Neverwinter Nights - Deekin in Halkeginia   作:ローレンシウ

98 / 163
第九十八話 Interrogation

 2人からこれまでの顛末を聞いたタバサは、キュルケと交代することをすぐに承諾した。

 彼女はシエスタとヴェルダンデを除く同行者らと一緒にテーブルを囲んでゲームに熱中している最中だったようだが、さすがに優先順位はきっちりとつけているらしい。

 

 彼女の無表情な顔が心なしか活き活きとして見えるのは、助力を求められたのが嬉しかったのか。

 それとも、机に突っ伏して真っ白になっているギーシュや渋い顔をしているルイズ、仏頂面で腕組みしているワルドと何か関係があるのだろうか。

 シエスタは困った様子でそんな卓の状況を見守っており、ヴェルダンデは鼻面を擦りつけてぐったりした主を慰めようとしていた。

 

(結局、15エキューなんてもんじゃないくらい勝ったみたいね)

 

 キュルケはそう結論して苦笑いした。

 この荒稼ぎぶりは、朝の勝負で稼ぎ損なったのと午前中の仕事に同行できなかったこととのうさ晴らしだろうか。

 もっとも、別にそんなことがなくても遠慮なく勝つタイプのような気もするが。

 

 ギーシュなどは、タバサがこれで抜けると言うとあからさまにほっとした顔をしていた。

 ルイズの方は逆に、「ちょっと、勝ち逃げはずるいわよ!」などと息巻いて文句を言っている。

 どうやら一度博打を始めると熱くなり、引き際を見失って全額とかすタイプのようだ。

 

「まあまあ、今度は私が入るわよ」

 

 そう言ってルイズを宥めながら、キュルケはタバサと交代で卓についた。

 この後の調査に同行できないのは残念だが、2人でいろいろと上手くやって欲しいものだ、と思いながら……。

 

 

「……調べるあては、あるの?」

 

 てくてくと迷いなく歩いて行くディーキンにとりあえず後続していたタバサは、首をかしげてそう尋ねた。

 

 酒場で見たという中毒者を適当に言いくるめて人目のない場所へ連れ出し、締め上げるなり呪文をかけるなりして知っていることを聞き出すとかだろうか。

 夜までの間に早急に調べるとなるとそうそう悠長なことをしている余裕はないし、それが一番わかりやすくて手っ取り早そうに思える。

 

「うん。ええと、昨日捕まえた傭兵の人たちがいるでしょ?」

 

 タバサが頷くのを見て、ディーキンは説明を続けた。

 

「あの中にも中毒っぽい人がいたから、まずはその人に聞いてみようかと思うんだけど、どうかな?」

 

 すでに捕縛済みの相手のほうが立場が弱くて簡単に口を割ってくれそうだし、彼らを雇った者と麻薬を流している組織の間につながりがあるかなども聞き出せるかもしれない。

 衛視たちにもう少しこちらで尋問をしてみたいと交渉すれば、おそらく許可は簡単に得られるだろう。

 何せこちらは彼らに襲撃を受けた被害者であり捕縛の功労者でもあるし、同行するタバサは貴族の上にシュヴァリエの称号も持っているのだから。

 

 もちろん、いざとなれば呪文で思考を読むとか、魅惑あるいは強制して話させるといったような方法もある。

 だが、みだりに人の心を覗いたりいじくったりするのはあまり褒められたことではない。

 人は概して己の精神への不躾な干渉を大変な不快や屈辱だと感じるもので、恨みを買う原因にもなる。

 昨夜少し話してみた感じでは決して交渉の通じないような相手ではなさそうだし、できれば普通の話し合いで教えてもらいたかった。

 

「わかった」

 

 タバサとしてもその案に文句はなかったので、素直に頷くと2人で詰め所のほうへ向かった。

 

 

 

-------------------------------------------------------------------------------

 

 

 

 商人らしき男の申し出を受け入れて牢の中で夜が来るのを待っていたガデルは、数時間とたたないうちにまた別の客人から面会を受けた。

 今度は、昨夜自分を負かした連中だった。

 真っ先に先制攻撃をかけてきた小柄なトカゲめいた姿の亜人と、珍しいほど鮮やかな青髪をした貴族の小娘だ。

 

(一体、何をしに来やがったんだ?)

