ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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ヴァーリが更生しそう?


……ククク、そう簡単にはいきませんよ


Special5. 魂抉る刃、暗躍する毒牙

「今の俺には、何も目標らしい目標が無い。だが……力を貸してくれるか? アルビオン」

 

『赤いのに比べれば俺はマシと言ったところか……今代は二天龍の我らには優しくない時代だな。

 ま、それが普通なのだろうがな……で、質問の答えだが……

 

 言うまでも無かろうよ!!』

 

ヴァーリ・ルシファー。旧ルシファーの血を継ぐ者。

彼の望みは、白龍皇として赤龍帝と雌雄を決し、より強い者と戦う事……

 

……だった。

 

そんな彼の望みは、禍の団(カオス・ブリゲート)に加わる事で叶えられるかと思われたが

そこで行われていたのは、弱者を虐げるだけの一方的な虐殺ばかりであった。

それはヴァーリの望むところではないどころか、彼が忌み嫌うものであった。

 

(俺の戦いは、戦うべき相手は何処にいるというのだ!?

 禍の団も、オーフィスも俺にそれを与えてはくれなかった。

 元より与えてもらうつもりなどなかったが、それでも手に掴むことは出来たはずだ!

 それなのにこれは何だ!? 一方的な虐殺ばかりではないか!

 こうなれば……北欧の神々よりも、赤龍帝よりも先にオーフィス!

 お前を相手にしてやる!)

 

禍の団の長、オーフィスに対し明確に立ち向かう事を決意したヴァーリだったが

その前にはアインスト軍団がいる。

しかし、ヴァーリの神器(セイクリッド・ギア)白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の力で

能力を半減させられたアインストは、その一体一体はヴァーリの敵ではなかった。

 

だが当然その行いは、すぐさまアインストの長ともいえるオーフィスに筒抜けになる事となった。

白龍皇もまた、運命を狂わされた存在。アインストによる破壊は

彼が望んでいたものでは無かった。赤と白のぶつかり合い。それが望みだったはずなのに

そこからは大きく外れていった彼の運命。幼き日を考えれば、どこまで狂って行くのだろうか。

 

次第に、ヴァーリを付け狙うアインストの数が増えてくる。

オーフィスが直接ヴァーリを標的に攻撃指令を出しているのだ。

その中には、平和の象徴から変貌したアインストアイゼンやアインストリッターの姿もある。

 

『相棒。どうやらオーフィスは我々を明確に敵と認識したようだ。

 特にあの赤い奴と白い奴……我らを思わせるようで反吐が出るがな。

 我々が負ける要素はないが、注意してかかれ』

 

「分かっているさアルビオン。こんな奴らに負けたとあっては、白龍皇の名折れだ。

 それに、これからの戦いも生き残れない!」

 

人知れず、アインストの大群を相手に白龍皇の孤独な戦いが始まっているのだった……

 

――――

 

朝。

セージの実体化こそ解けているが、それ以外は何ら問題なく行動を開始できる……

はずだった。

 

朝食を食べ終えた一同に知らされたのは、昨夜起きた指定暴力団組織

曲津組(まがつぐみ)領域内で起きた大規模な戦闘行為。

そのため、警察や自衛隊は総出で救助活動に向かっているのだ。

勿論、超特捜課(ちょうとくそうか)も例外ではない。協力者として超特捜課に名を連ねているセージだが

霊体のため、日中の活動は出来ない。結果として、白音と黒歌の姉妹が

セージの分も行動することとなっていたのだ。

 

「……何だかすまないな、二人とも」

 

「……仕方ありません。どうにかして身体を取り戻す方法を見つけ出しませんと」

 

「昨日話した通り、病院も影響を受けているらしくて

 セージ君の身体もいつまでもつかわからない状態なんだ。

 セージ君が思っている以上に、限界は早いかもしれない……」

 

後ろ向きな意見を述べるのは、昨日イッセー経由で松田と元浜から事情を聴いた木場。

彼もまた、曲津組の領地にいるリアスらと合流するために

曲津組の領地へと向かっていたのだ。

 

「そう言えば、あの背の高い人は何処に行ったんですか?」

 

「実は……」

 

