第二次スーパーロボット大戦Z Another   作:Dr.クロ

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インサラウムと戦うZEXIS。戦いがひとまずのを告げる時、装置は動きだす。


第四話~命を吸う装置~

シオニー『ええい!』

 

戦いが始まった中でシオニーは向かって来るアークセイバーをパールネシアの腰の双剣を取るとアークセイバーの武器を逸らして切り裂いていく。

 

クロウ『お、なかなかやるじゃねぇか』

 

その戦いぶりからクロウはそう洩らす。

 

少しぎこちなさがあるが機体の操作はそこらの軍の一般パイロットより上なのが分かる。

その様子からみっちり扱かれたのだろうとクロウは向かって来るのを迎撃しながらそう考える。

 

AN《そりゃ私が鍛え上げましたからね》

 

クロウ「……そう言うあんたは何してるんだ?」

 

なにやら壊れた機体を集めて何か作りながら通信しているANにクロウは思わず聞く。

 

AN《いやなに…ちょっと戦力増強をね》

 

クロウ「戦力増強だと?」

 

告げられた事にクロウは疑問を感じたが向かって来たのを撃ち落とす。

 

AN《まぁ後のお楽しみです♪》

 

そう茶目っ気に返されてから通信を切ったANにクロウはしょうがないと今は戦いに集中する。

 

一方でパレス・インサラウムの方では…

 

ユーサー「ア、アンブローン!我が方が押されてるではないか!」

 

アンブローン「ああ、嘆かわしい…!私が心血注いだ次元科学を騎士達は使いこなせぬとは!」

 

状況を見て慌てるユーサーのに対しアンブローンは撃墜されて行くアークセイバー達に嘆く。

 

アンブローン「このままではインサラウム城が落ちた日と同じ事になってしまう!」

 

ユーサー「!」

 

アンブローンの発された言葉にユーサーはその時を思い出す。

無力だった自分、消えていく者達…

 

アンブローン「陛下!かくなる上は聖王機を!」

 

マルグリット「アンブローン長官!」

 

切り出すアンブローンへマルグリットは止める様に叫ぶ。

 

アンブローン「今は宰相だ、マルグリット卿…!さあ、陛下…聖王機の御力をインサラウムの民に!」

 

ユーサー「う、うむ…!」

 

怒鳴った後にアンブローンの言った中にあった民と言う言葉にユーサーは頷いた。

 

刹那『このまま敵を突破して旗艦を落とす…!』

 

カレン『待っていなよ、皇子様!あんたを叩いてこんな戦いはとっとと終わらせる!』

 

ゼロ『よし…!一気に畳みかけるぞ!』

 

その言葉と共にそれぞれがパレス・インサラウムへ突撃する。

 

玉城『ちょっと待った!あっちの戦艦から何か出てきたぞ!』

 

だが、出て来た報告に誰もが止めて見るとパレス2機の機体が見えた。

1機は知らないがもう1機は見覚えのある機体であった。

 

シオニー『あれはパールネイル?!』

 

クロウ『という事はマルグリットがいるのか!?』

 

驚くシオニーとクロウのを聞きながらやはりかとゼロは出て来たパールネイルを見て内心漏らす。

 

マルグリットは元々インサラウムの民、そんな彼女がインサラウムが生き残ってるのを知って戻っていてもおかしくない。

例えそれが共に戦った事のある自分達ZEXISと敵対する事であっても…

 

マルグリット「………………」

 

ユーサー『ま、マルグリット…』

 

無言でいるマルグリットにユーサーは恐る恐る話しかける。

 

マルグリット『…ご安心を、殿下。インサラウムの敵は我等アークセイバーが討ちます。殿下は。聖王機と共にそのお姿を騎士達にお見せください』

 

ユーサー『う、うむ』

 

そんなユーサーにマルグリットは凛とした表情で言い、ユーサーは頷く。

 

セツコ『あの王冠をいただいた機体…』

 

葵『他のアークセイバーより明らかに格上よね』

 

朔哉『って事は、あれって……!』

 

パールネシアと並ぶ機体を見て呟くセツコの後に言う葵の後に朔哉が驚いて声をあげる。

 

アンブローン《さあ、殿下!》

 

ユーサー『ZEXISよ…!そなた等の力、観覧させてもらった!なればこそ、余自ら相手をしよう!この聖王機ジ・インサーで!』

 

そんなメンバーへユーサーが自分が乗る機体、ジ・インサーから宣言する。

その瞬間…

 

ドカーーーーーン!!!

