第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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戦士達はセツコが止めしZONEにより起こった現象を見て助け出す決意を固める。


第五話~戦いの爪痕~

セツコによりZONEが止まった後、ZEXISの面々はZONE周辺の北部に居た。

 

ただ、シンのみデスティニーに乗ってZONEの外壁を見る様に佇んでいた。

誰もが降りて来る様には言わなかった。

 

カミーユ「…これがZONEに次元力を吸収された大地か…」

 

ファ「何もかもが砂になってる…木も草も、コンクリートも鉄も…」

 

降り立った大地を見て呟くカミーユにファも触れた物を触って呟く。

 

シオニー「次元力がここまで影響を与えるなんて…」

 

タケル「全てが死んでいる…そう表現するしかない状況だ」

 

ファと同じ様に触りながら呟くシオニーの後にタケルがそう洩らす。

 

シン『…セツコさんは?』

 

ルナマリア「マリンさんとラクシャータさん、ANさんの話では、ZONEに封じ込められた形になっているらしいって」

 

ファ「助け出す事は出来ないの?」

 

聞くシンにルナマリアが答えた後にファも聞く。

 

タケル「ZONEが攻撃を受け付けないのと同じ理由で無理だそうだ」

 

そういった後にでも…とタケルは続ける。

 

タケル「セツコさんは生きている…だからZONEは周辺から次元力を抽出するのを停止してるんだ」

 

カミーユ「でも、もしセツコさんの生命が…」

 

シン『それ以上言うなカミーユ!そんな事は俺が…俺達が絶対にさせない!インサラウムの奴等からセツコさんを救う方法とZONEを止める方法を必ず聞き出してやる!』

 

説明を聞いて最悪の事態を言おうとしたカミーユをシンは遮ってデスティニーで示す様に手を握りしめた後にZONEの中に閉じ込められたセツコを見る様に力強く言う。

 

それにルナマリアは胸を抑える。

 

セツコはシンに好意を寄せている。

ルナマリアだって同じ様にシンが大好きであっちにいる時は良くシンの事で競い合っていた。

 

そんな競争相手を助けたい気持ちはルナマリアも同じであるが…

 

ルナマリア「でも、インサラウムの艦隊の行方は不明だそうよ…」

 

シリウス「また次元の向こうに逃走したか…」

 

アポロ「アサキムの野郎もあの姉ちゃんの攻撃を避けた後に消えたが何処に行ったんだ?」

 

そういうルナマリアの後にシリウスが呟いた後にアポロはアサキムの事を呟く。

 

AN「探知されない様にしてたのかどこに行ったか見当も付かないんですよね…(それよりも始まりの者と言ってた事から言うに彼は私がどんな存在か知ってますね)」

 

シリウス「インサラウム以外で彼女を救う方法を知ってるとしたらあの男しかいないだろう」

 

肩を竦めながら内心呟くANの後にシリウスがそう言う。

 

アポロ「あの野郎はどうせいつか、俺たちの前に姿を現すだろうさ」

 

シリウス「そうだな…ZEXISに彼がいる限り…」

 

右手を左手のひらに拳としてぶつけて言うアポロにシリウスはそう言いながらクロウを見る。

 

AN「? どういうことですか」

 

カミーユ「クロウもセツコさんと同じスフィアを持ってるからです」

 

シルヴィア「クロウのスフィアがセツコ達と同じになった所を狙って来ると思うわ」

 

気になったので聞くANにカミーユが答えてシルヴィアは腕を組んでそう言う。

 

AN「そもそもスフィアとはなんです?」

 

タケル「俺達もそこまで詳しくないけど奴にとって手に入れたい代物みたいだ」

 

ルナマリア「それで私達がいた多次元でセツコさんやもう1人を狙ってたのよ」

 

聞くANにタケルとルナマリアはそう答える。

 

AN「ふむ、なるほど…」

 

シン『……奴がスフィアを狙う理由もそのスフィアがどんなのだろうと、セツコさんを絶対にやらせない』

 

それを聞いて顎に手を当てて納得するANの後にZONEの外壁に触れながらシンは強く宣言する。

 

AN「それでこの後どうするんですか?」

 

クロウ「ZEXISはあんたが直したあいつ等のロボットのでそれ程じゃないが今日の戦いでかなりのダメージを負った。とりあえずはゼロの伝手を頼って蓬莱島って所に行く事になったそうだ」

 

聞くANに聞いて来たのだろうクロウがそう言う。

 

AN「蓬莱島ですか?」

 

エスター「エリア11を脱出した日本の人達が住んでる島か…」

 

先ほどまでクロウと話していたエスターが言った事にANはZEXISと出会うまでに得ていた情報からそれに関するのを引き出した後に成程と納得する。

 

AN「(それにしてもゼロ…彼から感じたあれは一体…)」

 

その後にゼロから感じる物に関して考える。

 

どう言うのか分からないが彼から他の者から違う物を感じた。

 

それが何なのか分からないのでANはゼロがどう言った経緯で得たのかも気になった。

 