一方、アーリィはセージをさっきから探していた。

そう。セージからアーシアの事情を聴きはしたが、セージ自身の事情は碌に聞いていない。

本人が話さなかったからに過ぎないが。

そのため、昼間のセージがある特定の人物以外に見えない事まではアーリィは知らなかったのだ。

 

「そうでしたか……」

 

「他意はないですが、同情とかそういうのは要りません。

 自分の身体を取り戻すためにやるべきことは……

 ……多分、奴を……

 

 ……いや、そんな事よりもそろそろ例の場所につく頃じゃないか?」

 

声だけするという状態のセージに促され、一同が前を見てみると

そこは殊更に荒れ果てた町ともいえない場所があった。

それが、ここで起きた戦いの激しさを物語っている。

 

「こりゃ酷いにゃん。あちこちから辛うじて生きてる人の気配はするけどにゃん」

 

黒歌が気の流れを探って生存者がいるかどうかを探っているが

町の有様にしては犠牲者は少ないほうではあるようだ。ゼロともいえないが。

近寄ってみると、超特捜課の装備に身を固めた自衛隊員や

特殊強化スーツに身を包んだ氷上と霧島もいた。

彼らの主な任務は、瓦礫の撤去である。

今の彼らの装備は破壊力が大きいため、瓦礫の除去には長けている。

人に危害を加えないよう最大限に注意しながら瓦礫の撤去を行い、救助活動を行っている。

 

その一方で、曲津組の組員はその姿をほとんど見かけない。

この区域を放棄し、別の区域へ移動したのだろうか。

そんな中、一人の組員が警官に尋問を受けている。

 

「だから、俺は白いドラゴンと銀髪のガキが怪物と戦うところしか見てねぇんだよ!」

 

「その怪物はお前がけしかけたんじゃないのか?」

 

「んな事するかよ! ここは俺らのシマだったはずなんだ!

 俺だってなんで自分のシマを滅茶苦茶にしなきゃいけないのかわけわかんねぇんだよ!

 兄貴に聞いても何も答えてくれねぇし、そもそも兄貴も最近人が変わったみてぇに……」

 

その一部始終を聞いたセージ達に、ある疑惑が去来する。

 

――アインストによる支配を受けた事。

 

曲津組は、ディオドラ・アスタロトと繋がっている。

ディオドラは、アインストと繋がっている。

そうなれば、曲津組がアインストの影響を受けてもおかしくない。

 

そして彼の言う銀髪のガキとは……

 

「憶測を出ないが、あの男が言っているのは白龍皇――ヴァーリだろうな」

 

(白龍皇……「こっち」でも二天龍の伝説は健在なんですね。

 私の知る赤龍帝は……でしたけど、白龍皇の方はどうなんでしょう?)

 

アーリィもまた、「向こう側」で赤龍帝――兵藤一誠を知っていた。

ただその人となりは、奇しくも「こちら側」とそう大差のないものであったが。

だが、アーリィは白龍皇との面識はない。それは向こう側でも、こちら側でも。

しかしその疑問を、アーリィはおくびに出すことは無かった。

 

逆に、疑問が生じたのはセージ達だ。

ヴァーリは己が欲望――強者との戦い――のために禍の団に所属した経緯がある。

もしバケモノがインベスではなくアインストを指しているのなら

禍の団と繋がっているとされるアインストと戦う、それは裏切り行為ではないか。

ヴァーリは禍の団を裏切ったのか? そんな疑問が去来する。

 

そんな思考を遮るように、遠くで爆発音が響く。

爆発音を皮切りに、アインストと何処からかやって来たインベスが姿を現す。

混乱に乗じて、曲津組の組員には逃げられてしまうが

今成すべきことはアインストやインベスによる被害を食い止めること。

その結論に至ったセージ達や警官、自衛隊員達は武器を手に

アインストやインベスと戦うべく、立ち向かっていった。

 

――――

 

一方、アインストの群れに囲まれているヴァーリ。

アインストアイゼンの右手に光るホルツシュラオペを難なく食い止めるも

その隙を上空のアインストリッターの得物である

シュペーアカノーネから放たれたビームが突く。

 

「ぐ……っ!」

 

反射的に防御態勢を取ったが、そのためにアインストアイゼンに対する警戒が薄れてしまう。

それを好機とばかりに、アインストアイゼンとアインストリッターはヴァーリに同時攻撃を仕掛ける。

 

