「おにいちゃん…?」
諸君、妹は好きか?
「おにいちゃん、あの…」
ここで、イエスと答えたあなた。おめでとう、君は紛うことなきシスコンだ。
「ねてるの…かな…」
そして、ノーと答えたそこのお前。その気持ちはよぉくわかる。だって、妹が好きなシスコン野郎なんてのは気持ち悪いだけだからな。
「おにいちゃん、はいっても…いいですか…?」
だけど、こいつを見ても、そう言い続けられるのか?
ガチャリとドアを開けて部屋から出ると、あっと、少し驚いた顔を見せた、流れるような金髪のブロンドヘアーに碧い日本人離れした宝石のような瞳を持つ小さな少女。名前を、ブリジット・エヴァンス・高坂。
「ごはん、できましたよって、その…おかあさんが」
「ありがとな、ブリジット」
ぽんと頭に手を置いてやるだけで、向こうはキラキラと輝いた瞳でこちらを見上げて、嬉しそうな笑顔で頷く。
なんつーか、信じられねぇよなぁ。
だって、俺の妹がこんなに可愛いわけが…!
「きょうちゃん。きょうちゃん。どうしたのー?」
「ん?ああいや、なんでもねーよ。ただの考え事だ」
「そっかぁ。考え事かぁ」
学校の下校途中、カバンを肩から下げて歩いていると茶色いボブカットをした、俺よりも幾らか背の低い眼鏡をかけた、同じ制服を纏っている幼馴染は田村麻奈実。性格は温厚で真面目。ちょっとのんびりしているような所もあるが、俺よりもやることはきっちりやっている優等生だ。
「ぶりじっとちゃんのこと考えてるの?」
「……そんなんじゃねーよ」
「そっかぁ」
…どうして麻奈実には、俺の考えることがこうもわかるんだ?
ニコニコとこちらに微笑んでいる麻奈実は、まるで、何でもお見通しの物知りお婆ちゃんのようだ。
ブリジット・エヴァンスについて、考えていた。
俺には元々妹なんていなかった。親父は警察官。お袋はどこにでもいる専業主婦。
親父の教育方針もあり普通よりも厳しい環境で育ったが、それ以外は何てことない、どこにでもいる普通の一人っ子として育ってきた。しかし、中学2年生の夏の事だった。
激しい雨の降っていた夜。突然、制服姿の親父が当時7歳だった金髪碧眼の幼い少女を引き連れて帰ってきたのだ。驚いたなんてもんじゃないが、親父はあまり詳しい説明もせずに、今日から家で引き取ることになった。ブリジットだ。とだけ言って、さっさと寝室に入っていびきをかいて寝始めた。
取り残された俺とお袋はブリジットと呼ばれた少女と一緒に玄関で立ち尽くす。
俺はもっとちゃんとした説明がほしかった。何故、突然、しかもこんな外国の少女を。どういうつながりで?どういった経緯で?どういう過去を持っていて?