 

 ガデルは困惑と不安の入り混じったような思いで、そう訝った。

 自分たちが襲撃を仕掛けた理由については既に正直に伝えたはずだし、他に隠していたことなどない。

 なのに自分だけを指名して連れ出し、面会室でもう一度話を聞きたいというのである。

 

 まさかあの商人か自分の他に雇われた誰かが口を滑らせて、今夜の襲撃の予定が事前にバレてしまったのか?

 情報漏れがあったにしても早すぎるし、そんなことはまずなかろうとは思うのだが……。

 

 とはいえ、万が一既にバレているのであれば、自分が心配したところで今さらどうしようもない。

 露見はしていないという前提の下で行動する以外にないだろう。

 ガデルは怪しまれないようになるべく平然とした態度を保とうと努めながら、2人に従っておとなしく面会室へと向かった。

 

 

 ガデルをつれて面会室の中に入ると、タバサはすぐに扉を閉めて部屋の中を調べ、覗き穴などの類がないことを確認した。

 その上で、『ディテクト・マジック』で室内に魔法の目や耳がないことも確かめ、さらに風を操って内部の音が外に漏れぬように細工をするほどの用心を見せる。

 

 衛視たちには立会いや見張りなどは不要と伝えはしたが、職業的な義務感や好奇心に駆られてこっそり中の様子を窺おうとする者がいないとも限らない。

 もちろん、音を漏らさないようにしておいてこの男に拷問や脅迫を加えようなどとまでは思ってはいない。

 だが、それでも相手の対応次第ではやむを得ず多少荒っぽい手段を取る必要性に迫られるかもしれないし、ディーキンが何がしかの呪文を使いたがる可能性もあるだろう。

 そんなところを覗き見や立ち聞きなどされて、余計な面倒に巻き込まれたくはなかった。

 

 まあ、この用心を見た相手の傭兵がこれはやばい尋問をされるのではないかと不安がって口を割りやすくなるかもしれない、という考えも一応はある。

 つまり厳密に言えば脅迫する意図がないとはいえないことになるわけだが……、なにせ向こうは昨夜こっちの命を狙ってきた男なのだ。

 このくらいは許容範囲だろう、というのがタバサの見解である。

 ディーキンの方はあまり相手を怯えさせるようなことはしたくなかったのだが、外部へ情報が漏れるのを防ぐことは是非とも必要だったので仕方がないこととして受け入れていた。

 

 案の定、タバサが何をしているかを見て取ったガデルは露骨に不安がってそわそわし始めた。

 ディーキンはそんなガデルの正面に座ると、心配そうに首をかしげる。

 

「ええと、昨日の火傷は大丈夫? 痛んだり膿んだりはしてない? それに、ちゃんとした食事は出てるのかな……」

 

 昨夜、この男がキュルケに負わされた火傷の応急手当をしてやったのは彼なのだ。

 ガデルが用心深そうに相手の顔色を窺いながら大丈夫だと答えると、ディーキンは頷いて話を続けた。

 

「それはよかったの。でも、あんたはずいぶん唇が青いよ。薬が切れて、体が痛んだりはしてないの?」

 

 それを聞いたガデルは、露骨にぎょっとして目を見開いた。

 

 どうしてこの亜人がそのことを知っているのだ、やはり襲撃の約束をした件がどこかから漏れていたのか。

 だとすれば、自分だけをここに呼び出したのは締め上げてその情報を吐かせるためか。

 

 もし隠したりすれば……、いや、たとえ洗いざらい吐いたとしても、こちらは事実連中を襲おうとしていたわけだから、相手の機嫌次第で殺されてしまう恐れは十分にある。

 尋問中に逆上して襲ってきたのでやむなく始末したのだとでも連れの貴族の娘が説明すれば、おそらく衛視どもはこいつらを罪に問うことさえするまい。

 連中が先程の雇い主に買収されているにしても、せいぜい事後にこのようなことがあったと報告する程度で終わりだろう。

 なにせこちらはただの平民の罪人であるのに対して、向こうは貴族であり捕縛の功労者なのだ……。

 