――ランページ・ネクロム。

 

何処からかやって来た他のアインストアイゼンやアインストリッターも攻撃に参加し

その様は集団リンチのそれと言い切れる有様であった。

ヴァーリ……と言うか白龍皇の力は「対象の力を半減・吸収する」と言う物であるが

これは相手が複数いるとなると赤龍帝の「自身の力を倍加する」に比べ不利になる代物である。

今まさに、白龍皇を宿したヴァーリはその苦手な集団戦を強いられているのだ。

身を護るために禁手(バランスブレイカー)である白龍皇(ディバイン・ディバイディング)()(スケイルメイル)に身を包むが

ランページ――暴れる――の名の通り数の暴力と言える

アインストアイゼンとアインストリッターの猛攻の前に

じわじわと押されているのが実情であった。

 

その上空から、鬼面を身に纏った老人が顔をのぞかせている。

オーフィス――ウンエントリヒ・リヒカイト。

 

「ヴァーリ……最後通告。

 我、従い……グレートレッド……殲滅しろ。

 そして……静寂な世界……もたらす」

 

「ぐ……っ、グレートレッドと戦えるのは魅力的だが……

 お前たちのやっている戦いは、俺の望む戦いではない!

 それに戦いの無い静寂な世界も、俺の望みとは違う!

 オーフィス、俺は俺の好きにやらせてもらうと言ったはずだ!」

 

「……不許可。我、従わぬ者……

 それ即ち……静寂……乱す者。

 よって……ヴァーリ……排除し……

 我らの……静寂なる……世界を……この手に……」

 

圧倒的劣勢ながらも、ヴァーリはウンエントリヒ・リヒカイトの最後通告を蹴る。

ヴァーリの明確な拒絶の声を皮切りに、押し寄せてくるアインストの数が増えてくる。

その中には仲間を巻き込んで攻撃しているアインストも出てくるが

そんな事はお構いなしにアインストの猛攻はやむことが無い。

 

『相棒よ。このままではまずいぞ。一々半減をかけていてもキリがない。

 そしてこの後ろにはオーフィスが控えている。奴は高みの見物のつもりだろうが……』

 

「……グレートレッドの前に、オーフィスと戦うのも悪くないな。

 いやアルビオン、この状況を打開する手札があるぞ。

 ハーフディメンションだ、それを使えば……」

 

「……無駄な事。我が静寂な世界……その礎となれ……」

 

ウンエントリヒ・リヒカイトの手に巨大な日本刀が現れる。

それと同時に、鬼面から広範囲にビームが放たれ、アインスト諸共ヴァーリを攻撃する。

それは、ヴァーリがハーフディメンションを仕掛けるよりも速い動きだった。

自分の仲間は攻撃しない、その甘い見通しがヴァーリの判断を鈍らせてしまったのだ。

 

「貴様……自分の部下までも……!?」

 

「部下? 同じもの……同じ体……異なる変化……フフ、フフフフ……

 創造する……また再び……いつも……創ればいい……!」

 

そこには、無限龍(ウロボロス・ドラゴン)としてのオーフィスは既にいない。

外の世界からやって来た、異形の怪物(アインスト)

いつから、そうなったのだろうか。そんなことをヴァーリが知る由は無い。

 

ビームで蹴散らされたアインストの代わりに、放たれた鬼面から生えた腕が

ヴァーリを拘束する。いつの間にかそのヴァーリの目前には、日本刀を持った

ウンエントリヒ・リヒカイトがいる。

 

「ぐ……っ! オーフィス! 俺はまだ負けてないぞ!」

 

「勝利……敗北……そこに意味、無い。

 破壊されるか……創りだされるか。

 そして……お前……死ぬ!」

 

ウンエントリヒ・リヒカイトの怒号とともに、ヴァーリの腹部を日本刀が貫通する。

白龍皇の鎧をものともせずに、ヴァーリを貫通していた。

 

「『が……はっ……!?』」

 

ヴァーリを貫いた日本刀は、そのまま体を抉り取るように上下に動かされる。

何度も上下に揺り動かされた後、大きく弧を描くようにヴァーリの身体から刀が抜き取られ

周囲を鮮血で染め上げていた。

 

「これで……終わり。まだ立ち向かうなら……何度でも……破壊する」

 