だから、当然、お袋も驚いているものだと思ったのだが、お袋は意外にも、何を突っ立ているの、早く入りなさい。と、初めから家の娘だったかのように戸惑うブリジットを普通に迎え入れていた。後で聞いたが、初めからブリジットのことを知っていたわけではないけれど、親父がそうしろと言ったからそうしたと言っていた、ある意味大物だ。
そして、当時の俺はと言うと……何とも痛々しいくらい若気の至り全開の、超がつくほどお節介な野郎だったから、お袋と同じように、その異国の少女に対して抵抗感なく接することにしたのだ。積極的に声を掛けて、たまにボロボロの英語スキルを使って、たまに簡単な日本語を教えて。
初めは、暗い顔をしていて馴染んでいなかったブリジットも、今では日本語を少し拙いながらもぺらぺらと話せるようになった。小学校に通っていて、高坂家に欠かせない家族として迎え入れられていたのだ。
その、俺の妹が……最近冷たい。
いや、本当。前までなら普通にお兄ちゃんお兄ちゃんと甘えて来ていたようなブリジットがすごく静かなのだ。家で話すのも簡単な日常会話程度で、前よりも親密な話はしない。星くず☆ウィッチめるるというブリジットの大好きなアニメを見ているときはいつものように元気なのだが…それが終わると俺が話しかけても、さっさと部屋に籠ってしまう。
「きょうちゃん。ちゃんと古文の宿題、やるんだよぉ」
「わあってるよ。」
「ふふ、また明日~!」
いつの間にか、麻奈実との分かれ道まで来ていた。忘れかけていた宿題の存在を教えてもらうと言う最後のお節介を焼かれると、手を振っている麻奈実に軽く手を上げて別れをつげる。
……まぁ、仕方がないのかもしれないなぁ。普通の兄妹ってのは、もっと殺伐としてて、死ねとか居たの?とかそういう会話の応酬が繰り返されるらしいし、ブリジットももう10歳だ。俺の手伝いなんて、何にも必要ないのかもなぁ……
がちゃんと、鍵の開いていた玄関のドアを開けて家の中に入ると、シーンとした静寂だけが俺を迎えてくれた。前までならば、トタタタタっとリビングを駆けて、金色のポニーテールを揺らした妹が笑顔で出迎えてくれていたと言うのに。今ではおかえりという返事すらない。
靴を脱いでリビングにやってきたが、部屋を見渡す限りブリジットの姿はない。外に行っていない当たり、どうやら、2階の自分の部屋に居るらしい。冷蔵庫から麦茶のパックを取り出し、とくとくとコップに注いでいき、それを一気に喉に流し込むと口の中が幾らか潤った。
しゃーねぇ。忘れないうちに。宿題、やるか…
麦茶のパックをしまって、数歩歩いて、リビングのドアを開けたその、瞬間だった。
「!?」
「うお!」
びたーん!と、何かが体にぶつかってきて、思わずしりもちをつく!
相手は俺の胸に頭突きを食らわせるような形になったので、その反動で同じようにしりもちをついていた。それは、そう。見たことのある、金色のポニーテールに小さな背丈。白い清楚なワンピースをきた…ブリジット。
最近冷たい……俺の、妹だ。ぶつかった拍子に、何か雑誌のようなものが手から階段にこぼれ落ちたのが見えた。
「わ、悪い」
「う、ううんわたしがはしったから…ごめんね、おにいちゃん」
軽く顔を振って、大丈夫だと言う風に微笑んだので俺もつられて笑みが出る。まぁ冷たい、って言っても。ちょっとコミュニケーションが減っただけだ。俺たちの仲はそう悪くはない…はず。
「何か落ちたぞ」
その、ブリジットの手から落ちた雑誌を拾い上げようと、腰を持ち上げた瞬間。
「や、やめて!!!」
きーん!と声が響く。慌てて、その雑誌を俺よりも早く回収してトタタタタと再び階段を上って行ってしまった。
ぽかん、と開いた口がふさがらない。まさか、やっぱり俺って……嫌われてる…のか?
「ん?」
なんだこれ。先ほどまで落ちて居なかったであろうA4サイズほどのピンク色の紙が落ちている。さてはさっきの雑誌に挟んであったか、ページの一部なのか?と思って拾ってみる。
って、な、なんじゃこりゃあ!?
第1回、星くず☆ウィッチめるるコスプレ大会!!とデカデカと書かれた、あのピンク色のツインテールをした魔法少女、めるるが映った全体的にピンク色っぽいポスター。そして、そこの開催日と、エントリー日時の所、優勝賞品の所に、妹が、ブリジットが書いたであろう赤い文字の筆跡があって…
メルルのフィギュアほしいほしい!とか、
いいなー、いいなー。スペシャルめるるいいなー!とかいった、願望がぎっしり、可愛い文字で書かれているではないか!
