鉄板ネタはともかく、沢山の方々に見て頂きありがとうございます!心臓バクバクです!
死ネタです、苦手な方は注意。感想を頂いて思いつきました。
原作という偉大な指針から外れていくので一気に駄文になります。
こいつはくせェーッ!ゲロ以下の駄文のにおいがぷんぷんするぜーッ!!
「あなたは結局、わたくしを吸血鬼にはしてくれませんでしたね…」
ベッドに横たわる一人の老女…エリナが独り言のように呟いた。
最期の時は夫婦だけでと気を使ったらしいやつらは今さっき出て行ったところだ。
ジョジョは傍らに膝をつき、壊れ物にでも触れるかのような手つきでエリナの手を両手で握っている。
おれはジョジョの後ろに立ち腕を組みながらエリナを見つめていた。
「あなた達二人だけで…ずるいわ、わたくしも一緒が良かったのに」
拗ねた物言いだが表情は穏やかだ。
今度はどんな勘違いをしているのか知らんが、まぁいい。
この位置ではジョジョの顔は見えないが、きっと困ったように笑ってでもいるのだろう。
「エリナ、お前は人間として逝く事に意味がある。おれやジョジョが吸血鬼だからこそ」
「だから一人で逝けと?ふふ、ひどい夫だこと」
「ふんっ、ジョジョにも、このDIOにすら出来ん事を成し遂げるのだ。誇りに思え」
今のエリナにとって喋る事すら大変な作業なのだろう。深く、命を吐き出すように息を吐き出す。
そろそろおれも出て行こう。
ああだが、その前に。
「エリナ、このおれが認めてやろう。お前はいい女だ」
外に出るとジョセフ達が居た。
どいつもこいつもしんみりとした顔をしている。
「ジョセフ、阿呆な事を考えるんじゃあないぞ。それはエリナを…この結末を良しとしたジョジョを、このおれを侮辱する行為だ」
ぎくりと肩を揺らすジョセフ。こいつの懐が妙に膨らんでいると思えば、やはり石仮面を持ってきたか。
「愛してるなら、一緒に居たいと思うのが当たり前じゃねぇのかよ…」
くだらん事を言う。
あまりにもくだらな過ぎて答える気になれずそのまま屋敷を出る。
丁度いい、このまま腹を満たしに行こう。
献血用の血などで腹は膨れない。
- - - -
貧困街。
ここならば何人かが居なくなろうと誰も気になどしない。
今食事としたやつらはグループだったらしく、仲間の敵討ちだと何人かが襲ってきた。力量の差が分からんのか?まったく無駄な事をする。
ナイフを振りかざしてきたやつの腕を払おうとしたところで「もう一本」自分の腕が見えた。約五十年前に見慣れていたこの腕は、ザ・ワールド!
久しぶりの感覚に口の端が上がる。
丁度いい、こいつらには遊び相手になって貰おう。
自分以外、動く者の居なくなった場所でザ・ワールドと向かい合う。
そういえば、己のスタンド能力は…。
「『時間よ止まれ、お前は美しい』、か…」
- - - -
自分の体故か最初から十秒は時間を止める事が出来た。
更に、前よりもスタンドが扱い易い。
この力が最初からあれば承太郎になど、と思わなくもないがあれはあれで教訓となった。今はいい。
それよりも、ザ・ワールドの力を取り戻したのだ、最初の目的に向けて駒を進めてもいい頃だ。
何をするにもまずは金がいる。
そういえばジョセフは不動産王などと呼ばれていたな。これは使える。
「おいジョセフ」
「ん?なになに、呼んだ?」
エリナの葬儀以来やたらと側に居たがるジョセフを呼ぶと、何の疑問も持たず嬉しそうな顔をして直ぐに寄ってきた。
犬かお前は。
「お前、シーザーと不動産をやれ」
「は?」
「資金は用意してやる。まぁ、後で何十倍…いや、何百倍にして返して貰うがな」
ジョセフはおれの言葉に呆気にとられたような顔をしていたが、少しすると屈託のない笑顔で飛びついて…おい寄るなうっとおしいッ!
「そうだよな、ディオもジョナサンじいちゃんも居なくなったりしねーよな!その未来の約束、必ず果たすぜッ!」
やたら嬉しそうな様子に少しばかりイラつき、ジョセフの首根っこを掴み投げ飛ばす。
が、やつはケロリとして部屋を出て行った。
「流石ディオだね!ぼく達じゃ駄目だったのに」
ジョセフと入れ違いでジョジョが入ってくる。
やけに嬉しそうな様子に思わず眉を寄せてしまった。
「ジョセフの不安を取り除いて、目標まで与えて…ディオはぼく達の事、よく見てるんだね」
そんな事はない。
断じてない。
「お前の目は節穴か?」
「そんな事ないさ。エリナの事も、ぼくの事も最善だったと思うし」
…ジョジョ、何だその広げられた腕は。笑顔で近づいて…まさか抱擁でもする気か?
誰が応えるかッ!
嫌そうに顔を歪めたまま腕をかわし足早に部屋を出る。
最後にジョジョが何か呟いた気がしたが気のせいだ!
「相変わらず照れ屋だなァ。そこが…」
DIO様はDIO様なりにジョースター一族(伴侶含む)を愛し始めたかな、と。
絆されたとも言う。
補足
DIO様の台詞はゲーテのファウストより。DIO様なら絶対知ってる筈!