 ガデルは急激に気分が悪くなり、頭がくらくらして目の前が暗くなってきた。

 

「……あの、どうしたの? すごく顔色が悪いよ。ディーキンは何か、あんたにひどいこと言った?」

 

 ディーキンはそんなガデルの様子をびっくりしたように見つめて、本当に心配そうな顔をして彼の背中をさすってやった。

 なにせ彼は、目の前の男が今夜また自分たちを襲撃する計画に加わっているなどとは知らないのだ。

 もちろん麻薬の件をこちらが知っていることを伝えれば相手がいくらか驚きや不安を感じるかもしれないとは思っていたが、ここまで過剰な反応があるとは予想していなかった。

 

「ええと、あんたが麻薬を使ってたことなら、別に誰かに話したりする気はないからね。ディーキンはあんたと話がしたいだけなの、あんたにひどいことをする気なんてないよ……」

 

 

 ディーキンはなんとかガデルを宥めて落ち着かせ、自分たちには彼を害する意図など決してないことを納得させた。

 それから、彼がサニッシュを使うに至った経緯などの事情をゆっくりと話してもらうことにした。

 

 先程の怯えようから見て、“こちらが重要だと考えている情報”は問い質せばすぐに得られそうではあった。

 だが、先程の彼の不自然なまでに取り乱した態度からして、話し込めば案外こちらの知らない情報が色々と出てくるかもしれない。

 なによりも、いろいろな職業・境遇の人の身の上話というのはしばしば新しい発見があったり、これまで気付いていなかった物の見方があることを認識できたりして興味深く楽しいものだということをディーキンはよく知っていた。

 

 薬に判断力を蝕まれているとはいえ、ガデルも愚かな男ではない。

 襲撃の件が漏れたわけではなく相手の側には害意がないのだということを理解すると、ここは下手に隠し立てをして心証を損ねない方が得だと考えておとなしく話し始める。

 途中でディーキンやタバサから質問を挟まれた時も……さすがにその後別の依頼人に雇われてまたディーキンらを襲撃する約束をしたことは伏せておいたが、それ以外は下手に隠し事などせずに正直に答えていった。

 

 アルビオンで肩に傷を負い、それが未だに痛むことを傭兵仲間にこぼしたところ、よく効く痛み止めだと言われて薬をもらったこと。

 仲間はその薬のことをアルビオンの天使が与えてくれる“天使のミルク”だとか言っていて、それは眉唾だとは思ったが本当によく効くので使うようになったこと。

 自分はずっと薬をその傭兵仲間から買っていて、そいつが誰から仕入れているのかは知らないこと。

 麻薬だなどとは知らなかった……いや、途中からは薄々気がついてはいたが、傷が痛むので使うのを止められなかったし、間違いなく麻薬だということは今聞かされるまで知らなかったこと。

 サニッシュという名前だということも、副作用で唇が青く汚れるというのも初耳で、単に自分の体が弱っているせいで血の気がなくなったという程度のことだと思っていたこと。

 たびたび薬を使うので金が乏しくなり、そこへ胡散臭いが金払いはいい仮面のメイジから仕事の依頼があったので、悪いとは思ったがあんたたちを襲うことにしたこと。

 そいつから成功報酬が入ったら、腕のいいメイジに金を積んで傷を治してもらい、自分から金を搾り取っていく薬や傭兵仲間と縁を切ろうと思っていたこと……。

 

(麻薬だってんじゃあ、傷が治っても止められるかはわからなかったがな……)

 

 話しながら、ガデルは内心でそう自嘲していた。

 

 自分はどの道、破滅を免れ得ないのではないだろうか。

 そもそも、この手強く用心深い連中相手に今夜の襲撃が上手くいくかどうかからして怪しいものだ。

 仮に首尾よくいって、幾ばくかの報酬を得てこの牢を出られたとしたところで、その後で自分に一体何が残るのか。

 間違いなく麻薬とわかった以上はボックともあの商人とも縁を切らなければ身の破滅になるが、一日二日あの薬を摂取しないだけでも耐えがたく体が痛んでくるあたりからすれば、既に中毒もだいぶ進んでいるのだろう。