 

ユーサー『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

マルグリット『殿下!?』

 

背後からの攻撃にジ・インサーは何もできずに地面に倒れる。

それにはユーサーやクロウ達も驚きを隠せなかった。

 

扇「な、なんだ?!」

 

ゼロ「…成程、いきなり大将を狙いに行くのが別行動の理由だったのか…」

 

玉城「ちょ、ゼロは誰がやったのか知ってるのか!?」

 

誰もが思っていた事を代弁する扇の後に冷静に呟くゼロに玉城は驚いて聞く。

 

ゼロ「ああ、事前に別行動すると教えられていてな」

 

AN『まさか本当に皇子様が出てくるとは思っても居ませんでしたがね』

 

そう言うゼロの後にパレス・インサラウムの背後からノワールブラスタが現れる。

その後ろには大量のディム・サーとガブリンが一緒であった。

 

アンブローン《なっ!?お前達裏切るつもりか!!》

 

AN『裏切るも何もこれ全部、私が搭載したAIが操縦している無人機ですので』

 

ディム・サーを見て怒鳴るアンブローンだったがANの言葉に驚く。

 

クロウ『通信してる時に言ってた増援ってそれの事かよ!?』

 

AN『はい♪その通りです』

 

ディム・サー&ガブリン「「ハイーーーールアーーーーーーン!!」」

 

デュオ『おいなんか変な感じにしてないだろうな;』

 

青山『思いっきり遊んでないだろうな;』

 

驚きの言葉を叫ぶクロウに笑顔で言うANの後に腕を上げて叫ぶ集団を見てデュオと青山がツッコミを入れる。

 

AN『全軍!パレス・インサラウムととジ・インサーに突撃!』

 

デュオ&青山『『無視するなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』』

 

そんな2人のをスルーしてANにより直されてAIを付けられたディム・サーとガブリンがジ・インサーとパレス・インサラウムへと突撃する。

 

ディム・サー&ガブリン「「ハイーーーールアーーーーーーン!!」」

 

ユーサー『う、うわっ、うわぁぁっ!?』

 

マルグリット『殿下、艦にお戻りください!(やはり今の殿下が戦場に出るのは無理だったか)』

 

向かって来るのに悲鳴をあげるユーサーへマルグリットがそう言って内心そう洩らす。

 

アンブローン《何を言うマルグリット!聖王機はまだ戦えるぞ!》

 

マルグリット『アンブローン宰相!殿下に例え相手側にされたとしても味方機を落とせと言うのですか!!』

 

怒鳴るアンブローンにマルグリットが怒鳴り返す。

それにアンブローンはうぬぬと唸る。

 

ユーサー『アンブローン!あれを使うのだ!急げ!』

 

AN『おっと、逃がしませんよ!』

 

マルグリット『やらせん!』

 

慌ててパレス・インサラウムに戻ろうとするジ・インサーにノワールブラスタが攻撃しようとするがパールネイルに阻まれてそのまま来た攻撃に回避するとジ・インサーはそのまま帰還する。

 

エスター『この間はあたし達に味方して、今度は敵に回る!あんた、何なんだよ!』

 

マルグリット『私は騎士だ!騎士は主君と国家のために戦う!』

 

攻撃を仕掛けながら言うエスターにマルグリットはかわしながらそう返す。

 

シオニー『あ、相変わらずですねマルグリット…』

 

マルグリット『そう言うお前こそまさか生きていたとはなシオニー・レジス…見た限り元に戻ったみたいだな』

 

ブラスタEsの隣に来たパールネシアを見てマルグリットはそう言う。

 

シオニー『え、えぇ…』

 

マルグリット『もしあの時の様な態度だったら貴様を落としていたがそうじゃない様だな』

 

そう言うマルグリットにシオニーはもしあの性格のままだったらなんの脈拍なしに自分が死んでいた事にひぃと怯える。

 

AN『そこ!あまりシオニーさんを虐めないでくれますか?』

 