ブリジットがメルル好きなのは知っていた。まだ日本語もうまく話せないような頃に、このアニメを見て。どこに琴線が触れたのか俺には分からないがいつの間にか大嵌りしていたのだ。日本語を積極的に学ぶきっかけになったと言っても良い。
ただ、親父もお袋もアニメとか、ゲームとか、そういうのは悪影響があるからと、ブリジットがアニメを見ることには否定的だった。しかし、二人ともなんていうか、ブリジットには大甘なのでなんだかんだ言ってクリスマスに変身ステッキを買って上げたり、誕生日にDVDを買って上げたりしてるので少しづつ認めているようにも思われる。あのブリジットにほっぺをキスされたときのでれでれした親父の顔と言ったら写真に収めておきたいくらいだった。しかしだ。
確かに、親父たちもめるるを認めつつあるが…流石に、こ、コスプレの、しかも大会なんて…
「お、おにいちゃん!」
「ぶ、ブリジット。お前これ」
「あ…うぅ」
しゅんと、上から現れたブリジットの頭が垂れ下がった。最近、こそこそとして冷たかったのは、まさか、この大会に出る準備でも、してたんじゃ…!?
ブリジットは、もじもじとして、困った顔で俺のところまでやってくる。階段の一つ上の段に立っているから、目線も合う。
「お、おにいちゃん。あのね……
お、おねがい…があるんだけど」
服の端っこを軽く摘まんで、涙目の上目づかいにそんなことをお願いしてくるブリジット。俺は…
「コスプレ…コスプレ…っげ!?たっけー!?嘘だろ、こんなちっこい服がこんなにすんのか!?」
額を見て驚愕する。学校の終わった夕方、諭吉様を何人か引き連れて、そう言うコスプレ衣装が売っているらしい、ちょっと勇気の居る店にやってきたのだが…メルルのコスプレは諭吉様が束になってかからないと太刀打ちできない金額だった。それに、売られていたのは、ブリジットの欲しがっていたアルファ・オメガの方の衣装じゃない。
やっべーなぁ…大見得切ってあんなこと言ったのに、駄目だったなんて今更言えねぇよ。
ブリジットに可愛いシンプルな女の子らしい部屋に招かれると、俺は早速そのお願いの内容を聞くこととなった。もうなんとなく予想していたが、ブリジットはこのメルルのコスプレ大会に出て、スペシャルなメルルフィギュアが欲しいらしい。
「そもそも、ブリジット。お前コスプレ衣装なんて、持ってるのか?」
「…ううん、ない……。で、でも、このアルちゃんになれば、ゆうしょう、できるかも…」
「優勝ったってお前…」
ブリジットのやつは、勝算まで立てて出る気まんまんだったのだ。
アルちゃん。金髪のポニーテールが特徴的な、青い魔法少女の服を着ているブリジットそっくりなアルファ・オメガというキャラクターのことだ。控えめで優しい性格も似ていて、初めてそのキャラクターを見た時には俺も驚いたくらいだ。
「やっぱり、ムリなのかなぁ…」
正座して、悔しそうにポスターを握りしめているブリジットを見て、俺は、何か、こう何とかしてやりたい!っていう気持ちが溢れてきてしまい…
ブリジットに、何とかしてやるから、任せとけ、なんてデカい口叩いてしまったんだよなぁ……
嬉しそうに俺に飛びついてきて、お兄ちゃん大好き!なんて言われて、俺も得意になってた。その後もブリジットはずっと鼻歌なんて歌って終始ご機嫌で、興奮したようにポスターをゆらゆらと振っていた。
それだけこのコスプレ大会に出られると言われて嬉しくて楽しみなのだ。なのに、なのに期待を裏切るなんてこと……
自分の無力さが恨めしい。頼みの綱の麻奈実は、めるるのめの文字も知らないような奴だし……そうだ!インターネット。インターネット通販とか、そう言うのでは売ってるかもしれない。
最近得た知識をまさか早速使うことになるとは。最近、ニッチな買い物にはインターネットを利用するのが当たり前になってきているらしいからな。クラスメイトの赤城のやつが鼻を高くして目当てのブツを手に入れたぜーとか言って、自慢してたのを思い出す。だけどこれで光が見えた!