 弱みを握られている以上は、あの商人がそう易々と自分を解放してくれるとも思えない。

 仮に連中の手を逃れ、禁断症状にも耐えて薬をやめられたとしたところで、アルビオンで受けた傷もまだ癒えておらず寄る辺のない身ひとつの自分には今後の生活の見通しも立てられないのだ。

 

 お先真っ暗の自分の人生を思って自暴自棄になりかかっているガデルの様子をじっと見て、ディーキンは少し考え込んだ。

 

「ンー……。つまり、あんたは騙されて薬を始めたんだ。傷が治ったら、薬を止めようとも思ってたんだね?」

 

 ガデルが力なく頷くのを見て、ディーキンも頷きを返すとぴっと指を立てて提案した。

 

「じゃあ、こういうのはどう? ディーキンはあんたの肩の傷を治して、麻薬の中毒も治してあげるよ。……ええと、その、先住魔法ってやつでね?」

 

 一瞬言われたことが理解できず、ガデルはまじまじとディーキンの顔を見つめた。

 タバサもディーキンの方を見て、首を傾げた。

 ディーキンはガデルの顔を真っ直ぐに見つめ返して、言葉を続ける。

 

「その代わりにもう薬を使うのは止めて、それからあんたにそれを売った傭兵仲間の住んでいるところも教えてくれないかな。アア、それと、先住魔法っていうと怖がる人が多いみたいだから、ディーキンがやったことは内緒にしといてほしいんだけど……」

 

(……俺の傷と中毒を治してくれるだって?)

 

 それは自棄を起こしかけていたガデルにとっては願っても無い申し出だったが、喜びよりもむしろ困惑の方が大きかった。

 

 傷はまだしも、麻薬中毒なんてものが本当に呪文で治せるのだろうか。

 確かにこの亜人は頭はいいようだが、高度な水系統の先住魔法が使えるということなのか。

 いや、そうだとしても、なんでそんな交換条件を持ち出す必要がある?

 こいつらはただ教えろと要求するだけでいいはずだ、なにせこっちはただの囚人で、逆らえるわけもないのだから……。

 

 半信半疑ながらも、もちろんそうしてくれるのならと言って頷いたガデルを見て、ディーキンはにっと笑みを浮かべると手をさしだして彼と握手した。

 その上で、タバサにもう一度誰かが部屋の外で見たりしていないか確認をしてもらってから、左手をガデルの方にすっとさしのばすようにしてコマンドワードを唱え始める。

 

「来たれ、天界の伝令、祝福の運び手、煌めきの聖象……、《ビアー・ケムセオー・ホリファント!》」

 

 合言葉と共にディーキンの左手にはめられた手袋が一瞬金の閃光を放ち、《怪物招来(サモン・モンスター)》の呪文が解放された。

 

 この手袋は、『投射の手袋(キャスティング・グローヴ)』という名のマジックアイテムである。

 手に持った物品を内部に収納したりまた取り出したりすることができ、しかもその収納した物品がワンドやスタッフなどのマジックアイテム類であれば、しまったままでも手に持っているのと同じように使用することができるという優れものなのだ。

 ディーキンは先日学院で『魔道師の杖(スタッフ・オヴ・ザ・マギ)』を預かった時に、この手袋の中から普段収納しているアイテムを取り出して背負い袋に移し、代わりにその貴重なアーティファクトを入れておいたのである。

 そうすれば盗まれたり破壊されたりする心配がほぼなくなるし、使用するのにも便利だからだ。

 今回解放したサモン・モンスターの呪文も、このスタッフ・オヴ・ザ・マギのチャージを消費して発動したものだった。

 

 ディーキンとガデルの間に魔法陣が浮かび上がり、黄金色の煌めきと共に招来された天上界の高貴な存在が実体化する。

 

 ガデルは呆気にとられたようにその、彼にとっては非現実的な光景に見入っていた。

 タバサはさすがに慣れたものでもう驚いたりはしなかったが、今回招来された存在は初めて見るもので、ちょっと意外性のある姿をしていたので首を傾げた。

 