マルグリット『い、虐め?』

 

シオニー『ちょっとANさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!』

 

ズビシッとノワールブラスタで指しながら言うANの言葉に目を丸くするマルグリットを知らずにシオニーは先ほどまでの怯えを吹っ飛ばして叫ぶ。

 

クロウ『…マルグリット…。俺達と戦うのは祖国のためか?』

 

ANの言葉に呆れたクロウだったがそれを消してマルグリットに問う。

 

マルグリット『答える必要はない…!今ここで私の振るう剣が、私の意思そのものだ…』

 

シオニー『?』

 

そう言うマルグリットにシオニーはなぜか分からないが違和感を覚えた。

彼女は言ってる事とは別の本心を隠してる気がシオニーは感じたのであった。

 

クロウ『だったら、お前は…』

 

マルグリット『言うな・クロウ・ブルースト!私はアークセイバーのマルグリット・ピステールだ!』

 

クロウのを遮ってマルグリットはパールネイルを操作し2基のスピナーを連結し、花のような形に近い手裏剣にして投擲する。

 

マルグリット『秘技!ブルーム・イン・ヘヴン!』

 

向かって来たのをブラスタは避けた後にEAGLEを連発してパールネイルに命中させて行く。

続けてブラスタEsとバルゴラも掩護射撃する。

 

マルグリット『くっ!流石はZEXIS!』

 

クロウ『マルグリット、お前はこんな戦いでいいのか…?』

 

呻く声を漏らすマルグリットにクロウはそう問う。

一方でパレス・インサラウムのほうでは…

 

マリリン「あ~あ…がっかり…。皇子様って実戦に弱いタイプみたい」

 

矢継ぎ早にアンブローンへ言うユーサーを見てマリリンは落胆と共にそう洩らす。

 

アンブローン「分かりました殿下、すぐあれをだせい!」

 

そう言った後にアンブローンは指示を出す。

そして外に戻る。

 

マルグリット『私は…アークセイバーだ…!』

 

クロウへそう返した後にパレス・インサラウムへと帰還する。

 

クロウ『ちっ、めんどくさい女だぜ』

 

青山『クロウ…マルグリットさんは…』

 

舌打ちした後にめんどくさそうに漏らすクロウへ青山が話しかける。

 

クロウ『今回は祖国のためだからな。本気でやる気のようだぜ』

 

ガウリィ『気を付けろ!敵旗艦から、また何か出てきたぞ!』

 

そう答えたクロウの後にガウリィが報告する。

するとパレス・インサラウムから4体の獣が現れる。

 

シオニー『な、なに?!あの次元獣、見たことない?!』

 

アレルヤ『特種とも違う…!』

 

刹那『新たな次元獣だとでも言うのか…!』

 

それを見て自分が前に見ていた次元獣とは違うのに対し驚きの声を漏らすシオニーの後にアレルヤと刹那も驚く。

 

アンブローン《その通り!まさにその通りよ!》

 

デュオ『なんだよあの婆さんは?』

 

すると誇らしそうに映像に出て来て言うアンブローンにデュオはそう洩らす。

 

アンブローン《我が名はアンブローン・ジウス。聖インサラウム王国の宰相(さいしょう)にして、次元科学の権威(けんい)よ》

 

セツコ『次元科学…!』

 

赤木『最小だが最大だか知らないが、皆の住んでた街にあんなものを置いて、どういうつもりだ!?』

 

シオニー『えっと、大きさのではなく特に君主に任せられて宮廷で国政を補佐する者の事を言うんですよ;』

 

名乗り上げるアンブローンにセツコが呟いた後に言った赤木にシオニーは訂正を入れる。

 

アンブローン《ZONEの事か…。まあ…おぬし達ではあれの意味はわから…》

 

AN『Zodiac Of New Energy…』

 

アンブローン《?!》

 

自信満々に言おうとしてANから出て来た言葉にアンブローンは驚愕する。

 

赤木『ぞ、ゾダイ?なんだ?』

 

ゼロ《ミスAN、先ほどのはZONEの正式名称か?》

 

いきなり出てきた言葉に誰もが呆気に取られるがゼロがすぐさま聞く。

 