言い残し、ウンエントリヒ・リヒカイトは上空に小型のクロスゲートを展開させ

アインストの生き残りとともにその中へと消えていく。

そこには、血まみれのヴァーリだけが残されていた。

 

鮮血で覆われた大地を洗い流す様に、暗雲の立ち込める雲からは大雨が降り注いだ。

セージ達が駆けつけたのは、その少しあとの出来事である。

 

――――

 

ヴァーリがアインストの大群と戦っているその一方では

警察や自衛隊とインベスによる一進一退の攻防戦が繰り広げられていた。

アインストと違い、経緯はどうあれ純正な生物なので神経断裂弾による攻撃は有効である。

そのため、銃による攻撃が主体の警察や自衛隊による足止めが辛うじて可能なのであった。

逆に言えば、接近されたら極めて危険なのである。

 

プ・ラ・ズ・マ・フィ・ス・ト・ス・タ・ン・バ・イ

 

接近したインベスに対しては、プラズマフィストや早速投入されたナイトファウルが

猛威を振るっている。そもそも毒を持った生物相手に接近戦は危険なのだが。

 

「数が多すぎる! 霧島さん、何とかしてここを死守しないと!」

 

「そうですね、住宅街に入り込まれたら、大変なことになります!」

 

彼らの言う住宅街とは、曲津組の搾取対象たる住民が暮らしている

いわばスラム街ともいうべき場所の事である。

かねてから調査が行われており、今回の事件をきっかけに調査の名目で

警察や自衛隊が保護にやって来たのが本来の筋書きである。

 

ところが、そこにアインストやインベスが現れた。

こうなった以上、これらを迎撃せねばならない。

インベスはともかく、アインストは曲津組――より正しくはディオドラ――が

けしかけた可能性が高い。アインストの大半はヴァーリの下に向かったが

残りはこうして警察や自衛隊と戦っているのだ。

 

その戦場の様子を、遠くから眺めている者達がいた。

リアス・グレモリーとその眷属達だ。

 

「部長、ここは打って出るべきですよ! 俺達もアインストやあの怪物と戦わないと!」

 

「ここは戦力の温存どころではありませんけれど……部長?」

 

「ええ、イッセーや朱乃の言う通りだと思うわ。けれど……

 

 ……引っかかるのよ。なんで行く先々にアインストが出てくるのか。

 なんでディオドラはアインストが出てもああも落ち着いていられるのか。

 アインストって、もしかしたら……」

 

「……それは無いと思いますわ。そもそもアインストって、話し合いに応じる気配が

 まるっきり無かったですわ。だからここは……」

 

朱乃の一押しもあり、リアス達もアインストと戦う決意を固めようとした矢先――

 

「ちょっといいかな。知っての通りアインストがこの辺りにも現れた。

 今僕達も迎撃に向かっているけれど、彼らの戦力は未知数だ。

 だから、君達にはこの辺りの防御を頼みたい。

 下手に打って出たら、総攻撃を受けそうだからね。

 それとリアス、僕はアインストに対して思うところが無いわけじゃないんだよ?

 実際、僕の契約者がいる土地を狙われているんだ。

 今対策を考えているところだよ」

 

ディオドラが入って来るなり、リアス達に防衛を依頼してきたのだ。

勿論、前線では警察や自衛隊がアインストやインベスと戦い

ヴァーリも一人でアインストの大群と戦っている最中だ。

 

『……おい。このディオドラと言う悪魔、嘘をついているぞ。

 今白いのがアインストの大群と戦っている。

 助けに行く行かないは、お前次第だがな』

 

「ヴァーリが? ……部長やアーシアならともかくなぁ……

 あいつだったら助けは要らなさそうな気がするしなぁ……

 けれど、アインストを倒すってのは同意だな」

 

「相手が攻めてきているからこそ、私達も打って出るべきではないかしら?」

 

「リアス、君は本当にグレモリー家を背負って立つ悪魔なのかい?

 こういう時、真の貴族は狼狽えないものだよ。

 戦いは部下に任せて、君はここにいたほうがいい。

 ……ああ、アーシアもあんな血生臭い所に行くべきじゃないね。

 僕がアーシアを護るから、君たちは……」

 

「へっ、そう言ってアーシアにいかがわしい事をする気なんだろ?