 そのクリーチャーは、金色の毛皮を持つ小さな……ディーキンよりもなお小さな、身の丈60サントほどしかないような象だった。

 背中には白い輝きを放つ薄く長い昆虫の羽根のような翼が生えていて、それをぱたぱたと羽ばたかせつつ空中をゆっくりと旋回している。

 その毛皮はかすかにきらきらと輝き、瞳の中には虹色の光が踊っている。

 高貴な美しさとかわいらしさと、それにコミカルさとが混ざり合ったような、なんとも奇妙な姿だった……。

 

「はじめまして、ホリファントさん。さっそくだけど、この人の体をすっかり治してあげてほしいの」

 

『オーケー、お安い御用さ』

 

 招来されたホリファントはディーキンの要請にテレパシーで返答すると、まだ目を丸くしているガデルにその鼻で触れて《大治癒(ヒール)》の疑似呪文能力を投射した……。

 

 

 その後、ヒールの効果によって麻薬の中毒症状からすっかり解放され、肩に食い込んだままだった銃弾の破片も取り除かれて完全に傷が癒えたガデルは、久し振りに晴れ晴れとした気分になって未来への希望を取り戻すことができた。

 彼にとって最近はずっと最悪な日々が続いていたが、今日は間違いなくこれまでの人生で最良の日だった。

 

 ガデルは典型的な利己の傭兵ではあったが、とはいえまるで人情に欠けた男というわけでもない。

 単に情報を聞き出すための必要性という範囲を超えて自分を救ってくれたこの温情に、彼は深く感謝していた。

 ガデルは約束した傭兵仲間のボックの家の場所だけでなく、自分に先程依頼を持ち込んできた商人のこと、その男の立てている襲撃計画のこと、そしてここの衛視らもおそらくはその男に買収されていることもディーキンらに伝えていった。

 それから、懐に隠していた残り一服分の、もはや自分には必要なくなった薬の包みを彼らに差し出す。

 ディーキンはその包みを改めて、間違いなく薬がサニッシュであることを確認することができた。

 

 大分時間はかかったが、期待していた以上にさまざまな情報を得ることができたことにディーキンは満足していた。

 あとは、立ち去る前に後片付けをしなくてはならない。

 彼が麻薬中毒から解放されたことを悟られないようにと、ディーキンは冒険者用の変装セットを使ってガデルの顔に化粧を施し、依然として顔色が悪く唇が青ざめているように見せかけた。

 それから、衛視たちに探りを入れられた場合に何と答えるかについても、タバサの助言も交えて口裏を合わせておく。

 

 そうして必要なことがすべて済むと、ディーキンとタバサはガデルに情報の礼を言ってお暇することにした。

 ガデルは、「今夜ここから解放されたら襲撃には加わらずに密かにこの街から逃げることにする、この恩は決して忘れない」と繰り返し感謝の言葉を述べた。

 彼らはそうして、昨夜は命の取り合いをした相手だとは思えないほど友好的に、互いに満足して別れることができた……。

 




ヒール
Heal /大治癒
系統:召喚術(治癒); 6レベル呪文
構成要素:音声、動作
距離:接触
持続時間:瞬間
 クリーチャー1体の体を正のエネルギーで満たし、病気や傷をぬぐい去る。この呪文は対象のダメージを大きく回復させるとともに、幻惑、混乱、知能低下、聴覚喪失、毒、能力値ダメージ、吐き気、発狂、病気、疲労、不調、盲目、朦朧などの不利な状態全般を回復させる。また、アンデッドに対して使用した場合には逆に大きなダメージを与える。
麻薬の中毒者に対して使用した場合には、対象は中毒状態から脱するとともに、それまでに中毒によって受けていた能力値ダメージもすべて回復する。

ホリファント:
 善の属性を持つ来訪者・セレスチャルの一種で、サモン・モンスター8の呪文で招来することができる。ちなみにスタッフ・オヴ・ザ・マギには、3チャージを消費することでより上位のサモン・モンスター9の呪文を発動できる機能が備わっている。
ヒールなどの疑似呪文能力をもっている上に低レベルの呪文を受け付けない防御の場で身を守っており、鼻からトランペット状に大音響を叩きつけることで敵を麻痺させられるなどの各種の強力な特殊能力を有している。
また、必要であれば普段の小柄な姿から直立したマストドンのような大型の形態に変化し、近接戦闘で獰猛に戦うこともできる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。