AN『えぇ。パレス・インサラウムのコンピューターにハッキングしてわかりました』

 

デュオ『おま、今軽くとんでもない事を言ってね!?』

 

アルト『言ったな;』

 

ゼロ《(…色々と敵に回したくない事がホントに分かるな…)ならば運用の仕方も分かったのだろう?》

 

さらりと言うANにデュオが叫び、アルトも冷や汗を流す中で内心そう考えながらゼロは聞く。

 

AN『えぇ、この機械は次元力を…!』

 

説明しようしてノワールブラスタは向かって来た次元獣の攻撃を避ける。

 

アンブローン《まったくとんでもない子が居たもんだね。流石にこれ以上喋らせる訳にはいかないよ!いけいアダモン!!インサラウムの敵を全て食い尽くせ!!》

 

タケル『アダモン…!それがあの次元獣の名前か!』

 

アンブローンから出た単語にタケルが呟くと4体の次元獣、アダモンはノワールブラスタを狙う。

その後にパレス・インサラウムと残っていたアークセイバーはその場を去る。

 

AN『ちょ、さすがに四体同時は…っ!』

 

流石のANでも本能のが強いので獣独特の動きをするアダモン4体による同時攻撃を受けて吹き飛ぶ。

 

シオニー『ANさん!』

 

ディム・サー「AN様を守れ!」

 

ガブリン&ディム・サー「「ジークアァァァァァァァァァン!!」」

 

ゼロ《各員、ミスANが直したアークセイバー機と共にノワールブラスタを援護するのだ!》

 

それにすぐさまゼロが指示を出すとディム・サーとガブリンが牽制の射撃でアダモンの動きを止めるとダブルオーがノワールブラスタを抱えてその場を離れ、身動きの取れないアダモンにザンボット3とダンクーガノヴァ、キングゲイナーとDXがそれぞれが攻撃をしていき…

 

アポロ『無限!パァァァァァァァァァァァンチ!!』

 

ひと纏まりになった所をソーラーアクエリオンの放った無限パンチが炸裂して月まで飛ばされた後に撃墜を示す光が見える。

 

アポロ『よし!やったぜ!』

 

シオニー『大丈夫ですかANさん』

 

腕を突き上げるソーラーアクエリオンを尻目にシオニーはANへ話しかける。

それにANは頭をぶるぶる振った後にフーと息を吐く。

 

AN『えぇ、大丈夫です。それより早くZONEを…』

 

ゼロ《ならばどう止めるか教えてくれミスAN》

 

そう言うANにゼロはそうお願いする。

 

AN『それがそこまで調べれなかったんですよ…』

 

ゼロ《むぅ、そうなのか…》

 

佐伯《けっ、結局…あのZONEと言う装置…何の目的で作られたのでしょうか?》

 

ジェフリー《ミスAN、君はZONEの使用目的に関するのはハッキングした際に手に入れたのにあるだろうか?》

 

申し訳ない顔で言うANにゼロが唸る中で誰もが気にしてる事を呟く佐伯の後にジェフリーが聞く。

 

AN『えぇ、多少はあります。でも今はこのZONEを破壊しないとマズイことに…!』

 

言ってる途中でANが言葉を切ってZONEを見る。

それと共にZONEの中央が輝く。

 

キャシー「ZONEに異常なエネルギー反応!」

 

ボビー「何なの!?時空振動でも起きるの!?」

 

いきなりの事に誰もが輝くZONEを見る。

 

キャシー「周辺の次元境界線は規定値以内です!ですが、ZONEを中心とした一帯に異常が…」

 

AN『くっ!起動してしまいましたか!』

 

キャシー「周辺の物体が徐々にですが粉々に…砂になってます!」

 

ジェフリー《AN君、今起きてる事がZONEが起動した結果なのか!》

 

呻くANの後のキャシーの報告を聞いてジェフリーは聞く。

 

AN『ええ、このままでは世界が終わってしまいます』

 

シン『世界が終わる!?』

 

出て来た言葉にシンや他のメンバーは驚く。

 

AN『あの機械、ZONEは次元力を…』

 

???『吸い付くしてその場所を死滅させるね』

 

説明しようとしたANのを遮って代わりに何者かが言う。

 

