら、宮本君が身体を失っていた話は御存じで?」

 

「ええ、先ほど本人から」

 

「でしたら話は早いですね。ちょうどその時に、学校にいけないと言う事もあり

 特別課員として身柄を預からせてもらっていたのです。

 こちらとしては、引き続き捜査に協力していただきたいのですが

 やはり学生の本分は学業ですし、まだ彼も未成年。

 なので今日はこうしてお母様の許可を頂きにこうして伺った次第であります」

 

何せ、自分の息子が警察の特殊部隊の特別課員になっているとは誰が思おうか。

しかし、セージの母が二つ返事を返そうとした矢先に外で爆発音が響き渡る。

 

「何事だ!?」

 

『柳さん! 宮本君の実家の付近に正体不明の悪魔が現れたという報告が入りました!』

 

「まさか、ここを狙ってきたのか!?」

 

「だとしたら許せないわね! 白音、お母さんをお願い!」

 

「……わかりました」

 

――ついに標的になったセージの母。

  兵藤夫妻と同じ轍を踏ませないためにも、その場にいた戦士たちは立ち上がる――




どちらもあり得る結末として描いたつもりです。

>セージ母
かなり肝座ってますね。
アモンが来ようが猫が来ようが変わらぬ応対。
流石に警察にはちょっとびっくりしたようですが。

>飼い猫
黒歌が駒王町でうろうろしていた時にちょっと面識が出来ていたって設定。
室内飼いだけど、セージ入院のストレスで一時的に家出していた設定。
その時に黒歌に出会って家に帰されたとか、そういう話があったり無かったり。
猫の15歳は老猫なので十分にあり得ることかと。
因みにうちのは18歳でした……

>牧村明日香
ここだけ見るとちょっと嫌な奴になっちゃったかも……
けれど一児の母としては間違ってない選択だと思いたい。
子育てにも向かない環境だし、セージはぶっちゃけ横恋慕だし。
ヒロイン枠に猫姉妹が来るかって? 猫姉妹は「猫枠」だからノーカン。

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