AN「(ま、それは後にしときますかね)」

 

ゼロの事は置いとく事にしたANはそれよりもやるべき事を考える。

 

AN「(着く前には完成するでしょうね。あの2機が…)シオニーさん行きますよ」

 

シオニー「え、あ、はい!」

 

そう言ってANはシオニーと共に自分の船に戻った。

 

他のメンバーも戻る中でシンはZONEを見る。

 

シン「セツコさん、待っててくださいね」

 

そうセツコに言った後にデスティニーは船へ戻る。

 

ARISHIA~格納庫~

 

シオニー「あ、あの、ANさん、何をしてるんですか?」

 

船に戻った後、何か作業してるANへシオニーは気になったので聞く。

 

AN「ん?」

 

聞かれてANは作業を止めて振り返る。

 

AN「戦力の増強ですよ」

 

シオニー「増強って…」

 

告げられた事にシオニーは驚いているとANは言う。

 

AN「先ほどのインサラウム以外に様々な組織や狙う存在がいます。連続での戦闘による消耗を抑えるのを含めての戦力増強です(さらに言うと私が追いかけていた存在も…)」

 

シオニー「だ、だとしても…やりすぎでは?」

 

画面に映る並んだ作られていく機体を見てシオニーは冷や汗を掻いてそう言う。

 

AN「別に全部出すつもりはありません。一部はあくまで保険的に用意したのです」

 

シオニー「は、はぁ…」

 

作業しながらそう言うANにシオニーはそう言う。

 

AN「それに初陣はこの2機ですから」

 

そう言って見せたのはシオニーにとって見覚えのあるガンダム2機であった。

 

シオニー「こ、この二つは…!」

 

一方でインサラウムの方では…

 

パレス・インサラウム~ブリッジ~

 

???「よう、旦那」

 

ジェラウド「…ウェイン卿か」

 

声をかけて来た青年、ウェイン・リブテールにジェラウドは顔を向ける。

 

ウェイン「その様子じゃ、旦那の担当した右翼も楽勝だったようだな」

 

ジェラウド「ディアムドを出したのだ。当然の結果だ。卿の受け持った左翼の戦果も聞いている」

 

ウェイン「そっちも当然の結果さ。こっちの世界の通常配備の部隊じゃ、俺たちを止めるのは無理だからな」

 

涼しい顔で言うジェラウドにそう言ってウェインはだがよ…と続けて先ほどの笑みを浮かべていた顔から笑みを消して厳しい顔つきでジェラウドを見る。

 

ウェイン「いくら周辺が勝とうが本陣が負けたら、意味がないぜ」

 

ジェラウド「………」

 

その言葉にジェラウドは無言を貫き、ウェインは苛立ち気に続けて言う。

 

ウェイン「婆さんは、あのゲテモノを出したってのにこっちは切り札のZONEをやられたうえに戦力の一部を奴らに取られてその上、聖王機がかなりダメージを受けたって話じゃないかよ」

 

その言葉にジェラウドは初めて顔を顰める。

 

その話はジェラウドも帰還してから聞いて驚愕した。

確かめる為にその際の映像や聖王機も見てジェラウドは聖王機にダメージを与えてなおかつ修復して自分の手足としてハッキングもしたノワールブラスタのパイロットが自分達に立ちはだかる大きい壁だと感じる。

 

ジェラウド「まさかあの者があそこまでできるとはな…」

 

ウェイン「見て見たが色々とやられたとしか言えねえな、肝心のZONEだって止められたそうじゃねえか」

 

そう洩らすジェラウドにウェインはそう言う。

 

ジェラウド「一時的に機能を停止しただけだと聞く」

 

ウェイン「だが奴らにZONEの正体さえも知られちまったんだろ?このままじゃ…」

 

ジェラウド「それをさせぬためにアンブローン殿が二重三重に策を用意されている」

 

答えるジェラウドにウェインは自分のを遮って言った事にジェラウドを睨む。

 

ウェイン「旦那は、あのババアの肩を持つのかよ?」

 

ジェラウド「控えよ、ウェイン卿。アンブローン殿は宰相閣下だ。殿下の代行を任される地位にあるのを忘れるな」

 

ウェイン「殿下も殿下だぜ。不意打ちとはいえあそこまで聖王機にダメージを受けたんじゃねぇか。あの殿下に戦いは無理…」

 

だろうが…と言おうとしたウェインはジェラウドの拳に頬を殴られて途切れる。

 

ウェイン「ぐっ…!」

 

ジェラウド「…この拳はナイトオブナイツのものではない。そなたの師シュバルツのものと思え」

 

尻もちを付くウェインにジェラウドはそう言い残すと踵を返して歩き去って行く。

なぜ殴られたかを考えて弱気になってたのと共に言葉に殿下を見下していたのを含んでいたのに気付く。

 

ウェイン「くそっ…!くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

それに気づくと共にウェインのやるせなさと苛立ちを交えた叫びが辺りに迸る。


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