セツコ『!?その声は?!』

 

気づいたセツコの後に1つの黒い機体が現れる。

 

????『嬉しいよ、セツコ。また君と会う事が出来て』

 

セツコ『アサキム・ドーウィン!』

 

黒い機体、シュロウガからする声にセツコはその名を叫ぶ。

 

AN『誰ですかあれ』

 

シン『セツコさんやクロウの持ってるスフィアを狙って現れる男だ!』

 

シュロウガを見ながら聞くANにシンはデスティニーを動かしてバルゴラ・グローリーの前に出てアロンダイトを構える。

 

クロウ『それよりもアサキム!死滅させるってどういう事だ!』

 

アサキム『あれはこの大地と周辺の物質の存在…いわゆる生命を吸い出してるんだよ』

 

シン『物質の生命!?』

 

出て来た言葉に問うクロウへ答えたアサキムから出て来た言葉に誰もが驚く。

 

アサキム『事象が存在する力…。原理の力…オリジン・ロー…君達には次元力と言ったほうがいいかな』

 

セツコ『ZONEは次元力を抽出する装置…』

 

スメラギ「あのZONEの中央のレンズ部分…!全てDECだというの!」

 

説明するアサキムの言った事に誰もがZONEを見る。

 

AN『このままでは世界の四分の一が次元力を抽出されて滅びてしまいます!』

 

勝平『マジかよ!?』

 

アサキム『彼女の言う通りだよ。このままZONEが稼働すればね。彼等は禁忌(きんき)に手を染めた…それが何を意味するかも知らずにね』

 

最終的な結果を言うANに誰もが驚く中でアサキムはANの説明を肯定してそう呟く。

 

スメラギ《各機は攻撃を!》

 

ゼロ《全機は持てる火力の全てをZONEに叩きこめ!!》

 

その言葉と共に誰もが自分の機体の最大火力をZONEへと放つ。

 

ドドドドドーーーン!!!

 

ワッ太『これだけやれば…!?』

 

クラン『ウソだろ!?』

 

誰もが壊したと思った直後、爆風が収まると無傷のZONEが現れた事に驚く。

 

扇『ZONEは無傷だ!』

 

玉城『どうなってんだよ!?俺達の全力をぶち込んでるんだぞ!?』

 

無傷のZONEに扇と玉城は驚く。

 

アサキム『無駄だよ。あれは位相(いそう)が異なる次元に存在する…外部からの物理的な干渉は無意味だ』

 

そう言った後にだが…とアサキムは続ける。

 

アサキム『セツコ…。君ならば、あれを止める術がわかるだろう』

 

シン『なんでセツコさんが関係するんだよ!』

 

出て来た言葉にシンは噛み付く。

だがアサキムはそれを無視してセツコへ言う。

 

アサキム『僕を憎む気持ちに変わりないか…だけど、君は…君ならば今、自分がやるべき事が分かるはずだ。そうだろう悲しみの乙女?』

 

シン『っ!おいそれって!』

 

クロウ『セツコちゃん…あんたは…』

 

そう言うアサキムの言葉にシンは怒る中でクロウは先ほどのANへ答えたシンが言った事とアサキムの言動からもしやとバルゴラ・グローリーに乗るセツコを見る。

 

AN『? あのどういう事かわからないのですが』

 

シオニー『私も…』

 

セツコ『クロウさん…ZEUTHの皆から聞いてないんですね。私もあなたと同じスフィアの所有者です』

 

クロウ『あんたも…』

 

アサキム『まだまだだね、揺れる天秤…悲しみの乙女に気づかないなんて、やはり君はまだ、因子が足りない(そして彼女も…)』

 

読めない事にチンプンカンプンなANとシオニーを尻目にセツコの言った事に驚くクロウへアサキムはそう言った後に内心そう言って誰にも分からない程、チラリとある方向を一瞬見る。

 

AN『す、スフィア?』

 

ゼロ『我々も全体の把握は出来てないが特別な物らしく、アサキム・ドーウィンはそれを持つ者を狙ってるみたいだ』

 

またも出て来たのにハテナマークを浮かべるANにゼロは簡略に伝える。

 

クロウ『アサキム!お前、ZONEの止め方が分かるなら、それを教えろ!』

 