しかし家にはパソコンなんてものはない。少女向けのコスプレが書かれた無料カタログだけもらうと、その店を足早に出て、俺はパソコンの借りられる市立の図書館へと足を急がせた。
すっかり今日のお日さんも淡く輝いていて消えかけたいたが今から走って行けば、ぎりぎり間に合うだろう。後ろポケットにカタログを丸めて挿して、更に足の速度を速めたのだった。
「おいぃ!てめーいい加減にしろよ!さっきから!」
何だ。ゲームセンターを通り抜けようとしたとき。ドスの聞いた、いかにもな怖い男の声が響いてくる。何だ、喧嘩か?ちらっと、好奇心からそちらに近寄って目を向けると長身の、耳にピアスをあけた強面の男が立って居た。すげー、世紀末に出てきそうだ。
「あら、このゲームはこういう仕様になっているのよ。それに、ゲームに負けたからって、直接いちゃもん?
そういう事をしているから、格ゲーマーは民度が低いなんて言われてしまうのよ」
男の影に隠れてみることが出来ないが、ぼそぼそとした感じの女の声。言っている内容は半分しか理解できないが、態度的にいちゃもんに挑発で返したらしい。
……関わらない方が良さそうだ。
そう思ったのだが、その女の声音は少し……震えているように思えた。
「んだと…!」
「ま、まぁまぁ落ち着いてください!こら、お前も挑発しちゃ駄目だろ!」
「あん?」
「え?」
飛び出していた。その男の前に素早く回り込むと、落ち着かせるようにどうどうとジェスチャーして宥めるようにしてみる。そして、今度は女の方を見て、軽く叱るふりを…って、なんつー、格好してるんだ!?こいつ!
腰まで伸びた黒髪に、黒いドレスに黒い薔薇のカチューシャと黒尽くし。目元には泣きぼくろと目には赤いカラーコンタクト?てやつを入れてて、何て言うか、街を出歩く恰好じゃねぇ!しかし、割って入ってしまったのだから、もう遅い。
「すみません。こいつには俺からきつ~く言っておきますんで…そいじゃ!」
「ちょ、あなた…」
強引に、その黒い女の子の手を取って、惚けた相手と、近くに集まり始めていたギャラリーの間を抜けて外に出ていったのだった。
「こ、ここまでくれば、もう良いだろう」
「…」
ゲームセンターから数百メートル離れた公園までやってくると、ようやく緊張から解き放たれ、張った力が一気に抜けた。あぁ、ビビった。なんで俺はあの時咄嗟に身体が動いちまったんだ?今思えば、放っておけばよかったのに…
「手」
「え?うわ!す、すまん!」
ぱっと握っていた手を離す。咄嗟の事で、ぜ、全然気が付かなかった。
改めて、その少女を見ると、夕焼けに映ったオレンジ色の顔、黒い綺麗なストレートの髪が夕日に照らされて光っていると、中々の美少女。だが、この痛々しい何とも言えないドレスが全てを台無しにしている。少女は手をもう片っ方の手で何度か自分で触って、こちらと目が合ったのに、すぐに逸らされた。
「まぁ、余計なお世話だったかもなぁ」
「ええそうね。どうしてこんなことをしたのか…理解に苦しむわ」
うぐ、ひっでー!?そりゃ、わざわざ頭を下げて感謝しろとは言わねーけどさぁ。あの状況で助けに入ってあげたんだから軽く礼の一つくらいほしいもんである。ま、こっちが勝手に焼いたお節介が仇になることもあるしな…
「悪かったよ…じゃあな、気を付けて帰れよ」
「あ…ま、待ちなさい!」
後ろを向いて、さっさと図書館に行こうとしたら少女に服の裾をつままれ
「その…ぁりがとう」
消え入りそうなくらい小さな声でそう聞こえてきた。痛い格好なのに、ちょっとだけ、可愛いと思うような笑顔も添えて。
…ったく、素直じゃないやつだな。
「いいよ、気にすんな」
顔だけ後ろを向いて、少女に笑顔を向ける。さっきは礼なんて欲しくないっ思ってたけど。やっぱり、礼を言われると気持ちがいいもんだな…って
どさ。っとポケットの丸めていたカタログが落ちた。や、やべ!?それは!?