 俺にはわかるんだぜ、さっさとその手を離せよ。

 アーシアは俺が守るんだ、わかったか」

 

(……チッ。下級の転生悪魔の癖に生意気な。

 まぁいい、赤龍帝が打って出ないのならこっちはこっちで動きやすい。

 今頃裏切り者の白龍皇もオーフィス自ら処刑している頃だしね。

 二天龍の片割れさえいなくなれば、何も怖いものは無い。

 こいつを消すのは、その後でもいいか……)

 

イッセーに気づかれぬように、ディオドラは舌打ちをしていた。

結局、イッセーが出撃を拒否したために朱乃、ギャスパーだけと言う

極めてバランスの悪いメンバーを出さなければならなくなってしまうため

それならば、とリアスは渋々防衛に回る事となってしまう。

 

「……わかったわ。こっちにアインストが来ないとも限らないものね。

 朱乃、ギャスパー。警戒を厳となさい」

 

「……命令ならば、承知いたしましたわ」

 

「わ、わかりましたっ」

 

(……馬鹿め。こっちにアインストは来るわけがない。

 何せけしかけているのは僕なんだからな。

 あのドラゴンアップルの害虫までは知らないけど、あいつも

 アインストが片づけてくれるだろう。

 こうなったら……そろそろ実行に移すか……。

 まずはリアスの眷属達だ)

 

防衛に出る朱乃とギャスパーを見送り、部屋にはリアス、アーシア、イッセー

そしてディオドラだけとなった。

魔法陣で通話を行っているディオドラを訝しんだリアスは、思わず問い詰める。

 

「ディオドラ、何をしているの?」

 

「ああ、僕の眷属達に話をしているんだ。

 この町にいる人たちを守ってくれ、ってね。

 僕だって本当は自分から打って出たい。けれどそれで僕に万が一のことがあったら困るだろう?

 我が身可愛さじゃない、その後の事を考えてね。

 僕に万が一があれば眷属が路頭に迷うし、アスタロト家の跡取り問題も発生してしまう。

 そう考えたら、心苦しいけれど我が身を護るのも貴族として大事な事なんだよ」

 

貴族としての矜持を出されては、リアスも否定はできない。

イッセーも何かを言いたそうにしているが、リアスに睨まれているためそれも出来ない。

ここでディオドラに何かあれば、ディオドラに世話になっている自分達も危ういのだ。

 

(ククク……精々足掻いてろ。お前みたいなのは何もできずに這いずり回ってればいいんだよ。

 さあ、今から楽しみだ。アーシアも、あのヴェールで顔を覆った修道女もね!)

 

人当たりの良さそうな笑顔を浮かべる裏で、ディオドラはその下卑た欲望を渦巻かせていた。

その欲望を示すかのように、空には暗雲が立ち込めていた……




>白龍皇の能力
自身に対するバフではなく、相手に対するデバフだと
複数同時に掛けられるハーフディメンションが有効なんだけど
その前にオーフィスにヨミジ(ハーデス・ライン?)喰らってしまい
技の出を潰された形です。
他者を相手にするバフ(デバフ)は対象が複数だと
やり辛いよな……と考えこの結果に。
それとうっかりハーフディメンションの存在を忘れていたのが
アインスト軍団による集団リンチに繋がってます。
あとランページ・ネクロムのお披露目。

>日本刀で身体を貫通して抉り~
マブイエグリを字面で再現すると本当に残酷な描写だと思いました。
今回登場したオーフィスは以前紹介した通り
アインスト部分のうち、人格を司る「ウンエントリヒ・リヒカイト」です。
なので武装もそれに倣って鬼面だのヨミジだのマブイエグリだの。
ゴスロリ少女じゃないのはイッセーとの接点が皆無なため。
あと「見た目可愛いから助けたんだろ」的なツッコミの回避のため。
元ネタ考えたら少女化してても問題は無いんですがね。

……現実問題オーフィスのレジセイア(外殻)を
現戦力で叩けるかと言われると叩けないし
こっちが多分……

>ディオドラ
きたないなさすが貴族きたない
これでますます貴族の事が嫌いになったなあもりにも卑怯すぐるでしょう

けれど貴族として言ってる事は正論。
裏で敵と内通してるけど。

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