アサキム『その必要はないよ。悲しみの乙女は全てを理解している』

 

聞くクロウにアサキムはバルゴラ・グローリーを見てそう返す。

するとバルゴラ・グローリーがZONEへ近づく。

 

シン『!セツコさん!』

 

AN『なにをする気ですか!』

 

セツコ『バルゴラ・グローリーのスフィアの力でZONEを止めます!』

 

それに気づいた面々にセツコはそう言う。

 

シオニー『そんな事が出来るんですか!?』

 

セツコ『ZONEは次元力を抽出するのなら、スフィアが発する次元力を与え続ける事でその機能を封じる事が出来る筈です…』

 

驚いて聞くシオニーへセツコはそう答える。

 

AN『ちょっと待ってください!それっていわゆる人柱じゃないですか!』

 

カミーユ『そんな事したら、あなたが!?』

 

アポロ『早まるんじゃねよ!他に何か方法がある筈だ!!』

 

シン『アポロの言う通りだ!止めてくださいセツコさん!!』

 

それに驚いて言うANの後にカミーユとアポロも言い、シンもデスティニーでバルゴラ・グローリーの肩を掴んで言う。

だが、バルゴラ・グローリーはデスティニーの手を優しく退かして言う。

 

セツコ『…それはあなた達が探して』

 

クロウ『セツコちゃん!俺だってスフィアを持ってる!あんたの代わりに俺が…』

 

エスター『クロウ!?』

 

そう言うセツコにクロウは名乗り上げる。

 

セツコ『ありがとう、クロウさん…。でも…』

 

アサキム『君では因子が足りないんだよ、クロウ・ブルースト』

 

言おうとしたセツコを遮ってアサキムが変わりに答える。

 

クロウ『アサキム、貴様!!』

 

エイジ『待ってくれ、セツコさん!』

 

斗牙『もう一度、全員で攻撃する!それで…』

 

セツコ『…もう、時間がないから…』

 

怒鳴るクロウの後にエイジと斗牙が説得しようとするがセツコはそう言う。

 

エスター『セツコさん!』

 

クロウ『セツコーッ!!』

 

シン『止めてくれセツコさん!!』

 

セツコ『行こうか、バルゴラ・グローリー…』

 

3人が叫びを背にバルゴラ・グローリーはZONEの中央に移動した後にその体を光らせた後に周囲が光に包まれる。

 

セツコ『ごめんなさい…チーフ、トビー……ごめんね、シン君…』

 

そんな中で近くにいたシンにそう耳に入った。

 

光が収まると周囲から次元力を吸収するのを止めたZONEだけが残った。

バルゴラ・グローリーとセツコの姿はなかった。

 

誰もがZONEを見る中でふらふらとデスティニーはZONEに近づく。

 

そして…

 

ドゴーン!!!

 

ZONEの表面を殴る。

 

シン『くそ、くそ、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

アサキム『…フ…』

 

ビシュン!

 

アサキム『!』

 

AN『…』

 

デスティニーからのシンの悲痛なる叫びを背にアサキムはその場を去ろうとして飛んできた攻撃を避けると銃を構えたノワールブラスタが狙っていた。

 

アサキム『何のつもりかな?』

 

AN『もう少し貴方から情報を頂きたくてね』

 

聞くアサキムにANはそう答える。

 

アサキム『悪いが僕も忙しいからね。だからおいとまさせて貰うよ始まりの者』

 

AN『!?』

 

他のメンバーに繋げてない状態で出て来た言葉にANが驚いている間にシュロウガはその場を去って行く。

 

AN「…何故あいつが始祖のことを…」

 

シュロウガが去って行った方向を見ながらANは呟く。

アサキムの言葉が頭で渦巻く中で追って来た矢先で改めて自分が大きい事に巻き込まれたと認識するANであった。




機体説明

パールネシア
外見:パールネイルの白い所を水色にした感じ
概要
ANがシオニー・レジスの話からグレート・アクシオンの残骸を使って開発したシオニー専用ロボット
シオニーに合わせられた様に調整されていてAN曰くとても硬く防御力も強くしといたとの事
パールネイルの武装に両腰部分にAN曰く超硬い鉱石で作った実体剣を付けられている。

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