この超ポジティブまぬけがっ!   作:甚三紅

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本当に好き勝手書いてます。
DIO様がニュータイプ並にピキーン!ときました。
そして今度は承太郎がへたれになりました。損な役回りばっかで本当にごめんなさい。ちゃんと承太郎も好きですよ!!

「見えるぞ、私にも承太郎に犬耳が見える!」
という猛者だけお進み下さい。



承太郎と仲直り…仲、直り…?

朝シャワーを浴びていると、ようやく承太郎とやりあった時の怪我が全て消えていた事に気がついた。人間の体とはつくづく貧弱である、と溜め息を吐く。

そしていつもと変わらない時間に登校すると校門にはこのおれに怪我を負わせた元凶が立っていた。完全におれを見ていたので鼻で笑い近づいてやる。

 

「何だ、また拳でも…」

 

皮肉めいた笑みを浮かべ挑発でもしてやろうとして言葉が止まる。

元凶…承太郎の目の下にはくっきりとクマが出来ておりしゅんとした雰囲気を醸し出している。更に言うなら外見はいかついドーベルマンのくせに伏せられた犬の耳の幻覚が見えた。

これでピンとこない方がおかしい。おれは無言で生徒会室のある方に視線を向け、承太郎が小さく頷いたのを確認してから歩き出した。

 

生徒会室に入り扉が完全に閉まるとこの駄犬からは申し訳ないとでも言いたげな空気も漏れ出した。仕方がないので正面から向き合い軽く手を広げてやると、鯖折りでもかけているのかと問いたい程の力強さで抱き締めてくる。

お前!今のおれは背骨が折れても再生せんのだぞ!

 

「ディオ…すまなかった…」

「ぐ…その前に力を緩めろ阿呆がッ!」

 

更に腕に力を入れてきやがったので流石に足を踏みつけて抵抗する。腕が緩むと一発叩いて更に距離をとった。

 

「で、お前は何をどう覚えている」

「ディオが干からびた死体を粉砕した時までと、この世界での事だ。色々やらかしたのは覚えているが、なぜ嫌っていたのかはすっぽり抜けてやがる」

 

つまり二回目と四回…いや、こいつらは三回目の記憶のみ、という事か。

顎に手を当てて考え込んでいると、目の前のでかい図体は落ち着かない様子でこちらを見てくる。それがこいつの小さい頃、怒られるのを覚悟している時とまったく一緒でつい笑ってしまった。

 

「何をそわそわしている。おれが理不尽に怒った事があるか?」

「ねェな。だが…」

「おれは公平な評価を下す主義だ。今のお前に非はない、安心しろ。安心しろよ、承太郎」

 

それで安堵したのか承太郎は小さく息を吐きおれに軽く寄りかかってきた。肩に額をつけて離れようとしないこいつに自然と目が細められる。

仕方のないやつだ、と髪をくしゃりと撫でたところでハッとした。

待て自分、これではまるきり父親ではないか。確かに赤子の頃から知っているがこれはおれのポジションではない筈だ。

これは…そうだ、ジョジョみたいな甘ちゃんの役だ。もしくはこいつの妻の役だ、決しておれでは…。

 

「ておい!寝るな!」

 

段々と重くなってきたので意識が飛び始めていると悟り、背中を叩いてみたが覚醒しそうにない。このままでは床と仲良しになってしまいそうだ、渋々ではあるが辛うじて意識のある承太郎を仮眠室まで引きずっていく。

ベッドにつくとがっちりとホールドしてきたこの駄犬を蹴飛ばしたのは無理もない事だと思わないか?まったく意味はなかったがな!

 

 

「ああ、いたいた。授業にこないから探しちゃったよ、携帯も繋がらないし」

「文句ならこいつに言え」

 

どう足掻いても承太郎を引き剥がせなかったのでふてくされて寝ているといつの間にか昼休みになっていたらしい。

ジョジョの声に起こされ若干回らない頭で返すとおれを覗き込んでいた男は穏やかな顔をしていた。

 

「…何も聞かないのか」

「ディオが許してるなら、そういう事なんだろう?ならぼくから言う事は何もないさ」

「ふんっ」

 

何も言わなくても全て分かっている、といった風なジョジョに鼻を鳴らすが察しのいい奴は嫌いじゃあない。余計な手間をかけずに済む。

 

「それにしても、花京院くんが見たらこれ絶対いじめられるよね。承太郎が。写メ撮っておこうか」

「お前本当は承太郎にかなり怒ってるだろ…」

 

実に爽やかな顔をして、おれを抱き締めて眠る承太郎の写メを撮るジョジョ。手元が動いているので恐らくは花京院にメールでもしているに違いない。

 

「やっぱりいくつになっても皆のお父さんはモテモテだね」

「今なん」

「あ、直ぐに花京院くんが来るって。そうしたらディオも動けるよね」

 

爽やかな顔を崩さないこいつに追求するのを諦める。間違いなく怒っているからだ。こいつを怒らせるとおれでも怖い。

花京院が乗り込んでくるまで承太郎を寝かせてやっているのはせめても慈悲なのだろうか。

何とも言えない気持ちになりおれは深く深く息を吐いた。

 

 

 

 

おまけ(会話のみ)

 

ジョナサン「ところで、承太郎ってかなり表情わかり難いのによく分かるね」

ディオ「お前は注意力が足りないんだ。よく見ていれば分かる」

ジョナサン「ジョルノでもあまり読めない、て言ってたけど…」

ディオ「経験が違う」

ジョナサン「(愛以外の何ものでもないと思うけどなァ)」

 

花京院「ディオ!今、あの承太郎も手懐けた、て凄い話題だよ!」

ディオ「お前もあの承太郎をぶっ飛ばした、と前々から話題になっているがな」

花京院「やっぱりきみたちは仲がいい方がしっくりくるよ。承太郎がディオに酷い事を言うのは心が痛いし」

ディオ「承太郎は物理的に痛かったろうな。このおれですら止めようか迷ったぞ」

花京院「これからは遠慮なくディオにくっつけるね!」

ディオ「一度でも遠慮した事があったか?」

 

 




甚三紅はどうやらジョセフとDIO様の絡みが好きなようです。
美味しいものは最後派なので次は多分ジョセフ。
花京院?甚三紅が暴走するので自重してます。

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