お腐れ様がご光臨しかけているので注意。
容姿のイメージはDIO様ではなくディオ様のまま、若々しい感じ。
酷い駄文に「あんまりだあァァッ!!」と思った方はどうかそっと忘れて下さい。
ジョセフがやる気を出して暫くしてからイタリアへ渡りマフィアというものを作ってみた。
手足はある方が便利だ。範囲も広ければ広い程いい。
邪魔者(ジョジョ)もいないため順調に種をまく事が出来た。
後は育てるだけだったが…ここにきて微妙に勘違いされ始めた気がする。
ここまでくると呪いかと言いたい。
仕方なく放棄してアメリカに飛ぶといつの間にかジョセフに子供が出来ていた。
ホリィとかいったな、ジョセフとシーザー二人揃ってデレデレで気持ち悪い。
波紋の事などは秘密にしたかったらしいが、きっちり教えろと厳命しておいた。
何も知らずうっかり波紋を叩き込まれてはかなわん。考古学の研究とやらであちこち飛び回っているジョジョを呼び寄せ教師役を押し付ける。ジョジョになど頼りたくはなかったが、二人がホリィに甘過ぎて使い物にならんとは想定外だった。
途中ホリィの結婚で一悶着はあったものの、瞬く間に時は過ぎ去り運命の日が近づいてくる。
だがその前に。
「日本に行くぞ、ジョジョ」
「じゃあ自家用機の用意をしておくね」
良妻賢母とかふざけた事を言い放ったジョセフは締めておいた。
- - - -
日本家屋は完全な闇を作り出すには少々向かない事を理由に空条家には世話にならずホテルに滞在する事にした。
今回はジョジョもついてきたが、ホリィや承太郎を頼むと言えば二つ返事で頷いた。これで自由に動ける。
わざわざ極東に来た理由は花京院を取り込むためだ。
このDIOのスタンド能力を見破った事は評価している、それ以外も中々に能力は高い。
花京院は子供の頃からスタンドが使えたらしい。ならば早めに会っておいて損はない。
ついでに将来承太郎の周りから一人消え、かつその一人が己の周りにいればいいとも思っている。
借りを返したい承太郎はここのじゃあない、それ故にこの程度のささやかな報復だ。
花京院の家は既に知っている、後は花京院が夜の外に出るようちょっと手を加えれば済む。一般人相手ならばそう仕向ける事など実に容易い。
「やぁ、こんばんは。隣の不思議な彼は君の友達かい?」
「だ、だれ…?」
「ああ、いきなり声をかけてすまないね。わたしにも似たような友人がいるのでつい声をかけてしまった」
太陽が沈み活動が可能になるとあらかじめ仕込んでおいた場所、公園へと向かう。予定通りならばそこにいる筈だ。
目的の場所に着き、キイキイと錆びた音のする方へと目をやると緑色に光るスタンドと思わしき物体と七、八歳くらいの子供がブランコに座っていた。
あれが花京院だな。特徴的な前髪は昔からか、分かりやすい。
花京院に、なるべく優しげな雰囲気と声色で話しかけてみるが警戒心をあらわにこちらを睨んできた。スタンド…ハイエロファント・グリーンも本体を守るように自分と花京院の間に入る。
反応は悪くない。初対面の時のようにゲロ吐くくらいビビられずに済んで何よりだ。
自分と同類だという証拠のために雰囲気を壊さないままザ・ワールドを隣に出すと、花京院は驚きに目を見開いた後くしゃりと顔を歪めて大粒の涙をいくつもこぼし出した。ブランコに座ったままだった花京院を抱き上げて左腕に乗せ、右手であやすように背中を撫でる。思った以上にすんなりと出来た仕草に内心驚いたがそれは表には出さない。
「花京院くん、恐れることはないんだよ。わたしと友だちになろう」
離すまいと強く服を掴む手と、縦に何度も振られる頭に自然と笑みが浮かぶ。
いい子だ。
- - - -
あれから数年経ち、花京院が中学生になると己の滞在するホテルに入り浸るようになった。
ジョジョとの関係も良好なようだが…これではまるで家ぞ…いや、過程も呼び名も何でもいい。結果が全てだ。そう、結果が全てだ!
空条家にはあまり近寄らないようにしている。承太郎がいるからな。ジョジョに付き合いたまに訪ねる程度だ。
そのジョジョも、おれが暫く日本に滞在する事を決めるとまた研究のためにあちこちを飛び回り始めた。こちらとしても部下を増やすにはジョジョがいない方がいい。
その部下を増やす事に積極的なのが意外にも花京院だ。
疑問を疑問のまま残しておくのは落ち着かない。丁度いい機会だ、直接聞いてみるか。
「花京院」
「ん?なんだい?」
花京院とテーブルを挟んで向かい合うように座り本を読んでいたが、疑問を解消するべくしおりを挟んで本を閉じ声をかける。
相手は宿題をしていたようだがおれの声に直ぐに反応して顔を上げ、先を促すように僅かに首を傾けた。
「お前はおれのする事に否を唱えた事はないな。それどころか積極的に手伝っている…何故だ」
「ああ、その事。いくつか理由があるけど、一番大きな理由はディオへの恩返しだよ」
鉛筆を置き照れくさそうに笑いながら頬を掻くこいつを見ていてじわじわと嫌な予感がしてきた。
「友だち…スタンドの事で孤独だったぼくを救ってくれた」
これは狙った効果だ、これはいい。
「ぼくが子供だ、て事を理由に真実を隠したりしなかったし、ぼくが手伝いをしたいと言った時も拒まなかった」
使えるものは赤子でも使う主義だ、当然だろう。
「ぼくと同じような人を見つけて支えようとする姿に憧れてるし」
使える駒を増やしているだけだが。
「悪い人に立ち向かうのもかっこいい」
邪魔者を排除しただけだ。
「でも、綺麗事だけじゃなくて、ちゃんと汚いところも見せてくれる。ぼくはディオの事を尊敬してるんだ」
照れから目尻を赤くしながら言い切る花京院。
……。
何故だ…同じ物事を見聞きしている筈だが本来の事柄と180度違う。
悪に染まったのではない。くだらない正義とやらを抱いたままのこの理由…しかも修復不可能な域に達している気がしてならない。
思わず顔を手で覆い俯いたおれに花京院は席を立ち
「疲れてるのかい?なら紅茶でも淹れてくるよ。血が欲しいなら、ちょっとだけだけどぼくのをあげるから」
と言ってキッチンへと向かった。
途中までは順調だった筈なのに、どうしてこうなったッ!
ジョナサン的には「ディオって何気に子供好きだよね。でも承太郎には滅多に近づかないのが不思議。承太郎可愛いのに」とか思ってます。