この超ポジティブまぬけがっ!   作:甚三紅

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投稿する、そう思った時には作業は終わっている!

ぱっと思い浮かんだのでこちらを。
ジョセフが一番動かし易いです。※ただし似てるとは言ってない。


ジョセフとシーザーの場合

「何度も言ってるだろうが!おれのこの手は全てのシニョリーナとディオさんのためにある!」

「おれだって何度も言ってるっつーの!かわいこちゃんはまだしも何でDIOのクソ野郎も含めんだよ!」

 

食堂にて、額を突き合わせ火花を散らしながらギャンギャンと吠えまくる二人の声をBGMに最近はまっている玄米茶をすする。周りに人はいないが最初のように物珍しそうな目で見られる事はなくなった。

最近では「またか、巻き込まれないようにしよう」程度の認識になったのだ、人間の適応力とは凄いな。

 

「いいか『ジョセフ』、おれはお前の知るシーザーとは別人だ。一緒にされても迷惑だ!」

「っ…!!わかってんだよ…ンな事…」

 

今日も今日とてジョセフの古傷を的確に抉り抜いたシーザーの勝ちか。とは言え、あからさまに落ち込んだジョセフにばつの悪そうな顔をするくらいならば止めればいいものを。律儀に相手をするからこうなる。

おれなら…

 

「あーッ!今『おれなら古傷を抉った上で塩を塗り込みトラウマになる程踏みつけてから下僕にするのに』とか思っただろ!!」

「ディオさんがそんな事思うかスカタン!!」

 

一言一句ジョセフの言う通りだが何も言わないでおく。

二人の事はともかく、デザートに和菓子を用意しており竹串で小さく切り分け口に運ぶ。わざわざ竹串をつけるなど無駄な事だが遊びは嫌いじゃあない。

ん?茶が無くなったな、もう一杯…

 

「あ、ディオさん。お茶ならおれが持ってきますよ、玄米茶でしたよね」

「何その穏やかかつ甘えたような笑顔!?おれ見た事ないんだけどッ!」

 

湯飲みを片手に立ち上がろうとしたのを目ざとく見つけたシーザーが笑顔で手を差し出してきた。おれにとっては見慣れた笑顔だが、ジョセフにとってはショックだったようで驚きや妬みの混じった顔をし、おれを指さし叫ぶ。

 

「お前とディオさんが同列な訳ないだろうが」

 

おれから湯飲みを受け取ったシーザーは冷ややかな目と声をジョセフに向ける。ジョセフは拗ねたような顔をしておれに向けていた指をしまった。

 

二人になるとジョセフは思い切りおれを睨んできたが気にせずスマホを取り出し弄る、一々相手をするのが面倒なために話しかけるなアピールだ。

…こいつら相手にはそれこそ無駄だったが。

 

「ジョニィの言う事や兄貴の言う事はやっぱ信じられねーよ。DIOって存在は時間や時空が違う程度で変わる奴じゃあねーってのがおれの考えだ」

 

テーブルに強く手をつき嫌悪感もあらわにわざわざ話し掛けてくるジョセフ。無視をしてもよかったが、たまには相手をしてやろう。

こいつらを相手にしてから優等生面などとうにしていないため、視線をスマホの画面からジョセフに移し遠慮なく皮肉をたっぷり込めて笑ってやる。

 

「だとしたら何だ。貴様が何を言ったところでシーザーは信じない。貴様とシーザーの真実は別物だといい加減学習するんだな」

「悪の親玉みたいな今の顔を是非ともシーザーに見て貰いたいね!そもそも、今おれの前にいるあんたが一回も『違うDIOだ』と言わないのは…」

「ディオさん!」

 

ジョセフの言葉はシーザーにかき消され、差し出された湯飲みを受け取りつつボールを取ってきた犬のごとく目を輝かせる様子に毒気を抜かれる。シーザーの尻には千切れんばかりに振られる犬の尻尾、輝く瞳や周りの空気に誉めてくれという文字が見える…幻覚だろうか。

 

「助かった。茶の礼だ」

 

湯飲みを置いて菓子を竹串で半分に切り、それを刺してシーザーの口元に運ぶ。シーザーは何の躊躇いもなく竹串にパクつき、その瞬間にフラッシュをたかれた。

うっかりやってしまったが気になどしない。ああそうだとも、例え何かのネタになっていようが今更だ。

 

「ちっ…そーゆー顔をするから信じられねーのに揺らぎそうになるんだよな…認めたかねェが面は一級品なんだよ、面は…」

 

舌打ちをしてぶつくさ言っている阿呆は放っておく。実に嬉しそうに菓子を食べるシーザーを見ている方が余程面白い。あまりに美味そうに食べる様子に、時々こいつ(と花京院とジョジョ)はおれと違う物を食べているんじゃあないかと思う。

 

「ご馳走様です、今度シニョリーナにも食べさせたい美味しさでした」

「それは何よりだ」

 

シーザーを見ながら熱々の茶をすすると段々ジョセフの事がどうでもよくなってくる。心を落ち着かせるとはアニマルセラピーか何かなのか?

そんなおれたちの様子を歯ぎしりしながら見続けるジョセフに溜め息が出てくる。そこまで嫌なのに、おれとシーザーを二人にする方がもっと嫌だとはつくづく分からん奴だ。だがいいからかいの材料になる。

ジョセフへの嫌がらせに犬、もといシーザーを眺めながらのんびりと菓子と茶を腹におさめようやく立ち上がる。片づけはその辺のやつらが適当にやるだろう。

 

「じゃあディオさん、次は移動教室なので失礼します。また放課後に」

「ああ、また後でな」

 

食堂を出たところで別れ、おれは三年の教室に向けて足を動かす。背後からはまたギャンギャンとやかましい声が聞こえてきた。




DIO様は色んな世界があるとか同じで違う人物がいるとかジョニィに説明を丸投げしました。
ジョナサン、シーザー、花京院は納得。だってジョセフと承太郎がディオを嫌うなんて有り得ない!と思ったから。
ジョセフ、承太郎は別な世界はともかくその程度でDIOが変わるわけねーだろ!と思ってます。
ジョセフは何かに気づいた様子。

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