「あら、落ちたわよ。これ……は?」
びしっと、さっきまでのしおらしい感じは消え失せて、ぎぎぎと、鈍い錆びついたロボットのような動き方をするゴスロリ少女。
「ひ、人の趣味にとやかく言うつもりはないのだけれど、さ、さすがに女装は辞めた方が良いわよ。特に、あなたのような平凡な顔の男子の場合…」
「着ねぇよ!!?誤解だ!!つーっか、今さりげなく俺の顔に対してひでぇ事言わなかったか!?」
「そ、そう。観賞用かしら。見たところ幼女向けのコスプレカタログのようだけれど。あなた、まさか…ロリコン?」
「断じて違うし!んなこともしねぇえ!!!」
何、露骨に距離とってんだ!?
「そう、妹さんのために…」
「あぁ、コスプレ大会に出たいって言うもんでよぉ。でもコスプレの衣装ってどれも高いんだなぁ。びびっちまったよ」
公園のベンチに座って。俺たちは話をすることになった。もちろん、誤解も解いた。笑顔のブリジットの写メを見せた時は犯罪を疑われたが何とか信じてくれた。
「当たり前よ。質とクオリティに拘れば当然、それに比例してコストもかかってくるものよ。労働的なものも含めてね。その上、このカタログに載っているコスプレはどれも小さな子供向けみたいだし、大人の衣装よりも製造ロットが少ないのよ。普通の子供服も大人の物に比べて高いことが多いでしょう?それと理由はほとんど一緒ね」
「へぇ、詳しいんだな」
「…まぁ」
って、こいつは良く考えたらその道の人。なのか。今着てる、服も何かのアニメのコスプレだろうし。色々と聞けるかも知れない。
「なぁ、その服もなんかのコスプレなのか?」
「ふ、ふふふ、よくぞ聞いてくれたわね」
あ、あれ?こいつ何か急に雰囲気が。得意げな笑みを浮かべて耳にかかった髪を払いのけて喋りだす少女。テン!テレテンテテンテンテンなんてタンゴな曲が聞こえてきそうだ。
「これはマスケラのクイーンオブナイトメアよ。マスケラ、正式名称はMaschera 堕天した獣の慟哭。ストーリー、作画ともに今期最高峰のアニメよ。木曜夕方5時半にやっているから、ぜひとも見て頂戴」
「お、おう」
何か一気に色々と言われてしまったが、夕方の5時半にそのアニメがやってることしかわからなかった。ご丁寧に携帯で元となったキャラまで見せてくれたが、どう反応していいのか困る。
「ってか、お前もその衣装、すげー高かったんじゃないの?よく出来てるし…」
「これは自作よ。コストもそれほどかかってないわ」
「え!?これが!?お前すげーんだな!」
「そ、それほどでもないわ。このくらい」
そのクイーンオブなんちゃらの画像と、今こいつの来ている黒いドレスを見比べてみるがほとんど違いがない。ってか、そっくりだ。こいつ、もしかしてとんでもなくすごいやつなのか!?
「な、なぁ、一つ頼みがあるんだけど…」
「えぇ、何かしら?」
「俺にもその、コスプレ衣装の作り方っての、教えてくれないか?」